有価証券報告書-第97期(2022/04/01-2023/03/31)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限が徐々に緩和されたことにより経済活動の正常化が進み、企業活動及び個人消費は持ち直しの兆しが見られました。しかしながら、ウクライナ情勢の長期化、円安や資源高に伴う物価上昇、インフレ圧力の高まり、これに伴う世界的な金融引き締め強化の潮流等の様々なリスクが懸念され、景気の先行きは不透明な状況となっております。
当社グループでは前連結会計年度より「収益認識に関する会計基準」(以下「収益認識会計基準」という。)等を適用しております。当社グループの営業取引には、財又はサービスを企業が自ら提供する履行義務のある場合の「本人取引」と、顧客がその財又はサービスを受け取れるように手配する履行義務を負う「代理人取引」が同一商材を扱う上でも幅広く混在しており、以下の要因等から従来の総額での売上高による業績把握を現在も実施しております。
・「本人取引」と「代理人取引」上の営業利益率に重要性のある差異はなく、それらを要因とした利益に与える影響は軽微であるにも拘わらず、表面上の売上総利益率に大きな差異が発生すること
・営業取引における採算性と運転資金の効率性判断において純額売上方式は親和性が無いこと
・当社の「代理人取引」は所謂「売り切り・買い切り」モデルが主体であり、営業債権及び債務は総額取引に基づいて発生するため、取引先の信用情報管理等の把握と分析においては従来の基準が望ましいこと
以上のこと等から、当社グループでは経営者の視点による判断により、業績管理要素として総額売上高を「取扱高」として数値化し業績分析等に活用しております。よって、経営成績等の状況に関する分析・検討の説明においても収益認識会計基準等に基づく「売上高」と当社グループ内での管理指標としての「取扱高」を併記する形式で説明いたします。
当連結会計年度の当社グループの経営成績は、以下のとおりであります。
当連結会計年度(2023年3月期)経営成績 前連結会計年度比較
(単位:百万円)
当社グループの当連結会計年度の業績は上表のとおり、売上高は13,248百万円となりました。当連結会計年度の取扱高については、前連結会計年度後半に大きく伸長した環境・機能材料や電子材料が第3四半期連結累計期間まで堅調に推移しました。それらを主要因として、前連結会計年度の売上高に比べ5.1%増の47,581百万円となりました。
利益面においては、当連結会計年度の営業利益は前連結会計年度に比べ5.4%増の1,089百万円となりました。増益の要因としては、当第4四半期連結会計期間こそ前年を下回ったものの、年間の取扱高は増収となったこと等が挙げられます。当連結会計年度の経常利益は前連結会計年度に比べ2.0%減の1,146百万円となりました。主な要因としては、営業利益は増加しましたものの、為替差益が前年比で減少したことにより営業外損益が悪化したことが挙げられます。また、当連結会計年度には特別利益としてゴルフ会員権売却益1百万円、特別損失として投資有価証券評価損19百万円を計上しております。これらの結果として、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ3.2%減の722百万円となりました。
主な事業の内訳は、次のとおりであります。
なお、当社は化学品専門商社であり、マネジメントにおける事業の分析や経営管理においても、化学品及びそこから派生する関連事業を単独セグメントとして捉えており、配下の事業部門及びグループ会社ごとの成績及び財政状態の把握を行っております。しかし、社外に対しての説明においては、商品分類の専門性や煩雑性を勘案して、以下の主要3事業に成績の再構成を行い、開示や報告等を行っております。
・環境・機能材料
環境・機能材料については、当連結会計年度の売上高は5,978百万円となりました。取扱高については前連結会計年度に比べ19.3%増の24,950百万円となりました。
・電子材料
電子材料については、当連結会計年度の売上高は1,481百万円となりました。取扱高については前連結会計年度に比べ12.7%減の12,111百万円となりました。
・衛生・産業材料
衛生・産業材料については、当連結会計年度の売上高は5,788百万円となりました。取扱高については前連結会計年度に比べ0.6%増の10,520百万円となりました。
なお、事業別の経営成績等の説明につきましては、後述の(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容にて記載しております。
また、セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
・国内法人
(単位:百万円)
(注)売上高は当社グループの経営分析指標ではないため、対前期比較を行っておりません。
セグメントの「国内法人」には日本国内法人の国内売上と海外売上が計上されており、同海外売上には、アジア・北米・中東等への売上が含まれております。当該セグメントの当連結会計年度の売上高は10,096百万円となりました。当連結会計年度の取扱高については、電子材料の減少があったものの、バリウム中間体やその他の輸入商材等の増加により環境・機能材料が増加し、また衛生・産業材料についても安定的に推移しました。その結果、前連結会計年度に比べ3.9%増の41,424百万円となりました。営業利益についても、取扱高の増加に起因して前連結会計年度に比べ1.2%増の754百万円となりました。
