四半期報告書-第107期第2四半期(令和3年7月1日-令和3年9月30日)
(1)経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間における世界経済は、新型コロナウイルスのワクチン接種が進んだことにより、エリアによる違いはあるものの経済活動が回復した地域が増加しました。日本経済においては、ワクチン接種は大きく進み、オリンピックを無観客で開催する等感染拡大防止に努めたものの感染者数の大幅な減少には至らなかったことから、緊急事態宣言の継続による活動制限で観光・旅行・飲食業界等の需要は引き続き低迷しました。
当社グループがビジネス展開する地域別には、グレーターチャイナでは堅調な需要が続き経済活動が好調に推移し、米州や欧州では規制解除による経済活動の回復が期待されるものの、アセアンでは再び感染が拡大し、国によっては規制が強化される等回復に濃淡が見られました。日本においては一時的に感染が急拡大しましたが、足元では大幅に感染者数が減少し経済活動の回復が期待されます。しかしながら、新型コロナウイルスの変異に起因する感染の再拡大や国際的なサプライチェーンの混乱による半導体・粗原料等の需給への影響、また高騰している原材料市況の軟化の恐れ等もあり、依然として先行きは不透明な状況です。
このような状況の下、当第2四半期連結累計期間の業績は次のとおりとなりました。
※「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第1四半期連結会計期間の期首から適用しており、前第2四半期連結累計期間に係る各数値は、当該会計基準等を遡って適用した後の指標となっております。
・ 当第2四半期連結累計期間の業績は、すべてのセグメントで増益となった結果、売上総利益以下すべての各段階利益で第2四半期としての過去最高益を更新いたしました。
・ 増益要因は、自動車関連ビジネスの復調に加え、前連結会計年度下期から引き続きエレクトロニクス関連ビジネス・樹脂ビジネスが好調に推移したことや、生活関連セグメントにおいてPrinovaグループの業績が牽引したこと等であります。詳細は以下のセグメント別の業績をご覧ください。
・ 親会社株主に帰属する四半期純利益については、経常利益が107億円増加した影響があったものの、前第2四半期連結累計期間に保有株式の売却に伴う利益を計上した影響の反動等により、44億円増加の146億円となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
なお、第1四半期会計期間より報告セグメントの名称および区分を一部変更しており、前年同期比の金額および比率については、前第2四半期累計期間を当第2四半期累計期間において用いた報告セグメントの区分に組み替えて算出しております。
機能素材
主な要因は以下のとおりです。
・自動車生産台数の回復を受けて塗料・ウレタン原料や、加工油剤関連・樹脂関連の原料販売が増加
・半導体関連等の電子業界向けのエレクトロニクスケミカル等の販売が堅調
・営業利益は売上総利益の増加を受け、増益
加工材料
主な要因は以下のとおりです。
・OA・ゲーム機器業界向け等への樹脂は国内、中国を中心とした海外での需要増加により販売が増加し、さらに市況の高騰により収益性が改善
・工業用・包装材料用途の樹脂、顔料・添加剤の販売は需要の回復により増加
・情報印刷関連材料、導電材料等の販売は減少
・営業利益は売上総利益の増加を受け、増益
電子・エネルギー
主な要因は以下のとおりです。
・ディスプレイ材料および半導体用途の精密加工関連の販売が増加
・モバイル機器および半導体用途等を中心とした変性エポキシ樹脂関連の販売が増加
・ディスプレイ需要の増加を受け、フォトリソ材料関連の販売が増加
・営業利益は売上総利益の増加を受け、増益
モビリティ
主な要因は以下のとおりです。
・樹脂ビジネスは、自動車生産台数の回復により国内およびアセアンを中心とした海外において販売が増加し、さらに市況の高騰により収益性が改善
・内外装・電動化用途の機能素材・機能部品の販売が増加
・営業利益は売上総利益の増加を受け、増益
生活関連
主な要因は以下のとおりです。
・ニュートリション関連は素材販売、製造加工ともに好調に推移
・トレハ®等を中心とした食品素材、AA2G®等を中心とした香粧品素材は需要の回復を受けて販売が増加
・中間体・医薬品原料の販売が増加
・営業利益は売上総利益の増加を受け、増益
その他
特記すべき事項はありません。
(2)財政状態の状況
・流動資産は、現預金の減少があったものの、棚卸資産および売掛金の増加等により増加
・固定資産は、無形固定資産の増加があったものの、主として投資有価証券の時価下落により微減
・負債は、コマーシャル・ペーパーおよび短期借入金の増加等により増加
・純資産は、自己株式の取得および配当金の支払いによる減少等があったものの、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上および為替換算調整勘定の増加により増加
・以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の51.5%から50.1%へ1.4ポイント低下
(3)キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
・営業活動による資金の減少額は、税金等調整前四半期純利益212億円の計上があったものの、運転資本の増加による資金の減少327億円があったこと等によるもの
・投資活動による資金の減少額は、投資有価証券の売却による収入16億円があったものの、有形固定資産の取得による支出47億円および敷金及び保証金の差入による支出13億円があったこと等によるもの
・財務活動による資金の増加額は、長期借入金の返済による支出69億円および自己株式の取得による支出35億円があったものの、短期借入金の純増加167億円およびコマーシャル・ペーパーの純増加100億円があったこと等によるもの
