有価証券報告書-第14期(令和1年7月1日-令和2年6月30日)
(1)経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、2019年10月の消費税増税の影響による消費・投資抑制に加え、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う経済活動の停滞により全体ではマイナス傾向で推移いたしました。海外においても、新型コロナウイルス感染症が世界中で拡大する中、サプライチェーンへの影響を含め、経済活動が大幅に制限される状況となりました
このような経済環境の下、当社グループにおいては環境変化に機動的に即応し、効率性や採算性を考慮した社内体制の強化・整備を図り、利益重視の経営を推進いたしました。
この結果、当連結会計年度の売上高は431億7千9百万円(前年同期比15.4%減)となり、営業利益は75億9千6百万円(前年同期比9.7%減)、経常利益は79億3千5百万円(前年同期比8.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は46億2千万円(前年同期比14.2%減)となりました。
a. セグメントごとの経営成績
(セキュリティ機器)
セキュリティ機器につきましては、マンション向け、法人向けともに堅調に推移しました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響によって、当事業年度の後半にかけてマンション向け販売におけるマンション管理組合の理事会・総会の延期に伴う、販売・納品の遅れがみられました。その結果、売上高は124億8千5百万円(前年同期比0.3%減)、セグメント利益は51億1千2百万円(前年同期比1.6%減)となりました。
(カード機器及びその他事務用機器)
カード機器及びその他事務用機器につきましては、鉄骨業界向けの専用CADソフト販売が引き続き堅調に推移しました。しかしながら、NBS Technologies Inc.傘下の非中核事業(半導体関連事業)を売却したことや、カード機器の主要販売先の病院向け等における新型コロナウイルス感染症の拡大の影響による営業活動の大幅な制限、商談・納品の延期や設備投資の抑制がみられました。その結果、売上高は45億8千7百万円(前年同期比28.3%減)、セグメント利益は6億4千7百万円(前年同期比35.3%減)となりました。
(情報機器)
情報機器につきましては、主力のコンシューマ向けカッティングマシン事業においては、オンライン販売を中心に好調に推移しました。しかしながら、業務用カッティングマシン事業につきましては、国内の緊急事態宣言、海外のロックダウン措置等の影響で納品や商談に遅れが生じ、設備投資の抑制がみられました。その結果、売上高は152億1千4百万円(前年同期比3.1%減)、セグメント利益は13億5千4百万円(前年同期比9.6%減)となりました。
(計測機器及び環境試験装置)
計測機器及び環境試験装置につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により主要顧客となる製造業で生産停止が広がり、納品や商談の遅れ、設備投資の抑制がみられました。その結果、売上高は16億4千5百万円(前年同期比20.9%減)、セグメント利益は4千万円(前年同期比76.5%減)となりました。
(設計事業)
設計事業につきましては、公的部門を主とした案件受注が堅調に推移しました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響で、当事業年度後半にかけて建設工事の延期等により検収の遅れが生じました。その結果、売上高は46億3千1百万円(前年同期比1.4%増)、セグメント利益は3億4千1百万円(前年同期比13.1%減)となりました。
(その他)
その他につきましては、リース及び割賦事業における低採算事業であった遊技施設向けリース事業を前連結会計年度第2四半期より段階的に縮小したこと等により、売上高は46億1千5百万円(前年同期比52.7%減)、セグメント損失は4千1百万円(前年同期はセグメント利益1億5千7百万円)となりました。なお、当連結会計年度から「リース及び割賦事業」については売上高が5億円前後となり量的な重要性が乏しくなったため、報告セグメントから「その他」として記載する方法に変更しております。詳細については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(セグメント情報等)」の「1.報告セグメントの概要」をご参照ください。
b. 当連結会計年度の財政状態
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べて11億6千2百万円増加し、609億7千7百万円となりました。主な要因は、流動資産における現金及び預金21億8千9百万円増加、受取手形及び売掛金12億1千3百万円減少、商品及び製品10億1千3百万円増加、リース投資資産5億5千8百万円減少、のれん4億6千2百万円減少等であります。負債につきましては、前連結会計年度末に比べて14億1千万円減少し、114億4千6百万円となりました。主な要因は、流動負債における支払手形及び買掛金7億3千7百万円減少、リース債務4億5千万円減少等であります。
