半期報告書-第64期(2024/04/01-2025/03/31)
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
①経営環境及び経営成績
当中間連結会計期間(2024年4月1日~2024年9月30日)におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善の下、景気は緩やかな回復が見られました。一方、ウクライナ情勢の長期化や中東情勢の悪化による、エネルギー価格及び原材料価格の高止まりや円安の長期化等、依然として不透明な状況が続いております。
小売業界におきましては、水道光熱費や生活必需品等の継続的な物価上昇による消費者の生活防衛意識は根強い状態が続いております。それに加えて、人件費や物流コストの上昇、さらには業種・業態の垣根を越えた競争もあり、引き続き厳しい経営環境が続いております。
当中間連結会計期間の主な経営成績の内容は、以下の通りです。
(単位:百万円)
(注)当社の非連結子会社への貸付金に対して、当中間連結会計期間において貸倒引当金繰入額7億23百万円を営業外費用に計上いたしました。なお、これによる税効果は認識しておりません。
営業概況につきましては、第1四半期は、期間を通じて天候が安定したことにより、当社の主力カテゴリーである大袋肥料・農薬・刈払機等の農業者様向けの商品や野菜苗・種等の家庭菜園商品の販売が堅調に推移いたしました。また、5月・6月共に気温が高い日が続いたことで、エアコン・遮光用品等の動き出しが早く、夏物関連商品を中心に販売が好調に推移いたしました。第2四半期は、8月に南海トラフ地震臨時情報の発表や台風10号発生の影響を受け、家具固定ポール・懐中電灯・電池・養生テープ等の防災・補修用品のニーズの高まりがありました。一方、9月は記録的な残暑と中旬の天候不順の影響を受け、ガーデニング・家庭菜園に関する商品や殺虫剤・除草剤等の販売が低調に推移いたしました。当社が注力しているプロの建設事業者様が頻繁にご利用になられる、セメント・電材等の消耗品は期間を通じて堅調に推移いたしました。
PB商品の販売につきましては、円安による仕入価格の上昇、物流コストの上昇等の影響を受けておりますが、重点施策の1つである「暮らしを守り・育てる商品開発」に努めることで売上・利益拡大に貢献いたしました。
②主要商品部門別の状況
2025年3月期中間期までの商品部門別の売上状況及び主な増減の要因は、以下の通りです。
(注)商品別の各構成内容は次のとおりであります。
③重点施策等の状況
■「出店」
・当中間連結会計期間の出店につきましては、以下の通り、8店舗開店いたしました。
・ハード&グリーンは6店舗減少いたしましたが、うち5店舗は業態転換及び移転増床によるものです。(他、クローズ1店舗)
■「物流」
当社グループの物流は、生産から販売までの社会的コストを圧縮することを目的として、連結子会社の北星産業株式会社が担っております。
・2024年6月に、東海エリアへの出店強化・物流の効率化を図るため、国内12カ所目の新たな物流拠点となる「コメリ静岡流通センター」の稼働を開始いたしました。
・2024年6月に、「コメリ(新)関西流通センター」の建設に着工いたしました。当センターが完成いたしますと、当社グループ12カ所の物流拠点の中で過去最大規模となります。
・物流2024年問題への対策として、納品時間の指定による車両待機時間の削減や新たな省力化の仕組みを導入することで更なる生産性向上を目指してまいります。
■「PB商品開発」
・PB商品の開発においては、世界のベストソースから標準化された1,200を超える店舗、物流・情報システムを通して商品開発を推進したことで、PB商品の売上高構成比率は48.9%(前年同期比0.3%増)となりました。
・カー用品ブランド「CRUZARD(クルザード)」やレジャー用品ブランド「Natural Season(ナチュラルシーズン)」は、ブランディングCMの放映やソーシャルメディアも絡めた重点販売を実施した結果、引き続き販売が好調に推移いたしました。
■「リフォーム事業」
・リフォーム事業は売上高前年同期比101.3%と堅調に推移いたしました。全国のコメリ店舗で受付可能な住宅設備機器等の取付・交換を行う「住急番取付」や、シロアリ・害虫駆除、庭木の手入れ等の「住急番サービス」の取扱高も堅調に推移しております。