(4) 経営方針・経営戦略等および経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等および経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について重要な変更はありません。
(5) 優先的に対処すべき事業上および財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上および財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は、26億円であります。研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
なお、当第2四半期連結累計期間におけるセグメントごとの研究開発費は次のとおりです。
(注)全社(共通)は特定のセグメントに関連付けられない基礎研究等に関する費用です。
当第2四半期連結累計期間における世界経済は、新型コロナウイルスのワクチン接種が進んだことにより、エリアによる違いはあるものの経済活動が回復した地域が増加しました。日本経済においては、ワクチン接種は大きく進み、オリンピックを無観客で開催する等感染拡大防止に努めたものの感染者数の大幅な減少には至らなかったことから、緊急事態宣言の継続による活動制限で観光・旅行・飲食業界等の需要は引き続き低迷しました。
当社グループがビジネス展開する地域別には、グレーターチャイナでは堅調な需要が続き経済活動が好調に推移し、米州や欧州では規制解除による経済活動の回復が期待されるものの、アセアンでは再び感染が拡大し、国によっては規制が強化される等回復に濃淡が見られました。日本においては一時的に感染が急拡大しましたが、足元では大幅に感染者数が減少し経済活動の回復が期待されます。しかしながら、新型コロナウイルスの変異に起因する感染の再拡大や国際的なサプライチェーンの混乱による半導体・粗原料等の需給への影響、また高騰している原材料市況の軟化の恐れ等もあり、依然として先行きは不透明な状況です。
このような状況の下、当第2四半期連結累計期間の業績は次のとおりとなりました。
(単位:百万円) | ||||
前第2四半期 連結累計期間 | 当第2四半期 連結累計期間 | 増減額 | 増減率 (%) | |
売上高 | 286,376 | 373,762 | 87,385 | 30.5 |
売上総利益 | 53,782 | 68,734 | 14,951 | 27.8 |
営業利益 | 8,934 | 19,499 | 10,564 | 118.2 |
経常利益 | 9,692 | 20,467 | 10,774 | 111.2 |
税金等調整前四半期純利益 | 15,179 | 21,276 | 6,097 | 40.2 |
親会社株主に帰属する 四半期純利益 | 10,187 | 14,622 | 4,435 | 43.5 |
※「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第1四半期連結会計期間の期首から適用しており、前第2四半期連結累計期間に係る各数値は、当該会計基準等を遡って適用した後の指標となっております。
・ 当第2四半期連結累計期間の業績は、すべてのセグメントで増益となった結果、売上総利益以下すべての各段階利益で第2四半期としての過去最高益を更新いたしました。
・ 増益要因は、自動車関連ビジネスの復調に加え、前連結会計年度下期から引き続きエレクトロニクス関連ビジネス・樹脂ビジネスが好調に推移したことや、生活関連セグメントにおいてPrinovaグループの業績が牽引したこと等であります。詳細は以下のセグメント別の業績をご覧ください。
・ 親会社株主に帰属する四半期純利益については、経常利益が107億円増加した影響があったものの、前第2四半期連結累計期間に保有株式の売却に伴う利益を計上した影響の反動等により、44億円増加の146億円となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
なお、第1四半期会計期間より報告セグメントの名称および区分を一部変更しており、前年同期比の金額および比率については、前第2四半期累計期間を当第2四半期累計期間において用いた報告セグメントの区分に組み替えて算出しております。
機能素材
(単位:百万円) | ||||
前第2四半期 連結累計期間 | 当第2四半期 連結累計期間 | 増減額 | 増減率 (%) | |
売上高 | 33,600 | 49,189 | 15,588 | 46.4 |
売上総利益 | 7,131 | 9,549 | 2,418 | 33.9 |
営業利益 | 1,945 | 3,874 | 1,928 | 99.1 |
主な要因は以下のとおりです。
・自動車生産台数の回復を受けて塗料・ウレタン原料や、加工油剤関連・樹脂関連の原料販売が増加
・半導体関連等の電子業界向けのエレクトロニクスケミカル等の販売が堅調
・営業利益は売上総利益の増加を受け、増益
加工材料
(単位:百万円) | ||||
前第2四半期 連結累計期間 | 当第2四半期 連結累計期間 | 増減額 | 増減率 (%) | |
売上高 | 96,077 | 125,628 | 29,551 | 30.8 |
売上総利益 | 12,832 | 16,476 | 3,643 | 28.4 |
営業利益 | 3,476 | 6,486 | 3,009 | 86.6 |
主な要因は以下のとおりです。
・OA・ゲーム機器業界向け等への樹脂は国内、中国を中心とした海外での需要増加により販売が増加し、さらに市況の高騰により収益性が改善
・工業用・包装材料用途の樹脂、顔料・添加剤の販売は需要の回復により増加
・情報印刷関連材料、導電材料等の販売は減少
・営業利益は売上総利益の増加を受け、増益
電子・エネルギー
(単位:百万円) | ||||
前第2四半期 連結累計期間 | 当第2四半期 連結累計期間 | 増減額 | 増減率 (%) | |
売上高 | 50,126 | 62,122 | 11,995 | 23.9 |