・在外法人
(単位:百万円)
(注)売上高は当社グループの経営分析指標ではないため、対前期比較を行っておりません。
セグメントの「在外法人」には在外現地法人の売上が計上されており、同売上には、アジア・北米・オセアニア等への売上が含まれております。当該セグメントの当連結会計年度の売上高は3,151百万円となりました。当連結会計年度の取扱高については、円安による割増効果に加えて、北米法人のコロナ禍からの復調や中国法人における脱硝触媒の増販、インドネシア法人の堅調な推移等により、前連結会計年度に比べ14.0%増の6,157百万円となりました。営業利益についても、取扱高の増加に加えて、インドネシア法人では原料や輸出運賃の高騰があったものの当年度後半には業績の改善が見られたこと等によって、前連結会計年度に比べ17.1%増の342百万円となりました。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産は、短期借入金の増加や当第4四半期連結会計期間の売上高の減少により営業債権が減少したことによって現金及び預金が増加し、受取手形及び売掛金が減少した結果、前連結会計年度末に比べ968百万円増の22,349百万円となりました。
当連結会計年度末の負債は、短期借入金が増加し、当第4四半期連結会計期間の仕入高の減少により営業債務が減少した結果、前連結会計年度末に比べ52百万円増の12,064百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産は、為替換算調整勘定が円安要因により増加したことに加え、親会社株主に帰属する当期純利益の積み上がりにより、前連結会計年度末に比べ916百万円増の10,285百万円となりました。また、純資産のうち当社株主に帰属する持分合計は9,575百万円となりました。
これらの結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ1.7ポイント増の42.8%となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の当社グループのキャッシュ・フローの状況は、営業活動によるキャッシュ・フローは1,337百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローは77百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローは1,493百万円の収入となりました。これに現金及び現金同等物に係る換算差額を調整した結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は前連結会計年度末に比べ2,881百万円増の4,280百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業キャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ2,196百万円の収入増の1,337百万円の収入となりました。この要因として、当第4四半期連結会計期間の売上・仕入の落込に伴い営業債権債務の状況が回収先行となったことが挙げられます。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資キャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ303百万円の支出減の77百万円の支出となりました。この要因として、前連結会計年度の有形固定資産の取得支出が325百万円であったのに比べ、当連結会計年度の有形固定資産の取得支出が62百万円と減少したことが挙げられます。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務キャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ942百万円の収入増の1,493百万円の収入となりました。この要因として、第3四半期連結累計期間までの営業状況の活況から運転資金需要が高まり短期借入を実行した結果、前連結会計年度の借入実行が677百万円であったのに比べ当連結会計年度の借入実行が1,674百万円となったことが挙げられます。
④ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
b. 商品仕入実績
当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)金額は仕入価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たっては、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っております。
a.貸倒引当金
債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。
b.棚卸資産
商品の販売価格や市場状況に基づく時価の見積額と主として移動平均法による原価との差額に相当する金額について評価損を計上しております。
c.有形・無形固定資産の減損
有形・無形固定資産の減損会計は資産のグルーピング等に固有の事情を反映した合理的で説明可能な仮定及び予測に基づいて算出しております。
d.投資有価証券の減損
