有価証券報告書-第73期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの感染拡大により社会・経済活動の制約が強まり、企業収益・雇用環境が急速に悪化するとともに、個人消費も大きく落ち込みました。2020年4月に発出された緊急事態宣言の解除後は、GoToトラベルやGoToイート等の政策効果もあり、経済活動に回復の兆しがみられたものの、年明け後には緊急事態宣言が再発出されるなど、感染は収束に向かわず、先行きにつきましても当面の間は不透明な状況が継続するものと思われます。
水産物卸売市場業界におきましては、同感染症の影響により、内食関連需要で一部伸長する商品がみられたものの、高単価商材をメインとする外食・観光関連需要の落ち込みは大きく、また水産資源の減少や魚の回遊水域の変化による漁獲量の減少、海外での需要増加による仕入価格の高止まり、さらに市場外流通の多様化による業態を超えた競争が継続するなど、引き続き厳しい事業環境で推移いたしました。
このような状況のなか当社グループは、新型コロナウイルス感染拡大防止のため取引先並びに従業員の安全を最優先としたうえで、同感染症の影響を最小限に留められるよう諸経費全般の見直し等一層の効率化に注力するとともに、引き続き市場環境や消費者ニーズの変化に対応した集荷・販売に努め、仕入先との協働、きめ細かい営業や販売先への協力、グループ会社間の連携、収益率を重視した効率的な取引に注力することにより、経営基盤の強化を図ってまいりました。
また、新型コロナウイルスの感染が拡大するなか消費者の健康意識や食の安全安心への意識が一層高まるとともに、取引先の要望も多様化してきており、これに応えるべく集荷・販売への機動性確保と、消費者の皆様の豊かで魅力的な食生活の創出を第一義に考えた商品提供に取り組んでまいりました。
2020年11月には中長期的な事業の拡大並びに企業価値の増大等を目的として株式会社麻生及び同社の完全子会社である合同会社ASTSホールディングスとの間で資本業務提携契約を締結いたしました。衛生管理面においては、昨年度取得したHACCPの考え方に基づく都の衛生管理の認証制度である東京都食品衛生自主管理認証を豊洲市場内の当社すべての売場において更新し、さらに食品安全マネジメントシステムに関する国際規格であるISO22000の2021年度上半期中の認証取得を目指し、体制の整備や審査を進めているところであります。
当連結会計年度の財政状態及び経営成績は次のとおりであります。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ971百万円増加の30,068百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ400百万円減少の11,804百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,371百万円増加の18,263百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高103,147百万円(前年同期比12.5%減)、営業利益1,439百万円(同7.0%増)、経常利益1,739百万円(同13.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,523百万円(同12.1%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
水産物卸売事業は、売上高97,014百万円(前年同期比12.4%減)、セグメント利益560百万円(同11.6%減)となりました。
冷蔵倉庫及びその関連事業は、売上高5,466百万円(同15.0%減)、セグメント利益645百万円(同33.5%増)となりました。
不動産賃貸事業は、売上高665百万円(同6.1%減)、セグメント利益234百万円(同3.2%増)となりました。
記載金額については、消費税等抜きで記載しております。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、仕入債務の減少があったものの、売上債権並びにたな卸資産の減少により、前連結会計年度末と比べ2,948百万円増加し、8,997百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果増加した資金は3,529百万円(前連結会計年度 資金の増加2,296百万円)となりました。これは主に売上債権並びにたな卸資産の減少によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果減少した資金は238百万円(前連結会計年度 資金の減少259百万円)となりました。これは主に無形固定資産の取得による支出によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果減少した資金は299百万円(前連結会計年度 資金の減少1,017百万円)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出によるものです。
なお、キャッシュ・フロー指標のトレンドは、以下のとおりであります。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
(注)自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
1.いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
3.キャッシュ・フローは営業キャッシュ・フローを利用しております。
4.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
③仕入及び販売の実績
a.仕入実績
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.本表卸売部門取扱品中受託品については売上高より卸売手数料を控除した金額を、また買付品については仕入金額をそれぞれ表示しました。
3.本表の金額には消費税等は含まれておりません。
b.販売実績
