有価証券報告書-第95期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行の影響を受けて、社会経済活動が大きく制限された結果、緊急事態宣言の発出、経済活動の停滞や個人消費の低迷が続く厳しい状況となりました。景気の動向については、各種政策の効果や米国経済見通しの改善もあって今後持ち直していくことが期待されるものの、再度の緊急事態宣言が発出される等、感染再拡大による更なる減速リスク等も懸念され、先行きは極めて不透明な状況となっております。
当連結会計年度の当社グループの経営成績は、以下の通りであります。
当連結会計年度(2021年3月期)経営成績 前連結会計年度比較 (単位:百万円)
当連結会計年度(2021年3月期)経営成績 四半期推移 (単位:百万円)
当社グループの経営成績は、当連結会計年度の売上高は上記の通り、前連結会計年度に比べ3.9%減の36,950百万円となりました。四半期単位の売上高については、上記推移の通り、前連結会計年度が前半好調後半失速型の業績であったことに対して、当連結会計年度の第1・2四半期の売上高は衛生・産業材料は不織布の活況等を中心に伸張しましたが、最初の緊急事態宣言等の影響を受けた市場の動揺と需要家の停滞感を反映し、環境・機能材料及び電子材料は大幅に落ち込みました。第3四半期には、リモートワークの拡大や5G(第5世代移動通信システム)関連の立ち上げを背景に電子材料は前連結会計年度並みに復調しましたが、環境・機能材料は若干の改善は見られたものの依然として低調に推移いたしました。第4四半期は、比較対象の前年度同期間が落ち込んでいたことが増加の主要因ではありますが、いずれの事業でも同期間を大きく上回っており、環境・機能材料についても持ち直しの傾向が見られました。しかし、当社グループ全体での通期の連結売上高は前半における伸び悩みを取り戻すまでには至りませんでした。
利益面においては、当連結会計年度の営業利益は前連結会計年度に比べ32.5%増の858百万円となりました。売上が伸び悩む状況下にありながら営業利益が大幅な増益になった要因としては、取扱商材が収益性の高い販売構成に推移したことによって売上総利益が減益とならなかったこと、インドネシア製造子会社が衛生・産業材料の活況を背景に一年間を通じて業績に貢献したこと及びコロナ禍の影響による営業活動の制限によって旅費交通費等の営業費用が前連結会計年度より大幅に減少したこと等が挙げられます。当連結会計年度の経常利益は前連結会計年度に比べ43.0%増の868百万円となりました。この主な要因は、営業利益が増加したことに加えて、年度末為替レートが円安に振れたことによる為替差益が発生し、前連結会計年度に比べて営業外収支が好転したことであります。また、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は税金等調整前当期純利益の増加と非支配株主に帰属する当期純利益の増加の差引の結果として、前連結会計年度に比べ31.4%増の520百万円となりました。
主な事業の内訳は、以下の通りであります。
なお、当社は化学品専門商社であり、マネジメントにおける事業の分析や経営管理においても、化学品及びそこから派生する関連事業を単独セグメントとして捉えており、配下の事業部門及びグループ会社ごとの成績及び財政状況の把握を行っております。しかし、社外に対しての説明においては、商品分類の専門性や繁雑性を勘案して、以下の主要3事業に成績の再構成を行い、開示や報告等を行っております。
また、当連結会計年度から、各事業の対象区分を一部変更しております。これに伴い、前年同期比較は前年同期の数値を変更後の区分方法により組み替えて比較しております。
・電子材料
電子材料については、当連結会計年度の売上高は前連結会計年度に比べ4.9%増の10,239百万円となりました。
・環境・機能材料
環境・機能材料については、当連結会計年度の売上高は前連結会計年度に比べ15.2%減の16,514百万円となりました。
・衛生・産業材料
衛生・産業材料については、当連結会計年度の売上高は前連結会計年度に比べ10.4%増の10,197百万円となりました。
なお、事業別の経営成績等の説明につきましては、後述の(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容にて記載しております。
また、セグメントごとの経営成績は、次の通りであります。
・国内法人
(単位:百万円)
セグメントの「国内法人」には日本国内法人の国内売上と海外売上が計上されており、同海外売上には、アジア・北米・中東等への売上が含まれております。当連結会計年度については、衛生・産業材料や電子材料は堅調に推移しましたが、バリウム中間体や鉱石類が伸び悩んだため、売上高は5.9%減の32,754百万円となりました。しかし、営業利益については、売上総利益率の向上や営業費用の減少により11.7%増の500百万円となりました。
・在外法人
(単位:百万円)
セグメントの「在外法人」には在外現地法人の売上が計上されており、同売上には、アジア・北米・オセアニア等への売上が含まれております。当連結会計年度については、北米における事業がコロナ禍の影響により減少しましたが、衛生・産業材料の需要の増加によって、インドネシアやタイにおける事業が好調に推移したことにより、売上高は14.4%増の4,196百万円となりました。また、営業利益についても、インドネシア製造子会社の製販増加によって売上総利益が伸張したことにより97.1%増の364百万円となりました。