・政府の「住宅省エネ2024キャンペーン」の影響により、断熱内窓の取扱件数が大幅に増加いたしました。
・より専門性の高い知識の習得を目指し、全店従業員の74.5%がリフォームマイスター2級を取得いたしました。また、リフォームマイスター1級のカリキュラムを新たに開始し、全店でお客様のお困りごとを解決できる体制づくりに努めております。
■「イーコマース事業」
・イーコマース事業の売上高前年同期比は110.9%と好調に推移いたしました。エアコン、米保管庫等の大型商品を中心に販売を伸ばし、売上高比率は6.3%(前年同期比0.8%増)と高めることができました。
・1,200を超える店舗網とシステム環境を活かし、店頭受取比率80%に達するBOPIS(Buy Online Pick up In Store)の取り組みを行い、店舗・ネット・アプリと連携した販売促進に努め、お客様の利便性向上を推進しております。
■「カード事業」
・自社発行しているコメリカード(クレジット機能)、アクアカード(プリペイド機能)等のカード会員数は、527万人(前年同期比28万人増)となりました。
・コメリカードとアプリを連携させたスマホ決済サービス「コッコPay」や、カードタッチ決済サービスの導入を行い、キャッシュレスキャンペーン等の販促に努め、決済手段の多様化を推進しております。
■「DXの取り組み」
・省力化への取り組みとしてセルフレジの導入を推進し、設置店舗は大型店を中心に94店舗(1店舗あたり平均6台)となりました。
・セルフレジの導入やキャッシュレス比率向上によるレジ決済の迅速化により、お客様のレジでの待機時間を削減するとともに、従業員が接客にあたるための時間の捻出にも努めております。
■「農業分野の取り組み」
・農業協同組合(以下、JA)との協業につきましては、JA上伊那、JA山形おきたま、JA紀の里、JA伊勢、JA多気郡の5つのJAと協業し、農家様、JA、当社の「三方よし」の実現に向けて取り組んでおります。2024年9月末時点でJAの商品をコメリの34店舗にて販売しております。
・2024年10月より、山梨県のJA山梨みらいと協業に向けた協議を開始いたしました。
・2024年12月から、和歌山県のJA紀の里管内のコメリパワー岩出店でJA商品の販売を開始する予定です。
(2)財政状態の状況
(資産)
当中間連結会計期間末における流動資産は、1,727億69百万円となり、前連結会計年度末に比べ54億25百万円減少いたしました。主にその他に含まれる預け金が43億27百万円増加いたしましたが、現金及び預金が38億33百万円、商品及び製品が67億43百万円減少したことによるものであります。固定資産は、1,948億41百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億84百万円増加いたしました。主に貸倒引当金の計上により7億23百万円減少いたしましたが、有形固定資産が7億35百万円、投資その他の資産のその他に含まれる長期貸付金が2億30百万円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は、3,676億11百万円となり、前連結会計年度末に比べ52億40百万円減少いたしました。
(負債)
当中間連結会計期間末における流動負債は、972億66百万円となり、前連結会計年度末に比べ63億57百万円減少いたしました。主に電子記録債務が20億63百万円増加いたしましたが、支払手形及び買掛金が69億21百万円、その他に含まれる未払金が24億90百万円減少したことによるものであります。固定負債は、277億53百万円となり、前連結会計年度末に比べ52億26百万円減少いたしました。主に長期借入金の減少によるものであります。
この結果、負債合計は、1,250億19百万円となり、前連結会計年度末に比べ115億83百万円減少いたしました。
(純資産)
