有価証券報告書-第106期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大により前半は大きく落ち込んだものの、中国では早期に経済活動が再開するなどエリアによる違いはありますが、足元では徐々に回復傾向がみられるようになりました。日本経済においては、活動制限により観光・旅行・飲食業界などは大きな打撃となりましたが、巣ごもり需要などによる消費構造の変化への適応が進んだ企業の業績が上向くなど一部の業界は好調に推移しました。
当社グループがビジネスを展開する地域においては、グレーターチャイナでは新型コロナウイルス感染症拡大前の水準まで回復しております。また、米州やアセアンは段階的な経済活動の再開や景気刺激策により回復の加速が期待されるものの、日本においては繰り返し発出される緊急事態宣言により経済活動の再開は限定的なものとなっております。各国での経済回復状況はワクチン普及への対応など感染拡大防止への取り組みにより濃淡がみられますが、地域によっては感染拡大のペースが再加速するなど、依然として先行きは不透明な状況です。
当社グループの業績への影響については、第1四半期連結会計期間においては自動車関連ビジネスを中心に相当程度の影響を受けましたが、第2四半期連結会計期間以降はテレワーク需要等を背景としたエレクトロニクス関連ビジネス・樹脂ビジネスの回復があったこと等から、全体として影響は限定的なものとなりました。
このような状況の下、当連結会計年度の業績は、国内販売は3,631億6千万円(前年比△9.8%)、海外販売は4,670億7千万円(同+17.6%)となった結果、売上高は8,302億4千万円(同+3.8%)となりました。
利益面につきましては、Prinovaグループの高い収益性が寄与し、売上総利益は1,146億円(同+9.2%)となりました。営業利益は、デジタルトランスフォーメーション(DX)推進等の持続的な成長のための費用の増加があったものの、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた活動自粛による費用減少等があったことから219億1千万円(同+14.3%)となり、経常利益は228億5千万円(同+19.8%)、親会社株主に帰属する当期純利益は188億2千万円(同+24.3%)となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
機能素材
機能素材につきましては、足元は回復基調にあるものの、特に上期において新型コロナウイルス感染症の拡大により、グレーターチャイナを除くすべての地域において自動車生産台数が減少した影響等を受けたことから、国内・海外ともに売上は減少しました。
機能化学品事業は、自動車生産台数の減少により、塗料原料およびウレタン原料の売上が減少したことから、事業全体として売上は減少しました。
スペシャリティケミカル事業は、半導体関連等の電子業界向けを中心としたエレクトロニクスケミカルの売上は堅調に推移したものの、自動車業界の低調の影響を大きく受けて加工油剤原料や樹脂原料の売上が減少したことから、事業全体として売上は減少しました。
この結果、売上高は1,551億6千万円と前連結会計年度に比べ、141億5千万円(△8.4%)の減収となりました。営業利益は48億8千万円と前連結会計年度に比べ、4億7千万円(△8.9%)の減益となりました。
加工材料
加工材料につきましては、国内における売上は減少したものの、海外における売上は増加したことから、全体として売上は微増となりました。
カラー&プロセシング事業は、国内、米州および欧州において情報印刷関連材料の売上が大幅に減少し、また顔料・添加剤、工業用・包装材料用の合成樹脂および導電材料の売上が減少したことから、事業全体として売上は減少しました。
OA・ゲーム機器業界への合成樹脂の販売を中心とするポリマーグローバルアカウント事業は、国内における売上は減少したものの、樹脂ビジネスを中心に需要の回復と市況価格の上昇により海外における売上は増加したことから、事業全体として売上は増加しました。
この結果、売上高は2,691億5千万円と前連結会計年度に比べ、20億7千万円(+0.8%)の増収となりました。一方、営業利益は主に情報印刷関連材料ビジネスの市況下落による収益性悪化の影響を受け、73億1千万円と前連結会計年度に比べ、12億1千万円(△14.2%)の減益となりました。
電子
電子につきましては、ディスプレイ材料関連、装置関連の売上が減少したものの、半導体中間工程用の精密加工関連、変性エポキシ樹脂関連の売上が増加したことにより、事業全体として売上は増加となりました。
この結果、売上高は1,195億9千万円と前連結会計年度に比べ、44億6千万円(+3.9%)の増収となりました。営業利益は増収に加えて一部の製造子会社の収益性の改善等により、87億4千万円と前連結会計年度に比べ、33億5千万円(+62.1%)の増益となりました。
(注)電子セグメントは、2021年4月1日より電子・エネルギーセグメントに名称変更しております。
モビリティ・エネルギー
モビリティソリューションズ事業は、新型コロナウイルス感染症の影響により、グレーターチャイナを除くすべての地域において自動車生産台数が減少し、国内におけるカーエレクトロニクス関連部材、グレーターチャイナを除くすべての地域における樹脂ビジネスの売上が減少したことから、国内・海外ともに売上は減少しました。
