有価証券報告書-第19期(2024/07/01-2025/06/30)

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2025/09/26 13:43
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148項目
(1)経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、設備投資に持ち直しの動きが見られるとともに、雇用・所得環境および企業収益の改善を背景に緩やかな回復基調で推移しました。一方で、国内物価の上昇が個人消費に及ぼす影響や米国の通商政策、長期化する不安定な世界情勢、金融資本市場の変動等による海外景気の下振れリスク等があり、依然として不透明な状況が続いております。このような経済環境のもと、当社グループにおいては資本コストを意識し、環境変化に機動的に即応し、効率性や採算性を考慮した社内体制の強化・整備を図り、利益重視の経営を推進いたしました。
この結果、当連結会計年度の売上高は661億9千7百万円(前期比32.9%増)となり、営業利益は88億8千9百万円(前期比9.8%減)、経常利益は90億8百万円(前期比54.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は212億8千万円(前期比35.7%増)となりました。
なお、負ののれん発生益を計上しており、内訳は岩崎通信機株式会社より第1四半期に142億9千6百万円、株式会社ナカヨより第4四半期に36億6千万円となっております。
a. セグメントごとの経営成績
(セキュリティ機器)
セキュリティ機器につきましては、マンション向けは、分譲リプレイスや新規賃貸が好調に推移したことに加
え、法人向け販売も金融機関や工場などから大型案件を取り込めたことから、売上高は152億1百万円(前期比6.9%増)、セグメント利益は61億5千万円(前期比4.3%増)となりました。
(カード機器及びその他事務用機器)
カード機器及びその他事務用機器につきましては、カード機器の主要販売先である病院向けはリプレイスが堅調に推移し、金融機関向けではキャッシュカード即時発行機の大口受注があり、その他事務用機器の鉄骨CAD事業では増設ニーズを着実に取り込み、売上高は31億5百万円(前期比2.6%増)、セグメント利益は8億3千1百万円(前期比2.8%増)となりました。
(情報機器)
情報機器につきましては、業務用は、新製品投入もあり順調に推移しましたが、個人向けは、主力の北米市場において個人消費の厳しい冷え込みの影響があり、売上高は134億9千2百万円(前期比16.9%減)、セグメント利益は4億6千2百万円(前期比67.6%減)となりました。
(計測機器)
計測機器につきましては、グラフテック株式会社の計測事業と、当連結会計年度より連結子会社となりました岩崎通信機株式会社の電子計測事業により、売上高は50億4百万円(前期比151.0%増)、セグメント利益は8億2千6百万円(前期比22.7%増)となりました。
(情報通信)
情報通信につきましては、当連結会計年度より連結子会社となりました岩崎通信機株式会社のビジネスホン事業により、売上高は118億2千5百万円、セグメント利益は6億7千8百万円となりました。
(設計事業)
設計事業につきましては、官公庁及び民間から構造設計を順調に受注し、売上高は55億6千6百万円(前期比0.2%減)、セグメント利益は4億7千2百万円(前期比17.8%減)と堅調に推移しました。
(その他)
その他につきましては、売上高は120億円(前期比37.0%増)、セグメント利益は1億6千3百万円(前期比66.2%減)となりました。
b. 当連結会計年度の財政状態
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べて470億4百万円増加し、1,409億6百万円となりました。主な要因は流動資産における現金及び預金89億7千1百万円増加、受取手形、売掛金及び契約資産98億5千8百万円増加、原材料及び貯蔵品47億3千5百万円増加、固定資産における建物及び構築物(純額)31億6千2百万円増加、土地182億3千2百万円増加、関係会社株式105億6千6百万円減少等であります。その増減理由としては、岩崎通信機株式会社及び株式会社ナカヨが連結子会社になったことに伴い、資産の受入を行ったことによるものです。
負債につきましては、前連結会計年度末に比べて154億5千2百万円増加し、288億4千万円となりました。主な要因は、流動負債における支払手形及び買掛金28億9千万円増加、固定負債における退職給付に係る負債29億5千3百万円増加、繰延税金負債52億5千9百万円増加等であります。その増減理由としては、岩崎通信機株式会社及び株式会社ナカヨが連結子会社になったことに伴い、負債の引受を行ったことによるものです。
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べて315億5千1百万円増加し、1,120億6千5百万円となりました。主な要因は、岩崎通信機株式会社との株式交換に伴う資本剰余金106億9千万円増加、及び自己株式30億3千万円の減少、親会社株主に帰属する当期純利益212億8千万円の計上、配当金45億2千8百万円の計上等であります。この結果、自己資本比率は77.7%となり、前連結会計年度末の85.2%より減少となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末と比較して87億6千9百万円増加し447億9千万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は76億4千7百万円(前連結会計年度は84億3千2百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益212億1千7百万円、減価償却費22億1千9百万円、段階取得に係る差損益47億1千4百万円等の増加要因に対して、負ののれん発生益179億5千6百万円、法人税等の支払額39億1千8百万円等の減少要因があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は70億8千4百万円(前連結会計年度は64億2千8百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の売却による収入88億4千9百万円、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入66億9千4百万円、有形固定資産の取得による支出33億8百万円、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出47億4千2百万円等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は53億8千4百万円(前連結会計年度は46億7千5百万円の支出)となりました。これは主に、配当金の支払額45億8千5百万円の支出があったことによるものであります。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
2021年
6月期
2022年
6月期
2023年
6月期
2024年
6月期
2025年
6月期
自己資本比率(%)80.681.283.285.277.7
時価ベースの自己資本比率(%)155.697.3135.9119.888.7
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%)-----
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)1,938.21,997.13,830.31,425.1189.4