なお、SAKAI TRADING EUROPE GmbHにつきましては、2018年9月28日に解散決議し、ドイツ法上の規程に則り、当連結会計年度において清算結了いたしました。従って、当社グループの連結の範囲から除外しております。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産は、当第4四半期連結会計期間の売上高の増により営業債権が増加したことを主要因として、前連結会計年度末に比べ1,157百万円増の18,468百万円となりました。
当連結会計年度末の負債は、当第4四半期連結会計期間の買入高の増により営業債務が増加したことを主要因として、前連結会計年度末に比べ609百万円増の9,958百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産は、その他の包括利益累計額が株価の変動等により増加したことに加え、親会社株主に帰属する当期純利益の積み上がりにより、前連結会計年度末に比べ547百万円増の8,509百万円となりました。また、純資産のうち当社株主に帰属する持分合計は8,054百万円となりました。
これらの結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ0.3ポイント減の43.6%となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の当社グループのキャッシュ・フローの状況は、営業活動によるキャッシュ・フローは403百万円の支出、投資活動によるキャッシュ・フローは161百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローは188百万円の支出となりました。これに現金及び現金同等物に係る換算差額を調整した結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は前連結会計年度末に比べ793百万円減の1,981百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業キャッシュ・フローは前連結会計年度に比べ1,083百万円の支出増の403百万円の支出となりました。この要因として、当第4四半期連結会計期間の売上高及び仕入高の増により営業債権及び営業債務がそれぞれ増加しましたが、このことにより、前連結会計年度に比べキャッシュベースでの営業支出の増加が同営業収入を上回ったことが挙げられます。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資キャッシュ・フローは前連結会計年度に比べ130百万円の支出増の161百万円の支出となりました。この要因として、前連結会計年度の有形固定資産の取得支出が10百万円であったのに比べ当連結会計年度の有形固定資産の取得支出が146百万円と増加したことが挙げられます。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務キャッシュ・フローは前連結会計年度に比べ57百万円の支出減の188百万円の支出となりました。この要因として、長短借入金の増減が前連結会計年度は146百万円の返済超過であったのに対して当連結会計年度は97百万円の返済超過と減少したことが挙げられます。
④ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
(注)1 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 商品仕入実績
当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
(注)1 金額は仕入価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、いずれの相手先についても当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たっては、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っております。
a.貸倒引当金
債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権
については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。
b.たな卸資産
商品の販売価格や市場状況に基づく時価の見積額と主として移動平均法による原価との差額に相当する金額について評価損を計上しております。
c.有形・無形固定資産の減損
有形・無形固定資産の減損会計は資産のグルーピング等に固有の事情を反映した合理的で説明可能な仮定及び予測に基づいて算出しております。
d.投資有価証券の減損
当社グループは取引関係の維持のため、特定顧客の株式を所有しております。これらの株式には市場価格が明らかな上場株式と、株価の決定が困難である非上場株式が含まれております。上場会社の株式については決算日の市場価格が帳簿価額より50%以上下落した場合に評価損を計上しております。また、決算日の市場価格が帳簿価額より30%以上50%未満下落した場合にも、対象銘柄の過去の株価推移等を検討し総合的に判断した上で減損処理を行うこととしております。非上場会社の株式については、それらの会社の純資産額の持分相当額が帳簿価額より50%以上下落した場合に評価損を計上しております。