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.本表の金額には消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
②当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1) 財政状態
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ971百万円増加の30,068百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度に比べ945百万円増加の17,472百万円となりました。これは主に、受取手形及び売掛金が1,147百万円、商品及び製品が905百万円減少したものの、現金及び預金が2,901百万円増加したことによるものです。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ26百万円増加の12,596百万円となりました。
有形固定資産は、前連結会計年度末に比べ467百万円減少の7,461百万円となりました。これは主に、建物及び構築物、機械装置及び運搬具の減価償却費によるものです。
無形固定資産は、前連結会計年度末に比べ278百万円増加の2,438百万円となりました。これは主に、漁業権を取得したことによるものです。
投資その他の資産は、前連結会計年度末に比べ215百万円増加の2,695百万円となりました。これは主に、投資有価証券が保有株式の時価上昇により302百万円増加したことによるものです
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末と比べ400百万円減少の11,804百万円となりました。
流動負債は,前連結会計年度末に比べ437百万円減少の5,955百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金が361百万円、短期借入金が235百万円減少したことによるものです。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ37百万円増加の5,848百万円となりました。これは主に、退職給付に係る負債が198百万円減少したものの、長期借入金が223百万円増加したことによるものです。
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末と比べ1,371百万円増加の18,263百万円となりました。
株主資本は、前連結会計年度末に比べ1,264百万円増加の18,149百万円となりました。これは主に、利益剰余金が1,264百万円増加したことによるものです。この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の58.1%から60.7%となりました。
その他の包括利益累計額は、前連結会計年度末に比べ107百万円増加の114百万円となりました。これは主に、為替換算調整勘定が対カナダドルの為替レートが円高方向に進行したため206百万円減少したものの、その他有価証券評価差額金が保有有価証券の時価上昇により244百万円増加したことによるものです。
2) 経営成績
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、売上高につきましては前連結会計年度と比較して12.5%、14,710百万円減少の103,147百万円となりました。
売上総利益は、前連結会計年度と比較して9.1%、586百万円減少の5,846百万円となり、売上総利益率は5.67%となりました。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度と比較して13.4%、681百万円減少の4,407百万円となりました。これは主に、人件費及び販売諸経費の縮減によるものです。その結果、営業利益は前連結会計年度と比較して7.0%、94百万円増加の1,439百万円となりました。
営業外収益は、前連結会計年度と比較して49.7%、115百万円増加の348百万円となりました。これは主に、国内および海外のグループ各社が、新型コロナウイルス感染症の影響を被ることにより支給された助成金収入等によるものです。
営業外費用は、前連結会計年度と比較して16.1%、6百万円増加の47百万円となりました。
その結果、経常利益は前連結会計年度と比較して13.3%、203百万円増加の1,739百万円となりました。
特別利益として投資有価証券売却益18百万円、特別損失として投資有価証券評価損29百万円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度と比較して12.1%、164百万円増加の1,523百万円となりました。
3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの主なる事業は水産物卸売事業であります。当社グループの経営に影響を与える要因として、水産資源の減少による漁獲規制、国際価格の上昇による日本企業の「買い負け」及び市場外流通の増加等による取扱数量の減少が挙げられます。これらにつきましては、大手量販店等、新規取引先の開拓及び新規出荷者の開拓等、検討を行っております。また、当社海外事業部の積極的拡大や、2018年1月に出資を行った「波崎地区6次産業化推進プロジェクト」の運営会社である㈱トウスイを通じた取引の拡大、さらに、在外子会社のAERO TRADING CO.,LTD.(カナダ・バンクーバー市)において、北米・中国向け高単価商材のさらなる販売強化に努めるとともに、漁業権の積極的な取得を進めることによって集荷力の強化を図り、同社からの商材供給を通じたグループ全体の収益拡大も進めます。
前述の他に当社グループの経営に影響を与える要因は、「2.事業等のリスク」に記載の通りであります。これらにつきましてもリスクを回避すべく検討を行っております。
c.資本の財源及び流動性
運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入、製造費及び販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資や漁業権の取得等であります。