この結果、売上高は1,115億3千万円と前連結会計年度に比べ144億6千万円(△11.5%)の減収となりました。営業利益は15億4千万円と前連結会計年度に比べ、3億4千万円(△18.4%)の減益となりました。
(注)モビリティ・エネルギーセグメントは、2021年4月1日よりモビリティセグメントに名称変更しております。
生活関連
生活関連につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた需要の減少等により国内での売上は減少したものの、前第2四半期連結会計期間に買収したPrinovaグループの売上が当連結会計年度においては通期で寄与したことから、海外での売上は増加し、全体として売上は大幅に増加しました。
新設したフード イングリディエンツ事業は、食品素材分野においてトレハ®等の国内での売上が減少しましたが、Prinovaグループの売上が増加したことから、事業全体として売上は大幅に増加しました。
ライフ&ヘルスケア製品事業は、医療・医薬分野における医薬品原料・中間体、医用材料の売上、化粧品・トイレタリー分野における衛生商品関連原料の売上は増加しました。一方、スキンケア分野におけるAA2G®の国内・海外での売上の減少や、製造子会社を売却したことによる医療・医薬分野における製剤事業の売上の減少により、事業全体として、売上は減少しました。
この結果、売上高は1,744億5千万円と前連結会計年度に比べ、529億円(+43.5%)の増収となりました。営業利益は65億1千万円と前連結会計年度に比べ、25億3千万円(+63.9%)の増益となりました。
その他
特記すべき事項はありません。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末の流動資産は、現預金の減少等があったものの、売掛金およびたな卸資産の増加等により、前連結会計年度末に比べ、223億9千万円増加の4,017億5千万円となりました。固定資産は、無形固定資産の償却による減少および一部国内子会社の連結除外による有形固定資産の減少があったものの、保有株式の時価上昇による投資有価証券の増加等により、前連結会計年度末に比べ67億1千万円増加の2,388億3千万円となりました。この結果、総資産は前連結会計年度末に比べ291億円増加の6,405億8千万円となりました。
負債は、コマーシャル・ペーパーの減少があったものの、買掛金の増加等により前連結会計年度末に比べ39億2千万円増加の3,021億5千万円となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益188億2千万円の計上やその他有価証券評価差額金の増加等により、前連結会計年度末に比べ251億8千万円増加の3,384億3千万円となりました。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の49.9%から1.6ポイント増加し、51.5%となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、営業活動による資金の増加203億9千万円、投資活動による資金の増加26億4千万円、財務活動による資金の減少258億6千万円に換算差額による資金の増加等を加味した結果、前連結会計年度末と比べ19億1千万円(△3.8%)減少し、485億5千万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度末における営業活動による資金の増加額は、203億9千万円となりました。これは、運転資本の増加による資金の減少100億5千万円があったものの、税金等調整前当期純利益292億7千万円があったこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度末における投資活動による資金の増加額は、26億4千万円となりました。これは、有形固定資産の取得による支出88億6千万円および投資有価証券の取得による支出32億6千万円があったものの、連結範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入80億1千万円および投資有価証券の売却による収入60億2千万円があったこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度末における財務活動による資金の減少額は、258億6千万円となりました。これは、長期借入による収入43億5千万円があったものの、コマーシャル・ペーパーの純減少220億円および配当金の支払54億5千万円があったこと等によるものです。
④ 販売の状況
「① 経営成績の状況」および「第5経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照願います。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
