訂正有価証券報告書-第21期(平成31年1月1日-令和1年12月31日)

【提出】
2020/08/31 13:52
【資料】
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【項目】
144項目
経営成績等の概要
(1)経営成績
2019年度は当社グループとして、ホスピタリティー業界のバジェットホテル分野に引続き経営資源を集中させ、国内およびアジア地域内でホテル資産を拡大してまいりました。その具体的な方法として、既存ホテルからの収益を向上させること、そして新規ホテルを追加していくこと、の両方を目指してまいります。
Red Planetブランドの下で運営されている当社グループのホテルは現代的な外観と雰囲気を重視したデザインで造られており、当社グループのホテルを同価格帯の他社ブランドホテルと差別化するために最先端のIT技術を取り入れております。特に、多言語による予約システム、アプリ、ホテルスタッフ、その他のツールは、インバウンドの外国人訪問者だけでなく、若い顧客層にもアピールしており、既存ホテルからの収益向上に寄与するものと考えております。
近年、日本への訪問客の増加が続いていることから、当社グループは主要な日本市場においてホテル資産を拡大することを目指しております。2019年9月にはレッドプラネット札幌すすきの中央をオープンし、2020年後半にレッドプラネット広島、2021年には京都市内に新規ホテルをオープンする予定であり、日本におけるホテル資産は順調に拡大しております。
当社グループの地域拡大は、2019年2月にタイのRed Planetホテルを取得したことにより、大きく加速しました。タイで新規に取得したホテルを含めて、当社グループは現在合計11棟のホテル(1,729の客室)を運営しております。現在建設中の国内のホテル2棟、フィリピンに2棟の建設中のホテル(2020年上半期にオープン予定のRed Planet Manila The Fort、2021年にオープン予定のRed Planet Manila Entertainment City)とタイに建設中の1棟のホテル(2021年にオープン予定のRed Planet Bangkok Sukhumvit 8)を含めると、グループが運営するホテルは現在、合計16棟となります。
当社グループが日本国内で運営する6つのホテルは全て順調に営業していますが、ラグビーワールドカップと東京オリンピックの特需を見込んだ新規参入による競争環境の激化に伴い、一部の市場においては前年同期比で客室単価が下落する原因となりましたが、タイで運営する5つのホテルはいずれも堅調に推移しております。
このような状況下、2019年度については、売上高2,509百万円(前期比44.6%増)、売上総利益1,999百万円(前期比44.1%増)を計上しました。販売費及び一般管理費については、セールアンドリースバック取引によるリース料の増加や、2019年2月のタイのホテル事業の取得に係る費用の発生、事業基盤拡大のための人件費等の増加などにより2,461百万円(前期比59.3%増)となり、461百万円の営業損失が発生しました。また、固定資産売却益380百万円など特別利益565百万円を計上した一方、減損損失2,492百万円等を計上したことにより特別損失2,508百万円を計上し、親会社株主に帰属する当期純損失2,290百万円を計上しました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,532百万円減少し、1,091百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって支出した資金は402百万円となりました。その主な要因は、税金等調整前当期純損失2,256百万円、減損損失2,492百万円、減価償却費486百万円および為替差損益343百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によって支出した資金は1,803百万円となりました。その主な要因は、有形固定資産の取得による支出1,697百万円、貸付けによる支出473百万円および有形固定資産の売却による収入823百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によって獲得した資金は693百万円となりました。その主な要因は、長期借入金の返済による支出2,644百万円、セール・アンド・リースバックによる収入2,408百万円および長期借入れによる収入1,019百万円等によるものであります。
生産、受注及び販売の実績
(1)仕入実績
仕入実績をセグメント毎に示すと、次の通りです。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2019年1月1日 至 2019年12月31日)
金額(千円)前年同期比(%)
ホテル事業509,789146.43

