有価証券報告書-第26期(2024/01/01-2024/12/31)

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2025/03/24 16:20
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下の通りであります。また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
イ)財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績の状況
当連結会計年度は、雇用・所得環境に改善の動きがみられるとともに、円安に伴う外国人観光客の増加等により、景気は緩やかな回復基調となる一方、物価の上昇や不安定な国際情勢もあり、依然として先行きの不透明な状況で推移いたしました。
当連結会計年度より開始したビットコイントレジャリー事業におきましては、中間連結会計期間よりビットコインを購入し、当社の資金管理戦略の一環としてビットコインの保有残高を積み増していくことを進め、プットオプションの売り取引を活用した収益の獲得を実現いたしました。
ホテル事業におきましては、客室の改装や新たな集客施策も進めており、集客率も伸び、安定した売上を計上することができました。しかしながら、本業は好調であったものの、子会社清算に伴う費用の一部を営業費用に計上したために営業損失が発生しております。
そのような状況下において、当連結会計年度における当社グループの業績は、1,062百万円(前期比306.0%増)、売上総利益996百万円(前期比370.6%増)を計上しました。また、売上総利益から販売費及び一般管理費645百万円を差し引いた350百万円の営業利益を計上しました。また、ビットコイン評価益5,457百万円などの営業外収益5,650百万円、株式交付費償却6百万円などの営業外費用として8百万円、債務免除益400百万円の特別利益400百万円を計上し、法人税等調整額1,952百万円を計上し、親会社株主に帰属する当期純利益4,439百万円を計上しました。
なお、当社は、「BTCイールド」を公式の主要経営指標(KPI)として採用しております。BTCイールドとは、、BTCイールドとは、当社のビットコイン保有総額と完全希薄化発行済普通株式数の比率が比較対象期からどのように増減したかを変化率で表す経営指標(KPI)です。当社は、株主価値の増大を目的としたビットコイン取得戦略のパフォーマンス評価にBTCイールドを採用しています。 BTCゲインは、一定期間における、期間当初に当社が保有していたビットコインの総保有有高に当該期間のBTC イールドを乗じて表すKPIです。この指標は、新株が発行されなかったと仮定した場合のビットコイン総保有高の増加を表します。希薄化の影響を排除することで、BTCゲインは、当社の財務戦略のみによってもたらされたビットコインの純増分を数値化します。 BTC円ゲインは、BTCゲインの円換算額を表すKPIです。BTCゲインに、該当期間の最終日のビットコインの市場価格を乗じて算出されます。これにより、株主及び投資家は現地通貨建ての財務上の影響をより明確に把握することができます。 2024年7月1日から2024年9月30日までの当社のBTCイールドは41.7%でありました。2024年10月1日から2024年12月31日までの当社のBTCイールドは309.8%でありました。当連結会計年度第1四半期である2025年1月1日から2025年3月24日までの当社のBTCイールドは68.3%でありました。
2024年6月30日2024年9月30日2024年12月31日2025年3月24日
ビットコイン保有枚数141.073398.8321,761.9803,350
発行済普通株式18,169,21818,169,21836,268,33444,248,334
完全希薄化後発行済株式数
(注1)
22,769,21845,420,18548,960,41755,310,417
完全希薄化発行済株式1株当たりビットコイン(注2)0.0061960.0087810.0359870.060567
BTCイールド(%、四半期累計)-41.7%309.82%68.3%
BTCゲイン (四半期累計)-58.861,235.581,203.49
BTC円ゲイン (百万円、四半期累計)-\538\18,483\15,107
BTC/円 参照価格(注3)-\9,133,955\14,958,997\12,553,031