① 重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に際し、資産、負債、収益、費用の報告数値に影響を与える見積りおよび仮定を用いておりますが、見積り特有の不確実性があるためこれらの見積りおよび仮定に基づく数値と実際の結果は異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響に関する会計上の見積りへの反映については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記情報(追加情報)」および「第5 経理の状況 2財務諸表等 (1)財務諸表 注記情報(追加情報)」に記載したとおりであります。
・ 有形固定資産および無形固定資産の減損評価
当社は、のれんを含む有形・無形固定資産の価値が毀損していないかどうかを確認するために、各資産または資産グループの減損兆候の有無を調査した上で、割引前将来キャッシュ・フローに基づき減損損失の認識の判定を行っております。その結果、減損損失の認識が必要と判断された場合には、資産の帳簿価額のうち回収不能部分について減損損失を計上しております。
この減損損失の認識・測定に用いる将来キャッシュ・フローの基礎となる事業計画や使用価値の算定に用いる割引率等は、その性質上会計上の判断や仮定を伴うものでありますが、割引前将来キャッシュ・フローや回収可能価額の下落を引き起こすような事業環境の変化により見積りの見直しが必要になった場合には、追加的な減損損失が発生する可能性があります。
当連結会計年度においては、加工材料セグメントの情報印刷関連材料ビジネスに属するカラーフォーマ―製造事業用資産(主に連結子会社 福井山田化学工業㈱が保有)について、製品の需給バランスが崩れたことにより事業環境が急速に悪化したことに伴い、将来の販売単価や原材料単価等を見直した結果、回収可能価額が下落し減損損失を計上致しました。詳細については「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記情報(連結損益計算書関連)および (セグメント情報等) 関連情報 報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報」をご参照下さい。
・ 繰延税金資産の回収可能性の判断
繰延税金資産は、事業計画に基づき納税主体毎の将来の課税所得の見積りを行った上で、将来の税金支払額を軽減する効果が認められる範囲において計上しております。したがって、将来の課税所得が大きく減少するような事業環境の変化が生じた場合には、繰延税金資産を取崩し、当該期間の税金費用を増加させる可能性があります。
・ 退職給付に係る負債および資産の測定
当社グループの従業員に対する確定給付型退職給付制度について、退職給付債務と年金資産の差額を連結貸借対照表上退職給付に係る負債(または資産)に計上しております。退職給付債務は、簡便法を採用している場合を除き、退職率、死亡率、割引率等の基礎率を設定して算定しますが、特に割引率が重要な仮定であります。割引率は安全性の高い債券(一定格付以上の社債)の利回りを基礎として適宜見直しを行っております。なお、当連結会計年度末では0.8%(加重平均値)を設定しています。
年金資産に係る主な仮定は長期期待運用収益率であり、現在および予想される年金資産の配分と、年金資産を構成する多様な資産からの現在および将来期待される長期の収益率を考慮して適宜見直しを行っております。なお、当連結会計年度末では2.0%を設定しております。
この割引率を含む基礎率を見直した場合や、見積りと実績に差額が生じた場合は数理計算上の差異が発生し、主に発生時の翌連結会計年度に全額費用処理しております。従って、多額の数理計算上の差異が発生した場合には、将来の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。詳細については「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記情報(退職給付関係)」をご参照下さい。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。なお、下記文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
A)財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等につきましては、新型コロナウイルス感染症による需要と市況の下落の影響により第1四半期は全体的に落ち込みました。しかしながら、中国において早期に経済活動が再開されたこと、第2四半期以降においてはテレワーク需要等による合成樹脂ビジネスやエレクトロニクスビジネス等が徐々に回復したこと、更に下半期以降の自動車業界の復調により自動車関連ビジネスが回復したことから、全体としては当初想定していた業績を上回る結果となりました。
その他の新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う活動制限による影響としましては、インバウンド消費の落ち込みから、土産物や香粧品の需要が減少し、㈱林原においては主力商品であるトレハ®やAA2G®の販売が減少しました。また、コンサートや飛行機などの交通機関のチケット類に使用される情報印刷関連ビジネス製品の販売が大きく減少しました。一方、活動制限により経費執行が抑制されたことから、中長期的な成長に向けた先端技術投資に関連する費用の増加が吸収され、利益を押し上げる一因となりました。※ 当連結会計年度の経営成績等の詳細については、 「(1)経営成績等の状況の概況 ①経営成績の状況 ②財政状態の状況 ③キャッシュ・フローの状況 ④販売の状況」をご参照ください。
