四半期報告書-第106期第3四半期(令和2年10月1日-令和2年12月31日)
(1)経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大による景気への影響は依然として深刻なものの、早期に経済活動の再開を行った中国では景気回復傾向が持続しており、各国において濃淡が見られました。日本経済においては、第2四半期より徐々に経済活動が再開され、消費活動も緩やかな回復傾向にあったものの、再度の感染拡大の影響を受け一部の経済活動が抑制される等、予断を許さない状況が続いております。当社グループがビジネスを展開する地域においては、グレーターチャイナでは新型コロナウイルス感染症拡大前の水準まで回復し、国内、アセアンにおいても緩やかな回復傾向がみられたものの、米州、欧州では経済活動は低調に推移しており、依然として先行きは不透明な状況です。
このような状況の下、当第3四半期連結累計期間の業績は、国内販売は2,648億1千万円(前年同期比△13.2%)、海外販売は前第2四半期連結会計期間に買収したPrinovaグループの売上が、当連結会計年度においては全期間にわたり反映されていることから、3,397億2千万円(同+14.5%)となり、売上高は6,045億4千万円(同+0.5%)となりました。
利益面につきましては、Prinovaグループの高い収益性が寄与し、売上総利益は837億1千万円(同+7.6%)となりました。営業利益は、デジタルトランスフォーメーション(DX)推進等の持続的な成長のための費用の増加があったものの、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた活動自粛による費用減少等があったことから160億6千万円(同+6.7%)となり、経常利益は171億5千万円(同+9.2%)となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益は、子会社株式の譲渡や政策保有株式の売却を実施したことによる売却益の計上等もあり、165億5千万円(同+37.4%)となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
① 機能素材
機能素材につきましては、足元は回復基調にあるものの、特に上期において新型コロナウイルス感染症の拡大により、グレーターチャイナを除くすべての地域において自動車生産台数が減少した影響等を受けたことから、国内・海外ともに売上は減少しました。
機能化学品事業は、自動車生産台数の減少により、塗料原料およびウレタン原料の売上が減少したことから、事業全体として売上は減少しました。
スペシャリティケミカル事業は、半導体関連等の電子業界向けを中心としたエレクトロニクスケミカルの売上は堅調に推移したものの、自動車業界の低調の影響を大きく受けて加工油剤原料や樹脂原料の売上が減少したことから、事業全体として売上は減少しました。
この結果、売上高は1,124億8千万円と前第3四半期連結累計期間に比べ、174億3千万円(△13.4%)の減収となりました。営業利益は34億4千万円と前第3四半期連結累計期間に比べ、6億4千万円(△15.7%)の減益となりました。
② 加工材料
加工材料につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響が樹脂ビジネスを中心に広範に及んだことから、国内における売上は減少しました。海外においては、中国における経済活動の早期再開によりグレーターチャイナの売上は増加したものの、その他の地域での売上は減少したことから、海外全体として売上は微減となりました。
カラー&プロセシング事業は、国内、米州および欧州において情報印刷関連材料の売上が大幅に減少し、また顔料・添加剤、工業用・包装材料用の合成樹脂および導電材料の売上が減少したことから、事業全体として売上は減少しました。
OA・ゲーム機器業界への合成樹脂の販売を中心とするポリマーグローバルアカウント事業は、グレーターチャイナにおいては売上が増加したものの、国内およびアセアンにおいて売上が減少したことから、事業全体として売上は減少しました。
この結果、売上高は1,959億2千万円と前第3四半期連結累計期間に比べ、114億2千万円(△5.5%)の減収となりました。営業利益は、主に情報印刷関連材料ビジネスの市況下落による収益性悪化の影響を受け、52億3千万円と前第3四半期連結累計期間に比べ、17億2千万円(△24.8%)の減益となりました。
③ 電子
電子につきましては、半導体中間工程用の精密加工関連の売上が増加し、重電・弱電向け等の変性エポキシ樹脂関連の売上が微増となったものの、ディスプレイ材料関連、フォトリソ材料関連、装置関連の売上が減少したことから、事業全体として売上は微減となりました。
