有価証券報告書-第59期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、消費税増税による消費マインドの影響に加え、新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛要請等により、個人消費の下振れが避けられない状況となっております。また、これに派生した東京五輪の延期決定による経済への影響など先行きの不透明感は急激に強まっております。
小売業界におきましては、業種業態の垣根を超えた販売競争の激化、天候不順及び自然災害の影響、人件費や物流費の高騰、消費税増税の影響などに加え、新型コロナウイルスの感染拡大の影響による店舗の休業や時短営業等、店舗運営への影響が発生しており、過去に例を見ないほどの厳しい経営環境となりました。
このような状況のもと、当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
(イ)財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ47億5百万円増加して、3,311億40百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ33億16百万円減少して、1,491億49百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ80億22百万円増加して、1,819億90百万円となりました。
(ロ)経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高及び営業収入3,485億73百万円(前年同期比100.5%)、営業利益184億69百万円(同101.9%)、経常利益186億25百万円(同102.1%)、親会社株主に帰属する当期純利益119億41百万円(同109.2%)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
a.ホームセンター
ⅰ 工具・金物・作業用品
電動工具や関連パーツが好調に推移いたしました。また、夏の作業も快適な空調服等の自社開発商品の販売が好調でした。これにより売上高は、604億68百万円(前連結会計年度比101.6%)となりました。
ⅱ リフォーム資材・エクステリア用品
工務店様向けの内装材等の資材が好調に推移いたしました。また、ビルトインコンロや洗面台といった取り付け施工が必要な商品の販売が好調でした。これにより売上高は、489億43百万円(同102.4%)となりました。
ⅲ 園芸・農業用品
春先の気温低下により、花苗や家庭用の小袋肥料などは低調に推移いたしましたが、農家様向けの農業資材等の販売は好調でした。また、夏場に雨量が多かったこともあり除草剤の販売も好調でした。これにより売上高は、770億7百万円(同100.2%)となりました。
ⅳ 日用品・ペット用品
自社開発商品のキャットケージ等のペット用品が好調に推移しました。また、マスクやハンドソープ等の衛生用品の販売が上がりました。これにより売上高は、598億97百万円(同103.3%)となりました。
ⅴ 家電・レジャー用品
暖冬少雪の影響により暖房用品の販売が低調でしたが、電動アシスト車の拡販等により自転車の販売が好調に推移いたしました。また、自宅でも楽しめるバーベキューコンロや木炭等のキャンプ用品が好調に推移いたしました。これにより売上高は、404億17百万円(同98.1%)となりました。
ⅵ インテリア・家庭用品
自社開発商品のフライパンや鍋等の調理用品が好調に推移いたしましたが、7月の低温などにより夏物のカーペットや敷パッド等の季節商品は低調でした。これにより売上高は、316億64百万円(同98.0%)となりました。
ⅶ 灯油他
灯油は、暖冬少雪の影響により販売が低調に推移いたしました。これにより売上高は、258億54百万円(同96.4%)となりました。
その結果、ホームセンター全体としての売上高は、3,442億52百万円(同100.5%)となりました。
b.その他
LPガス・ガソリン等の燃料や書籍等の販売等により、当連結会計年度のその他事業の営業収益は43億20百万円(同97.6%)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」)は、93億30百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、獲得した資金は、244億75百万円(前年同期比4.9%増)となりました。主な獲得要因は、税金等調整前当期純利益180億6百万円、減価償却費113億50百万円であります。主な使用要因は、法人税等の支払額61億12百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は、98億16百万円(同51.6%減)となりました。主な使用要因は、有形固定資産の取得であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は、90億39百万円(同46.5%増)となりました。主な獲得要因は、長期借入による収入105億円であります。主な使用要因は、長期借入金の返済による支出122億39百万円、自己株式の取得による支出21億12百万円、配当金の支払額20億75百万円であります。
③生産、受注及び販売の実績
(イ)仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(ロ)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(イ)経営成績等