事業ポートフォリオの観点では、前年度に子会社化したPrinovaグループの高い収益性が通年で業績に貢献し、「注力地域」である欧米地域や「注力領域」であるライフ&ヘルスケア分野が伸長したことで、ポートフォリオの最適化および不況耐性の強化が進みました。今後は、㈱林原の製品をはじめとするNAGASEグループ製品の欧米での販売、NAGASEグループのアジアチャネル利用によるPrinovaグループ製品の拡販など、シナジー効果が期待される施策を進めてまいります。もう一つの「注力領域」であるエレクトロニクス分野は、当連結会計年度の業績は期初の見込みを上回ったものの、「ACE-2020」策定時の前提と外部環境が乖離しており、戦略の見直しが必要であると認識しております。対策として第4四半期より新たに「機能樹脂事業部」と「精密加工材料事業部」の2つの事業部を新設し、従来の商社機能に加え、グループの開発・製造・販売体制を一層強化して市場志向と技術基盤を融合し、中長期視点での新たなビジネスを開拓してまいります。
また、政策保有株の売却やベストオーナーの観点での一部事業の入れ替えを行い、特別利益を計上しています。なお、ここから得られた資金は将来に向けた成長投資や株主還元等に効果的・効率的に活用してまいります。
成長投資の観点では、デジタルトランスフォーメーション(DX)・先端技術関連投資・研究開発関連投資等、中長期的な成長に向けた新しいビジネスモデルの構築に必要な投資を継続しております。MI(マテリアルズ・インフォマティクス)分野においては、新材料探索プラットフォーム「TABRASA」のサービス提供を開始したことを始めとする、イノベーションの推進をサポートする新たなビジネスモデルの構築が進んだことを評価しております。
B)当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因
「2.事業等のリスク」をご参照ください。
C)当社グループの資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要は商品の仕入、製造費、販売費、研究開発などの一般管理費、設備投資、デジタルマーケティングなどへの新規成長投資、M&Aによる株式や営業権取得が主なものです。持続的成長の実現に向け、これらの資金需要に対応するための安定的かつ機動的な資金の確保は重要な戦略と考えています。
資本の財源としましては、営業活動によるキャッシュ・フローに加え、資金調達手段として金融機関からの借入の実施、社債並びにコマーシャル・ペーパーの機動的な発行による資本市場からの調達など、多様化を図りながらバランスの良い調達を実施しております。
また、金融・資本市場における不測の事態や急な資金需要が発生した場合に備え、複数の金融機関と長期・短期のコミットメントライン契約を締結し流動性を確保しております。
当社グループの資金管理については日本国内における当社と国内子会社間において日本円を、中国国内の現地法人間において人民元およびUSドルを、また米国と一部アジア地区およびメキシコにおける現地法人間においてUSドルのキャッシュ・マネジメント・システムを導入しており、資金の効率化を図ることで、流動性確保と金融費用の削減に努めております。
本報告書提出時点における格付けについては、株式会社格付投資情報センター(R&I)から発行体格付と長期債格付ともに「A」(シングルAフラット)を、短期格付で「a-1」(aワン)を取得しており、また取引先金融機関とは良好な関係を維持しております。
現状の資金調達および資金繰りに問題はないと認識しておりますが、新型コロナウイルス感染症の更なる拡大などで当社グループのビジネスに影響が及ぶ場合は、手元流動性を厚めに保有するなどの手段を講じる場合があります。
D)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況について
中期経営計画「ACE-2020」における重要指標は以下の通りです。
当社グループでは資本効率性の改善を課題としており、ROEを重要な指標として位置付けております。中期経営計画「ACE-2020」の最終年度におけるROEは5.9%となり、概ね目標を達成しました。売上高や利益の絶対値については目標未達となりましたが、収益性の改善やポートフォリオの最適化など、「ACE-2020」で掲げた施策については一定の効果があったと考えております。次期中計ACE 2.0においても引き続き資本効率性の改善を図ってまいります。
なお、その他の主要な指標については、「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(1)前中期経営計画「ACE-2020」総括」をご参照ください。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大により前半は大きく落ち込んだものの、中国では早期に経済活動が再開するなどエリアによる違いはありますが、足元では徐々に回復傾向がみられるようになりました。日本経済においては、活動制限により観光・旅行・飲食業界などは大きな打撃となりましたが、巣ごもり需要などによる消費構造の変化への適応が進んだ企業の業績が上向くなど一部の業界は好調に推移しました。