当中間連結会計期間末における純資産合計は、2,425億91百万円となり、前連結会計年度末に比べ63億43百万円増加いたしました。主に自己株式の取得により20億1百万円、剰余金の配当により12億58百万円それぞれ減少いたしましたが、親会社株主に帰属する中間純利益95億62百万円の計上により利益剰余金が増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は、66.0%(前連結会計年度末は63.4%)となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ38億93百万円減少し126億54百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、140億65百万円(前年同期比10.1%減)となりました。主な獲得要因は、税金等調整前中間純利益 143億98百万円、減価償却費 62億34百万円、棚卸資産の減少額 67億22百万円であります。主な使用要因は、仕入債務の減少額 48億57百万円、預け金の増加額 43億27百万円、法人税等の支払額 34億20百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、72億85百万円(同17.4%減)となりました。主な使用要因は、有形固定資産の取得によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、106億73百万円(同25.9%増)となりました。主な使用要因は、長期借入金返済による支出 66億38百万円、自己株式の取得による支出 20億1百万円であります。
(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(5)経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(6)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(7)研究開発活動
該当事項はありません。
(8) サステナビリティに関する説明
当社グループでは、旧態依然とした流通形態が残る、資材・建材、金物・工具、園芸・農業用品、これら遅れた分野の流通近代化を通して世の中に貢献することを目指しております。国産木材を利用した自社開発の合板に代表される原材料の調達、製造・生産、流通、販売、消費の各過程を通じ、当社グループの事業そのものでサステナビリティの各種社会課題の解決に寄与するとともに、持続可能な社会の実現、持続的な成長及び中長期的な企業価値向上に繋がるものと考えております。
当連結会計年度における主なサステナビリティへの取り組みについては、以下の通りです。
① 体制整備
2024年9月末現在、経営企画担当の取締役常務執行役員をサステナビリティ推進担当とし、広報担当付の社員等がその業務を補佐し、重要課題や各種取り組みについて、本社各部署・店舗・関係会社と情報共有・連携を図る体制を構築しております。
② 人的資本投資・女性活躍推進、両立支援
当社グループでは、不易流行の精神を実践できる人材を育むことを目的とした「賢和塾」という総称の教育体系を設けております。商品知識や店舗オペレーションの知識にとどまらず、経営理念や創業の精神、マネジメントの原理原則の習得やマネジメント能力の向上を図る各種カリキュラムを設けており、次世代経営陣幹部の候補者の中長期的な視点での人財育成を行っております。
・当社の女性の店長職におきましては、店舗オペレーションの省力化の成果により活躍の場が広がっており、以下の通り、82名の女性店長が活躍しております。中でも、2024年6月よりコメリパワー山鹿店に、パワーとしては初となる女性店長が着任しております。
・パワー店長対象にマネジメント研修を行い、2024年4月から9月で101名の社員が参加いたしました。今後、幹部候補者研修や中堅マネジメント研修を行う予定です。
・コロナ禍の影響で中止しておりました当社独自企画の海外研修を2024年10月に5年ぶりに開催いたします。
・当社は、2024年5月21日に、次世代育成支援対策法に基づく子育てサポート企業として、厚生労働大臣が認定する「くるみん認定」を取得いたしました。引き続き、従業員が安心・安全・健康に働くことができる「働きがい」を感じられる環境の確保に努めてまいります。
③ カスタマーハラスメントに対する考え方
当社グループでは、商品やサービスの提供を通じたお客様からのご意見、ご要望、苦情、お問い合わせ等について、真摯に受け止め、お客様のお困りごとの解決に努めております。一方、ごくわずかですが、従業員の人権や就業環境を害するような行為も見受けられます。