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べて25億7千2百万円増加し、495億3千万円となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益46億2千万円の計上、配当金19億8千9百万円の計上等であります。この結果、自己資本比率は81.1%となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、254億6千1百万円となり、前連結会計年度末に比べて41億8千9百万円増加しました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は55億7千8百万円(前連結会計年度は72億1千2百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益67億6千2百万円、減価償却費8億3千1百万円、投資有価証券評価損5億7千1百万円、売上債権の減少額9億9千7百万円等の収入に対し、たな卸資産の増加額9億2千7百万円、仕入債務の減少額6億7千9百万円、法人税等の支払額27億5千万円の支出等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は9億6千万円(前連結会計年度は31億3千6百万円の支出)となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入20億4千7百万円、有形固定資産の取得による支出5億5千3百万円、投資有価証券の取得による支出4億4千4百万円等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は23億1千9百万円(前連結会計年度は25億8千3百万円の支出)となりました。これは主に、配当金の支払額19億9千6百万円の支出等があったことによるものであります。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注)1.いずれも連結ベースの財務指標により計算しております。
2.株式時価総額は、期末株価終値×期末株式数(自己株式控除後)により算出しております。
3.キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
4.有利子負債は連結貸借対照表上に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グル-プの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって会計上の見積りが必要なものについては期末時点において把握できる最善の方法により会計上の見積りを行っております。他の会計上の見積りについては、「第5経理の状況 1.連結財務諸表等注記 3会計方針」に記載のとおりであります。
a. のれんの減損
のれんの減損テストにおける将来キャッシュ・フローは、経営者が承認した今後5年度分の事業計画を経営環境などの外部要因に関する情報や過去の実績推移などに基づいて修正し、資産グループの現在の使用状況等を考慮し見積っております。回収可能価額は、当該将来キャッシュ・フローの見積り額を現在価値に割り引いた使用価値で算定しており、割引率は、税引前の加重平均資本コストを基に算定しております。
b. 有価証券の減損
有価証券の減損については、市場価格のあるものについては期末日の時価が取得原価の50%以上下落しているとき、市場価格の無いものについては1株当たり純資産額に所有株式数を乗じた金額を実質価額として評価し、当該実質価額が決算期末日の取得原価の50%以上下落しているときには、決算期末日までに入手し得る発行会社の財務諸表並びに将来の経営状況を考慮し回復不可能と判断した場合、当該実質価格まで減損処理を行っております。
c. 繰延税金資産(税効果会計)
繰延税金資産は将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除のうち、将来課税所得に対して利用できる可能性が高く税金負担額を軽減することができると認められる範囲内で計上しております。また、繰延税金資産は毎期見直しており、将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除の全部又は一部が将来の税金負担額を軽減する効果を有さなくなったと判断した場合、計上していた繰延税金資産のうち回収可能性がない金額を取り崩しております
(新型コロナウイルス感染症の影響)
新型コロナウイルス感染症拡大により、セキュリティ機器のマンション向け販売におけるマンション管理組合の理事会・総会の延期に伴う、販売・納品の遅れや、カード機器の主要販売先の病院向け等における営業活動の大幅な制限、商談・納品の延期や設備投資の抑制などの影響を受けております。
当該感染症の今後の広がり方や収束時期等を予測することは困難な状況にありますが、この秋以降、徐々に正常化に向かっていくなどの仮定を置き、会計上の見積りを行っております。
このように、現在の状況及び入手可能な情報に基づき、合理的と考えられる見積り及び判断を行っておりますが、新型コロナウイルス感染症の広がりや収束時期等の見積りには不確実性を伴うため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.金額には、標準品の外部生産高を含めております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は仕入価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c. 受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は契約価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
d. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、見積りが必要となる事項においては合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積もりと異なる場合があります。
この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績
当社グループには主要事業会社としまして、ドッドウエル ビー・エム・エス、グラフテック、あい設計、NBS Technologiesがありますが、当期は、これら主要事業会社の合計で、前期比6億円の営業利益増益を見込んでおりました。