当社グループがビジネスを展開する地域においては、グレーターチャイナでは新型コロナウイルス感染症拡大前の水準まで回復しております。また、米州やアセアンは段階的な経済活動の再開や景気刺激策により回復の加速が期待されるものの、日本においては繰り返し発出される緊急事態宣言により経済活動の再開は限定的なものとなっております。各国での経済回復状況はワクチン普及への対応など感染拡大防止への取り組みにより濃淡がみられますが、地域によっては感染拡大のペースが再加速するなど、依然として先行きは不透明な状況です。
当社グループの業績への影響については、第1四半期連結会計期間においては自動車関連ビジネスを中心に相当程度の影響を受けましたが、第2四半期連結会計期間以降はテレワーク需要等を背景としたエレクトロニクス関連ビジネス・樹脂ビジネスの回復があったこと等から、全体として影響は限定的なものとなりました。
このような状況の下、当連結会計年度の業績は、国内販売は3,631億6千万円(前年比△9.8%)、海外販売は4,670億7千万円(同+17.6%)となった結果、売上高は8,302億4千万円(同+3.8%)となりました。
利益面につきましては、Prinovaグループの高い収益性が寄与し、売上総利益は1,146億円(同+9.2%)となりました。営業利益は、デジタルトランスフォーメーション(DX)推進等の持続的な成長のための費用の増加があったものの、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた活動自粛による費用減少等があったことから219億1千万円(同+14.3%)となり、経常利益は228億5千万円(同+19.8%)、親会社株主に帰属する当期純利益は188億2千万円(同+24.3%)となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
機能素材
機能素材につきましては、足元は回復基調にあるものの、特に上期において新型コロナウイルス感染症の拡大により、グレーターチャイナを除くすべての地域において自動車生産台数が減少した影響等を受けたことから、国内・海外ともに売上は減少しました。
機能化学品事業は、自動車生産台数の減少により、塗料原料およびウレタン原料の売上が減少したことから、事業全体として売上は減少しました。
スペシャリティケミカル事業は、半導体関連等の電子業界向けを中心としたエレクトロニクスケミカルの売上は堅調に推移したものの、自動車業界の低調の影響を大きく受けて加工油剤原料や樹脂原料の売上が減少したことから、事業全体として売上は減少しました。
この結果、売上高は1,551億6千万円と前連結会計年度に比べ、141億5千万円(△8.4%)の減収となりました。営業利益は48億8千万円と前連結会計年度に比べ、4億7千万円(△8.9%)の減益となりました。
加工材料
加工材料につきましては、国内における売上は減少したものの、海外における売上は増加したことから、全体として売上は微増となりました。
カラー&プロセシング事業は、国内、米州および欧州において情報印刷関連材料の売上が大幅に減少し、また顔料・添加剤、工業用・包装材料用の合成樹脂および導電材料の売上が減少したことから、事業全体として売上は減少しました。
OA・ゲーム機器業界への合成樹脂の販売を中心とするポリマーグローバルアカウント事業は、国内における売上は減少したものの、樹脂ビジネスを中心に需要の回復と市況価格の上昇により海外における売上は増加したことから、事業全体として売上は増加しました。
この結果、売上高は2,691億5千万円と前連結会計年度に比べ、20億7千万円(+0.8%)の増収となりました。一方、営業利益は主に情報印刷関連材料ビジネスの市況下落による収益性悪化の影響を受け、73億1千万円と前連結会計年度に比べ、12億1千万円(△14.2%)の減益となりました。
電子
電子につきましては、ディスプレイ材料関連、装置関連の売上が減少したものの、半導体中間工程用の精密加工関連、変性エポキシ樹脂関連の売上が増加したことにより、事業全体として売上は増加となりました。
この結果、売上高は1,195億9千万円と前連結会計年度に比べ、44億6千万円(+3.9%)の増収となりました。営業利益は増収に加えて一部の製造子会社の収益性の改善等により、87億4千万円と前連結会計年度に比べ、33億5千万円(+62.1%)の増益となりました。
(注)電子セグメントは、2021年4月1日より電子・エネルギーセグメントに名称変更しております。
モビリティ・エネルギー
モビリティソリューションズ事業は、新型コロナウイルス感染症の影響により、グレーターチャイナを除くすべての地域において自動車生産台数が減少し、国内におけるカーエレクトロニクス関連部材、グレーターチャイナを除くすべての地域における樹脂ビジネスの売上が減少したことから、国内・海外ともに売上は減少しました。
この結果、売上高は1,115億3千万円と前連結会計年度に比べ144億6千万円(△11.5%)の減収となりました。営業利益は15億4千万円と前連結会計年度に比べ、3億4千万円(△18.4%)の減益となりました。