当社グループでは、従業員全員が安心・安全・健康で働ける就業環境を維持するため、社内相談窓口を設置しました。お客様からのクレームや言動のうち、その要求が社会通念上相当な範囲を超え、従業員の就業環境が害されるようなカスタマーハラスメントである場合は、毅然とした態度で組織対応いたします。
また、企業間取引においてもカスタマーハラスメントが問われるとの認識のもと、お取引先様に対してもカスタマーハラスメントを行うことのないよう、社内研修等を通じて周知してまいります。
④ 連結子会社の北星産業株式会社における物流2024年問題への対応
・各流通センターでは、一部大口の納品ラインから納品車両への時間指定を行い、荷待ち、荷役時間等の削減に努めております。
・2024年4月からは、専用のアプリを稼働させ、物流事業者の荷待ち時間の更なる削減にも取り組んでおります。
・当社のお取引先様の商品を一括集荷して流通センターに専用便にて納品する共同配送システム「KALNET」は、車両の削減や配送効率向上に繋がる取り組みです。現在、取扱高が前年と比較して2桁伸びている状況です。
⑤ 太陽光発電設備の設置
・2024年9月末現在、店舗と物流センターの合計23カ所に、売電等を目的とした太陽光発電設備を導入しております。
・2026年3月期までに新たに18店舗及び物流センター2カ所に、自家消費を目的とした太陽光発電設備の導入を計画しており、累計で43拠点の導入となる予定です。
⑥ 環境に配慮した商品開発への取り組み
・当社は「暮らしを守り・育てる商品開発」を実現するため、商品開発において、お客様の潜在ニーズの具現化に努めるとともに、環境に配慮した商品開発も推進しております。
・当社PB商品である「杉エコシリーズ」は、2024年10月9日、一般社団法人日本ウッドデザイン協会主催の「ウッドデザイン賞2024」を受賞いたしました。この商品は、従来廃棄されていた節材を活用することで、材料の歩留まりを上げ、杉1本あたり約20%の木材ロス削減に繋げております。また、丸太の伐採から製材、加工を国内産地で行い、集荷、流通、販売をコメリのチェーン物流を活用することで、CO2排出削減と低価格商品の提供に努めております。
⑦ 防災・災害発生時のインフラとしての対応
・ホームセンターは、災害発生時の復旧・復興に必要な物資の供給拠点として、住まいに関する重要な社会インフラとしての位置づけが定着しております。また、防災の観点からは、台風や大雨・洪水、大雪等が予測される場合には、地域のお客様が必要とされる商品をタイムリーに提供できる体制の整備も行っております。
・2024年9月に発生した「令和6年奥能登豪雨」への対応につきましては、NPO法人コメリ災害対策センターを通じて、土のう袋、携帯トイレ、乾電池、段ボール等、復旧に必要な物資を供給しております。
・NPO法人コメリ災害対策センターは、全国の自治体、当社グループ及び協力企業が一体となるネットワークを構築し、災害発生時等に必要な物資供給を迅速かつ円滑に行っております。2024年9月末時点での全国の自治体との災害時支援協定の締結件数は、1,102件(2024年3月期末比+18件)となっております。
(1)経営成績の状況
①経営環境及び経営成績
当中間連結会計期間(2024年4月1日~2024年9月30日)におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善の下、景気は緩やかな回復が見られました。一方、ウクライナ情勢の長期化や中東情勢の悪化による、エネルギー価格及び原材料価格の高止まりや円安の長期化等、依然として不透明な状況が続いております。
小売業界におきましては、水道光熱費や生活必需品等の継続的な物価上昇による消費者の生活防衛意識は根強い状態が続いております。それに加えて、人件費や物流コストの上昇、さらには業種・業態の垣根を越えた競争もあり、引き続き厳しい経営環境が続いております。
当中間連結会計期間の主な経営成績の内容は、以下の通りです。
(単位:百万円)
営業収益 | 営業利益 | 経常利益 | 親会社株主に帰属 する中間純利益 | |
2025年3月期中間期 | 198,804 | 14,816 | 14,563 | 9,562 |
前年同期比 | 102.3% | 107.2% | 105.4% | 103.5% |
(注)当社の非連結子会社への貸付金に対して、当中間連結会計期間において貸倒引当金繰入額7億23百万円を営業外費用に計上いたしました。なお、これによる税効果は認識しておりません。