売上総利益 | 11,432 | 14,767 | 3,334 | 29.2 |
営業利益 | 3,316 | 5,461 | 2,144 | 64.7 |
主な要因は以下のとおりです。
・ディスプレイ材料および半導体用途の精密加工関連の販売が増加
・モバイル機器および半導体用途等を中心とした変性エポキシ樹脂関連の販売が増加
・ディスプレイ需要の増加を受け、フォトリソ材料関連の販売が増加
・営業利益は売上総利益の増加を受け、増益
モビリティ
(単位:百万円) | ||||
前第2四半期 連結累計期間 | 当第2四半期 連結累計期間 | 増減額 | 増減率 (%) | |
売上高 | 32,233 | 46,843 | 14,610 | 45.3 |
売上総利益 | 3,524 | 5,992 | 2,468 | 70.0 |
営業利益 | 319 | 2,002 | 1,683 | 527.2 |
主な要因は以下のとおりです。
・樹脂ビジネスは、自動車生産台数の回復により国内およびアセアンを中心とした海外において販売が増加し、さらに市況の高騰により収益性が改善
・内外装・電動化用途の機能素材・機能部品の販売が増加
・営業利益は売上総利益の増加を受け、増益
生活関連
(単位:百万円) | ||||
前第2四半期 連結累計期間 | 当第2四半期 連結累計期間 | 増減額 | 増減率 (%) | |
売上高 | 74,131 | 89,857 | 15,726 | 21.2 |
売上総利益 | 18,726 | 21,834 | 3,107 | 16.6 |
営業利益 | 3,020 | 5,070 | 2,050 | 67.9 |
主な要因は以下のとおりです。
・ニュートリション関連は素材販売、製造加工ともに好調に推移
・トレハ®等を中心とした食品素材、AA2G®等を中心とした香粧品素材は需要の回復を受けて販売が増加
・中間体・医薬品原料の販売が増加
・営業利益は売上総利益の増加を受け、増益
その他
特記すべき事項はありません。
(2)財政状態の状況
前連結会計年度 | 当第2四半期 連結会計期間 | 増減 | 増減率 (%) | |
流動資産(百万円) | 401,751 | 441,581 | 39,829 | 9.9 |
固定資産(百万円) | 238,835 | 237,117 | △1,718 | △0.7 |
総資産(百万円) | 640,587 | 678,698 | 38,111 | 5.9 |
負債(百万円) | 302,155 | 328,989 | 26,833 | 8.9 |
純資産(百万円) | 338,431 | 349,709 | 11,278 | 3.3 |
自己資本比率(%) | 51.5 | 50.1 | △1.4ポイント | - |
・流動資産は、現預金の減少があったものの、棚卸資産および売掛金の増加等により増加
・固定資産は、無形固定資産の増加があったものの、主として投資有価証券の時価下落により微減
・負債は、コマーシャル・ペーパーおよび短期借入金の増加等により増加
・純資産は、自己株式の取得および配当金の支払いによる減少等があったものの、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上および為替換算調整勘定の増加により増加
・以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の51.5%から50.1%へ1.4ポイント低下
(3)キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
前第2四半期 連結累計期間 | 当第2四半期 連結累計期間 | |
営業活動によるキャッシュ・フロー | 13,245 | △13,625 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △2,598 | △4,947 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | △23,632 | 14,417 |
・営業活動による資金の減少額は、税金等調整前四半期純利益212億円の計上があったものの、運転資本の増加による資金の減少327億円があったこと等によるもの
・投資活動による資金の減少額は、投資有価証券の売却による収入16億円があったものの、有形固定資産の取得による支出47億円および敷金及び保証金の差入による支出13億円があったこと等によるもの
・財務活動による資金の増加額は、長期借入金の返済による支出69億円および自己株式の取得による支出35億円があったものの、短期借入金の純増加167億円およびコマーシャル・ペーパーの純増加100億円があったこと等によるもの
(4) 経営方針・経営戦略等および経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等および経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について重要な変更はありません。
(5) 優先的に対処すべき事業上および財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上および財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は、26億円であります。研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
なお、当第2四半期連結累計期間におけるセグメントごとの研究開発費は次のとおりです。
セグメントの名称 | 金額(百万円) |
機能素材 | 114 |
加工材料 | 512 |
電子・エネルギー | 938 |
モビリティ | 64 |
生活関連 | 863 |
全社(共通)(注) | 160 |
合計 | 2,653 |
(注)全社(共通)は特定のセグメントに関連付けられない基礎研究等に関する費用です。