当社グループは事業運営上必要な流動性と資金の源泉を確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は5,584百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は8,997百万円となっております。
d.経営方針・経営戦略、経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、売上高だけではなく利益を重視した業績管理の徹底と一層のコストの削減及び効率性の高い投資により自己資本利益率(ROE)を現在の水準より向上させ、企業価値を高めることを目指しております。
当社グループの自己資本利益率(ROE)は前連結会計年度末と比較して、0.31ポイント増加の8.67%となりました。
当社グループが目標としておりました8.00%を達成することが出来ましたが、今後も更なる企業価値の向上に邁進していく所存でございます。
e.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
水産物卸売事業
当社グループの主要部門である水産物卸売事業におきましては、鮮魚はアジ・イワシが量販店への販売強化や家庭内消費の増加により、イカは単価安を積極的な集荷による取扱数量の増加で補い、それぞれ増収となり、ウニは外食需要減退の影響を最小限に留め数量、金額とも前年並を確保いたしました。他方ここ数年歴史的不漁が続いているサンマは、当期さらなる不漁に見舞われ大幅な減収となり、サバも全国的な不漁による影響により前年取扱金額を下回る結果となりました。主力商品のマグロは国内天然物を中心に飲食店等の営業自粛の影響を受け、前年取扱金額を下回る結果となりました。鮮魚全体では、水揚量の減少により取扱数量を減らす魚種がみられたことや、新型コロナウイルス感染症の影響による高単価商材の売上減少により、数量・金額とも前年を下回る結果となりました。
冷凍魚は、冷ギンダラが単価安のなか販売数量を伸ばすことができず、また、冷カニは資源量の減少と諸外国での消費の伸びによる単価の高止まりがあり、さらに、冷マグロや冷エビは外食需要減退の影響があり、それぞれ前年取扱金額を下回る結果となりました。他方、冷鮭鱒や冷カレイは家庭内消費増加の影響により、冷イカは当社海外事業部での取組強化により、それぞれ数量・金額とも前年を大幅に上回る結果となりました。冷凍魚全体では、内食関連需要増加の影響等で売上増となる魚種もみられましたが、外食需要減退の影響は大きく、数量・金額とも前年を下回る結果となりました。
塩干加工品は、秋鮭が量販店への積極的な働きかけと家庭内消費の増加により、ウナギ製品は稚魚であるシラスウナギの漁獲量回復による単価の値下がりがあり、それぞれ数量を伸ばし売上増となりました。また、練製品等加工食品は、販売先への積極的な営業に努めるとともに家庭内消費増加の影響もあり前年を上回る結果となりました。他方、イクラや筋子等の魚卵類は単価高が継続したことにより、また、干物類は飲食店向け販売が減少し、それぞれ前年取扱金額を下回る結果となりました。塩干加工品全体では、内食関連需要増加の影響等により増収となりました。
以上の結果、水産物卸売事業部門の当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ12.4%、13,702百万円減少の97,014百万円となりました。
セグメント利益は、前連結会計年度に比べ11.6%、73百万円減少の560百万円となりました。これは主に人件費の縮減及び貸倒引当金の戻入によるものです。
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ2,042百万円減少の9,556百万円となりました。これは主に売掛金の減少によるものです。
冷蔵倉庫及びその関連事業
冷蔵倉庫及びその関連事業部門の当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ15.0%、964百万円減少の5,466百万円となりました。これは主にAERO TRADING社(カナダ・バンクーバー市)の主力商材のひとつである鮭鱒類が漁獲規制の影響を受けたこと等によるものです。
セグメント利益は前連結会計年度に比べ33.5%、162百万円増加の645百万円となりました。
セグメント資産は、前連結会計年度に比べ320百万円増加の9,677百万円となりました。これは主に漁業権の取得による増加があったもののの減少によるものです。
不動産賃貸事業
不動産賃貸事業部門の当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ6.1%、43百万円減少の665百万円となりました。これは主に既存管理物件の稼働率低下によるものです。
セグメント利益は、前連結会計年度に比べ3.2%、7百万円増加の234百万円となりました。これは主に、賃貸原価の削減を進めたことによるものです。
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ108百万円減少の3,751百万円となりました。これは主に建物の減少によるものです。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの感染拡大により社会・経済活動の制約が強まり、企業収益・雇用環境が急速に悪化するとともに、個人消費も大きく落ち込みました。2020年4月に発出された緊急事態宣言の解除後は、GoToトラベルやGoToイート等の政策効果もあり、経済活動に回復の兆しがみられたものの、年明け後には緊急事態宣言が再発出されるなど、感染は収束に向かわず、先行きにつきましても当面の間は不透明な状況が継続するものと思われます。
水産物卸売市場業界におきましては、同感染症の影響により、内食関連需要で一部伸長する商品がみられたものの、高単価商材をメインとする外食・観光関連需要の落ち込みは大きく、また水産資源の減少や魚の回遊水域の変化による漁獲量の減少、海外での需要増加による仕入価格の高止まり、さらに市場外流通の多様化による業態を超えた競争が継続するなど、引き続き厳しい事業環境で推移いたしました。