この結果、売上高は860億1千万円と前第3四半期連結累計期間に比べ、13億1千万円(△1.5%)の減収となりました。一方、営業利益は一部の製造子会社の収益性の改善等により、61億1千万円と前第3四半期連結累計期間に比べ、19億7千万円(+47.7%)の増益となりました。
④ モビリティ・エネルギー
モビリティソリューションズ事業は、新型コロナウイルス感染症の影響により、グレーターチャイナを除くすべての地域において自動車生産台数が減少し、国内におけるカーエレクトロニクス関連部材、グレーターチャイナを除くすべての地域における樹脂ビジネスの売上が減少したことから、国内・海外ともに売上は減少しました。
この結果、売上高は787億4千万円と前第3四半期連結累計期間に比べ192億7千万円(△19.7%)の減収となりました。営業利益は8億1千万円と前第3四半期連結累計期間に比べ、7億4千万円(△47.8%)の減益となりました。
⑤ 生活関連
生活関連につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた需要の減少等により国内での売上は減少したものの、前第2四半期連結会計期間に買収したPrinovaグループによる売上が加わったことから、海外での売上は増加し、全体として売上は大幅に増加しました。
新設したフード イングリディエンツ事業は、食品素材分野においてトレハ®等の国内・海外での売上が減少しましたが、Prinovaグループの売上が加わったことから、事業全体として売上は大幅に増加しました。
ライフ&ヘルスケア製品事業は、医療・医薬分野における医薬品原料・中間体、医用材料の売上、スキンケア・トイレタリー分野における衛生商品関連の売上は増加しました。しかしながら、スキンケア・トイレタリー分野におけるAA2G®の国内・海外での売上の減少や、製造子会社を売却したことによる医療・医薬分野における製剤事業の売上の減少により、事業全体として、売上は減少しました。
この結果、売上高は1,310億9千万円と前第3四半期連結累計期間に比べ、523億7千万円(+66.5%)の増収となりました。営業利益は51億4千万円と前第3四半期連結累計期間に比べ、25億1千万円(+95.8%)の増益となりました。
⑥ その他
特記すべき事項はありません。
(2)財政状態の状況
当第3四半期連結会計期間末の流動資産は、現預金およびたな卸資産の減少等があったものの、売掛金の増加等により、前連結会計年度末に比べ、92億9千万円増加の3,886億3千万円となりました。固定資産は、無形固定資産の償却による減少および一部国内子会社の連結除外による有形固定資産の減少があったものの、保有株式の時価上昇による投資有価証券の増加等により、前連結会計年度末に比べ、149億6千万円増加の2,471億円となりました。この結果、総資産は前連結会計年度末に比べ、242億6千万円増加の6,357億3千万円となりました。
負債は、買掛金の増加があったものの、コマーシャル・ペーパーおよび短期借入金が減少したこと等から、前連結会計年度末に比べ、8千万円減少の2,981億5千万円となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する四半期純利益165億5千万円の計上やその他有価証券評価差額金の増加等により、前連結会計年度末に比べ、243億4千万円増加の3,375億8千万円となりました。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の49.9%から1.9ポイント増加し、51.8%となりました。
(3)経営方針・経営戦略等および経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等および経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について重要な変更はありません。
(4)事業上および財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上および財務上の対処すべき課題に重要な変更および新たに生じた課題はありません。
(5)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は、42億1千万円であります。研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
なお、当第3四半期連結累計期間におけるセグメントごとの研究開発費は次のとおりです。
(注)全社(共通)は特定のセグメントに関連付けられない基礎研究等に関する費用です。