営業概況につきましては、第1四半期は、期間を通じて天候が安定したことにより、当社の主力カテゴリーである大袋肥料・農薬・刈払機等の農業者様向けの商品や野菜苗・種等の家庭菜園商品の販売が堅調に推移いたしました。また、5月・6月共に気温が高い日が続いたことで、エアコン・遮光用品等の動き出しが早く、夏物関連商品を中心に販売が好調に推移いたしました。第2四半期は、8月に南海トラフ地震臨時情報の発表や台風10号発生の影響を受け、家具固定ポール・懐中電灯・電池・養生テープ等の防災・補修用品のニーズの高まりがありました。一方、9月は記録的な残暑と中旬の天候不順の影響を受け、ガーデニング・家庭菜園に関する商品や殺虫剤・除草剤等の販売が低調に推移いたしました。当社が注力しているプロの建設事業者様が頻繁にご利用になられる、セメント・電材等の消耗品は期間を通じて堅調に推移いたしました。
PB商品の販売につきましては、円安による仕入価格の上昇、物流コストの上昇等の影響を受けておりますが、重点施策の1つである「暮らしを守り・育てる商品開発」に努めることで売上・利益拡大に貢献いたしました。
②主要商品部門別の状況
2025年3月期中間期までの商品部門別の売上状況及び主な増減の要因は、以下の通りです。
部門 | 売上高 (百万円) | 前年同期比(%) | 主な増減要因 |
工具・金物・作業用品 | 35,428 | 103.8 | ・プロ向けの消耗品であるネジ・電材等の販売が堅調 ・防災意識の高まりにより、家具固定ポール等の需要増加 |
リフォーム資材・ エクステリア用品 | 28,604 | 100.9 | ・プロ向けの消耗品である波板・セメントの販売が堅調 ・木材の価格高止まりの影響と建設需要減少により販売が低調 |
園芸・農業・ペット用品 | 69,211 | 102.0 | ・農業者様向けの農薬・刈払機が堅調に推移 ・米不足の影響により贈答用米袋や玄米保冷庫の需要が増加 ・昨年の価格改定の反動を受け、ペット用品の販売が低調 |
日用品・家電・カー・ レジャー用品 | 37,879 | 105.5 | ・猛暑の影響でエアコン・扇風機等の季節用品が好調 ・新商品の展開を強化しているカー用品・レジャー用品が好調 |
インテリア・家庭・ オフィス用品 | 16,884 | 98.7 | ・敷パッド・イ草等の夏物季節商品の販売が好調 ・梅の不作等の影響を受け、漬物関連商品の販売が低調 |
燃料等 | 1,701 | 91.1 | ・平均気温が平年より高く推移し、灯油の販売が低調 |
その他 | 7,054 | 100.7 | |
ホームセンター事業計 | 196,765 | 102.3 | |
その他事業 | 2,039 | 101.7 | |
営業収益合計 | 198,804 | 102.3 |
(注)商品別の各構成内容は次のとおりであります。
工具・金物・作業用品 | (工具、建築金物、ペイント、補修用品、作業衣料等) |
リフォーム資材・エクステリア用品 | (建築資材、配管材、木材、住設機器、エクステリア等) |
園芸・農業・ペット用品 | (園芸用品、肥料・農薬、農業資材、植物、ペット用品等) |
日用品・家電・カー・レジャー用品 | (日用消耗品、ヘルス&ビューティケア、家電、カー・レジャー・サイクル用品、食品等) |
インテリア・家庭・オフィス用品 | (内装、家具・収納用品、家庭用品、ダイニング、文具等) |
③重点施策等の状況
■「出店」
・当中間連結会計期間の出店につきましては、以下の通り、8店舗開店いたしました。
合計 | パワー | PRO | H&G | AT | |
出店実績 | 8 | 4 | 2 | 2 | 0 |
退店(業態転換・移転含む) | 6 | 0 | 0 | 6 | 0 |
店舗数 | 1,222 | 106 | 17 | 1,095 | 4 |
・ハード&グリーンは6店舗減少いたしましたが、うち5店舗は業態転換及び移転増床によるものです。(他、クローズ1店舗)
■「物流」
当社グループの物流は、生産から販売までの社会的コストを圧縮することを目的として、連結子会社の北星産業株式会社が担っております。
・2024年6月に、東海エリアへの出店強化・物流の効率化を図るため、国内12カ所目の新たな物流拠点となる「コメリ静岡流通センター」の稼働を開始いたしました。
