半期報告書-第110期(2024/04/01-2025/03/31)
(1)経営成績の状況
当中間連結会計期間における世界経済は、地政学リスクの高まりを受けた資源価格やエネルギーコストの高騰、自然災害による物流の混乱など、不安定な世界情勢を背景に景気の先行きは引き続き不透明な状況となっております。
当社グループがビジネスを展開する地域を概観すると、グレーターチャイナでは、不動産市場の低迷や個人消費が引き続き低調となっており、景気の低迷が続いております。米州では、大統領選による政治および経済へ与える影響の不確実性はあるものの、継続的な金融緩和が景気を下支えし、失業率の低下、堅調な個人消費により景気は底堅く推移しております。アセアンでは、内需およびインバウンド需要を中心に景気は堅調に推移しております。日本では、為替の急激な変動や金利先高観などの懸念材料はあるものの、好調な企業業績、実質賃金の改善、インバウンド需要の継続など景気は引き続き緩やかな回復基調にあります。
このような状況の下、当中間連結会計期間の業績は次のとおりとなりました。
・ 当中間連結会計期間の業績は、為替が円安に推移したこともあり、すべての段階損益において増益となりました。
・ 営業利益は、売上総利益の増加に伴い、増益となりました。詳細は以下のセグメント別の業績をご覧ください。
・ 親会社株主に帰属する中間純利益については、営業利益の増加に加え、投資有価証券売却益の増加等により、57億円増加の159億円となりました。
セグメント別の業績および主な要因は、次のとおりであります。
なお、前連結会計年度の2023年10月1日より、報告セグメントの区分を一部変更しており、前年同期比の金額および比率については、前中間連結会計期間を当中間連結会計期間において用いた報告セグメントの区分に組み替えて算出しております。
※セグメント区分の変更等の詳細については、「第4 経理の状況 1 中間連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。
また、当中間連結会計期間より、報告セグメントの業績をより適切に反映させるために、全社費用の配賦方法を変更しております。なお、前中間連結会計期間のセグメント情報は、変更後の配賦方法に基づき作成したものを記載しております。
機能素材
・売上総利益は主に以下の理由により、増益
・塗料原料の販売は自動車用・建築用ともに横ばいだったが市況の上昇により増加
・半導体材料の原料販売が増加
・カラーフォーマー事業は米国での生産停止に加え、日本の製造拠点の事業整理や効率化により損失削減
・営業利益は売上総利益の増加を受け、増益
加工材料
・売上総利益は主に以下の理由により、増益
・樹脂の販売はOA等の電機・電子業界向けの需要回復を受けて増加
・製造業は東拓工業の工業用ホース・土木用パイプの販売が増加
・営業利益は売上総利益の増加を受け、増益
電子・エネルギー
・売上総利益は主に以下の理由により、増益
・半導体材料の販売は市況の緩やかな回復を受け増加
・変性エポキシ樹脂の販売は、生成AI市場の旺盛な需要を受けハイエンドサーバー用半導体向けが好調に推移し、増加
・ハイエンドのスマホ・タブレット等の電子デバイス向けの材料販売は需要回復を受け増加
・営業利益は売上総利益の増加を受け、増益
モビリティ
・売上総利益は主に以下の理由により、増益
・売上総利益の約半分を占める樹脂の販売は、自動車生産台数の減少があったものの、円安や市況上昇等の影響により増加
・内外装・電動化用途の機能素材・機能部品の販売が増加
・営業利益は売上総利益の増加を受け、増益
生活関連
・売上総利益は主に以下の理由により、増益
・ナガセヴィータは香粧品素材の販売が海外向けの不調により減少したものの、食品素材の販売が好調に推移し全体として販売が増加
・中間体・医薬品原料の販売が増加
・Prinovaグループは食品素材販売の増加に加え、市況が下落していた前年同期と比べて売上総利益率が向上
・営業利益は、売上総利益が増加したものの、Prinovaグループの貸倒引当金の計上や人件費増加による一般管理費増加等により、減益
その他
特記すべき事項はありません。
(2)財政状態の状況
・流動資産は、売上債権の減少があったものの、棚卸資産の増加等により増加
・固定資産は、投資有価証券の時価下落による減少等があったものの、有形固定資産および無形固定資産の増加等により増加
・負債は、長期借入金の増加があったものの、コマーシャル・ペーパー、短期借入金の返済および買掛金の減少等により減少
・純資産は、自己株式の取得および配当金の支払いによる減少等があったものの、親会社株主に帰属する中間純利益の計上および為替換算調整勘定の増加等により増加
・以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の49.7%から50.8%へ1.1ポイント上昇
(3)キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
・営業活動による資金の増加額は、運転資本の増加による資金の減少88億円、法人税等の支払額68億円および利息の支払額20億円があったものの、税金等調整前中間純利益230億円および減価償却費による資金留保76億円があったこと等によるもの
・投資活動による資金の減少額は、投資有価証券の売却による収入32億円があったものの、有形固定資産の取得による支出65億円および定期預金の純増加62億円があったこと等によるもの
・財務活動による資金の減少額は、長期借入れによる収入70億円があったものの、自己株式の取得による支出94億円、配当金の支払額45億円およびコマーシャル・ペーパーの純減少30億円があったこと等によるもの