当第3四半期連結累計期間における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大による景気への影響は依然として深刻なものの、早期に経済活動の再開を行った中国では景気回復傾向が持続しており、各国において濃淡が見られました。日本経済においては、第2四半期より徐々に経済活動が再開され、消費活動も緩やかな回復傾向にあったものの、再度の感染拡大の影響を受け一部の経済活動が抑制される等、予断を許さない状況が続いております。当社グループがビジネスを展開する地域においては、グレーターチャイナでは新型コロナウイルス感染症拡大前の水準まで回復し、国内、アセアンにおいても緩やかな回復傾向がみられたものの、米州、欧州では経済活動は低調に推移しており、依然として先行きは不透明な状況です。
このような状況の下、当第3四半期連結累計期間の業績は、国内販売は2,648億1千万円(前年同期比△13.2%)、海外販売は前第2四半期連結会計期間に買収したPrinovaグループの売上が、当連結会計年度においては全期間にわたり反映されていることから、3,397億2千万円(同+14.5%)となり、売上高は6,045億4千万円(同+0.5%)となりました。
利益面につきましては、Prinovaグループの高い収益性が寄与し、売上総利益は837億1千万円(同+7.6%)となりました。営業利益は、デジタルトランスフォーメーション(DX)推進等の持続的な成長のための費用の増加があったものの、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた活動自粛による費用減少等があったことから160億6千万円(同+6.7%)となり、経常利益は171億5千万円(同+9.2%)となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益は、子会社株式の譲渡や政策保有株式の売却を実施したことによる売却益の計上等もあり、165億5千万円(同+37.4%)となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
① 機能素材
機能素材につきましては、足元は回復基調にあるものの、特に上期において新型コロナウイルス感染症の拡大により、グレーターチャイナを除くすべての地域において自動車生産台数が減少した影響等を受けたことから、国内・海外ともに売上は減少しました。
機能化学品事業は、自動車生産台数の減少により、塗料原料およびウレタン原料の売上が減少したことから、事業全体として売上は減少しました。
スペシャリティケミカル事業は、半導体関連等の電子業界向けを中心としたエレクトロニクスケミカルの売上は堅調に推移したものの、自動車業界の低調の影響を大きく受けて加工油剤原料や樹脂原料の売上が減少したことから、事業全体として売上は減少しました。
この結果、売上高は1,124億8千万円と前第3四半期連結累計期間に比べ、174億3千万円(△13.4%)の減収となりました。営業利益は34億4千万円と前第3四半期連結累計期間に比べ、6億4千万円(△15.7%)の減益となりました。
② 加工材料
加工材料につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響が樹脂ビジネスを中心に広範に及んだことから、国内における売上は減少しました。海外においては、中国における経済活動の早期再開によりグレーターチャイナの売上は増加したものの、その他の地域での売上は減少したことから、海外全体として売上は微減となりました。
カラー&プロセシング事業は、国内、米州および欧州において情報印刷関連材料の売上が大幅に減少し、また顔料・添加剤、工業用・包装材料用の合成樹脂および導電材料の売上が減少したことから、事業全体として売上は減少しました。
OA・ゲーム機器業界への合成樹脂の販売を中心とするポリマーグローバルアカウント事業は、グレーターチャイナにおいては売上が増加したものの、国内およびアセアンにおいて売上が減少したことから、事業全体として売上は減少しました。
この結果、売上高は1,959億2千万円と前第3四半期連結累計期間に比べ、114億2千万円(△5.5%)の減収となりました。営業利益は、主に情報印刷関連材料ビジネスの市況下落による収益性悪化の影響を受け、52億3千万円と前第3四半期連結累計期間に比べ、17億2千万円(△24.8%)の減益となりました。
③ 電子
電子につきましては、半導体中間工程用の精密加工関連の売上が増加し、重電・弱電向け等の変性エポキシ樹脂関連の売上が微増となったものの、ディスプレイ材料関連、フォトリソ材料関連、装置関連の売上が減少したことから、事業全体として売上は微減となりました。
