有価証券報告書-第58期(令和2年1月1日-令和2年12月31日)

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2021/03/22 10:00
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当連結会計年度における当社及び連結子会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社及び連結子会社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものです。
(1) 経営成績の状況
①事業全体の状況
当連結会計年度(令和2年1月1日~令和2年12月31日)における日本経済は、令和2年1月1日~令和2年6月30日までの新型コロナウイルス感染症拡大の局面から転じ、令和2年7月1日~令和2年12月31日では停滞していた経済活動が再開しつつあります。しかしながら、感染が再拡大し始め、先行きへの不安が残り、以前から続く米中貿易摩擦の影響も重なることで、景況感の改善のペースは低調に推移しています。
国内のモノづくり現場においては、自動車の生産や販売が持ち直したことから業況が改善したものの、新型コロナウイルス感染症の収束時期が不透明であることや企業収益の悪化を受けて、設備投資の先送りや規模を縮小する動きが続いています。
このような環境下で当社及び連結子会社は、設備投資計画の見直しを行い、不急の設備投資を先送りする一方で、 モノづくり現場で必要とされる少量多品種の商品ニーズに的確にお応えするため、令和5年12月末までに「在庫アイテム数50万アイテム」を目標に、44万アイテムまで取扱アイテムの拡充に必要な設備投資を継続しました。 令和2年1月にプラネット東北の増築(令和2年5月稼働)及びプラネット南関東の建替え(令和2年8月稼働) が完了し、物流センター内では「シャトルラック」[高速荷合わせ装置]、「AutoStore」(オートストア)[高密度ロボット収納システム]、バケット自動倉庫などの物流機器を導入しお客様へ確実でスピーディーな納品を可能にしました。また、令和2年1月よりリニューアルした基幹システムが稼働し、AI見積「即答名人」(見積自動化システム)、「売れ筋商品の自動在庫化」など、見積回答スピードの向上や在庫欠品の低減による受発注業務の効率化を図り、得意先様、仕入先様とのデジタル連携を強化することで利便性向上に努めました。さらに、ユーザー様の工場に常備品の保管棚「MROストッカー」を設置することでいつでも商品の調達が可能となる新たなサービスの導入を進めました。加えて、令和2年6月より、ビジネススタイル改革の一つとして当社独自のスマートフォンアプリ「T-Rate」(トレイト)と、オンライン通話アプリを組み合わせ、いつでもどこでも営業担当者とオンラインでの会議を可能にした、TRUSCO いつでもつながる「フェイスフォン」を開始しました。従来の営業活動で多くを費やしていた移動時間を見直し、いつでも・どこでもお客様と映像と音声を用いてコミュニケーションがとれる、新たな営業スタイルを促進しました。
以前からのデジタル技術を活用した企業活動と合わせて、このような活動が評価され、令和2年8月に経済産業省と東京証券取引所が共同で選定する「デジタルトランスフォーメーション銘柄(DX銘柄)」において、応募総数535社の中から35社が「DX銘柄2020」に選定され、その中で当社は「DXグランプリ2020」を受賞しました。さらに、令和2年11月に公益社団法人企業情報化協会(IT協会)が主催する2020年度IT賞において「IT最優秀賞(トランスフォーメーション領域)」を受賞しました。
そのほかにも、戦略的に続けている受注頻度の高い商品の在庫拡充や配送網の見直しを行い、即納体制を強化することでお客様の利便性向上に努めました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症対策に必要な、マスクや保護服、消毒液などの引き合いは増加したものの、生産工場の稼働低迷のため、設備投資の際に必要とされる物流保管用品や工場の稼働に必要な空圧・電動工具、手作業工具、切削工具等の需要減により、前連結会計年度の売上高を下回りました。
その結果、当連結会計年度における売上高は2,134億4百万円(前年同期比3.3%減)となりました。
また、売上総利益率は21.5%となり、売上総利益は459億9百万円(前年同期比2.4%減)となりました。
販売費及び一般管理費は、プラネット東北及びプラネット南関東の建物・物流機器、リニューアルした基幹システムによる減価償却費の増加、当該システムの運用保守による支払手数料の増加などにより、その合計額は348億91百万円(前年同期比5.0%増)となりました。
以上の結果により、営業利益は110億17百万円(前年同期比20.1%減)、経常利益は115億59百万円(前年同期比18.6%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は80億7百万円(前年同期比16.7%減)となりました。
②セグメントごとの経営成績
1)ファクトリールート(製造業、建設関連業等向け卸売)
ファクトリールートにおいては、物流センター及び全国に30か所ある在庫保有支店が、市場のニーズに即した在庫拡充を進め、受注頻度の高い商品の在庫量を増やすことで得意先様の利便性向上に努めました。また、基幹システムのリニューアルを実施し、AI見積「即答名人」(見積自動化システム)、「売れ筋商品の自動在庫化」など、見積回答スピードの向上や在庫欠品の低減による受発注業務の効率化により、お客様への利便性強化を図りました。さらに、「T-Rate」(トレイト)やTRUSCO いつでもつながる「フェイスフォン」の利用が活発化し始め、新たな営業スタイルを促進しました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症対策に必要な、マスクや保護服、消毒液などの需要は増加したものの、生産工場の稼働低迷のため、設備投資の際に必要とされる物流保管用品や工場の稼働に必要な空圧・電動工具、手作業工具、切削工具等の需要減により、前連結会計年度の売上高を下回りました。