(注)1.金額には、消費税等は含まれておりません。
2.金額は、仕入価格によっております。
(2)受注実績
サービス業のため、該当事項はありません。
(3)販売実績
販売実績をセグメント毎に示すと、次の通りです。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2019年1月1日 至 2019年12月31日)
金額(千円)前年同期比(%)
ホテル事業2,509,743144.55

(注) 金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
以下の当社グループに関する財政状態及び経営成績の分析等の内容は、原則として連結財務諸表に基づいて分析した内容であります。また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、必要と考えられる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
詳細につきましては、「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
(2)当連結会計年度末における財政状態の分析
① 資産の部
連結会計年度末の総資産の額は15,059百万円となり、前連結会計年度から1,376百万円減少しました。
流動資産の額は1,973百万円となり、前連結会計年度から2,364百万円減少しております。これは主に現金及び預金が1,702百万円および仮払金が885百万円それぞれ減少したことによるものであります。
固定資産の額は13,085百万円となり、前連結会計年度から987百万円増加しました。これは主に、有形固定資産が162百万円減少した一方、投資その他の資産が1,153百万円増加したためであります。
② 負債の部
当連結会計年度末の負債の額は11,763百万円となり、前連結会計年度から304百万円増加しております。これは主に長期借入金(1年内返済予定の長期借入金含む)が791百万円及び長期前受収益が864百万円それぞれ減少した一方、リース債務が2,300百万円増加したことによるものであります。
③ 純資産
当連結会計年度末における純資産の額は3,296百万円で、前連結会計年度末から1,680百万円減少しております。これは主に資本金が2,606百万円増加した一方、資本剰余金が1,815百万円および利益剰余金が2,290百万円それぞれ減少したためであります。
(3)当連結会計年度の経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度における業績は、売上高2,509百万円、営業損失461百万円、経常損失313百万円、親会社株主に帰属する当期純損失2,290百万円となりました。
① 売上高
前連結会計年度に継続して、ホテル事業単一の売上構成となります。タイのホテル事業を取得したことにより、売上高は2,509百万円となりました。
② 営業損失
ホテル事業の開発のため積極的に先行投資した結果、営業損失461百万円となりました。
③ 経常損失
海外子会社取引に付随した為替差益327百万円を計上した一方、支払利息192百万円を計上した結果、経常損失313百万円となりました。
④ 親会社株主に帰属する当期純損失
レッドプラネット札幌すすきの中央に係る不動産の信託受益権を売却したことにより固定資産売却益380百万円を計上したものの、減損損失2,492百万円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純損失2,290百万円となりました。
(4)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社の経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」において詳細な分析を行なっておりますのでご参照ください。
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「第一部 第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績等の概要」に記載のとおりであります。
当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金または借入により資金調達することとしています。
(6)経営者の問題認識と今後の方針について
「第一部 第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
(7)目標とする経営指標について
① 営業利益
当連結会計年度の売上高は2,509百万円となり、前連結会計年度末に比べ44.6%増加しました。一方、セールアンドリースバック取引によるリース料の増加や、2019年2月のタイのホテル事業の取得に係る費用の発生、事業基盤拡大のための人件費等の増加などにより、販売費及び一般管理費が重しとなりました。
これらにより、営業損失は461百万円となりました。
② 経常利益
海外子会社取引に付随した為替差益327百万円を計上した一方で、支払利息192百万円を計上しました。以上の結果、経常損失は313百万円となり、前連結会計年度に引き続き損失計上となりました。
今後、新型コロナウイルス感染症が一日も早く収束し、旅行や出張需要が回復することを期待しつつ、当社が運営するホテルの稼働と客単価を需要に合わせて適時調整していくことで利益を計上し、売上高経常利益率の向上に努めてまいります。
当社グループが目標とする経営指標の、当連結会計年度と前連結会計年度の実績は以下のとおりであります。
(単位:百万円)

当連結会計年度前連結会計年度増減率
売上高2,5091,73644.6%
営業利益(損失)△461△156
経常利益(損失)△313△318

(注) 記載金額は百万円以下を切り捨てて表示しております。