この結果、売上高は860億1千万円と前第3四半期連結累計期間に比べ、13億1千万円(△1.5%)の減収となりました。一方、営業利益は一部の製造子会社の収益性の改善等により、61億1千万円と前第3四半期連結累計期間に比べ、19億7千万円(+47.7%)の増益となりました。
④ モビリティ・エネルギー
モビリティソリューションズ事業は、新型コロナウイルス感染症の影響により、グレーターチャイナを除くすべての地域において自動車生産台数が減少し、国内におけるカーエレクトロニクス関連部材、グレーターチャイナを除くすべての地域における樹脂ビジネスの売上が減少したことから、国内・海外ともに売上は減少しました。
この結果、売上高は787億4千万円と前第3四半期連結累計期間に比べ192億7千万円(△19.7%)の減収となりました。営業利益は8億1千万円と前第3四半期連結累計期間に比べ、7億4千万円(△47.8%)の減益となりました。
⑤ 生活関連
生活関連につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた需要の減少等により国内での売上は減少したものの、前第2四半期連結会計期間に買収したPrinovaグループによる売上が加わったことから、海外での売上は増加し、全体として売上は大幅に増加しました。
新設したフード イングリディエンツ事業は、食品素材分野においてトレハ®等の国内・海外での売上が減少しましたが、Prinovaグループの売上が加わったことから、事業全体として売上は大幅に増加しました。
ライフ&ヘルスケア製品事業は、医療・医薬分野における医薬品原料・中間体、医用材料の売上、スキンケア・トイレタリー分野における衛生商品関連の売上は増加しました。しかしながら、スキンケア・トイレタリー分野におけるAA2G®の国内・海外での売上の減少や、製造子会社を売却したことによる医療・医薬分野における製剤事業の売上の減少により、事業全体として、売上は減少しました。
この結果、売上高は1,310億9千万円と前第3四半期連結累計期間に比べ、523億7千万円(+66.5%)の増収となりました。営業利益は51億4千万円と前第3四半期連結累計期間に比べ、25億1千万円(+95.8%)の増益となりました。
⑥ その他
特記すべき事項はありません。
(2)財政状態の状況
当第3四半期連結会計期間末の流動資産は、現預金およびたな卸資産の減少等があったものの、売掛金の増加等により、前連結会計年度末に比べ、92億9千万円増加の3,886億3千万円となりました。固定資産は、無形固定資産の償却による減少および一部国内子会社の連結除外による有形固定資産の減少があったものの、保有株式の時価上昇による投資有価証券の増加等により、前連結会計年度末に比べ、149億6千万円増加の2,471億円となりました。この結果、総資産は前連結会計年度末に比べ、242億6千万円増加の6,357億3千万円となりました。
負債は、買掛金の増加があったものの、コマーシャル・ペーパーおよび短期借入金が減少したこと等から、前連結会計年度末に比べ、8千万円減少の2,981億5千万円となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する四半期純利益165億5千万円の計上やその他有価証券評価差額金の増加等により、前連結会計年度末に比べ、243億4千万円増加の3,375億8千万円となりました。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の49.9%から1.9ポイント増加し、51.8%となりました。
(3)経営方針・経営戦略等および経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等および経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について重要な変更はありません。
(4)事業上および財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上および財務上の対処すべき課題に重要な変更および新たに生じた課題はありません。
(5)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は、42億1千万円であります。研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
なお、当第3四半期連結累計期間におけるセグメントごとの研究開発費は次のとおりです。
セグメントの名称 | 金額(百万円) |
機能素材 | 391 |
加工材料 | 682 |
電子 | 1,304 |
モビリティ・エネルギー | 90 |
生活関連 | 1,339 |
全社(共通)(注) | 410 |
合計 | 4,219 |
(注)全社(共通)は特定のセグメントに関連付けられない基礎研究等に関する費用です。