四半期報告書-第105期第3四半期(令和1年10月1日-令和1年12月31日)

【提出】
2020/02/10 13:58
【資料】
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【項目】
41項目
(1)経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間における日本経済は、雇用環境の改善は続いているものの、製造および設備投資は伸び悩んでおります。世界経済は、米国の堅調な企業業績がけん引しているものの、米中貿易摩擦の長期化等により中国の景気が減速する中、足元では新型コロナウイルスの感染拡大による経済への影響も懸念されており、全体として先行きの不透明感が増しております。
このような状況の下、当第3四半期連結累計期間の業績は、国内販売は3,049億2千万円(前年同期比△2.6%)、海外販売は2,967億9千万円(同△2.2%)となった結果、売上高は6,017億2千万円(同△2.4%)となりました。
利益面につきましては、売上総利益は減収に伴い778億2千万円(同△3.8%)、営業利益は減収に加え、一般管理費の増加等の影響により150億5千万円(同△28.1%)となり、経常利益は157億円(同△29.3%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は120億4千万円(同△25.2%)となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
① 機能素材
機能素材につきましては、国内・海外ともに売上は減少しました。
機能化学品事業は、国内外における自動車生産台数の減少により、塗料原料およびウレタン原料の売上が減少したことから、事業全体として売上は減少しました。
スペシャリティケミカル事業は、国内外における半導体関連等の電子業界向けを中心としたエレクトロニクスケミカルの売上や、加工油剤原料の売上が減少したことから、事業全体として売上は減少しました。
この結果、売上高は1,299億1千万円と前第3四半期連結累計期間に比べ、65億2千万円(△4.8%)の減収となりました。営業利益は40億9千万円と前第3四半期連結累計期間に比べ、1億3千万円(△3.2%)の減益となりました。
② 加工材料
加工材料につきましては、国内・海外ともに売上は微減となりました。
カラー&プロセシング事業は、国内での工業用および包装材料用の合成樹脂や導電材料の売上が減少したものの、国内・海外における情報印刷関連材料の売上が増加したことから、事業全体として売上は増加しました。
OA・ゲーム機器業界への合成樹脂の販売を中心とするポリマーグローバルアカウント事業は、国内、グレーターチャイナおよびアセアンにおいて売上が減少したことから、事業全体として売上は減少しました。
この結果、売上高は2,073億5千万円と前第3四半期連結累計期間に比べ、42億8千万円(△2.0%)の減収となりました。一方、営業利益は、国内の製造子会社の収益性の改善等により、69億6千万円と前第3四半期連結累計期間に比べ、1億5千万円(+2.3%)の増益となりました。
③ 電子
電子につきましては、フォトリソ材料関連の売上が増加したものの、半導体業界向け等の変性エポキシ樹脂関連の売上が横ばい、半導体中間工程用等の精密加工関連、装置関連、ディスプレイ関連部材の売上が減少したことから、事業全体として売上は減少しました。
この結果、売上高は873億2千万円と前第3四半期連結累計期間に比べ、73億5千万円(△7.8%)の減収となりました。営業利益は41億4千万円と前第3四半期連結累計期間に比べ、20億5千万円(△33.2%)の減益となりました。
④ モビリティ・エネルギー
モビリティソリューションズ事業は、国内でのカーエレクトロニクス関連部材の売上、国内・海外での樹脂ビジネスの売上が減少したことから、国内・海外ともに売上は減少しました。
この結果、売上高は980億2千万円と前第3四半期連結累計期間に比べ、74億8千万円(△7.1%)の減収となりました。営業利益は15億6千万円と前第3四半期連結累計期間に比べ、9億円(△36.8%)の減益となりました。
(注)第1四半期連結会計期間より、従来の「自動車・エネルギーセグメント」から「モビリティ・エネルギーセグメント」に名称を変更しております。
⑤ 生活関連
生活関連につきましては、国内での売上は微減となったものの、海外での売上は大幅に増加したことから、全体として売上は増加しました。
ライフ&ヘルスケア製品事業は、食品素材分野において、トレハ®等の売上は海外では増加し、国内では横ばいとなりました。また、第2四半期連結会計期間において新たに買収したPrinovaグループの売上が加わったことから、海外での売上は大幅に増加しました。スキンケア・トイレタリー分野では、AA2G®の国内での売上は減少しましたが、海外においては主に欧州での販売が好調であったことから売上は増加しました。医療・医薬分野では、製剤事業の売上は減少したものの、医薬品原料・中間体・医用材料の売上は増加したことから、事業全体として売上は増加しました。
化粧品・健康食品の販売を行うビューティケァ製品事業は、全般的に販売が低調であったことから、事業全体として売上は減少しました。
この結果、売上高は787億1千万円と前第3四半期連結累計期間に比べ、109億7千万円(+16.2%)の増収となりました。一方、営業利益は一部の国内製造子会社の収益性の悪化等により26億2千万円と前第3四半期連結累計期間に比べ、10億7千万円(△29.1%)の減益となりました。
⑥ その他
特記すべき事項はありません。
(2)財政状態の状況
当第3四半期連結会計期間末の流動資産は、既存会社における現預金およびたな卸資産の減少等があったものの、子会社の新規連結に伴う資産の受入等により、前連結会計年度末に比べ、245億4千万円増加の3,903億7千万円となりました。固定資産は、子会社の新規連結に伴う資産の受入、のれんを含む無形資産等の計上および保有株式の時価上昇による投資有価証券の増加等により、前連結会計年度末に比べ、497億5千万円増加の2,512億7千万円となりました。この結果、総資産は前連結会計年度末に比べ、742億9千万円増加の6,416億4千万円となりました。
負債は、コマーシャル・ペーパー、長期借入金および社債が増加したことから、前連結会計年度末に比べ、628億7千万円増加の3,176億1千万円となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する四半期純利益120億4千万円の計上、その他有価証券評価差額金の増加等により、前連結会計年度末に比べ、114億2千万円増加の3,240億3千万円となりました。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の54.2%から4.8ポイント減少し、49.4%となりました。
(3)経営方針・経営戦略等および経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等および経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について重要な変更はありません。
(4)事業上および財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上および財務上の対処すべき課題に重要な変更および新たに生じた課題はありません。
(5)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は、45億円であります。研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
なお、当第3四半期連結累計期間におけるセグメントごとの研究開発費は次のとおりです。
セグメントの名称金額(百万円)
機能素材360
加工材料697
電子1,297
モビリティ・エネルギー88
生活関連1,665
全社(共通)(注)396
合計4,505

(注)全社(共通)は特定のセグメントに関連付けられない基礎研究等に関する費用です。
(6) 従業員数
第2四半期連結会計期間において、Prinova Group,LLCの持分を取得し、同社の子会社を含む計18社を連結の範囲に含めたことに伴い、当第3四半期連結会計期間末の生活関連セグメントにおける従業員数は、前連結会計年度末に比べ、1,071名増加しております。