(4) 経営方針・経営戦略等および経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等および経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について重要な変更はありません。
(5) 優先的に対処すべき事業上および財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上および財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当中間連結会計期間の研究開発費の総額は、26億円であります。研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
なお、当中間連結会計期間におけるセグメントごとの研究開発費は次のとおりです。
(注)全社(共通)は特定のセグメントに関連付けられない基礎研究等に関する費用です。
当中間連結会計期間における世界経済は、地政学リスクの高まりを受けた資源価格やエネルギーコストの高騰、自然災害による物流の混乱など、不安定な世界情勢を背景に景気の先行きは引き続き不透明な状況となっております。
当社グループがビジネスを展開する地域を概観すると、グレーターチャイナでは、不動産市場の低迷や個人消費が引き続き低調となっており、景気の低迷が続いております。米州では、大統領選による政治および経済へ与える影響の不確実性はあるものの、継続的な金融緩和が景気を下支えし、失業率の低下、堅調な個人消費により景気は底堅く推移しております。アセアンでは、内需およびインバウンド需要を中心に景気は堅調に推移しております。日本では、為替の急激な変動や金利先高観などの懸念材料はあるものの、好調な企業業績、実質賃金の改善、インバウンド需要の継続など景気は引き続き緩やかな回復基調にあります。
このような状況の下、当中間連結会計期間の業績は次のとおりとなりました。
(単位:百万円) | ||||
前中間 連結会計期間 | 当中間 連結会計期間 | 増減額 | 増減率 (%) | |
売上高 | 450,199 | 480,976 | 30,777 | 6.8 |
売上総利益 | 78,896 | 92,144 | 13,247 | 16.8 |
営業利益 | 14,483 | 21,054 | 6,570 | 45.4 |
経常利益 | 14,245 | 20,297 | 6,052 | 42.5 |
税金等調整前中間純利益 | 14,881 | 23,004 | 8,123 | 54.6 |
親会社株主に帰属する 中間純利益 | 10,247 | 15,977 | 5,730 | 55.9 |
・ 当中間連結会計期間の業績は、為替が円安に推移したこともあり、すべての段階損益において増益となりました。
・ 営業利益は、売上総利益の増加に伴い、増益となりました。詳細は以下のセグメント別の業績をご覧ください。
・ 親会社株主に帰属する中間純利益については、営業利益の増加に加え、投資有価証券売却益の増加等により、57億円増加の159億円となりました。
セグメント別の業績および主な要因は、次のとおりであります。
なお、前連結会計年度の2023年10月1日より、報告セグメントの区分を一部変更しており、前年同期比の金額および比率については、前中間連結会計期間を当中間連結会計期間において用いた報告セグメントの区分に組み替えて算出しております。
※セグメント区分の変更等の詳細については、「第4 経理の状況 1 中間連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。
また、当中間連結会計期間より、報告セグメントの業績をより適切に反映させるために、全社費用の配賦方法を変更しております。なお、前中間連結会計期間のセグメント情報は、変更後の配賦方法に基づき作成したものを記載しております。
機能素材
(単位:百万円) | ||||
前中間 連結会計期間 | 当中間 連結会計期間 | 増減額 | 増減率 (%) | |
売上高 | 72,168 | 79,416 | 7,247 | 10.0 |
売上総利益 | 13,247 | 17,027 | 3,779 | 28.5 |
営業利益 | 2,460 | 5,423 | 2,963 | 120.4 |
・売上総利益は主に以下の理由により、増益
・塗料原料の販売は自動車用・建築用ともに横ばいだったが市況の上昇により増加
・半導体材料の原料販売が増加
・カラーフォーマー事業は米国での生産停止に加え、日本の製造拠点の事業整理や効率化により損失削減
・営業利益は売上総利益の増加を受け、増益
加工材料
(単位:百万円) | ||||
前中間 連結会計期間 | 当中間 連結会計期間 | 増減額 | 増減率 (%) | |
売上高 | 102,221 | 108,202 | 5,981 | 5.9 |
売上総利益 | 11,655 | 13,091 | 1,436 | 12.3 |
営業利益 | 2,555 | 3,538 | 982 | 38.5 |
・売上総利益は主に以下の理由により、増益
・樹脂の販売はOA等の電機・電子業界向けの需要回復を受けて増加
・製造業は東拓工業の工業用ホース・土木用パイプの販売が増加
・営業利益は売上総利益の増加を受け、増益
電子・エネルギー
(単位:百万円) | ||||
前中間 連結会計期間 | 当中間 連結会計期間 | 増減額 | 増減率 (%) | |
売上高 | 71,211 | 79,938 | 8,727 | 12.3 |
売上総利益 | 16,344 | 19,330 | 2,985 | 18.3 |
営業利益 | 4,233 | 5,981 | 1,747 | 41.3 |
・売上総利益は主に以下の理由により、増益
・半導体材料の販売は市況の緩やかな回復を受け増加
・変性エポキシ樹脂の販売は、生成AI市場の旺盛な需要を受けハイエンドサーバー用半導体向けが好調に推移し、増加