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末より47億5百万円増加し、3,311億40百万円となりました。主に有形固定資産が21億88百万円減少いたしましたが、現金及び預金が56億20百万円、受取手形及び売掛金が21億22百万円それぞれ増加したことによるものであります。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末より33億16百万円減少し、1,491億49百万円となりました。主に長期借入金が63億30百万円、支払手形及び買掛金が22億50百万円増加いたしましたが、1年内返済予定の長期借入金が80億円、退職一時金制度の一部を確定拠出年金制度へ移行したことに伴い、退職給付に係る負債が60億88百万円減少したことによるものであります。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末より80億22百万円増加して、1,819億90百万円となりました。主に利益剰余金が増加したことによるものであります。
b.経営成績
春先の気温低下や記録的な暖冬少雪等の影響で季節商品が低調に推移いたしました。一方で天候に左右されにくい農家様向けの農業資材や工務店様向けのリフォーム資材等の仕事で使う必需品は、好調に推移いたしました。また、ネットで商品を注文して店舗で受け取りができる「取り置きサービス」が好調に推移し、営業収益は3,485億73百万円(前連結会計年度比100.5%)となりました。
利益面では、海外輸入のPB商品の荒利益率が下期より改善したことに加え、作業の効率化による人時数の削減や販促媒体の多様化の推進等により販管費が削減され、営業利益は、184億69百万円(同101.9%)、経常利益は186億25百万円(同102.1%)となりました。
(ロ)経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは、環境の変化に対応し社会的インフラとしての役割を果たすべく、お客様の生活必需品のみならず、農家様への農業資材や工務店様への建築資材等の供給に努めてまいりました。
新たな取り組みである上伊那農業協同組合(以下、JA上伊那)との協業につきましては、2020年3月1日に、長野県の上伊那地域で展開する当社8店舗において、農業用品売場のリニューアルオープンを行いました。従来、JA上伊那で取り扱っていた肥料・農薬などの専売品と、自社開発商品を併売することで、幅広く商品を選ぶことができるようになり、地元農家様からご好評をいただいております。
また、連結子会社である(株)コメリキャピタルが独自に発行しているコメリカード(クレジット機能)、アクアカード(プリペイド機能)等のカード会員数は当連結会計年度末で360万人を突破し順調に推移しており、ビッグデータを活用してお客様のニーズをタイムリーに把握することが可能となっております。また、使えば使うほどポイントの還元率が上がるフリークエント・ショッパーズ・プログラム(FSP)により固定客化も進んでおります。
なお、当社は、2019年10月1日に退職一時金制度の一部について確定拠出年金制度へ移行したことにより、確定拠出年金制度への移行部分について退職給付制度の終了の処理を行い、第3四半期連結会計期間において、11億57百万円の特別利益を計上いたしました。
出店につきましては、建築コストが高止まりしている影響から、ローコストで出店するための店舗仕様の見直し及び出店時期の調整等を行い、例年に比べて出店数を抑制した結果、PWを2店舗、H&Gを8店舗、PROを1店舗開店いたしました。一方、既存店の改装を積極的に行い、例年に比べ4割多い11万坪の改装を実施いたしました。
閉店につきましては、契約期間満了等により、H&Gを6店舗閉店いたしました。
この結果、当連結会計年度末の店舗数は、PW66店舗、H&G1,120店舗、PRO3店舗、AT8店舗、合計で1,197店舗となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(イ)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(ロ)資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては、自己資金または借入により資金調達することとしております。このうち、借入による資金調達に関しましては、短期運転資金は銀行からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、銀行からの長期借入及びリースを基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は552億99百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は93億30百万円となっております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
なお、新型コロナウィルス感染症の影響等不確実性が大きく将来事業計画等の見込数値に反映させることが難しい要素もありますが、期末時点で入手可能な情報を基に検証等を行っております。
(イ)繰延税金資産の回収可能性
当社グループは、繰延税金資産について定期的に回収可能性を検討し、当該資産の回収が不確実と考えられる部分に対して評価性引当額を計上しています。回収可能性の判断においては、将来の課税所得見込額と実行可能なタックス・プランニングを考慮して、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しています。