e.繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を定期的に検討しております。その判断に際して将来の課税所得を合理的に見積り、将来の税負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲内で繰延税金資産を計上しております。
繰延税金資産の回収可能性に関する会計上の見積りの仮定については、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの業績は、前述の(1)経営成績等の状況の概要① 経営成績の状況に記載の通り、当連結会計年度の売上高は前連結会計年度に比べ3.9%減の36,950百万円となりました。
利益面においては、当連結会計年度の営業利益は前連結会計年度に比べ32.5%増の858百万円となりました。当連結会計年度の経常利益は前連結会計年度に比べ43.0%増の868百万円となりました。また、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ31.4%増の520百万円となりました。
当社グループは以下の商品群のグルーピング化により業績の認識を行った上で、経営成績等の分析・検討を行っております。
・電子材料
電子材料については、当連結会計年度の前半こそコロナ禍の影響により業績が伸び悩みましたが、第3四半期連結会計期間よりリモートワークの拡大や5G(第5世代移動通信システム)関連の立ち上げを背景に通信機器及び電子機器向けの部材等が復調したこと等の要因により、当連結会計年度の売上高は前連結会計年度に比べ4.9%増の10,239百万円となりました。
・環境・機能材料
環境・機能材料については、前連結会計年度に需要家の将来需要に向けて大きく伸張した国内向けのバリウム中間体が一段落したことに加えて、鉱石類・酸化チタン・樹脂添加剤・合成樹脂や輸出向け触媒等が年間を通じて停滞したこと等の要因により、当連結会計年度の売上高は前連結会計年度に比べ15.2%減の16,514百万円となりました。
・衛生・産業材料
衛生・産業材料については、産業材料は耐候性土嚢等の主力商材を含めて需要が伸び悩みましたが、コロナ禍の影響を受けて不織布や衛生部材等の需要が活況であったこと、インドネシア製造子会社の業況が好調に推移したこと等の要因により、当連結会計年度の売上高は前連結会計年度に比べ10.4%増の10,197百万円となりました。
当連結会計年度の営業利益は前連結会計年度に比べ32.5%増の858百万円となりました。売上が伸び悩む状況下にありながら営業利益が大幅な増益になった要因としては、取扱商材が収益性の高い販売構成に推移したことによって売上総利益が減益とならなかったこと、インドネシア製造子会社が衛生・産業材料の活況を背景に年間を通じて業績に貢献したこと及びコロナ禍の影響による営業活動の制限によって旅費交通費等の営業費用が前連結会計年度より大幅に減少したこと等が挙げられます。
当連結会計年度の経常利益は前連結会計年度に比べ43.0%増の868百万円となりました。この主な要因は、営業利益が増加したことに加えて、年度末為替レートが円安に振れたことによる為替差益が発生し、前連結会計年度に比べて営業外収支が好転したことであります。
また、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は税金等調整前当期純利益の増加と非支配株主に帰属する当期純利益の増加の差引の結果として、前連結会計年度に比べ31.4%増の520百万円となりました。
(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、前述の2 事業等のリスクに記載の通りであります。
なお、当社の営業取引には、商社として財又はサービスを企業が自ら提供する履行義務である場合の「本人取引」と、顧客がその財又はサービスを受け取れるように手配する履行義務を負う「代理人取引」が、同一商材を扱う上でも幅広く混在いたします。2021年4月以降に開始される連結会計年度より適用される「収益認識に関する会計基準」等によって、「本人取引」は従来のままの総額計上、「代理人取引」は収益を純額計上することとなります。当社グループの両取引の各々の営業利益率は概ね大差が無いため、その「本人取引」と「代理人取引」の構成比率の増減によって利益に与える影響は軽微であると判断しておりますが、売上高については「代理人取引」部分が見掛け上の大きな減収の要因となります。当社グループでは、「収益認識に関する会計基準」等の適用後の売上高については、これらの分類が利益面での相関が僅少であること、従来の通り営業債権・債務は発生し信用リスクには晒されること等の理由により、経営成績の把握のための業績管理項目には積極的には採り入れないことを社内決定いたしました。しかし、2022年3月期以降の業績開示における経営成績の状況や経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析において、売上高の説明の在り方については今後も検討してまいります。
(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
資本の財源につきましては、事業運営上で必要な運転資金の主なものは商社における商品仕入、製造子会社における材料仕入、製造費用、共通するものとして販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また、設備資金の主なものは、情報システム投資や製造子会社における機械装置等有形固定資産購入によるものであります。これらの財源については、基本的に内部資金より充当いたしますが、不足が生じた場合は借入金により調達を行っております。