自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注)1.いずれも連結ベースの財務指標により計算しております。
2.株式時価総額は、期末株価終値×期末株式数(自己株式控除後)により算出しております。
3.キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
4.有利子負債は連結貸借対照表上に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2024年7月1日
至 2025年6月30日)
金額(百万円)前年同期比(%)
カード機器及びその他事務用機器--
情報機器3,973160.8
計測機器4,304250.9
情報通信7,513-
設計事業5,58999.7
報告セグメント計21,381218.4
その他3,210565.1
合計24,592237.4

(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.金額には、標準品の外部生産高を含めております。
b. 商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2024年7月1日
至 2025年6月30日)
金額(百万円)前年同期比(%)
セキュリティ機器3,267121.2
カード機器及びその他事務用機器1,066105.0
計測機器510-
情報機器2,98849.2
情報通信6,341-
報告セグメント計14,174148.3
その他5,956120.1
合計20,130138.7

(注)1.金額は仕入価格によっております。
c. 受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)
設計事業9,782170.28,918188.4
情報通信11,711-1,349-
計測機器3,016-815-
その他5,507-2,540-

(注)1.金額は契約価格によっております。
d. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2024年7月1日
至 2025年6月30日)
金額(百万円)前年同期比(%)
セキュリティ機器15,201106.9
カード機器及びその他事務用機器3,105102.6
情報機器13,49283.1
計測機器5,004251.0
設計事業5,56699.8
情報通信11,825-
報告セグメント計54,196132.0
その他12,000137.0
合計66,197132.9

(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2023年7月1日
至 2024年6月30日)
当連結会計年度
(自 2024年7月1日
至 2025年6月30日)
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
三菱HCキャピタル株式会社6,24512.56,5729.9