当社グループは取引関係の維持のため、特定顧客の株式を所有しております。これらの株式には市場価格が明らかな上場株式と、株価の決定が困難である非上場株式が含まれております。上場会社の株式については決算日の市場価格が帳簿価額より50%以上下落した場合に評価損を計上しております。また、決算日の市場価格が帳簿価額より30%以上50%未満下落した場合にも、対象銘柄の過去の株価推移等を検討し総合的に判断した上で減損処理を行うこととしております。非上場会社の株式については、それらの会社の純資産額の持分相当額が帳簿価額より50%以上下落した場合に評価損を計上しております。
e.繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を定期的に検討しております。その判断に際して将来の課税所得を合理的に見積り、将来の税負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲内で繰延税金資産を計上しております。
繰延税金資産の回収可能性に関する会計上の見積りの仮定については、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度(2023年3月期)経営成績 前連結会計年度比較
(単位:百万円)
当社グループの業績は、前述の(1)経営成績等の状況の概要① 経営成績の状況に記載のとおり、当連結会計年度の売上高は13,248百万円となりました。また、取扱高は前連結会計年度に比べ5.1%増の47,581百万円となりました。
当連結会計年度(2023年3月期)経営成績 四半期推移
(単位:百万円)
当連結会計年度の四半期単位の取扱高については、前連結会計年度が前第3四半期連結会計期間以降に大幅に増加したことに対して、当連結会計年度は上表推移のとおり、第3四半期連結累計期間までの各会計期間で前年を上回りました。しかしながら、当第4四半期連結会計期間ではスマホやPC等の需要急減により電子材料市況が急激に落ち込んだことから電子材料や環境・機能材料のバリウム中間体の販売が低迷しました。その結果、当第4四半期連結会計期間は前年を下回りました。
利益面においては、当連結会計年度の営業利益は前連結会計年度に比べ5.4%増の1,089百万円となりました。増益の要因としては、当第4四半期連結会計期間こそ前年を下回ったものの、年間の取扱高は増収となったこと等が挙げられます。当連結会計年度の経常利益は前連結会計年度に比べ2.0%減の1,146百万円となりました。主な要因としては、営業利益は増加しましたものの、為替差益が前年比で減少したことにより営業外損益が悪化したことが挙げられます。また、当連結会計年度には特別利益としてゴルフ会員権売却益1百万円、特別損失として投資有価証券評価損19百万円を計上しております。これらの結果として、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ3.2%減の722百万円となりました。
また、当社グループは以下の商品群のグルーピング化により業績の認識を行った上で、経営成績等の分析・検討を行っております。
(単位:百万円)
(注)売上高は当社グループの経営分析指標ではないため、対前連結会計年度比較を行っておりません。
・環境・機能材料
環境・機能材料については、当連結会計年度の売上高は5,978百万円となりました。取扱高については、前連結会計年度に伸長した国内向けバリウム中間体や触媒、その他の輸入商材等が伸張したこと等を主要因として、前連結会計年度に比べ19.3%増の24,950百万円となりました。
・電子材料
電子材料については、当連結会計年度の売上高は1,481百万円となりました。取扱高については、前年度後半に大幅に伸長した電子材料向けバリウムや誘電体材料が、当年度後半には市況の在庫余剰感と需要の減退により急激に落ち込んだことから、前連結会計年度に比べ12.7%減の12,111百万円となりました。
・衛生・産業材料
衛生・産業材料については、当連結会計年度の売上高は5,788百万円となりました。取扱高については、おむつ・サニタリー用品関連向けの衛生材料が安定的に推移したことや産業材料に若干の業績改善が見られたこと等により、前連結会計年度に比べ0.6%増の10,520百万円となりました。
(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、前述の3 事業等のリスクに記載のとおりであります。
(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
資本の財源につきましては、事業運営上で必要な運転資金の主なものは商社における商品仕入、製造子会社における材料仕入、製造費用、共通するものとして販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また、設備資金の主なものは、情報システム投資や製造子会社における機械装置等有形固定資産購入によるものであります。これらの財源については、基本的に内部資金より充当いたしますが、不足が生じた場合は借入金により調達を行っております。
資金の流動性につきましては、前連結会計年度の流動比率(流動資産÷流動負債×100)は157%、当連結会計年度は163%となり6ポイント程度上昇しました。第3四半期連結累計期間中には、取扱高の高止まりによる運転資金需要によって短期借入を実行いたしました。また、当第4四半期連結会計期間末には、業況が下降に転じた結果、営業債権・債務のポジションが資金回収先行の局面となりました。以上のことから、現金及び預金・短期借入金の増加、営業債権・債務の減少となり、流動資産勘定の差引の増加が流動負債のそれを上回ったことが、流動比率が増加した要因として挙げられます。