将来の課税所得見込額はその時の業績等により変動するため、課税所得の見積に影響を与える要因が発生した場合は、回収懸念額の見直しを行い繰延税金資産の修正を行うため、当期純損益額が変動する可能性があります。
(ロ)固定資産の減損処理
当社グループが有する固定資産のうち、「固定資産の減損に係る会計基準」において対象とされるものについては、損益報告や経営計画などの企業内部の情報、経営環境や資産の市場価格などの企業外部の要因に関する情報に基づき、資産又は資産グループ別に減損の兆候の有無を確認し、企業環境の変化や経済事象の発生によりその帳簿価額の回収が懸念されているかなども考慮し、減損損失の認識を判定しております。
この判定により減損兆候を認識すべきと判断した場合には、その帳簿価額を回収可能価額まで減損処理を行っております。事業計画や経営・市場環境の変化により、回収可能価額が変更された場合には、減損損失の金額の増加又は新たな減損損失の認識の可能性があります。
(ハ)資産除去債務
当社グループは、営業店舗等の開設にあたり、不動産所有者との間で不動産賃貸借契約を締結しており、退去時における原状回復義務に関し、「資産除去債務に関する会計基準」に基づき過去の実績等から合理的な見積りを行い資産除去債務を計上しております。しかしながら、新たな事実の発生等に伴い、資産除去債務の計上額が変動する可能性があります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、消費税増税による消費マインドの影響に加え、新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛要請等により、個人消費の下振れが避けられない状況となっております。また、これに派生した東京五輪の延期決定による経済への影響など先行きの不透明感は急激に強まっております。
小売業界におきましては、業種業態の垣根を超えた販売競争の激化、天候不順及び自然災害の影響、人件費や物流費の高騰、消費税増税の影響などに加え、新型コロナウイルスの感染拡大の影響による店舗の休業や時短営業等、店舗運営への影響が発生しており、過去に例を見ないほどの厳しい経営環境となりました。
このような状況のもと、当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
(イ)財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ47億5百万円増加して、3,311億40百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ33億16百万円減少して、1,491億49百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ80億22百万円増加して、1,819億90百万円となりました。
(ロ)経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高及び営業収入3,485億73百万円(前年同期比100.5%)、営業利益184億69百万円(同101.9%)、経常利益186億25百万円(同102.1%)、親会社株主に帰属する当期純利益119億41百万円(同109.2%)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
a.ホームセンター
ⅰ 工具・金物・作業用品
電動工具や関連パーツが好調に推移いたしました。また、夏の作業も快適な空調服等の自社開発商品の販売が好調でした。これにより売上高は、604億68百万円(前連結会計年度比101.6%)となりました。
ⅱ リフォーム資材・エクステリア用品
工務店様向けの内装材等の資材が好調に推移いたしました。また、ビルトインコンロや洗面台といった取り付け施工が必要な商品の販売が好調でした。これにより売上高は、489億43百万円(同102.4%)となりました。
ⅲ 園芸・農業用品
春先の気温低下により、花苗や家庭用の小袋肥料などは低調に推移いたしましたが、農家様向けの農業資材等の販売は好調でした。また、夏場に雨量が多かったこともあり除草剤の販売も好調でした。これにより売上高は、770億7百万円(同100.2%)となりました。
ⅳ 日用品・ペット用品
自社開発商品のキャットケージ等のペット用品が好調に推移しました。また、マスクやハンドソープ等の衛生用品の販売が上がりました。これにより売上高は、598億97百万円(同103.3%)となりました。
ⅴ 家電・レジャー用品
暖冬少雪の影響により暖房用品の販売が低調でしたが、電動アシスト車の拡販等により自転車の販売が好調に推移いたしました。また、自宅でも楽しめるバーベキューコンロや木炭等のキャンプ用品が好調に推移いたしました。これにより売上高は、404億17百万円(同98.1%)となりました。
ⅵ インテリア・家庭用品
自社開発商品のフライパンや鍋等の調理用品が好調に推移いたしましたが、7月の低温などにより夏物のカーペットや敷パッド等の季節商品は低調でした。これにより売上高は、316億64百万円(同98.0%)となりました。
ⅶ 灯油他
灯油は、暖冬少雪の影響により販売が低調に推移いたしました。これにより売上高は、258億54百万円(同96.4%)となりました。
その結果、ホームセンター全体としての売上高は、3,442億52百万円(同100.5%)となりました。
b.その他