(注)モビリティ・エネルギーセグメントは、2021年4月1日よりモビリティセグメントに名称変更しております。
生活関連
生活関連につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた需要の減少等により国内での売上は減少したものの、前第2四半期連結会計期間に買収したPrinovaグループの売上が当連結会計年度においては通期で寄与したことから、海外での売上は増加し、全体として売上は大幅に増加しました。
新設したフード イングリディエンツ事業は、食品素材分野においてトレハ®等の国内での売上が減少しましたが、Prinovaグループの売上が増加したことから、事業全体として売上は大幅に増加しました。
ライフ&ヘルスケア製品事業は、医療・医薬分野における医薬品原料・中間体、医用材料の売上、化粧品・トイレタリー分野における衛生商品関連原料の売上は増加しました。一方、スキンケア分野におけるAA2G®の国内・海外での売上の減少や、製造子会社を売却したことによる医療・医薬分野における製剤事業の売上の減少により、事業全体として、売上は減少しました。
この結果、売上高は1,744億5千万円と前連結会計年度に比べ、529億円(+43.5%)の増収となりました。営業利益は65億1千万円と前連結会計年度に比べ、25億3千万円(+63.9%)の増益となりました。
その他
特記すべき事項はありません。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末の流動資産は、現預金の減少等があったものの、売掛金およびたな卸資産の増加等により、前連結会計年度末に比べ、223億9千万円増加の4,017億5千万円となりました。固定資産は、無形固定資産の償却による減少および一部国内子会社の連結除外による有形固定資産の減少があったものの、保有株式の時価上昇による投資有価証券の増加等により、前連結会計年度末に比べ67億1千万円増加の2,388億3千万円となりました。この結果、総資産は前連結会計年度末に比べ291億円増加の6,405億8千万円となりました。
負債は、コマーシャル・ペーパーの減少があったものの、買掛金の増加等により前連結会計年度末に比べ39億2千万円増加の3,021億5千万円となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益188億2千万円の計上やその他有価証券評価差額金の増加等により、前連結会計年度末に比べ251億8千万円増加の3,384億3千万円となりました。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の49.9%から1.6ポイント増加し、51.5%となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、営業活動による資金の増加203億9千万円、投資活動による資金の増加26億4千万円、財務活動による資金の減少258億6千万円に換算差額による資金の増加等を加味した結果、前連結会計年度末と比べ19億1千万円(△3.8%)減少し、485億5千万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度末における営業活動による資金の増加額は、203億9千万円となりました。これは、運転資本の増加による資金の減少100億5千万円があったものの、税金等調整前当期純利益292億7千万円があったこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度末における投資活動による資金の増加額は、26億4千万円となりました。これは、有形固定資産の取得による支出88億6千万円および投資有価証券の取得による支出32億6千万円があったものの、連結範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入80億1千万円および投資有価証券の売却による収入60億2千万円があったこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度末における財務活動による資金の減少額は、258億6千万円となりました。これは、長期借入による収入43億5千万円があったものの、コマーシャル・ペーパーの純減少220億円および配当金の支払54億5千万円があったこと等によるものです。
④ 販売の状況
「① 経営成績の状況」および「第5経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照願います。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
① 重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に際し、資産、負債、収益、費用の報告数値に影響を与える見積りおよび仮定を用いておりますが、見積り特有の不確実性があるためこれらの見積りおよび仮定に基づく数値と実際の結果は異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響に関する会計上の見積りへの反映については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記情報(追加情報)」および「第5 経理の状況 2財務諸表等 (1)財務諸表 注記情報(追加情報)」に記載したとおりであります。