・2024年6月に、「コメリ(新)関西流通センター」の建設に着工いたしました。当センターが完成いたしますと、当社グループ12カ所の物流拠点の中で過去最大規模となります。
・物流2024年問題への対策として、納品時間の指定による車両待機時間の削減や新たな省力化の仕組みを導入することで更なる生産性向上を目指してまいります。
■「PB商品開発」
・PB商品の開発においては、世界のベストソースから標準化された1,200を超える店舗、物流・情報システムを通して商品開発を推進したことで、PB商品の売上高構成比率は48.9%(前年同期比0.3%増)となりました。
・カー用品ブランド「CRUZARD(クルザード)」やレジャー用品ブランド「Natural Season(ナチュラルシーズン)」は、ブランディングCMの放映やソーシャルメディアも絡めた重点販売を実施した結果、引き続き販売が好調に推移いたしました。
■「リフォーム事業」
・リフォーム事業は売上高前年同期比101.3%と堅調に推移いたしました。全国のコメリ店舗で受付可能な住宅設備機器等の取付・交換を行う「住急番取付」や、シロアリ・害虫駆除、庭木の手入れ等の「住急番サービス」の取扱高も堅調に推移しております。
・政府の「住宅省エネ2024キャンペーン」の影響により、断熱内窓の取扱件数が大幅に増加いたしました。
・より専門性の高い知識の習得を目指し、全店従業員の74.5%がリフォームマイスター2級を取得いたしました。また、リフォームマイスター1級のカリキュラムを新たに開始し、全店でお客様のお困りごとを解決できる体制づくりに努めております。
■「イーコマース事業」
・イーコマース事業の売上高前年同期比は110.9%と好調に推移いたしました。エアコン、米保管庫等の大型商品を中心に販売を伸ばし、売上高比率は6.3%(前年同期比0.8%増)と高めることができました。
・1,200を超える店舗網とシステム環境を活かし、店頭受取比率80%に達するBOPIS(Buy Online Pick up In Store)の取り組みを行い、店舗・ネット・アプリと連携した販売促進に努め、お客様の利便性向上を推進しております。
■「カード事業」
・自社発行しているコメリカード(クレジット機能)、アクアカード(プリペイド機能)等のカード会員数は、527万人(前年同期比28万人増)となりました。
・コメリカードとアプリを連携させたスマホ決済サービス「コッコPay」や、カードタッチ決済サービスの導入を行い、キャッシュレスキャンペーン等の販促に努め、決済手段の多様化を推進しております。
■「DXの取り組み」
・省力化への取り組みとしてセルフレジの導入を推進し、設置店舗は大型店を中心に94店舗(1店舗あたり平均6台)となりました。
・セルフレジの導入やキャッシュレス比率向上によるレジ決済の迅速化により、お客様のレジでの待機時間を削減するとともに、従業員が接客にあたるための時間の捻出にも努めております。
■「農業分野の取り組み」
・農業協同組合(以下、JA)との協業につきましては、JA上伊那、JA山形おきたま、JA紀の里、JA伊勢、JA多気郡の5つのJAと協業し、農家様、JA、当社の「三方よし」の実現に向けて取り組んでおります。2024年9月末時点でJAの商品をコメリの34店舗にて販売しております。
・2024年10月より、山梨県のJA山梨みらいと協業に向けた協議を開始いたしました。
・2024年12月から、和歌山県のJA紀の里管内のコメリパワー岩出店でJA商品の販売を開始する予定です。
(2)財政状態の状況
(資産)
当中間連結会計期間末における流動資産は、1,727億69百万円となり、前連結会計年度末に比べ54億25百万円減少いたしました。主にその他に含まれる預け金が43億27百万円増加いたしましたが、現金及び預金が38億33百万円、商品及び製品が67億43百万円減少したことによるものであります。固定資産は、1,948億41百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億84百万円増加いたしました。主に貸倒引当金の計上により7億23百万円減少いたしましたが、有形固定資産が7億35百万円、投資その他の資産のその他に含まれる長期貸付金が2億30百万円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は、3,676億11百万円となり、前連結会計年度末に比べ52億40百万円減少いたしました。