その結果、売上高は1,567億65百万円(前年同期比7.8%減)、経常利益は78億63百万円(前年同期比28.1%減)となりました。
2)eビジネスルート(ネット通販企業等向け販売)
eビジネスルートにおいては、約250万アイテムに及ぶ商品データベースと得意先様のシステムの連携を加速させました。また、得意先様がユーザー様から受注した商品の当日出荷が可能となるよう、ニーズに合わせた梱包形態に対応し、対象商品のアイテム数を増加させることで独自の物流サービスを強化しました。さらに、新型コロナウイルス感染症対策に必要な、マスクや保護服、消毒液などの需要が高まったことや、非接触、非対面型受注による通販ニーズが増加したことに加え、ユーザー様への直送需要の増加が売上高増加に寄与しました。加えて、MROサプライ東京支店を中心に、ユーザー様の工場に常備品の保管棚「MROストッカー」を設置することでいつでも商品の調達が可能となる新たなサービスの導入を進めるなど、専門性の高い営業活動を行いました。
その結果、売上高は384億17百万円(前年同期比11.4%増)、経常利益は31億37百万円(前年同期比0.6%減)となりました。
3)ホームセンタールート(ホームセンター、プロショップ等向け販売)
ホームセンタールートにおいては、建築現場などで働くユーザー様をターゲットとしたプロショップを中心に、売場の改善提案を継続しました。また、得意先様の店頭にない商品も当社の約44万アイテムに及ぶ在庫を活用し、ユーザー様が店頭で受け取ることが可能なサービスを促進することで、店舗への来客数の増加や当社への帳合変更につながりました。さらに、得意先様の新規出店や、巣ごもり・DIYなどの需要による店舗への来客数増加に伴い、化学製品、保護具、手作業工具等の受注が増え、売上高増加に寄与しました。
加えて、令和2年8月より、お客様の多様なご要望に迅速かつ的確に対応し、さらなる営業活動や事業所運営の強化につなげるため、HC東京第一支店とHC東京第二支店を統合しHC東京支店としました。
その結果、売上高は169億92百万円(前年同期比15.6%増)、経常利益は2億90百万円(前年同期比350.7%増)となりました。
4)海外ルート(連結子会社業績、諸外国向け販売)
海外ルートにおいては、連結子会社であるTRUSCO NAKAYAMA CORPORATION(THAILAND)LIMITED 及びPT.TRUSCO NAKAYAMA INDONESIAの業績と海外部の諸外国向け販売を含めています。連結子会社では、市場のニーズに即した在庫拡充を進めることで、得意先様の利便性向上に努めました。また、継続してブランド力のあるメーカー様の商品PRを行い、営業活動を強化しました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、タイでは非常事態宣言の再延長、インドネシアでも規制が再強化されており、新規投資の抑制、工場の稼働停止、輸出のペースダウンなどの影響を大きく受け、当連結会計年度の売上高は低調に推移しました。
その結果、売上高は12億28百万円(前年同期比14.5%減)、経常損失は2億10百万円(前年同期は2億34百万円の経常損失)となりました。
③仕入及び販売の実績
a.仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称仕入高(百万円)前期比(%)
ファクトリールート121,692△13.2
eビジネスルート28,708+11.3
ホームセンタールート14,074+13.8
海外ルート908△22.0
合計165,384△7.9

(注) 1 金額は仕入価格によっています。
2 上記金額には、消費税等は含まれていません。
b.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称販売高(百万円)前期比(%)
ファクトリールート156,765△7.8
eビジネスルート38,41711.4
ホームセンタールート16,99215.6
海外ルート1,228△14.5
合計213,404△3.3

(注) 上記金額には、消費税等は含まれていません。
④目標とする経営指標の達成状況
目標とする経営指標及び当連結会計年度の実績、翌連結会計年度以降の目標数値については「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の「(2)目標とする経営指標」に記載のとおりです。
(2) 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ127億59百万円増加の2,088億54百万円(前連結会計年度末比6.5%増)となりました。その主な内訳は、現金及び預金が140億10百万円増加、プラネット東北の増築工事及びプラネット南関東の建替え工事が完了し、マテハン機器を導入したことなどにより、建物及び構築物が108億59百万円増加、機械装置及び運搬具が33億19百万円増加、リニューアルした当社基幹システムが稼働したことなどに伴い、ソフトウエアが20億96百万円増加し、売掛金が6億35百万円減少、商品が21億10百万円減少、建設仮勘定が124億42百万円減少、ソフトウエア仮勘定が37億52百万円減少したことによるものです。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ72億77百万円増加の758億94百万円(前連結会計年度末比10.6%増)となりました。その主な要因は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、企業活動の混乱や停滞等が長期的に継続するような不測の事態に備え、現預金の積み増しを目的とした長期借入金が100億円増加し、買掛金が91百万円減少、未払金が7億78百万円減少し、未払消費税等(連結貸借対照表上の表示は流動負債の「その他」)が15億38百万円減少したことによるものです。