・ 有形固定資産および無形固定資産の減損評価
当社は、のれんを含む有形・無形固定資産の価値が毀損していないかどうかを確認するために、各資産または資産グループの減損兆候の有無を調査した上で、割引前将来キャッシュ・フローに基づき減損損失の認識の判定を行っております。その結果、減損損失の認識が必要と判断された場合には、資産の帳簿価額のうち回収不能部分について減損損失を計上しております。
この減損損失の認識・測定に用いる将来キャッシュ・フローの基礎となる事業計画や使用価値の算定に用いる割引率等は、その性質上会計上の判断や仮定を伴うものでありますが、割引前将来キャッシュ・フローや回収可能価額の下落を引き起こすような事業環境の変化により見積りの見直しが必要になった場合には、追加的な減損損失が発生する可能性があります。
当連結会計年度においては、加工材料セグメントの情報印刷関連材料ビジネスに属するカラーフォーマ―製造事業用資産(主に連結子会社 福井山田化学工業㈱が保有)について、製品の需給バランスが崩れたことにより事業環境が急速に悪化したことに伴い、将来の販売単価や原材料単価等を見直した結果、回収可能価額が下落し減損損失を計上致しました。詳細については「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記情報(連結損益計算書関連)および (セグメント情報等) 関連情報 報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報」をご参照下さい。
・ 繰延税金資産の回収可能性の判断
繰延税金資産は、事業計画に基づき納税主体毎の将来の課税所得の見積りを行った上で、将来の税金支払額を軽減する効果が認められる範囲において計上しております。したがって、将来の課税所得が大きく減少するような事業環境の変化が生じた場合には、繰延税金資産を取崩し、当該期間の税金費用を増加させる可能性があります。
・ 退職給付に係る負債および資産の測定
当社グループの従業員に対する確定給付型退職給付制度について、退職給付債務と年金資産の差額を連結貸借対照表上退職給付に係る負債(または資産)に計上しております。退職給付債務は、簡便法を採用している場合を除き、退職率、死亡率、割引率等の基礎率を設定して算定しますが、特に割引率が重要な仮定であります。割引率は安全性の高い債券(一定格付以上の社債)の利回りを基礎として適宜見直しを行っております。なお、当連結会計年度末では0.8%(加重平均値)を設定しています。
年金資産に係る主な仮定は長期期待運用収益率であり、現在および予想される年金資産の配分と、年金資産を構成する多様な資産からの現在および将来期待される長期の収益率を考慮して適宜見直しを行っております。なお、当連結会計年度末では2.0%を設定しております。
この割引率を含む基礎率を見直した場合や、見積りと実績に差額が生じた場合は数理計算上の差異が発生し、主に発生時の翌連結会計年度に全額費用処理しております。従って、多額の数理計算上の差異が発生した場合には、将来の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。詳細については「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記情報(退職給付関係)」をご参照下さい。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。なお、下記文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
A)財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等につきましては、新型コロナウイルス感染症による需要と市況の下落の影響により第1四半期は全体的に落ち込みました。しかしながら、中国において早期に経済活動が再開されたこと、第2四半期以降においてはテレワーク需要等による合成樹脂ビジネスやエレクトロニクスビジネス等が徐々に回復したこと、更に下半期以降の自動車業界の復調により自動車関連ビジネスが回復したことから、全体としては当初想定していた業績を上回る結果となりました。
その他の新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う活動制限による影響としましては、インバウンド消費の落ち込みから、土産物や香粧品の需要が減少し、㈱林原においては主力商品であるトレハ®やAA2G®の販売が減少しました。また、コンサートや飛行機などの交通機関のチケット類に使用される情報印刷関連ビジネス製品の販売が大きく減少しました。一方、活動制限により経費執行が抑制されたことから、中長期的な成長に向けた先端技術投資に関連する費用の増加が吸収され、利益を押し上げる一因となりました。※ 当連結会計年度の経営成績等の詳細については、 「(1)経営成績等の状況の概況 ①経営成績の状況 ②財政状態の状況 ③キャッシュ・フローの状況 ④販売の状況」をご参照ください。