このような状況のなか当社グループは、新型コロナウイルス感染拡大防止のため取引先並びに従業員の安全を最優先としたうえで、同感染症の影響を最小限に留められるよう諸経費全般の見直し等一層の効率化に注力するとともに、引き続き市場環境や消費者ニーズの変化に対応した集荷・販売に努め、仕入先との協働、きめ細かい営業や販売先への協力、グループ会社間の連携、収益率を重視した効率的な取引に注力することにより、経営基盤の強化を図ってまいりました。
また、新型コロナウイルスの感染が拡大するなか消費者の健康意識や食の安全安心への意識が一層高まるとともに、取引先の要望も多様化してきており、これに応えるべく集荷・販売への機動性確保と、消費者の皆様の豊かで魅力的な食生活の創出を第一義に考えた商品提供に取り組んでまいりました。
2020年11月には中長期的な事業の拡大並びに企業価値の増大等を目的として株式会社麻生及び同社の完全子会社である合同会社ASTSホールディングスとの間で資本業務提携契約を締結いたしました。衛生管理面においては、昨年度取得したHACCPの考え方に基づく都の衛生管理の認証制度である東京都食品衛生自主管理認証を豊洲市場内の当社すべての売場において更新し、さらに食品安全マネジメントシステムに関する国際規格であるISO22000の2021年度上半期中の認証取得を目指し、体制の整備や審査を進めているところであります。
当連結会計年度の財政状態及び経営成績は次のとおりであります。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ971百万円増加の30,068百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ400百万円減少の11,804百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,371百万円増加の18,263百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高103,147百万円(前年同期比12.5%減)、営業利益1,439百万円(同7.0%増)、経常利益1,739百万円(同13.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,523百万円(同12.1%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
水産物卸売事業は、売上高97,014百万円(前年同期比12.4%減)、セグメント利益560百万円(同11.6%減)となりました。
冷蔵倉庫及びその関連事業は、売上高5,466百万円(同15.0%減)、セグメント利益645百万円(同33.5%増)となりました。
不動産賃貸事業は、売上高665百万円(同6.1%減)、セグメント利益234百万円(同3.2%増)となりました。
記載金額については、消費税等抜きで記載しております。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、仕入債務の減少があったものの、売上債権並びにたな卸資産の減少により、前連結会計年度末と比べ2,948百万円増加し、8,997百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果増加した資金は3,529百万円(前連結会計年度 資金の増加2,296百万円)となりました。これは主に売上債権並びにたな卸資産の減少によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果減少した資金は238百万円(前連結会計年度 資金の減少259百万円)となりました。これは主に無形固定資産の取得による支出によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果減少した資金は299百万円(前連結会計年度 資金の減少1,017百万円)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出によるものです。
なお、キャッシュ・フロー指標のトレンドは、以下のとおりであります。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
| 第69期 2017年3月期 | 第70期 2018年3月期 | 第71期 2019年3月期 | 第72期 2020年3月期 | 第73期 2021年3月期 | |
| 自己資本比率(%) | 55.4 | 54.1 | 53.5 | 58.1 | 60.7 |
| 時価ベースの自己資本比率(%) | 28.3 | 27.4 | 31.4 | 35.1 | 57.7 |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) | 5.1 | 9.7 | 3.4 | 2.4 | 1.6 |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | 31.1 | 21.9 | 60.4 | 86.9 | 132.0 |
(注)自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
1.いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
3.キャッシュ・フローは営業キャッシュ・フローを利用しております。
4.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
③仕入及び販売の実績
a.仕入実績
| セグメントの名称 | 取引区分 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | ||
| 数量(屯) | 金額(百万円) | 前年同期比(%) | ||
| 水産物卸売事業 | 受託品 | 21,389 | 20,369 | 80.7 |
| 買付品 | 96,748 | 70,794 | 89.8 | |
| 水産物卸売事業計 | 118,138 | 91,163 | 87.6 | |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.本表卸売部門取扱品中受託品については売上高より卸売手数料を控除した金額を、また買付品については仕入金額をそれぞれ表示しました。