(負債)
当中間連結会計期間末における流動負債は、972億66百万円となり、前連結会計年度末に比べ63億57百万円減少いたしました。主に電子記録債務が20億63百万円増加いたしましたが、支払手形及び買掛金が69億21百万円、その他に含まれる未払金が24億90百万円減少したことによるものであります。固定負債は、277億53百万円となり、前連結会計年度末に比べ52億26百万円減少いたしました。主に長期借入金の減少によるものであります。
この結果、負債合計は、1,250億19百万円となり、前連結会計年度末に比べ115億83百万円減少いたしました。
(純資産)
当中間連結会計期間末における純資産合計は、2,425億91百万円となり、前連結会計年度末に比べ63億43百万円増加いたしました。主に自己株式の取得により20億1百万円、剰余金の配当により12億58百万円それぞれ減少いたしましたが、親会社株主に帰属する中間純利益95億62百万円の計上により利益剰余金が増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は、66.0%(前連結会計年度末は63.4%)となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ38億93百万円減少し126億54百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、140億65百万円(前年同期比10.1%減)となりました。主な獲得要因は、税金等調整前中間純利益 143億98百万円、減価償却費 62億34百万円、棚卸資産の減少額 67億22百万円であります。主な使用要因は、仕入債務の減少額 48億57百万円、預け金の増加額 43億27百万円、法人税等の支払額 34億20百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、72億85百万円(同17.4%減)となりました。主な使用要因は、有形固定資産の取得によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、106億73百万円(同25.9%増)となりました。主な使用要因は、長期借入金返済による支出 66億38百万円、自己株式の取得による支出 20億1百万円であります。
(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(5)経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(6)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(7)研究開発活動
該当事項はありません。
(8) サステナビリティに関する説明
当社グループでは、旧態依然とした流通形態が残る、資材・建材、金物・工具、園芸・農業用品、これら遅れた分野の流通近代化を通して世の中に貢献することを目指しております。国産木材を利用した自社開発の合板に代表される原材料の調達、製造・生産、流通、販売、消費の各過程を通じ、当社グループの事業そのものでサステナビリティの各種社会課題の解決に寄与するとともに、持続可能な社会の実現、持続的な成長及び中長期的な企業価値向上に繋がるものと考えております。
当連結会計年度における主なサステナビリティへの取り組みについては、以下の通りです。
① 体制整備
2024年9月末現在、経営企画担当の取締役常務執行役員をサステナビリティ推進担当とし、広報担当付の社員等がその業務を補佐し、重要課題や各種取り組みについて、本社各部署・店舗・関係会社と情報共有・連携を図る体制を構築しております。
② 人的資本投資・女性活躍推進、両立支援
当社グループでは、不易流行の精神を実践できる人材を育むことを目的とした「賢和塾」という総称の教育体系を設けております。商品知識や店舗オペレーションの知識にとどまらず、経営理念や創業の精神、マネジメントの原理原則の習得やマネジメント能力の向上を図る各種カリキュラムを設けており、次世代経営陣幹部の候補者の中長期的な視点での人財育成を行っております。