しかしながら、新型コロナウイルス感染症拡大の影響から、各事業会社において営業活動が大幅に制限されたことや設備投資の抑制がみられたこと等に加え、グラフテックにおけるラベルプリンター等の在庫の評価減約2億円を行ったこと等により、前期比8億円の減益となりました。
各事業会社のセグメント別の営業利益では、セキュリティ機器は、主力のマンション向け販売において、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響によって、当連結会計年度の後半にかけてマンション向け販売におけるマンション管理組合の理事会・総会の延期に伴う、販売・納品の遅れがみられました。その結果、期初予想に対しては未達となりましたが、前期並みの利益を維持し、全社業績の67%を占めるなど引き続き堅調に推移しました。また、グラフテック関連でコンシューマ向け小型カッティングマシンは、2019年秋に市場投入した新製品がオンライン販売を中心に販売好調で、期初見込を上回る過去最高の売上及び利益を達成しました。しかしながら、グラフテック関連(業務用カッティングマシン、計測機器)、カード機器等においては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による営業活動の制限、設備投資の抑制等により減益となったことで、期初の増益見込みが大幅未達となりました。
b. 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、運転資金は基本的に内部資金により充当しております。当社グループは装置産業ではないため、多額の設備投資は必要ではなく、長期借入金による設備投資資金の調達は現在のところ必要でない状況となっております。
当社グループは基本的には、無借金経営を行いつつ内部留保を厚くすることが安定した経営に貢献するものと考えておりますが、成長に向けてのM&Aの強化の検討等においては、大型のM&A案件などにより多額の資金が必要となった場合は、長期借り入れも視野に入れてまいります。
c. 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、当社グループは、商社部門とメーカー部門が共存しており、売上高は両部門のバランスにより変動することから、経営計画においては、営業利益に絶対値目標を定め、経営を推進しております。また、当社は引き続き成長に向けてM&Aを強化する方針です。このため、短期的には営業利益が変動する可能性がありますが、長期的にはEPSを重要な経営指標と設定し、その確保のために粗利重視の経営を進めその最大化に努めてまいります。
d. セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する分析・検討内容
(セキュリティ機器)
当社のセキュリティ機器事業は、マンション向けと一般法人企業向けの2つの分野で事業を展開しております。マンション向けの場合、その多くが分譲マンションで占められており、基本的には既設設備の更新需要を中心に直販による営業活動を行っております。契約の大半がリース契約であることから、更新物件を確実にフォローすることによって、長期的に安定した需要を確保し、毎期着実に業績を拡大して行くことを目指しております。また、近年は賃貸物件への導入も増加しております。
当連結会計年度は、これまでに自社がこうして納入したマンション向け設備のリース満了による更新を着実に取り込むことにより業績は順調に推移しました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響によって、当連結会計年度の後半にかけてマンション管理組合の理事会・総会の延期に伴う、販売・納品の遅れがみられ、その結果、前期並みの利益水準となりました。
来期以降につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響はしばらく残るものの、マンション管理組合の理事会・総会も徐々に再開されており、自社の更新需要及び導入済み賃貸物件の更新が拡大することが見込めることから、引き続き業績の拡大が図れるものと考えております。
一方、一般法人向けに関しては、毎期ごと堅調な業績で推移しております。今後も有力代理店と連携しながら、お客様の要望する商品の品揃えを充実させ、これらの商品をタイムリーに提供することによって、引き続き堅調な売上の維持にも取り組んでまいりたいと考えております。
(カード機器及びその他事務用機器)
病院向けカード機器事業につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を大きく受け、営業活動の制限及び一般患者数の減少による病院・クリニックにおける設備投資の抑制等により、前期比で大幅な減益となりました。新型コロナウイルス感染症の収束がみられるまで、来期も厳しい状況が続くことが予想されます。一方で、金融機関向け発行機の販売及びサーマルカメラ等の新製品の導入等により、業績の底上げを図ります。
鉄骨業界向けの専用CADソフト販売は引き続き堅調に推移し、前期並みの利益を計上しました。今後もオペレーターの研修を継続的に行う顧客向け会員サービス等の販売促進の拡大に取り組むとともに、BIMの流れの中でゼネコン向けの販売も広がりを見せており、堅調な業績の維持を目指してまいります。
NBS Technologies社は、半導体製造装置事業を行うフランス子会社の売却及び新型コロナウイルス感染症拡大の影響による商談の遅れや設備投資の抑制もあり、黒字化を達成することができませんでした。しかしながら、懸案であった中国における即時発行機の入札案件を落札することができ、これらを取り込むことで事業の拡大に努めてまいります。
(情報機器)
情報機器事業につきましては、収益の大部分を占めるコンシューマ向け小型カッティングマシン事業において、機能強化の上で2019年秋に市場投入された新製品がオンライン販売を中心に販売好調で、過去最高の売上及び利益を達成しました。米国を中心とした海外市場は引き続き拡大しており、2020年末に販売開始予定のワイド版製品を含め、来期以降も商品開発力及び販売力の強化を図ることにより更なる業績拡大を図ります。