事業ポートフォリオの観点では、前年度に子会社化したPrinovaグループの高い収益性が通年で業績に貢献し、「注力地域」である欧米地域や「注力領域」であるライフ&ヘルスケア分野が伸長したことで、ポートフォリオの最適化および不況耐性の強化が進みました。今後は、㈱林原の製品をはじめとするNAGASEグループ製品の欧米での販売、NAGASEグループのアジアチャネル利用によるPrinovaグループ製品の拡販など、シナジー効果が期待される施策を進めてまいります。もう一つの「注力領域」であるエレクトロニクス分野は、当連結会計年度の業績は期初の見込みを上回ったものの、「ACE-2020」策定時の前提と外部環境が乖離しており、戦略の見直しが必要であると認識しております。対策として第4四半期より新たに「機能樹脂事業部」と「精密加工材料事業部」の2つの事業部を新設し、従来の商社機能に加え、グループの開発・製造・販売体制を一層強化して市場志向と技術基盤を融合し、中長期視点での新たなビジネスを開拓してまいります。
また、政策保有株の売却やベストオーナーの観点での一部事業の入れ替えを行い、特別利益を計上しています。なお、ここから得られた資金は将来に向けた成長投資や株主還元等に効果的・効率的に活用してまいります。
成長投資の観点では、デジタルトランスフォーメーション(DX)・先端技術関連投資・研究開発関連投資等、中長期的な成長に向けた新しいビジネスモデルの構築に必要な投資を継続しております。MI(マテリアルズ・インフォマティクス)分野においては、新材料探索プラットフォーム「TABRASA」のサービス提供を開始したことを始めとする、イノベーションの推進をサポートする新たなビジネスモデルの構築が進んだことを評価しております。
B)当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因
「2.事業等のリスク」をご参照ください。
C)当社グループの資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要は商品の仕入、製造費、販売費、研究開発などの一般管理費、設備投資、デジタルマーケティングなどへの新規成長投資、M&Aによる株式や営業権取得が主なものです。持続的成長の実現に向け、これらの資金需要に対応するための安定的かつ機動的な資金の確保は重要な戦略と考えています。
資本の財源としましては、営業活動によるキャッシュ・フローに加え、資金調達手段として金融機関からの借入の実施、社債並びにコマーシャル・ペーパーの機動的な発行による資本市場からの調達など、多様化を図りながらバランスの良い調達を実施しております。
また、金融・資本市場における不測の事態や急な資金需要が発生した場合に備え、複数の金融機関と長期・短期のコミットメントライン契約を締結し流動性を確保しております。
当社グループの資金管理については日本国内における当社と国内子会社間において日本円を、中国国内の現地法人間において人民元およびUSドルを、また米国と一部アジア地区およびメキシコにおける現地法人間においてUSドルのキャッシュ・マネジメント・システムを導入しており、資金の効率化を図ることで、流動性確保と金融費用の削減に努めております。
本報告書提出時点における格付けについては、株式会社格付投資情報センター(R&I)から発行体格付と長期債格付ともに「A」(シングルAフラット)を、短期格付で「a-1」(aワン)を取得しており、また取引先金融機関とは良好な関係を維持しております。
現状の資金調達および資金繰りに問題はないと認識しておりますが、新型コロナウイルス感染症の更なる拡大などで当社グループのビジネスに影響が及ぶ場合は、手元流動性を厚めに保有するなどの手段を講じる場合があります。
D)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況について
中期経営計画「ACE-2020」における重要指標は以下の通りです。
項目 | 2015年度 | 2016年度 | 2017年度 | 2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | ACE-2020 | ||
KGI | 連結売上高 | 7,421億円 | 7,223億円 | 7,839億円 | 8,077億円 | 7,995億円 | 8,302億円 | 1兆円以上 | |
連結営業利益 | 180億円 | 150億円 | 241億円 | 252億円 | 191億円 | 219億円 | 300億円以上 | ||
ROE | 4.4% | 3.7% | 5.8% | 6.6% | 4.9% | 5.9% | 6.0%以上 |
当社グループでは資本効率性の改善を課題としており、ROEを重要な指標として位置付けております。中期経営計画「ACE-2020」の最終年度におけるROEは5.9%となり、概ね目標を達成しました。売上高や利益の絶対値については目標未達となりましたが、収益性の改善やポートフォリオの最適化など、「ACE-2020」で掲げた施策については一定の効果があったと考えております。次期中計ACE 2.0においても引き続き資本効率性の改善を図ってまいります。
なお、その他の主要な指標については、「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(1)前中期経営計画「ACE-2020」総括」をご参照ください。