資金の流動性につきましては、前連結会計年度の流動比率(流動資産÷流動負債×100)は162%、当連結会計年度は164%となり2ポイント程度の改善となりました。当第4四半期連結会計期間の売上高及び仕入高の増加により営業債権及び営業債務がそれぞれ増加しましたが、営業債権の増加が営業債務の増加を上回ったため、流動性の比率向上に繋がりました。しかし、当連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書から読み取れますように、当第4四半期連結会計期間の売上高の増加傾向に伴って、年間の営業キャッシュ・フローが支出側に傾斜したことにより、現金及び現金同等物が前連結会計年度末より減少する最大の要因となりました。
今後の資金管理については、営業活動から生み出されるキャッシュ・フローと資産の健全性、金融情勢等を考慮した上で、更に安全な資金調達環境を整備していきたいと考えております。
なお、キャッシュ・フローの分析につきましては、前述の(1)経営成績等の状況の概要③ キャッシュ・フローの状況に記載の通りであります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行の影響を受けて、社会経済活動が大きく制限された結果、緊急事態宣言の発出、経済活動の停滞や個人消費の低迷が続く厳しい状況となりました。景気の動向については、各種政策の効果や米国経済見通しの改善もあって今後持ち直していくことが期待されるものの、再度の緊急事態宣言が発出される等、感染再拡大による更なる減速リスク等も懸念され、先行きは極めて不透明な状況となっております。
当連結会計年度の当社グループの経営成績は、以下の通りであります。
当連結会計年度(2021年3月期)経営成績 前連結会計年度比較 (単位:百万円)
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 対前期増減額 | 対前期増減比 | |
| 売上高 | 38,467 | 36,950 | △1,516 | △3.9% |
| 営業利益 | 648 | 858 | 210 | 32.5% |
| 経常利益 | 607 | 868 | 261 | 43.0% |
| 親会社株主に 帰属する当期純利益 | 395 | 520 | 124 | 31.4% |
当連結会計年度(2021年3月期)経営成績 四半期推移 (単位:百万円)
| (会計期間) | 第1四半期 | 第2四半期 | 第3四半期 | 第4四半期 |
| 売上高 (対前年同四半期増減額) | 9,009 (△1,617) | 8,958 (△702) | 9,405 (△210) | 9,577 (1,014) |
| 営業利益 (対前年同四半期増減額) | 193 (37) | 224 (33) | 204 (1) | 235 (138) |
当社グループの経営成績は、当連結会計年度の売上高は上記の通り、前連結会計年度に比べ3.9%減の36,950百万円となりました。四半期単位の売上高については、上記推移の通り、前連結会計年度が前半好調後半失速型の業績であったことに対して、当連結会計年度の第1・2四半期の売上高は衛生・産業材料は不織布の活況等を中心に伸張しましたが、最初の緊急事態宣言等の影響を受けた市場の動揺と需要家の停滞感を反映し、環境・機能材料及び電子材料は大幅に落ち込みました。第3四半期には、リモートワークの拡大や5G(第5世代移動通信システム)関連の立ち上げを背景に電子材料は前連結会計年度並みに復調しましたが、環境・機能材料は若干の改善は見られたものの依然として低調に推移いたしました。第4四半期は、比較対象の前年度同期間が落ち込んでいたことが増加の主要因ではありますが、いずれの事業でも同期間を大きく上回っており、環境・機能材料についても持ち直しの傾向が見られました。しかし、当社グループ全体での通期の連結売上高は前半における伸び悩みを取り戻すまでには至りませんでした。
利益面においては、当連結会計年度の営業利益は前連結会計年度に比べ32.5%増の858百万円となりました。売上が伸び悩む状況下にありながら営業利益が大幅な増益になった要因としては、取扱商材が収益性の高い販売構成に推移したことによって売上総利益が減益とならなかったこと、インドネシア製造子会社が衛生・産業材料の活況を背景に一年間を通じて業績に貢献したこと及びコロナ禍の影響による営業活動の制限によって旅費交通費等の営業費用が前連結会計年度より大幅に減少したこと等が挙げられます。当連結会計年度の経常利益は前連結会計年度に比べ43.0%増の868百万円となりました。この主な要因は、営業利益が増加したことに加えて、年度末為替レートが円安に振れたことによる為替差益が発生し、前連結会計年度に比べて営業外収支が好転したことであります。また、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は税金等調整前当期純利益の増加と非支配株主に帰属する当期純利益の増加の差引の結果として、前連結会計年度に比べ31.4%増の520百万円となりました。
主な事業の内訳は、以下の通りであります。
なお、当社は化学品専門商社であり、マネジメントにおける事業の分析や経営管理においても、化学品及びそこから派生する関連事業を単独セグメントとして捉えており、配下の事業部門及びグループ会社ごとの成績及び財政状況の把握を行っております。しかし、社外に対しての説明においては、商品分類の専門性や繁雑性を勘案して、以下の主要3事業に成績の再構成を行い、開示や報告等を行っております。