一方で、業務用カッティングマシン事業につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による展示会の中止や、設備投資の抑制により、前期比で業績が落ち込む結果となりました。また、ラベルプリンタの在庫を中心として、約2億円の評価減を計上したこともセグメント収益の下振れ要因となりました。
(設計事業)
設計事業につきましては、通期での収益が前期を下回る結果となりましたが、これは新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、一部案件に検収遅れが生じたことが主な原因であります。また、これまで高収益を上げておりました耐震診断業務の受注、売上比率が低下し、官庁の大規模施設の新築及び改修設計業務の受注が増加していることによる収益性の低下もみられております。
来期につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響で一部需要が後ろ倒しになる可能性がありますが、耐震診断に限らず構造設計分野全般に強みを持つあい設計社としましては、耐震関連業務に代わる分野として民間のホテルや物流施設、環境施設の受注増を図るとともに、自社の特徴を活かした取り組みを行う方針です。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、2019年10月の消費税増税の影響による消費・投資抑制に加え、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う経済活動の停滞により全体ではマイナス傾向で推移いたしました。海外においても、新型コロナウイルス感染症が世界中で拡大する中、サプライチェーンへの影響を含め、経済活動が大幅に制限される状況となりました
このような経済環境の下、当社グループにおいては環境変化に機動的に即応し、効率性や採算性を考慮した社内体制の強化・整備を図り、利益重視の経営を推進いたしました。
この結果、当連結会計年度の売上高は431億7千9百万円(前年同期比15.4%減)となり、営業利益は75億9千6百万円(前年同期比9.7%減)、経常利益は79億3千5百万円(前年同期比8.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は46億2千万円(前年同期比14.2%減)となりました。
a. セグメントごとの経営成績
(セキュリティ機器)
セキュリティ機器につきましては、マンション向け、法人向けともに堅調に推移しました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響によって、当事業年度の後半にかけてマンション向け販売におけるマンション管理組合の理事会・総会の延期に伴う、販売・納品の遅れがみられました。その結果、売上高は124億8千5百万円(前年同期比0.3%減)、セグメント利益は51億1千2百万円(前年同期比1.6%減)となりました。
(カード機器及びその他事務用機器)
カード機器及びその他事務用機器につきましては、鉄骨業界向けの専用CADソフト販売が引き続き堅調に推移しました。しかしながら、NBS Technologies Inc.傘下の非中核事業(半導体関連事業)を売却したことや、カード機器の主要販売先の病院向け等における新型コロナウイルス感染症の拡大の影響による営業活動の大幅な制限、商談・納品の延期や設備投資の抑制がみられました。その結果、売上高は45億8千7百万円(前年同期比28.3%減)、セグメント利益は6億4千7百万円(前年同期比35.3%減)となりました。
(情報機器)
情報機器につきましては、主力のコンシューマ向けカッティングマシン事業においては、オンライン販売を中心に好調に推移しました。しかしながら、業務用カッティングマシン事業につきましては、国内の緊急事態宣言、海外のロックダウン措置等の影響で納品や商談に遅れが生じ、設備投資の抑制がみられました。その結果、売上高は152億1千4百万円(前年同期比3.1%減)、セグメント利益は13億5千4百万円(前年同期比9.6%減)となりました。
(計測機器及び環境試験装置)
計測機器及び環境試験装置につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により主要顧客となる製造業で生産停止が広がり、納品や商談の遅れ、設備投資の抑制がみられました。その結果、売上高は16億4千5百万円(前年同期比20.9%減)、セグメント利益は4千万円(前年同期比76.5%減)となりました。
(設計事業)
設計事業につきましては、公的部門を主とした案件受注が堅調に推移しました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響で、当事業年度後半にかけて建設工事の延期等により検収の遅れが生じました。その結果、売上高は46億3千1百万円(前年同期比1.4%増)、セグメント利益は3億4千1百万円(前年同期比13.1%減)となりました。
(その他)
その他につきましては、リース及び割賦事業における低採算事業であった遊技施設向けリース事業を前連結会計年度第2四半期より段階的に縮小したこと等により、売上高は46億1千5百万円(前年同期比52.7%減)、セグメント損失は4千1百万円(前年同期はセグメント利益1億5千7百万円)となりました。なお、当連結会計年度から「リース及び割賦事業」については売上高が5億円前後となり量的な重要性が乏しくなったため、報告セグメントから「その他」として記載する方法に変更しております。詳細については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(セグメント情報等)」の「1.報告セグメントの概要」をご参照ください。
b. 当連結会計年度の財政状態