(注1)完全希薄化後発行済株式数は、(i) 発行済普通株式総数、(ii) 転換社債の転換が仮に行われた場合の潜在株式数、(iii) 発行済ストックオプションの行使による潜在株式数、(iv) 権利行使された新株予約権による株式数、で構成され、それぞれの日付時点におけるものです。米国市場の報告基準に合わせるため、行使価格修正条項付新株予約権は、潜在的な株式の希薄化をより正確に反映させるために、行使後にのみ含めることとします。さらに、At-The-Market(ATM)株式発行の報告基準との整合性を保つため、ビットコイン購入のために発行された割引率 0%の新株予約権は、行使後に売却代金が当社に支払われた時点で、初めて完全希薄化後株式数に反映されます。この手法は、米国における ATM 株式発行を用いた希薄化の測定方法と一致しているため、割引率0%の新株予約権の希薄化を最も正確かつ公平に測定できると考えています。
(注2)完全希薄化発行済株式1株当たりビットコインは、ビットコイン保有量合計を各表示日時点の完全希薄化発行済株式数で除して計算されます。その結果を1,000倍して、1,000株当たりのビットコイン数を表しております。
(注3)BTC/円参照価格は、対象期間の最終日におけるBitflyerでの終値であり、以下のURLに掲載されています:https://bitflyer.com/en-jp/s/closing-price
BTC イールドは、当社のビットコイン保有総額と完全希薄化発行済株式数の比率の前四半期比の変化率を反映する主要経営指標です。当社は、株主の皆様に有益となる手段でビットコインを取得していく戦略の遂行実績を評価するのに役立つKPIとしてBTCイールドを使用してまいります。
BTCゲインは、一定期間における、期間当初に当社が保有していたビットコインの総保有有高に当該期間のBTCイールドを乗じて表すKPIです。この指標は、新株が発行されなかったと仮定した場合のビットコイン総保有高の増加を表します。希薄化の影響を排除することで、BTCゲインは、当社の財務戦略のみによってもたらされたビットコインの純増分を数値化します。
BTC円ゲインは、BTCゲインの円換算額を表すKPIです。BTCゲインに、該当期間の最終日のビットコインの市場価格を乗じて算出されます。これにより、株主及び投資家は現地通貨建ての財務上の影響をより明確に把握することができます。BTC円ゲインは、当社のビットコイン保有高の時価評価による損益を表すものではなく、当社のビットコイン保有高に時価評価損失が発生した場合でも、プラスになることがあります。
本指標において、完全希薄化後発行済株式数には、各期末時点における実際の発行済普通株式総数に、ストックオプションの行使、新株予約権の行使、または転換社債などの転換可能金融商品が将来発行された場合にその転換により発生する可能性のある潜在株式数が含まれます。At-The-Market(ATM)株式発行の報告基準との整合性を保つため、ビットコイン購入のために発行された割引率0%の新株予約権は、行使後に売却代金が当社に支払われた時点で、初めて完全希薄化後株式数に反映されます。この手法は、米国におけるATM株式発行を用いた希薄化の測定方法と一致しているため、割引率 0%の新株予約権の希薄化を最も正確かつ公平に測定できると考えています。
BTC イールドは、行使価格修正条項付新株予約権以外のストック・オプションや新株予約権に付随する権利確定条件や行使価格などの要素は考慮していません。当社は、株主に利益をもたらすと考える方法でビットコインを取得する戦略のパフォーマンスを評価するのに役立つKPIとしてこのBTCイールドを採用してまいります。当社は、このKPIにより、普通株式または普通株式に転換可能な商品を追加発行してビットコインの購入資金を調達するという当社の決定に対する投資家の理解を促進するために役立つと考えております。
これら3つのKPIを採用するにあたり、経営陣は、発行済普通株式より優先される負債およびその他の負債を考慮していないこと、また、すべての負債が借り換えられるか、または将来転換される可能性のある負債の場合には、その条件に従って普通株式に転換されることを前提としていることなど、その限界を認識しております。
さらに、これらのKPIは、営業実績、財務実績、または流動性の指標となることを意図しておらず、またそのように解釈されるべきでもありません。具体的には、BTCイールド、BTCゲイン、及びBTC円ゲインは伝統的な財務の「利回り」の定義には相当しません。また、当社の事業または保有するビットコインによって生み出される収入、ビットコイン投資のリターン、またはその他の類似の財務業績指標を反映するものでもありません。当社普通株式の市場価格は、当社が保有するビットコイン数および実際の発行済み株式数または潜在的株式数以外の多くの要因の影響を受けます。そのため、当社株式は保有ビットコインの市場価値と比較してディスカウントまたはプレミアムで取引される可能性があり、これらのKPIは当社普通株式の取引価格を示唆または予測するものではありません。
前述のとおり、これらのKPIは特定の目的を果たすものであり、ビットコインを取得するために自己資本を使用することが株主にとって有益かどうかを評価するために、経営陣がビットコインの保有に関してのみ利用するものです。これらのKPIの計算においては、ビットコインの購入に使用された資金源の類は考慮しません。当社は、2024年8月6日付の開示で発表した株主割当増資を含め、様々な資金調達活動からの資金を使用してビットコインを取得していることに留意する必要があります。将来、転換社債やその他の負債証券が発行される可能性がある場合、関連する負債を考慮せずにこれらの KPI に影響を与える可能性があります。ビットコインの購入の全てが株式発行を通じて資金調達されるわけではなく、また全ての株式発行がビットコイン買収につながるわけでもないため、この指標は、ビットコイン購入における当社の株式資本の使用がどの程度増価的であるかを過大評価または過小評価する可能性があります。
当社はこれまで普通株式に対して配当金を支払っておらず、これらのKPIを提示することによって、将来的に配当金を支払う意向を示しているわけではありません。また、当社の普通株式を所有することは、当社が保有するビットコインの権益を所有することと同じではありません。投資家は、当社が東京証券取引所に提出した財務諸表およびその他の開示情報に基づいて投資判断をしていただくようお願い申し上げます。これらのKPIは補完的なものであり、代替的なものではありません。これらのKPIは、その具体的な目的と様々な制約を理解した投資家が利用すべきものであります。
② 財政状態の状況
(a) 資産の部
当連結会計年度末の総資産の額は30,325百万円となり、前連結会計年度から28,659百万円増加しました。
流動資産の額は2,685百万円となり、前連結会計年度から2,086百万円増加しております。
これは主に、現金及び預金が258百万円減少した一方、売掛金が8百万円、預け金2,320百万円及びその他流動資産が15百万円増加したことによるものであります。
固定資産の額は27,525百万円となり、前連結会計年度から26,458百万円増加しました。
これは主に、有形固定資産が0百万円、無形固定資産が76百万円及び投資その他の資産が26,381百万円増加したことによるものであります。
(b) 負債の部
当連結会計年度末の負債の額は13,359百万円となり、前連結会計年度から12,845百万円増加しております。
流動負債の額は11,393百万円となり、前連結会計年度から11,015百万円増加しております。
これは主に、1年内償還予定の社債が11,250百万円増加したことによるものであります。
固定負債は1,966百万円となり、前連結会計年度から1,830百万円増加しております。
これは主に、長期借入金が130百万円減少した一方、退職給付に係る負債が2百万円増加及び繰延税金負債が1,958百万円増加したことによるものであります。
(c) 純資産の部
当連結会計年度末における純資産の額は16,965百万円で、前連結会計年度末から15,813百万円増加しております。
これは主に親会社株主に帰属する当期純利益4,439百万円を計上及び、新株予約権の発行及びその行使により、払込資本が11,509百万円増加したためであります。
ロ)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ258百万円減少し、294百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって獲得した資金は623百万円(前年同期は571百万円の支出)となりました。その主な要因は、税金等調整前当期純利益6,393百万円、減価償却費16百万円、ビットコイン評価損益(△は益)△5,457百万円、退職給付に係る負債の増減額(△は減少)2百万円、債務免除益△400百万円及び売上債権の増減額(△は増加)△8百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によって支出した資金は23,452百万円(前年同期は2,333百万円の獲得)となりました。その主な要因は、ビットコインの取得による支出△20,907百万円、有形固定資産の取得による支出△16百万円、無形固定資産の取得による支出△76百万円及び預け金の増減額(△は増加)△2,322百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によって獲得した資金は22,570百万円(前年同期は1,415百万円の支出)となりました。その主な要因は、長期借入金の返済による支出△53百万円、社債の発行による収入12,250百万円、社債の償還による支出△1,000百万円、株式の発行による収入11,509百万円及び自己株式の取得による支出△109百万円等によるものであります。
ハ)生産、受注及び販売の実績
① 仕入実績
仕入実績をセグメント毎に示すと、次の通りです。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
金額(千円)前年同期比(%)
ビットコイン トレジャリー事業
ホテル事業66,09450.7
合計66,09450.7