また、当連結会計年度から、各事業の対象区分を一部変更しております。これに伴い、前年同期比較は前年同期の数値を変更後の区分方法により組み替えて比較しております。
・電子材料
電子材料については、当連結会計年度の売上高は前連結会計年度に比べ4.9%増の10,239百万円となりました。
・環境・機能材料
環境・機能材料については、当連結会計年度の売上高は前連結会計年度に比べ15.2%減の16,514百万円となりました。
・衛生・産業材料
衛生・産業材料については、当連結会計年度の売上高は前連結会計年度に比べ10.4%増の10,197百万円となりました。
なお、事業別の経営成績等の説明につきましては、後述の(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容にて記載しております。
また、セグメントごとの経営成績は、次の通りであります。
・国内法人
(単位:百万円)
| 会社名 | 所在国 | 主な販売地域 | 当連結会計年度 | |
| 売上高 (対前期増減比) | 営業利益 (対前期増減比) | |||
| 堺商事株式会社 | 日本 | 日本・アジア・北米等 | 32,754 (△5.9%) | 500 (11.7%) |
セグメントの「国内法人」には日本国内法人の国内売上と海外売上が計上されており、同海外売上には、アジア・北米・中東等への売上が含まれております。当連結会計年度については、衛生・産業材料や電子材料は堅調に推移しましたが、バリウム中間体や鉱石類が伸び悩んだため、売上高は5.9%減の32,754百万円となりました。しかし、営業利益については、売上総利益率の向上や営業費用の減少により11.7%増の500百万円となりました。
・在外法人
(単位:百万円)
| 会社名 | 所在国 | 主な販売地域 | 当連結会計年度 | |
| 売上高 (対前期増減比) | 営業利益 (対前期増減比) | |||
| SAKAI TRADING NEW YORK INC. | 米国 | 日本・北米等 | 4,196 (14.4%) | 364 (97.1%) |
| SAKAI AUSTRALIA PTY LTD. | オーストラリア | オセアニア等 | ||
| 堺商事貿易(上海)有限公司 | 中国 | 日本・中国等 | ||
| 台湾堺股份有限公司 | 台湾 | 日本・台湾等 | ||
| PT. S&S HYGIENE SOLUTION | インドネシア | 日本・インドネシア等 | ||
| SAKAI TRADING (THAILAND) CO., LTD. | タイ | タイ・マレーシア等 | ||
セグメントの「在外法人」には在外現地法人の売上が計上されており、同売上には、アジア・北米・オセアニア等への売上が含まれております。当連結会計年度については、北米における事業がコロナ禍の影響により減少しましたが、衛生・産業材料の需要の増加によって、インドネシアやタイにおける事業が好調に推移したことにより、売上高は14.4%増の4,196百万円となりました。また、営業利益についても、インドネシア製造子会社の製販増加によって売上総利益が伸張したことにより97.1%増の364百万円となりました。
なお、SAKAI TRADING EUROPE GmbHにつきましては、2018年9月28日に解散決議し、ドイツ法上の規程に則り、当連結会計年度において清算結了いたしました。従って、当社グループの連結の範囲から除外しております。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産は、当第4四半期連結会計期間の売上高の増により営業債権が増加したことを主要因として、前連結会計年度末に比べ1,157百万円増の18,468百万円となりました。
当連結会計年度末の負債は、当第4四半期連結会計期間の買入高の増により営業債務が増加したことを主要因として、前連結会計年度末に比べ609百万円増の9,958百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産は、その他の包括利益累計額が株価の変動等により増加したことに加え、親会社株主に帰属する当期純利益の積み上がりにより、前連結会計年度末に比べ547百万円増の8,509百万円となりました。また、純資産のうち当社株主に帰属する持分合計は8,054百万円となりました。
これらの結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ0.3ポイント減の43.6%となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の当社グループのキャッシュ・フローの状況は、営業活動によるキャッシュ・フローは403百万円の支出、投資活動によるキャッシュ・フローは161百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローは188百万円の支出となりました。これに現金及び現金同等物に係る換算差額を調整した結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は前連結会計年度末に比べ793百万円減の1,981百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業キャッシュ・フローは前連結会計年度に比べ1,083百万円の支出増の403百万円の支出となりました。