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べて11億6千2百万円増加し、609億7千7百万円となりました。主な要因は、流動資産における現金及び預金21億8千9百万円増加、受取手形及び売掛金12億1千3百万円減少、商品及び製品10億1千3百万円増加、リース投資資産5億5千8百万円減少、のれん4億6千2百万円減少等であります。負債につきましては、前連結会計年度末に比べて14億1千万円減少し、114億4千6百万円となりました。主な要因は、流動負債における支払手形及び買掛金7億3千7百万円減少、リース債務4億5千万円減少等であります。
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べて25億7千2百万円増加し、495億3千万円となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益46億2千万円の計上、配当金19億8千9百万円の計上等であります。この結果、自己資本比率は81.1%となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、254億6千1百万円となり、前連結会計年度末に比べて41億8千9百万円増加しました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は55億7千8百万円(前連結会計年度は72億1千2百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益67億6千2百万円、減価償却費8億3千1百万円、投資有価証券評価損5億7千1百万円、売上債権の減少額9億9千7百万円等の収入に対し、たな卸資産の増加額9億2千7百万円、仕入債務の減少額6億7千9百万円、法人税等の支払額27億5千万円の支出等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は9億6千万円(前連結会計年度は31億3千6百万円の支出)となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入20億4千7百万円、有形固定資産の取得による支出5億5千3百万円、投資有価証券の取得による支出4億4千4百万円等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は23億1千9百万円(前連結会計年度は25億8千3百万円の支出)となりました。これは主に、配当金の支払額19億9千6百万円の支出等があったことによるものであります。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
| 2016年 6月期 | 2017年 6月期 | 2018年 6月期 | 2019年 6月期 | 2020年 6月期 | |
| 自己資本比率(%) | 69.4 | 71.2 | 73.2 | 78.4 | 81.1 |
| 時価ベースの自己資本比率(%) | 230.0 | 260.3 | 190.6 | 137.8 | 120.7 |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) | - | - | - | - | - |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | 327.6 | 644.4 | 834.2 | 1,388.6 | 1,108.9 |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注)1.いずれも連結ベースの財務指標により計算しております。
2.株式時価総額は、期末株価終値×期末株式数(自己株式控除後)により算出しております。
3.キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
4.有利子負債は連結貸借対照表上に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グル-プの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって会計上の見積りが必要なものについては期末時点において把握できる最善の方法により会計上の見積りを行っております。他の会計上の見積りについては、「第5経理の状況 1.連結財務諸表等注記 3会計方針」に記載のとおりであります。
a. のれんの減損
のれんの減損テストにおける将来キャッシュ・フローは、経営者が承認した今後5年度分の事業計画を経営環境などの外部要因に関する情報や過去の実績推移などに基づいて修正し、資産グループの現在の使用状況等を考慮し見積っております。回収可能価額は、当該将来キャッシュ・フローの見積り額を現在価値に割り引いた使用価値で算定しており、割引率は、税引前の加重平均資本コストを基に算定しております。
b. 有価証券の減損
有価証券の減損については、市場価格のあるものについては期末日の時価が取得原価の50%以上下落しているとき、市場価格の無いものについては1株当たり純資産額に所有株式数を乗じた金額を実質価額として評価し、当該実質価額が決算期末日の取得原価の50%以上下落しているときには、決算期末日までに入手し得る発行会社の財務諸表並びに将来の経営状況を考慮し回復不可能と判断した場合、当該実質価格まで減損処理を行っております。
c. 繰延税金資産(税効果会計)
繰延税金資産は将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除のうち、将来課税所得に対して利用できる可能性が高く税金負担額を軽減することができると認められる範囲内で計上しております。また、繰延税金資産は毎期見直しており、将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除の全部又は一部が将来の税金負担額を軽減する効果を有さなくなったと判断した場合、計上していた繰延税金資産のうち回収可能性がない金額を取り崩しております
(新型コロナウイルス感染症の影響)