今後の資金管理については、営業活動から生み出されるキャッシュ・フローと資産の健全性、金融情勢等を考慮した上で、更に安全な資金調達環境を整備していきたいと考えております。
なお、キャッシュ・フローの分析につきましては、前述の(1)経営成績等の状況の概要③ キャッシュ・フローの状況に記載のとおりであります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限が徐々に緩和されたことにより経済活動の正常化が進み、企業活動及び個人消費は持ち直しの兆しが見られました。しかしながら、ウクライナ情勢の長期化、円安や資源高に伴う物価上昇、インフレ圧力の高まり、これに伴う世界的な金融引き締め強化の潮流等の様々なリスクが懸念され、景気の先行きは不透明な状況となっております。
当社グループでは前連結会計年度より「収益認識に関する会計基準」(以下「収益認識会計基準」という。)等を適用しております。当社グループの営業取引には、財又はサービスを企業が自ら提供する履行義務のある場合の「本人取引」と、顧客がその財又はサービスを受け取れるように手配する履行義務を負う「代理人取引」が同一商材を扱う上でも幅広く混在しており、以下の要因等から従来の総額での売上高による業績把握を現在も実施しております。
・「本人取引」と「代理人取引」上の営業利益率に重要性のある差異はなく、それらを要因とした利益に与える影響は軽微であるにも拘わらず、表面上の売上総利益率に大きな差異が発生すること
・営業取引における採算性と運転資金の効率性判断において純額売上方式は親和性が無いこと
・当社の「代理人取引」は所謂「売り切り・買い切り」モデルが主体であり、営業債権及び債務は総額取引に基づいて発生するため、取引先の信用情報管理等の把握と分析においては従来の基準が望ましいこと
以上のこと等から、当社グループでは経営者の視点による判断により、業績管理要素として総額売上高を「取扱高」として数値化し業績分析等に活用しております。よって、経営成績等の状況に関する分析・検討の説明においても収益認識会計基準等に基づく「売上高」と当社グループ内での管理指標としての「取扱高」を併記する形式で説明いたします。
当連結会計年度の当社グループの経営成績は、以下のとおりであります。
当連結会計年度(2023年3月期)経営成績 前連結会計年度比較
(単位:百万円)
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 対前期増減額 | 対前期増減率 | |
| 売上高 | 12,733 | 13,248 | 514 | 4.0% |
| 取扱高 | 45,253 | 47,581 | 2,328 | 5.1% |
| 営業利益 | 1,033 | 1,089 | 55 | 5.4% |
| 経常利益 | 1,169 | 1,146 | △22 | △2.0% |
| 親会社株主に 帰属する当期純利益 | 746 | 722 | △24 | △3.2% |
当社グループの当連結会計年度の業績は上表のとおり、売上高は13,248百万円となりました。当連結会計年度の取扱高については、前連結会計年度後半に大きく伸長した環境・機能材料や電子材料が第3四半期連結累計期間まで堅調に推移しました。それらを主要因として、前連結会計年度の売上高に比べ5.1%増の47,581百万円となりました。
利益面においては、当連結会計年度の営業利益は前連結会計年度に比べ5.4%増の1,089百万円となりました。増益の要因としては、当第4四半期連結会計期間こそ前年を下回ったものの、年間の取扱高は増収となったこと等が挙げられます。当連結会計年度の経常利益は前連結会計年度に比べ2.0%減の1,146百万円となりました。主な要因としては、営業利益は増加しましたものの、為替差益が前年比で減少したことにより営業外損益が悪化したことが挙げられます。また、当連結会計年度には特別利益としてゴルフ会員権売却益1百万円、特別損失として投資有価証券評価損19百万円を計上しております。これらの結果として、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ3.2%減の722百万円となりました。
主な事業の内訳は、次のとおりであります。
なお、当社は化学品専門商社であり、マネジメントにおける事業の分析や経営管理においても、化学品及びそこから派生する関連事業を単独セグメントとして捉えており、配下の事業部門及びグループ会社ごとの成績及び財政状態の把握を行っております。しかし、社外に対しての説明においては、商品分類の専門性や煩雑性を勘案して、以下の主要3事業に成績の再構成を行い、開示や報告等を行っております。
・環境・機能材料
環境・機能材料については、当連結会計年度の売上高は5,978百万円となりました。取扱高については前連結会計年度に比べ19.3%増の24,950百万円となりました。
・電子材料
電子材料については、当連結会計年度の売上高は1,481百万円となりました。取扱高については前連結会計年度に比べ12.7%減の12,111百万円となりました。
・衛生・産業材料
衛生・産業材料については、当連結会計年度の売上高は5,788百万円となりました。取扱高については前連結会計年度に比べ0.6%増の10,520百万円となりました。
なお、事業別の経営成績等の説明につきましては、後述の(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容にて記載しております。