この要因として、当第4四半期連結会計期間の売上高及び仕入高の増により営業債権及び営業債務がそれぞれ増加しましたが、このことにより、前連結会計年度に比べキャッシュベースでの営業支出の増加が同営業収入を上回ったことが挙げられます。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資キャッシュ・フローは前連結会計年度に比べ130百万円の支出増の161百万円の支出となりました。この要因として、前連結会計年度の有形固定資産の取得支出が10百万円であったのに比べ当連結会計年度の有形固定資産の取得支出が146百万円と増加したことが挙げられます。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務キャッシュ・フローは前連結会計年度に比べ57百万円の支出減の188百万円の支出となりました。この要因として、長短借入金の増減が前連結会計年度は146百万円の返済超過であったのに対して当連結会計年度は97百万円の返済超過と減少したことが挙げられます。
④ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
| セグメントの名称 | 金額(千円) | 前期比(%) |
| 国内法人 | - | - |
| 在外法人 | 2,128,466 | 138.7 |
| 合計 | 2,128,466 | 138.7 |
(注)1 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 商品仕入実績
当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
| セグメントの名称 | 金額(千円) | 前期比(%) |
| 国内法人 | 31,373,095 | 94.6 |
| 在外法人 | 1,455,108 | 96.3 |
| 合計 | 32,828,203 | 94.7 |
(注)1 金額は仕入価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
| セグメントの名称 | 金額(千円) | 前期比(%) |
| 国内法人 | 32,754,245 | 94.1 |
| 在外法人 | 4,196,328 | 114.4 |
| 合計 | 36,950,573 | 96.1 |
(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、いずれの相手先についても当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たっては、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っております。
a.貸倒引当金
債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権
については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。
b.たな卸資産
商品の販売価格や市場状況に基づく時価の見積額と主として移動平均法による原価との差額に相当する金額について評価損を計上しております。
c.有形・無形固定資産の減損
有形・無形固定資産の減損会計は資産のグルーピング等に固有の事情を反映した合理的で説明可能な仮定及び予測に基づいて算出しております。
d.投資有価証券の減損
当社グループは取引関係の維持のため、特定顧客の株式を所有しております。これらの株式には市場価格が明らかな上場株式と、株価の決定が困難である非上場株式が含まれております。上場会社の株式については決算日の市場価格が帳簿価額より50%以上下落した場合に評価損を計上しております。また、決算日の市場価格が帳簿価額より30%以上50%未満下落した場合にも、対象銘柄の過去の株価推移等を検討し総合的に判断した上で減損処理を行うこととしております。非上場会社の株式については、それらの会社の純資産額の持分相当額が帳簿価額より50%以上下落した場合に評価損を計上しております。
e.繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を定期的に検討しております。その判断に際して将来の課税所得を合理的に見積り、将来の税負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲内で繰延税金資産を計上しております。
繰延税金資産の回収可能性に関する会計上の見積りの仮定については、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの業績は、前述の(1)経営成績等の状況の概要① 経営成績の状況に記載の通り、当連結会計年度の売上高は前連結会計年度に比べ3.9%減の36,950百万円となりました。
利益面においては、当連結会計年度の営業利益は前連結会計年度に比べ32.5%増の858百万円となりました。当連結会計年度の経常利益は前連結会計年度に比べ43.0%増の868百万円となりました。また、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ31.4%増の520百万円となりました。
当社グループは以下の商品群のグルーピング化により業績の認識を行った上で、経営成績等の分析・検討を行っております。
・電子材料