3.本表の金額には消費税等は含まれておりません。
b.販売実績
| セグメントの名称 | 取引区分 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | ||
| 数量(屯) | 金額(百万円) | 前年同期比(%) | ||
| 水産物卸売事業 | 受託品 | 21,389 | 21,554 | 80.7 |
| 買付品 | 97,700 | 75,459 | 89.8 | |
| 水産物卸売事業計 | 119,090 | 97,014 | 87.6 | |
| 冷蔵倉庫及びその関連事業 | - | - | 5,466 | 85.0 |
| 不動産賃貸事業 | - | - | 665 | 93.9 |
| 合計 | 119,090 | 103,147 | 87.5 | |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.本表の金額には消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
②当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1) 財政状態
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ971百万円増加の30,068百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度に比べ945百万円増加の17,472百万円となりました。これは主に、受取手形及び売掛金が1,147百万円、商品及び製品が905百万円減少したものの、現金及び預金が2,901百万円増加したことによるものです。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ26百万円増加の12,596百万円となりました。
有形固定資産は、前連結会計年度末に比べ467百万円減少の7,461百万円となりました。これは主に、建物及び構築物、機械装置及び運搬具の減価償却費によるものです。
無形固定資産は、前連結会計年度末に比べ278百万円増加の2,438百万円となりました。これは主に、漁業権を取得したことによるものです。
投資その他の資産は、前連結会計年度末に比べ215百万円増加の2,695百万円となりました。これは主に、投資有価証券が保有株式の時価上昇により302百万円増加したことによるものです
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末と比べ400百万円減少の11,804百万円となりました。
流動負債は,前連結会計年度末に比べ437百万円減少の5,955百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金が361百万円、短期借入金が235百万円減少したことによるものです。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ37百万円増加の5,848百万円となりました。これは主に、退職給付に係る負債が198百万円減少したものの、長期借入金が223百万円増加したことによるものです。
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末と比べ1,371百万円増加の18,263百万円となりました。
株主資本は、前連結会計年度末に比べ1,264百万円増加の18,149百万円となりました。これは主に、利益剰余金が1,264百万円増加したことによるものです。この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の58.1%から60.7%となりました。
その他の包括利益累計額は、前連結会計年度末に比べ107百万円増加の114百万円となりました。これは主に、為替換算調整勘定が対カナダドルの為替レートが円高方向に進行したため206百万円減少したものの、その他有価証券評価差額金が保有有価証券の時価上昇により244百万円増加したことによるものです。
2) 経営成績
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、売上高につきましては前連結会計年度と比較して12.5%、14,710百万円減少の103,147百万円となりました。
売上総利益は、前連結会計年度と比較して9.1%、586百万円減少の5,846百万円となり、売上総利益率は5.67%となりました。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度と比較して13.4%、681百万円減少の4,407百万円となりました。これは主に、人件費及び販売諸経費の縮減によるものです。その結果、営業利益は前連結会計年度と比較して7.0%、94百万円増加の1,439百万円となりました。
営業外収益は、前連結会計年度と比較して49.7%、115百万円増加の348百万円となりました。これは主に、国内および海外のグループ各社が、新型コロナウイルス感染症の影響を被ることにより支給された助成金収入等によるものです。
営業外費用は、前連結会計年度と比較して16.1%、6百万円増加の47百万円となりました。
その結果、経常利益は前連結会計年度と比較して13.3%、203百万円増加の1,739百万円となりました。
特別利益として投資有価証券売却益18百万円、特別損失として投資有価証券評価損29百万円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度と比較して12.1%、164百万円増加の1,523百万円となりました。