また、セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
・国内法人
(単位:百万円)
| 会社名 | 所在国 | 主な販売地域 | 当連結会計年度 | ||
| 売上高 | 取扱高 (対前期増減率) | 営業利益 (対前期増減率) | |||
| 堺商事株式会社 | 日本 | 日本・アジア・北米等 | 10,096 | 41,424 (3.9%) | 754 (1.2%) |
(注)売上高は当社グループの経営分析指標ではないため、対前期比較を行っておりません。
セグメントの「国内法人」には日本国内法人の国内売上と海外売上が計上されており、同海外売上には、アジア・北米・中東等への売上が含まれております。当該セグメントの当連結会計年度の売上高は10,096百万円となりました。当連結会計年度の取扱高については、電子材料の減少があったものの、バリウム中間体やその他の輸入商材等の増加により環境・機能材料が増加し、また衛生・産業材料についても安定的に推移しました。その結果、前連結会計年度に比べ3.9%増の41,424百万円となりました。営業利益についても、取扱高の増加に起因して前連結会計年度に比べ1.2%増の754百万円となりました。
・在外法人
(単位:百万円)
| 会社名 | 所在国 | 主な販売地域 | 当連結会計年度 | ||
| 売上高 | 取扱高 (対前期増減率) | 営業利益 (対前期増減率) | |||
| SAKAI TRADING NEW YORK INC. | 米国 | 日本・北米等 | 3,151 | 6,157 (14.0%) | 342 (17.1%) |
| SAKAI AUSTRALIA PTY LTD. | オーストラリア | オセアニア等 | |||
| 堺商事貿易(上海) 有限公司 | 中国 | 日本・中国等 | |||
| 台湾堺股份有限公司 | 台湾 | 日本・台湾等 | |||
| PT. S&S HYGIENE SOLUTION | インドネシア | 日本・インドネシア等 | |||
| SAKAI TRADING (THAILAND) CO., LTD. | タイ | タイ・マレーシア等 | |||
(注)売上高は当社グループの経営分析指標ではないため、対前期比較を行っておりません。
セグメントの「在外法人」には在外現地法人の売上が計上されており、同売上には、アジア・北米・オセアニア等への売上が含まれております。当該セグメントの当連結会計年度の売上高は3,151百万円となりました。当連結会計年度の取扱高については、円安による割増効果に加えて、北米法人のコロナ禍からの復調や中国法人における脱硝触媒の増販、インドネシア法人の堅調な推移等により、前連結会計年度に比べ14.0%増の6,157百万円となりました。営業利益についても、取扱高の増加に加えて、インドネシア法人では原料や輸出運賃の高騰があったものの当年度後半には業績の改善が見られたこと等によって、前連結会計年度に比べ17.1%増の342百万円となりました。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産は、短期借入金の増加や当第4四半期連結会計期間の売上高の減少により営業債権が減少したことによって現金及び預金が増加し、受取手形及び売掛金が減少した結果、前連結会計年度末に比べ968百万円増の22,349百万円となりました。
当連結会計年度末の負債は、短期借入金が増加し、当第4四半期連結会計期間の仕入高の減少により営業債務が減少した結果、前連結会計年度末に比べ52百万円増の12,064百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産は、為替換算調整勘定が円安要因により増加したことに加え、親会社株主に帰属する当期純利益の積み上がりにより、前連結会計年度末に比べ916百万円増の10,285百万円となりました。また、純資産のうち当社株主に帰属する持分合計は9,575百万円となりました。
これらの結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ1.7ポイント増の42.8%となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の当社グループのキャッシュ・フローの状況は、営業活動によるキャッシュ・フローは1,337百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローは77百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローは1,493百万円の収入となりました。これに現金及び現金同等物に係る換算差額を調整した結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は前連結会計年度末に比べ2,881百万円増の4,280百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業キャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ2,196百万円の収入増の1,337百万円の収入となりました。この要因として、当第4四半期連結会計期間の売上・仕入の落込に伴い営業債権債務の状況が回収先行となったことが挙げられます。