新型コロナウイルス感染症拡大により、セキュリティ機器のマンション向け販売におけるマンション管理組合の理事会・総会の延期に伴う、販売・納品の遅れや、カード機器の主要販売先の病院向け等における営業活動の大幅な制限、商談・納品の延期や設備投資の抑制などの影響を受けております。
当該感染症の今後の広がり方や収束時期等を予測することは困難な状況にありますが、この秋以降、徐々に正常化に向かっていくなどの仮定を置き、会計上の見積りを行っております。
このように、現在の状況及び入手可能な情報に基づき、合理的と考えられる見積り及び判断を行っておりますが、新型コロナウイルス感染症の広がりや収束時期等の見積りには不確実性を伴うため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年7月1日 至 2020年6月30日) | |
| 金額(百万円) | 前年同期比(%) | |
| カード機器及びその他事務用機器 | 422 | 47.4 |
| 情報機器 | 3,289 | 100.1 |
| 計測機器及び環境試験装置 | 1,193 | 66.5 |
| 設計事業 | 4,653 | 101.3 |
| 報告セグメント計 | 9,559 | 90.5 |
| その他 | 559 | 57.5 |
| 合計 | 10,119 | 87.7 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.金額には、標準品の外部生産高を含めております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年7月1日 至 2020年6月30日) | |
| 金額(百万円) | 前年同期比(%) | |
| セキュリティ機器 | 2,313 | 88.0 |
| カード機器及びその他事務用機器 | 2,385 | 97.1 |
| 情報機器 | 6,609 | 146.9 |
| 計測機器及び環境試験装置 | 80 | 89.1 |
| 報告セグメント計 | 11,389 | 117.7 |
| その他 | 1,226 | 19.4 |
| 合計 | 12,615 | 78.9 |
(注)1.金額は仕入価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c. 受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 設計事業 | 4,888 | 94.2 | 3,909 | 106.7 |
(注)1.金額は契約価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
d. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年7月1日 至 2020年6月30日) | |
| 金額(百万円) | 前年同期比(%) | |
| セキュリティ機器 | 12,485 | 99.7 |
| カード機器及びその他事務用機器 | 4,587 | 71.7 |
| 情報機器 | 15,214 | 96.9 |
| 計測機器及び環境試験装置 | 1,645 | 79.2 |
| 設計事業 | 4,631 | 101.4 |
| 報告セグメント計 | 38,564 | 93.4 |
| その他 | 4,615 | 47.3 |
| 合計 | 43,179 | 84.6 |
(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2018年7月1日 至 2019年6月30日) | 当連結会計年度 (自 2019年7月1日 至 2020年6月30日) | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| 三菱UFJリース株式会社 | 7,106 | 13.9 | 6,146 | 14.2 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、見積りが必要となる事項においては合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積もりと異なる場合があります。
この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績
当社グループには主要事業会社としまして、ドッドウエル ビー・エム・エス、グラフテック、あい設計、NBS Technologiesがありますが、当期は、これら主要事業会社の合計で、前期比6億円の営業利益増益を見込んでおりました。
しかしながら、新型コロナウイルス感染症拡大の影響から、各事業会社において営業活動が大幅に制限されたことや設備投資の抑制がみられたこと等に加え、グラフテックにおけるラベルプリンター等の在庫の評価減約2億円を行ったこと等により、前期比8億円の減益となりました。
各事業会社のセグメント別の営業利益では、セキュリティ機器は、主力のマンション向け販売において、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響によって、当連結会計年度の後半にかけてマンション向け販売におけるマンション管理組合の理事会・総会の延期に伴う、販売・納品の遅れがみられました。その結果、期初予想に対しては未達となりましたが、前期並みの利益を維持し、全社業績の67%を占めるなど引き続き堅調に推移しました。また、グラフテック関連でコンシューマ向け小型カッティングマシンは、2019年秋に市場投入した新製品がオンライン販売を中心に販売好調で、期初見込を上回る過去最高の売上及び利益を達成しました。しかしながら、グラフテック関連(業務用カッティングマシン、計測機器)、カード機器等においては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による営業活動の制限、設備投資の抑制等により減益となったことで、期初の増益見込みが大幅未達となりました。