(純資産)
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ54億81百万円増加の1,329億60百万円(前連結会計年度末比4.3%増)となりました。その主な要因は、利益剰余金が親会社株主に帰属する当期純利益80億7百万円の計上により増加し、配当金22億75百万円の支払により減少したことによるものです。自己資本比率は前連結会計年度末の65.0%から63.7%となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
①当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、150億68百万円の収入超過(前連結会計年度は109億98百万円の収入超過)となりました。その主な要因は、税金等調整前当期純利益115億59百万円、減価償却費65億88百万円、売上債権の減少4億86百万円、たな卸資産の減少20億48百万円の収入に対し、未払消費税等の減少16億50百万円、法人税等の支払額42億95百万円の支出によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、87億43百万円の支出超過(前連結会計年度は197億7百万円の支出超過)となりました。その主な要因は、プラネット南関東建替えやプラネット東北増築にかかる工事費、並びに物流設備の増強にかかる支払など、有形固定資産の取得による支出80億52百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、77億22百万円の収入超過(前連結会計年度は145億58百万円の収入超過)となりました。その主な要因は、長期借入れによる収入100億円に対し、配当金の支払22億75百万円によるものです。
以上の結果、当連結会計年度における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ140億14百万円増加し、323億44百万円(前連結会計年度末は183億30百万円)となりました。
②当社及び連結子会社の資本の財源及び資金の流動性について
当社及び連結子会社は、事業活動のための適切な流動性の確保と健全な財政状態の維持のため、営業キャッシュフローの創出に努めています。
当社及び連結子会社の主な資金需要は、商品の仕入れ、販売費及び一般管理費等の営業費用等の運転資金、並びに物流設備や情報システム等への設備投資資金です。これらの資金需要につきましては、基本的に営業キャッシュフロー及び自己資金を主な源泉と考えています。ただし、当社及び連結子会社の成長スピードを加速させるための設備投資を中心とした戦略的な資金につきましては、必要に応じて金融機関からの借入により調達することとしています。なお、安定的かつ効率的な資金調達に備えるため、複数の取引金融機関と当座貸越契約を締結しております(極度総額500億円、当連結会計年度利用残高170億円)。
この方針に従い、当連結会計年度における運転資金、設備投資資金につきましては、自己資金並びに金融機関からの借入金を充当しております。今後も資本と負債のバランスに配慮しながら、必要な資金を調達してまいります。
現預金につきましては、流動性確保のため、月商の1か月分を目途に保有する方針としておりますが、当連結会計年度においては、新型コロナウイルス流行による経済危機発生の可能性を踏まえ、金融機関から総額100億円を長期借入により調達してプールしており、資金の流動性を一層高めております。
また、財務の健全性等について、客観的な視点で認識することを主たる目的に、毎期、格付投資情報センター(R&I)から発行体格付を取得しており、本報告書提出時点においては「A」(シングルA)となっております。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社及び連結子会社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち特に重要なものは以下の通りです。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大により、以下の見積りに重要な影響を与える事象は発生しておりません。
しかしながら、今後の事業に与える影響につきましては、継続的に注視していく必要があるものと考えております。
①固定資産の減損損失
当社及び連結子会社は、「2 事業等のリスク」に記載のとおり、令和2年12月期連結貸借対照表において、有形固定資産を中心として、固定資産の総額は1,062億71百万円を計上しており、総資産に対する比率は50.9%となります。事業用資産は、管理会計上の事業所ごと、賃貸用資産及び遊休資産は物件ごとにグルーピングしております。
経営環境の悪化や時価の著しい下落等が生じ、回収可能価額が帳簿価額を下回る状況となった場合には、減損損失が発生し当社及び連結子会社の業績に重要な影響を与える可能性があります。
②繰延税金資産の評価
将来の課税所得を見積り、回収可能性がある将来減算一時差異についてのみ、繰延税金資産として資産計上を行い、回収不能なものについては評価性引当額を計上しています。経営環境等の変化により、課税所得の見積りの変更が必要となった場合には、繰延税金資産の計上額が変動し、当社及び連結子会社の業績に重要な影響を与える可能性があります。

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