(注) 金額は、仕入価格によっております。
② 受注実績
サービス業のため、該当事項はありません。
③ 販売実績
販売実績をセグメント毎に示すと、次の通りです。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
金額(千円)前年同期比(%)
ビットコイン トレジャリー事業691,577
ホテル事業370,70541.7
合計1,062,283306.0

経営者の視点による経営成績等の状況の分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 イ)財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当社グループの経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標につきましては、経常利益及び売上高経常利益率であります。
① 経常利益
当期売上高については、当期から開始した新規事業であるビットコイントレジャリー事業691百万円、ホテル事業370百万円となり、総額売上高1,062百万円を計上できたことから、前年より306.0%の増額となりました。
営業利益については、当期から開始した新規事業であるビットコイントレジャリー事業が貢献し、営業利益350百万円を計上できました。経常利益については、ビットコイン評価益5,457百万円を計上したため、経常利益が増え、5,993百万円を計上できました。
② 売上高経常利益率
売上高経常利益率は564.2%となりました。
今後、既存ホテルについては、稼働率と客単価を維持・向上していくとともに、ビットコイン・トレジャリー運用の拡大と企業のビットコイン採用の推進を通じ、グローバルな変革をリードし、拡大することで収益を確保し、また引き続きコスト削減を実現することで経常利益の計上に努めてまいります。
当社グループが目標とする指標についての当連結会計年度と前連結会計年度の実績は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
指標当連結会計年度前連結会計年度増減率
売上高1,062261306.0%
経常利益及び経常損失(△)5,993△414
売上高経常利益(損失)率564.2%△158.5%

(注) 記載金額は百万円以下を切り捨てて表示しております。
(2)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ロ) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、新株予約権の行使等による資本増強により財務体質も安定して おります。
(3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産・負債や収益・費用に影響を与える見積りは、過去の実績や現在の状況並びに入手可能な情報を総合的に勘案し、その時点で最も合理的と考えられる見積りや仮定を継続的に用いておりますが、見積り及び仮定には不確実性が伴うため、実際の結果と異なる可能性があります。
なお、会計上の見積りにつきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載のとおりであります。