・ハイエンドのスマホ・タブレット等の電子デバイス向けの材料販売は需要回復を受け増加
・営業利益は売上総利益の増加を受け、増益
モビリティ
(単位:百万円) | ||||
前中間 連結会計期間 | 当中間 連結会計期間 | 増減額 | 増減率 (%) | |
売上高 | 64,907 | 66,015 | 1,108 | 1.7 |
売上総利益 | 7,391 | 8,392 | 1,000 | 13.5 |
営業利益 | 1,702 | 2,272 | 570 | 33.5 |
・売上総利益は主に以下の理由により、増益
・売上総利益の約半分を占める樹脂の販売は、自動車生産台数の減少があったものの、円安や市況上昇等の影響により増加
・内外装・電動化用途の機能素材・機能部品の販売が増加
・営業利益は売上総利益の増加を受け、増益
生活関連
(単位:百万円) | ||||
前中間 連結会計期間 | 当中間 連結会計期間 | 増減額 | 増減率 (%) | |
売上高 | 139,691 | 147,350 | 7,659 | 5.5 |
売上総利益 | 30,198 | 34,222 | 4,024 | 13.3 |
営業利益 | 4,057 | 1,974 | △2,083 | △51.3 |
・売上総利益は主に以下の理由により、増益
・ナガセヴィータは香粧品素材の販売が海外向けの不調により減少したものの、食品素材の販売が好調に推移し全体として販売が増加
・中間体・医薬品原料の販売が増加
・Prinovaグループは食品素材販売の増加に加え、市況が下落していた前年同期と比べて売上総利益率が向上
・営業利益は、売上総利益が増加したものの、Prinovaグループの貸倒引当金の計上や人件費増加による一般管理費増加等により、減益
その他
特記すべき事項はありません。
(2)財政状態の状況
前連結会計年度 | 当中間 連結会計期間 | 増減 | 増減率 (%) | |
流動資産(百万円) | 542,470 | 546,204 | 3,734 | 0.7 |
固定資産(百万円) | 249,865 | 250,490 | 624 | 0.3 |
総資産(百万円) | 792,336 | 796,695 | 4,359 | 0.6 |
負債(百万円) | 391,021 | 384,978 | △6,042 | △1.5 |
純資産(百万円) | 401,315 | 411,716 | 10,401 | 2.6 |
自己資本比率(%) | 49.7 | 50.8 | +1.1ポイント | - |
・流動資産は、売上債権の減少があったものの、棚卸資産の増加等により増加
・固定資産は、投資有価証券の時価下落による減少等があったものの、有形固定資産および無形固定資産の増加等により増加
・負債は、長期借入金の増加があったものの、コマーシャル・ペーパー、短期借入金の返済および買掛金の減少等により減少
・純資産は、自己株式の取得および配当金の支払いによる減少等があったものの、親会社株主に帰属する中間純利益の計上および為替換算調整勘定の増加等により増加
・以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の49.7%から50.8%へ1.1ポイント上昇
(3)キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
前中間 連結会計期間 | 当中間 連結会計期間 | |
営業活動によるキャッシュ・フロー | 38,232 | 11,964 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △6,411 | △10,869 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | △36,689 | △11,077 |
・営業活動による資金の増加額は、運転資本の増加による資金の減少88億円、法人税等の支払額68億円および利息の支払額20億円があったものの、税金等調整前中間純利益230億円および減価償却費による資金留保76億円があったこと等によるもの
・投資活動による資金の減少額は、投資有価証券の売却による収入32億円があったものの、有形固定資産の取得による支出65億円および定期預金の純増加62億円があったこと等によるもの
・財務活動による資金の減少額は、長期借入れによる収入70億円があったものの、自己株式の取得による支出94億円、配当金の支払額45億円およびコマーシャル・ペーパーの純減少30億円があったこと等によるもの
(4) 経営方針・経営戦略等および経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等および経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について重要な変更はありません。
(5) 優先的に対処すべき事業上および財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上および財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当中間連結会計期間の研究開発費の総額は、26億円であります。研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
なお、当中間連結会計期間におけるセグメントごとの研究開発費は次のとおりです。
セグメントの名称 | 金額(百万円) |
機能素材 | 313 |
加工材料 | 280 |
電子・エネルギー | 1,110 |
モビリティ | 82 |
生活関連 | 837 |
全社(共通)(注) | 73 |
合計 | 2,697 |
(注)全社(共通)は特定のセグメントに関連付けられない基礎研究等に関する費用です。