b. 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、運転資金は基本的に内部資金により充当しております。当社グループは装置産業ではないため、多額の設備投資は必要ではなく、長期借入金による設備投資資金の調達は現在のところ必要でない状況となっております。
当社グループは基本的には、無借金経営を行いつつ内部留保を厚くすることが安定した経営に貢献するものと考えておりますが、成長に向けてのM&Aの強化の検討等においては、大型のM&A案件などにより多額の資金が必要となった場合は、長期借り入れも視野に入れてまいります。
c. 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、当社グループは、商社部門とメーカー部門が共存しており、売上高は両部門のバランスにより変動することから、経営計画においては、営業利益に絶対値目標を定め、経営を推進しております。また、当社は引き続き成長に向けてM&Aを強化する方針です。このため、短期的には営業利益が変動する可能性がありますが、長期的にはEPSを重要な経営指標と設定し、その確保のために粗利重視の経営を進めその最大化に努めてまいります。
d. セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する分析・検討内容
(セキュリティ機器)
当社のセキュリティ機器事業は、マンション向けと一般法人企業向けの2つの分野で事業を展開しております。マンション向けの場合、その多くが分譲マンションで占められており、基本的には既設設備の更新需要を中心に直販による営業活動を行っております。契約の大半がリース契約であることから、更新物件を確実にフォローすることによって、長期的に安定した需要を確保し、毎期着実に業績を拡大して行くことを目指しております。また、近年は賃貸物件への導入も増加しております。
当連結会計年度は、これまでに自社がこうして納入したマンション向け設備のリース満了による更新を着実に取り込むことにより業績は順調に推移しました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響によって、当連結会計年度の後半にかけてマンション管理組合の理事会・総会の延期に伴う、販売・納品の遅れがみられ、その結果、前期並みの利益水準となりました。
来期以降につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響はしばらく残るものの、マンション管理組合の理事会・総会も徐々に再開されており、自社の更新需要及び導入済み賃貸物件の更新が拡大することが見込めることから、引き続き業績の拡大が図れるものと考えております。
一方、一般法人向けに関しては、毎期ごと堅調な業績で推移しております。今後も有力代理店と連携しながら、お客様の要望する商品の品揃えを充実させ、これらの商品をタイムリーに提供することによって、引き続き堅調な売上の維持にも取り組んでまいりたいと考えております。
(カード機器及びその他事務用機器)
病院向けカード機器事業につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を大きく受け、営業活動の制限及び一般患者数の減少による病院・クリニックにおける設備投資の抑制等により、前期比で大幅な減益となりました。新型コロナウイルス感染症の収束がみられるまで、来期も厳しい状況が続くことが予想されます。一方で、金融機関向け発行機の販売及びサーマルカメラ等の新製品の導入等により、業績の底上げを図ります。
鉄骨業界向けの専用CADソフト販売は引き続き堅調に推移し、前期並みの利益を計上しました。今後もオペレーターの研修を継続的に行う顧客向け会員サービス等の販売促進の拡大に取り組むとともに、BIMの流れの中でゼネコン向けの販売も広がりを見せており、堅調な業績の維持を目指してまいります。
NBS Technologies社は、半導体製造装置事業を行うフランス子会社の売却及び新型コロナウイルス感染症拡大の影響による商談の遅れや設備投資の抑制もあり、黒字化を達成することができませんでした。しかしながら、懸案であった中国における即時発行機の入札案件を落札することができ、これらを取り込むことで事業の拡大に努めてまいります。
(情報機器)
情報機器事業につきましては、収益の大部分を占めるコンシューマ向け小型カッティングマシン事業において、機能強化の上で2019年秋に市場投入された新製品がオンライン販売を中心に販売好調で、過去最高の売上及び利益を達成しました。米国を中心とした海外市場は引き続き拡大しており、2020年末に販売開始予定のワイド版製品を含め、来期以降も商品開発力及び販売力の強化を図ることにより更なる業績拡大を図ります。
一方で、業務用カッティングマシン事業につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による展示会の中止や、設備投資の抑制により、前期比で業績が落ち込む結果となりました。また、ラベルプリンタの在庫を中心として、約2億円の評価減を計上したこともセグメント収益の下振れ要因となりました。
(設計事業)
設計事業につきましては、通期での収益が前期を下回る結果となりましたが、これは新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、一部案件に検収遅れが生じたことが主な原因であります。また、これまで高収益を上げておりました耐震診断業務の受注、売上比率が低下し、官庁の大規模施設の新築及び改修設計業務の受注が増加していることによる収益性の低下もみられております。
来期につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響で一部需要が後ろ倒しになる可能性がありますが、耐震診断に限らず構造設計分野全般に強みを持つあい設計社としましては、耐震関連業務に代わる分野として民間のホテルや物流施設、環境施設の受注増を図るとともに、自社の特徴を活かした取り組みを行う方針です。