・当社の女性の店長職におきましては、店舗オペレーションの省力化の成果により活躍の場が広がっており、以下の通り、82名の女性店長が活躍しております。中でも、2024年6月よりコメリパワー山鹿店に、パワーとしては初となる女性店長が着任しております。
合計 | パワー | PRO | H&G | AT | |
2024年9月末時点 | 82 | 1 | 0 | 81 | 0 |
・パワー店長対象にマネジメント研修を行い、2024年4月から9月で101名の社員が参加いたしました。今後、幹部候補者研修や中堅マネジメント研修を行う予定です。
・コロナ禍の影響で中止しておりました当社独自企画の海外研修を2024年10月に5年ぶりに開催いたします。
・当社は、2024年5月21日に、次世代育成支援対策法に基づく子育てサポート企業として、厚生労働大臣が認定する「くるみん認定」を取得いたしました。引き続き、従業員が安心・安全・健康に働くことができる「働きがい」を感じられる環境の確保に努めてまいります。
③ カスタマーハラスメントに対する考え方
当社グループでは、商品やサービスの提供を通じたお客様からのご意見、ご要望、苦情、お問い合わせ等について、真摯に受け止め、お客様のお困りごとの解決に努めております。一方、ごくわずかですが、従業員の人権や就業環境を害するような行為も見受けられます。
当社グループでは、従業員全員が安心・安全・健康で働ける就業環境を維持するため、社内相談窓口を設置しました。お客様からのクレームや言動のうち、その要求が社会通念上相当な範囲を超え、従業員の就業環境が害されるようなカスタマーハラスメントである場合は、毅然とした態度で組織対応いたします。
また、企業間取引においてもカスタマーハラスメントが問われるとの認識のもと、お取引先様に対してもカスタマーハラスメントを行うことのないよう、社内研修等を通じて周知してまいります。
④ 連結子会社の北星産業株式会社における物流2024年問題への対応
・各流通センターでは、一部大口の納品ラインから納品車両への時間指定を行い、荷待ち、荷役時間等の削減に努めております。
・2024年4月からは、専用のアプリを稼働させ、物流事業者の荷待ち時間の更なる削減にも取り組んでおります。
・当社のお取引先様の商品を一括集荷して流通センターに専用便にて納品する共同配送システム「KALNET」は、車両の削減や配送効率向上に繋がる取り組みです。現在、取扱高が前年と比較して2桁伸びている状況です。
⑤ 太陽光発電設備の設置
・2024年9月末現在、店舗と物流センターの合計23カ所に、売電等を目的とした太陽光発電設備を導入しております。
・2026年3月期までに新たに18店舗及び物流センター2カ所に、自家消費を目的とした太陽光発電設備の導入を計画しており、累計で43拠点の導入となる予定です。
⑥ 環境に配慮した商品開発への取り組み
・当社は「暮らしを守り・育てる商品開発」を実現するため、商品開発において、お客様の潜在ニーズの具現化に努めるとともに、環境に配慮した商品開発も推進しております。
・当社PB商品である「杉エコシリーズ」は、2024年10月9日、一般社団法人日本ウッドデザイン協会主催の「ウッドデザイン賞2024」を受賞いたしました。この商品は、従来廃棄されていた節材を活用することで、材料の歩留まりを上げ、杉1本あたり約20%の木材ロス削減に繋げております。また、丸太の伐採から製材、加工を国内産地で行い、集荷、流通、販売をコメリのチェーン物流を活用することで、CO2排出削減と低価格商品の提供に努めております。
⑦ 防災・災害発生時のインフラとしての対応
・ホームセンターは、災害発生時の復旧・復興に必要な物資の供給拠点として、住まいに関する重要な社会インフラとしての位置づけが定着しております。また、防災の観点からは、台風や大雨・洪水、大雪等が予測される場合には、地域のお客様が必要とされる商品をタイムリーに提供できる体制の整備も行っております。
・2024年9月に発生した「令和6年奥能登豪雨」への対応につきましては、NPO法人コメリ災害対策センターを通じて、土のう袋、携帯トイレ、乾電池、段ボール等、復旧に必要な物資を供給しております。
・NPO法人コメリ災害対策センターは、全国の自治体、当社グループ及び協力企業が一体となるネットワークを構築し、災害発生時等に必要な物資供給を迅速かつ円滑に行っております。2024年9月末時点での全国の自治体との災害時支援協定の締結件数は、1,102件(2024年3月期末比+18件)となっております。