3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの主なる事業は水産物卸売事業であります。当社グループの経営に影響を与える要因として、水産資源の減少による漁獲規制、国際価格の上昇による日本企業の「買い負け」及び市場外流通の増加等による取扱数量の減少が挙げられます。これらにつきましては、大手量販店等、新規取引先の開拓及び新規出荷者の開拓等、検討を行っております。また、当社海外事業部の積極的拡大や、2018年1月に出資を行った「波崎地区6次産業化推進プロジェクト」の運営会社である㈱トウスイを通じた取引の拡大、さらに、在外子会社のAERO TRADING CO.,LTD.(カナダ・バンクーバー市)において、北米・中国向け高単価商材のさらなる販売強化に努めるとともに、漁業権の積極的な取得を進めることによって集荷力の強化を図り、同社からの商材供給を通じたグループ全体の収益拡大も進めます。
前述の他に当社グループの経営に影響を与える要因は、「2.事業等のリスク」に記載の通りであります。これらにつきましてもリスクを回避すべく検討を行っております。
c.資本の財源及び流動性
運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入、製造費及び販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資や漁業権の取得等であります。
当社グループは事業運営上必要な流動性と資金の源泉を確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は5,584百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は8,997百万円となっております。
d.経営方針・経営戦略、経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、売上高だけではなく利益を重視した業績管理の徹底と一層のコストの削減及び効率性の高い投資により自己資本利益率(ROE)を現在の水準より向上させ、企業価値を高めることを目指しております。
当社グループの自己資本利益率(ROE)は前連結会計年度末と比較して、0.31ポイント増加の8.67%となりました。
当社グループが目標としておりました8.00%を達成することが出来ましたが、今後も更なる企業価値の向上に邁進していく所存でございます。
e.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
水産物卸売事業
当社グループの主要部門である水産物卸売事業におきましては、鮮魚はアジ・イワシが量販店への販売強化や家庭内消費の増加により、イカは単価安を積極的な集荷による取扱数量の増加で補い、それぞれ増収となり、ウニは外食需要減退の影響を最小限に留め数量、金額とも前年並を確保いたしました。他方ここ数年歴史的不漁が続いているサンマは、当期さらなる不漁に見舞われ大幅な減収となり、サバも全国的な不漁による影響により前年取扱金額を下回る結果となりました。主力商品のマグロは国内天然物を中心に飲食店等の営業自粛の影響を受け、前年取扱金額を下回る結果となりました。鮮魚全体では、水揚量の減少により取扱数量を減らす魚種がみられたことや、新型コロナウイルス感染症の影響による高単価商材の売上減少により、数量・金額とも前年を下回る結果となりました。
冷凍魚は、冷ギンダラが単価安のなか販売数量を伸ばすことができず、また、冷カニは資源量の減少と諸外国での消費の伸びによる単価の高止まりがあり、さらに、冷マグロや冷エビは外食需要減退の影響があり、それぞれ前年取扱金額を下回る結果となりました。他方、冷鮭鱒や冷カレイは家庭内消費増加の影響により、冷イカは当社海外事業部での取組強化により、それぞれ数量・金額とも前年を大幅に上回る結果となりました。冷凍魚全体では、内食関連需要増加の影響等で売上増となる魚種もみられましたが、外食需要減退の影響は大きく、数量・金額とも前年を下回る結果となりました。
塩干加工品は、秋鮭が量販店への積極的な働きかけと家庭内消費の増加により、ウナギ製品は稚魚であるシラスウナギの漁獲量回復による単価の値下がりがあり、それぞれ数量を伸ばし売上増となりました。また、練製品等加工食品は、販売先への積極的な営業に努めるとともに家庭内消費増加の影響もあり前年を上回る結果となりました。他方、イクラや筋子等の魚卵類は単価高が継続したことにより、また、干物類は飲食店向け販売が減少し、それぞれ前年取扱金額を下回る結果となりました。塩干加工品全体では、内食関連需要増加の影響等により増収となりました。
以上の結果、水産物卸売事業部門の当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ12.4%、13,702百万円減少の97,014百万円となりました。
セグメント利益は、前連結会計年度に比べ11.6%、73百万円減少の560百万円となりました。これは主に人件費の縮減及び貸倒引当金の戻入によるものです。
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ2,042百万円減少の9,556百万円となりました。これは主に売掛金の減少によるものです。
冷蔵倉庫及びその関連事業
冷蔵倉庫及びその関連事業部門の当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ15.0%、964百万円減少の5,466百万円となりました。これは主にAERO TRADING社(カナダ・バンクーバー市)の主力商材のひとつである鮭鱒類が漁獲規制の影響を受けたこと等によるものです。
セグメント利益は前連結会計年度に比べ33.5%、162百万円増加の645百万円となりました。
セグメント資産は、前連結会計年度に比べ320百万円増加の9,677百万円となりました。これは主に漁業権の取得による増加があったもののの減少によるものです。
不動産賃貸事業
不動産賃貸事業部門の当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ6.1%、43百万円減少の665百万円となりました。これは主に既存管理物件の稼働率低下によるものです。
セグメント利益は、前連結会計年度に比べ3.2%、7百万円増加の234百万円となりました。これは主に、賃貸原価の削減を進めたことによるものです。
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ108百万円減少の3,751百万円となりました。これは主に建物の減少によるものです。