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資キャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ303百万円の支出減の77百万円の支出となりました。この要因として、前連結会計年度の有形固定資産の取得支出が325百万円であったのに比べ、当連結会計年度の有形固定資産の取得支出が62百万円と減少したことが挙げられます。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務キャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ942百万円の収入増の1,493百万円の収入となりました。この要因として、第3四半期連結累計期間までの営業状況の活況から運転資金需要が高まり短期借入を実行した結果、前連結会計年度の借入実行が677百万円であったのに比べ当連結会計年度の借入実行が1,674百万円となったことが挙げられます。
④ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(千円) | 前期比(%) |
| 国内法人 | - | - |
| 在外法人 | 2,794,774 | 120.4 |
| 合計 | 2,794,774 | 120.4 |
(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
b. 商品仕入実績
当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(千円) | 前期比(%) |
| 国内法人 | 40,171,971 | 106.4 |
| 在外法人 | 2,604,744 | 113.1 |
| 合計 | 42,776,716 | 106.8 |
(注)金額は仕入価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(千円) | 前期比(%) |
| 国内法人 | 41,424,484 | 103.9 |
| 在外法人 | 6,157,440 | 114.0 |
| 合計 | 47,581,925 | 105.1 |
(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| 堺化学工業株式会社 | 4,946,525 | 10.9 | 6,391,157 | 13.4 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たっては、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っております。
a.貸倒引当金
債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。
b.棚卸資産
商品の販売価格や市場状況に基づく時価の見積額と主として移動平均法による原価との差額に相当する金額について評価損を計上しております。
c.有形・無形固定資産の減損
有形・無形固定資産の減損会計は資産のグルーピング等に固有の事情を反映した合理的で説明可能な仮定及び予測に基づいて算出しております。
d.投資有価証券の減損
当社グループは取引関係の維持のため、特定顧客の株式を所有しております。これらの株式には市場価格が明らかな上場株式と、株価の決定が困難である非上場株式が含まれております。上場会社の株式については決算日の市場価格が帳簿価額より50%以上下落した場合に評価損を計上しております。また、決算日の市場価格が帳簿価額より30%以上50%未満下落した場合にも、対象銘柄の過去の株価推移等を検討し総合的に判断した上で減損処理を行うこととしております。非上場会社の株式については、それらの会社の純資産額の持分相当額が帳簿価額より50%以上下落した場合に評価損を計上しております。
e.繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を定期的に検討しております。その判断に際して将来の課税所得を合理的に見積り、将来の税負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲内で繰延税金資産を計上しております。
繰延税金資産の回収可能性に関する会計上の見積りの仮定については、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度(2023年3月期)経営成績 前連結会計年度比較
(単位:百万円)
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 対前期増減額 | 対前期増減率 | |
| 売上高 | 12,733 | 13,248 | 514 | 4.0% |
| 取扱高 | 45,253 | 47,581 | 2,328 | 5.1% |
当社グループの業績は、前述の(1)経営成績等の状況の概要① 経営成績の状況に記載のとおり、当連結会計年度の売上高は13,248百万円となりました。また、取扱高は前連結会計年度に比べ5.1%増の47,581百万円となりました。
当連結会計年度(2023年3月期)経営成績 四半期推移
(単位:百万円)
| (会計期間) | 第1四半期 | 第2四半期 | 第3四半期 | 第4四半期 |