(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、見積りが必要となる事項においては合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績
当連結会計年度におきましては、情報機器事業においてコンシューマ向け小型カッティングマシンの新製品の拡販、脱炭素システム事業の伸長などから、グループ連結で前年度比約6.5億円の営業増益を見込んでおりましたが、下記の各事業業績の結果に加え,M&A関連費用の発生もあり、前期比約10億円の営業減益となりました。
各事業別の営業利益では、セキュリティ機器事業は、マンション向けが好調に推移したことに加え、一般法人向けも大型案件受注により約2.5億円の営業増益となり、5期連続で過去最高の営業利益を達成しました。
一方、情報機器事業においては、コンシューマ向け小型カッティングマシンが主力の北米市場において個人消費の厳しい冷え込みの影響により、約10億円の営業減益となりました。設計事業においては、構造設計は順調に拡大しましたが、前期発生したような耐震診断の大口案件がなかったため、約1億円の営業減益となりました。なお、9月に岩崎通信機株式会社を連結子会社化したため、当連結会計年度第2四半期より、従来の4事業セグメントを6事業セグメントに変更しました。新セグメントは、情報通信(ビジネスホン)事業と計測機器事業で、情報通信事業の営業利益は約7億円、計測機器事業の営業利益は約8億円を計上しました。
b. 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、運転資金は基本的に内部資金により充当しております。当社グループは装置産業ではないため、多額の設備投資は必要ではなく、長期借入金による設備投資資金の調達は現在のところ必要でない状況となっております。当社グループは基本的には、無借金経営を行いつつ内部留保を厚くすることが安定した経営に貢献するものと考えておりますが、成長に向けてのM&Aの強化の検討等においては、大型の案件などにより多額の資金が必要となった場合は、長期借り入れも視野に入れてまいります。
c. 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、当社グループは、商社部門とメーカー部門が共存しており、売上高は両部門のバランスにより変動することから、経営計画においては、営業利益に絶対値目標を定め、経営を推進しております。また、当社は引き続き成長に向けてM&Aを強化する方針です。このため、短期的には営業利益が変動する可能性がありますが、長期的にはEPSを重要な経営指標と設定し、その確保のために粗利重視の経営を進めその最大化に努めてまいります。
d. セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する分析・検討内容
(セキュリティ機器)
当社のセキュリティ機器事業は、マンション向けと一般法人企業向けの2つの分野で事業を展開しております。マンション向けの場合、その多くが分譲マンションで占められており、基本的には既設設備の更新需要を中心に直販による営業活動を行っております。契約の大半がリース契約であることから、更新物件を確実にフォローすることによって、長期的に安定した需要を確保し、毎期着実に業績を伸ばしていくことを目指しております。また、近年は賃貸物件への導入も増加しております。当連結会計年度は、これまでに自社がこうして納入したマンション向け設備のリース満了による更新を着実に取り込むことにより業績は順調に推移しました。来期以降につきましても、自社の分譲マンション向け更新需要及び導入済み賃貸物件向けの更新を中心として、引き続き安定的に業績の拡大が図れる見込みです。一般法人企業向けに関しては、従来のセキュリティニーズに加えて、見える化やAIによる画像解析などのニーズなどが増加しており、好調に推移しております。今後も有力代理店と連携しながら、お客様の要望する商品の品揃えを充実させ、これらの商品をタイムリーに提供することによって、業績の維持拡大に取り組んでまいります。
(カード機器及びその他事務用機器)
カード機器事業及びその他事務用機器につきましては、カード機器事業は、病院向けは安定的に推移し、金融機関向けでは、キャッシュカード即時発行機の大口受注があり順調に推移しました。病院向けに再来受付機と自動精算機を自社開発し、販売を開始する予定です。その他事務用機器では、会員制鉄構業サービスを強化することで、新規や増設ニーズを取り込んでいます。オペレーターの研修を継続的に行う顧客向け会員サービス等による販売促進の拡大、BIMの流れの中でのゼネコン向けの販売拡大に加え、自社開発した主力の鉄骨CADの新製品を販売開始することにより、営業増益を含む堅調な業績の維持拡大を目指す方針です。
(情報機器)
情報機器部門につきましては、業務用カッティングマシンにおいては、新製品投入もあり堅調に推移しましたが、コンシューマ向けは、期初予想を大きく下回る結果となりました。コンシューマ向け小型カッティングマシンの巻き返しを図るべく、マイナーチェンジした新製品を市場投入し、販売台数を拡大させることで業績回復に努めてまいります。
(計測機器)
計測機器につきましては、今後、欧米、およびアジア向け販売体制の拡大により、パワーエレクトロニクス製品の売上拡大に取り組んでまいります。
(情報通信)
情報通信につきましては、販管費の抑制と原価率改善に取組みました。6月に連結子会社化した株式会社ナカヨとのグループ内統合を推進し早期シナジーを実現してまいります。
(設計事業)
設計事業につきましては、官公庁及び民間から構造設計を順調に受注し堅調に推移いたしました。来期につきましては、大型の耐震診断を受注しており大幅増益を見込んでおります、構造設計分野全般の強みを生かし、自社の特徴を活かした取り組みを行うことにより、安定的な業績推移を目指す方針です。

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