電子材料については、当連結会計年度の前半こそコロナ禍の影響により業績が伸び悩みましたが、第3四半期連結会計期間よりリモートワークの拡大や5G(第5世代移動通信システム)関連の立ち上げを背景に通信機器及び電子機器向けの部材等が復調したこと等の要因により、当連結会計年度の売上高は前連結会計年度に比べ4.9%増の10,239百万円となりました。
・環境・機能材料
環境・機能材料については、前連結会計年度に需要家の将来需要に向けて大きく伸張した国内向けのバリウム中間体が一段落したことに加えて、鉱石類・酸化チタン・樹脂添加剤・合成樹脂や輸出向け触媒等が年間を通じて停滞したこと等の要因により、当連結会計年度の売上高は前連結会計年度に比べ15.2%減の16,514百万円となりました。
・衛生・産業材料
衛生・産業材料については、産業材料は耐候性土嚢等の主力商材を含めて需要が伸び悩みましたが、コロナ禍の影響を受けて不織布や衛生部材等の需要が活況であったこと、インドネシア製造子会社の業況が好調に推移したこと等の要因により、当連結会計年度の売上高は前連結会計年度に比べ10.4%増の10,197百万円となりました。
当連結会計年度の営業利益は前連結会計年度に比べ32.5%増の858百万円となりました。売上が伸び悩む状況下にありながら営業利益が大幅な増益になった要因としては、取扱商材が収益性の高い販売構成に推移したことによって売上総利益が減益とならなかったこと、インドネシア製造子会社が衛生・産業材料の活況を背景に年間を通じて業績に貢献したこと及びコロナ禍の影響による営業活動の制限によって旅費交通費等の営業費用が前連結会計年度より大幅に減少したこと等が挙げられます。
当連結会計年度の経常利益は前連結会計年度に比べ43.0%増の868百万円となりました。この主な要因は、営業利益が増加したことに加えて、年度末為替レートが円安に振れたことによる為替差益が発生し、前連結会計年度に比べて営業外収支が好転したことであります。
また、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は税金等調整前当期純利益の増加と非支配株主に帰属する当期純利益の増加の差引の結果として、前連結会計年度に比べ31.4%増の520百万円となりました。
(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、前述の2 事業等のリスクに記載の通りであります。
なお、当社の営業取引には、商社として財又はサービスを企業が自ら提供する履行義務である場合の「本人取引」と、顧客がその財又はサービスを受け取れるように手配する履行義務を負う「代理人取引」が、同一商材を扱う上でも幅広く混在いたします。2021年4月以降に開始される連結会計年度より適用される「収益認識に関する会計基準」等によって、「本人取引」は従来のままの総額計上、「代理人取引」は収益を純額計上することとなります。当社グループの両取引の各々の営業利益率は概ね大差が無いため、その「本人取引」と「代理人取引」の構成比率の増減によって利益に与える影響は軽微であると判断しておりますが、売上高については「代理人取引」部分が見掛け上の大きな減収の要因となります。当社グループでは、「収益認識に関する会計基準」等の適用後の売上高については、これらの分類が利益面での相関が僅少であること、従来の通り営業債権・債務は発生し信用リスクには晒されること等の理由により、経営成績の把握のための業績管理項目には積極的には採り入れないことを社内決定いたしました。しかし、2022年3月期以降の業績開示における経営成績の状況や経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析において、売上高の説明の在り方については今後も検討してまいります。
(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
資本の財源につきましては、事業運営上で必要な運転資金の主なものは商社における商品仕入、製造子会社における材料仕入、製造費用、共通するものとして販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また、設備資金の主なものは、情報システム投資や製造子会社における機械装置等有形固定資産購入によるものであります。これらの財源については、基本的に内部資金より充当いたしますが、不足が生じた場合は借入金により調達を行っております。
資金の流動性につきましては、前連結会計年度の流動比率(流動資産÷流動負債×100)は162%、当連結会計年度は164%となり2ポイント程度の改善となりました。当第4四半期連結会計期間の売上高及び仕入高の増加により営業債権及び営業債務がそれぞれ増加しましたが、営業債権の増加が営業債務の増加を上回ったため、流動性の比率向上に繋がりました。しかし、当連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書から読み取れますように、当第4四半期連結会計期間の売上高の増加傾向に伴って、年間の営業キャッシュ・フローが支出側に傾斜したことにより、現金及び現金同等物が前連結会計年度末より減少する最大の要因となりました。
今後の資金管理については、営業活動から生み出されるキャッシュ・フローと資産の健全性、金融情勢等を考慮した上で、更に安全な資金調達環境を整備していきたいと考えております。
なお、キャッシュ・フローの分析につきましては、前述の(1)経営成績等の状況の概要③ キャッシュ・フローの状況に記載の通りであります。