| 取扱高 (対前年同四半期増減額) | 12,710 (2,102) | 12,111 (1,727) | 12,528 (1,190) | 10,231 (△2,691) |
| 営業利益 (対前年同四半期増減額) | 321 (56) | 242 (54) | 302 (79) | 223 (△135) |
当連結会計年度の四半期単位の取扱高については、前連結会計年度が前第3四半期連結会計期間以降に大幅に増加したことに対して、当連結会計年度は上表推移のとおり、第3四半期連結累計期間までの各会計期間で前年を上回りました。しかしながら、当第4四半期連結会計期間ではスマホやPC等の需要急減により電子材料市況が急激に落ち込んだことから電子材料や環境・機能材料のバリウム中間体の販売が低迷しました。その結果、当第4四半期連結会計期間は前年を下回りました。
利益面においては、当連結会計年度の営業利益は前連結会計年度に比べ5.4%増の1,089百万円となりました。増益の要因としては、当第4四半期連結会計期間こそ前年を下回ったものの、年間の取扱高は増収となったこと等が挙げられます。当連結会計年度の経常利益は前連結会計年度に比べ2.0%減の1,146百万円となりました。主な要因としては、営業利益は増加しましたものの、為替差益が前年比で減少したことにより営業外損益が悪化したことが挙げられます。また、当連結会計年度には特別利益としてゴルフ会員権売却益1百万円、特別損失として投資有価証券評価損19百万円を計上しております。これらの結果として、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ3.2%減の722百万円となりました。
また、当社グループは以下の商品群のグルーピング化により業績の認識を行った上で、経営成績等の分析・検討を行っております。
(単位:百万円)
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 取扱高 増減額 | 取扱高 増減率 | |||
| 売上高 | 取扱高 | 売上高 | 取扱高 | |||
| 環境・機能材料 | 4,996 | 20,918 | 5,978 | 24,950 | 4,031 | 19.3% |
| 電子材料 | 2,117 | 13,874 | 1,481 | 12,111 | △1,762 | △12.7% |
| 衛生・産業材料 | 5,619 | 10,460 | 5,788 | 10,520 | 59 | 0.6% |
| 合計 | 12,733 | 45,253 | 13,248 | 47,581 | 2,328 | 5.1% |
(注)売上高は当社グループの経営分析指標ではないため、対前連結会計年度比較を行っておりません。
・環境・機能材料
環境・機能材料については、当連結会計年度の売上高は5,978百万円となりました。取扱高については、前連結会計年度に伸長した国内向けバリウム中間体や触媒、その他の輸入商材等が伸張したこと等を主要因として、前連結会計年度に比べ19.3%増の24,950百万円となりました。
・電子材料
電子材料については、当連結会計年度の売上高は1,481百万円となりました。取扱高については、前年度後半に大幅に伸長した電子材料向けバリウムや誘電体材料が、当年度後半には市況の在庫余剰感と需要の減退により急激に落ち込んだことから、前連結会計年度に比べ12.7%減の12,111百万円となりました。
・衛生・産業材料
衛生・産業材料については、当連結会計年度の売上高は5,788百万円となりました。取扱高については、おむつ・サニタリー用品関連向けの衛生材料が安定的に推移したことや産業材料に若干の業績改善が見られたこと等により、前連結会計年度に比べ0.6%増の10,520百万円となりました。
(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、前述の3 事業等のリスクに記載のとおりであります。
(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
資本の財源につきましては、事業運営上で必要な運転資金の主なものは商社における商品仕入、製造子会社における材料仕入、製造費用、共通するものとして販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また、設備資金の主なものは、情報システム投資や製造子会社における機械装置等有形固定資産購入によるものであります。これらの財源については、基本的に内部資金より充当いたしますが、不足が生じた場合は借入金により調達を行っております。
資金の流動性につきましては、前連結会計年度の流動比率(流動資産÷流動負債×100)は157%、当連結会計年度は163%となり6ポイント程度上昇しました。第3四半期連結累計期間中には、取扱高の高止まりによる運転資金需要によって短期借入を実行いたしました。また、当第4四半期連結会計期間末には、業況が下降に転じた結果、営業債権・債務のポジションが資金回収先行の局面となりました。以上のことから、現金及び預金・短期借入金の増加、営業債権・債務の減少となり、流動資産勘定の差引の増加が流動負債のそれを上回ったことが、流動比率が増加した要因として挙げられます。
今後の資金管理については、営業活動から生み出されるキャッシュ・フローと資産の健全性、金融情勢等を考慮した上で、更に安全な資金調達環境を整備していきたいと考えております。
なお、キャッシュ・フローの分析につきましては、前述の(1)経営成績等の状況の概要③ キャッシュ・フローの状況に記載のとおりであります。