LPガス・ガソリン等の燃料や書籍等の販売等により、当連結会計年度のその他事業の営業収益は43億20百万円(同97.6%)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」)は、93億30百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、獲得した資金は、244億75百万円(前年同期比4.9%増)となりました。主な獲得要因は、税金等調整前当期純利益180億6百万円、減価償却費113億50百万円であります。主な使用要因は、法人税等の支払額61億12百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は、98億16百万円(同51.6%減)となりました。主な使用要因は、有形固定資産の取得であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は、90億39百万円(同46.5%増)となりました。主な獲得要因は、長期借入による収入105億円であります。主な使用要因は、長期借入金の返済による支出122億39百万円、自己株式の取得による支出21億12百万円、配当金の支払額20億75百万円であります。
③生産、受注及び販売の実績
(イ)仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) |
ホームセンター(百万円) | 225,601 | 99.6 |
報告セグメント計(百万円) | 225,601 | 99.6 |
その他(百万円) | 2,883 | 93.9 |
合計(百万円) | 228,485 | 99.5 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(ロ)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) |
ホームセンター(百万円) | 344,252 | 100.5 |
報告セグメント計(百万円) | 344,252 | 100.5 |
その他(百万円) | 4,320 | 97.6 |
合計(百万円) | 348,573 | 100.5 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(イ)経営成績等
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末より47億5百万円増加し、3,311億40百万円となりました。主に有形固定資産が21億88百万円減少いたしましたが、現金及び預金が56億20百万円、受取手形及び売掛金が21億22百万円それぞれ増加したことによるものであります。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末より33億16百万円減少し、1,491億49百万円となりました。主に長期借入金が63億30百万円、支払手形及び買掛金が22億50百万円増加いたしましたが、1年内返済予定の長期借入金が80億円、退職一時金制度の一部を確定拠出年金制度へ移行したことに伴い、退職給付に係る負債が60億88百万円減少したことによるものであります。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末より80億22百万円増加して、1,819億90百万円となりました。主に利益剰余金が増加したことによるものであります。
b.経営成績
春先の気温低下や記録的な暖冬少雪等の影響で季節商品が低調に推移いたしました。一方で天候に左右されにくい農家様向けの農業資材や工務店様向けのリフォーム資材等の仕事で使う必需品は、好調に推移いたしました。また、ネットで商品を注文して店舗で受け取りができる「取り置きサービス」が好調に推移し、営業収益は3,485億73百万円(前連結会計年度比100.5%)となりました。
利益面では、海外輸入のPB商品の荒利益率が下期より改善したことに加え、作業の効率化による人時数の削減や販促媒体の多様化の推進等により販管費が削減され、営業利益は、184億69百万円(同101.9%)、経常利益は186億25百万円(同102.1%)となりました。
(ロ)経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは、環境の変化に対応し社会的インフラとしての役割を果たすべく、お客様の生活必需品のみならず、農家様への農業資材や工務店様への建築資材等の供給に努めてまいりました。
新たな取り組みである上伊那農業協同組合(以下、JA上伊那)との協業につきましては、2020年3月1日に、長野県の上伊那地域で展開する当社8店舗において、農業用品売場のリニューアルオープンを行いました。従来、JA上伊那で取り扱っていた肥料・農薬などの専売品と、自社開発商品を併売することで、幅広く商品を選ぶことができるようになり、地元農家様からご好評をいただいております。
また、連結子会社である(株)コメリキャピタルが独自に発行しているコメリカード(クレジット機能)、アクアカード(プリペイド機能)等のカード会員数は当連結会計年度末で360万人を突破し順調に推移しており、ビッグデータを活用してお客様のニーズをタイムリーに把握することが可能となっております。また、使えば使うほどポイントの還元率が上がるフリークエント・ショッパーズ・プログラム(FSP)により固定客化も進んでおります。
なお、当社は、2019年10月1日に退職一時金制度の一部について確定拠出年金制度へ移行したことにより、確定拠出年金制度への移行部分について退職給付制度の終了の処理を行い、第3四半期連結会計期間において、11億57百万円の特別利益を計上いたしました。
出店につきましては、建築コストが高止まりしている影響から、ローコストで出店するための店舗仕様の見直し及び出店時期の調整等を行い、例年に比べて出店数を抑制した結果、PWを2店舗、H&Gを8店舗、PROを1店舗開店いたしました。一方、既存店の改装を積極的に行い、例年に比べ4割多い11万坪の改装を実施いたしました。
閉店につきましては、契約期間満了等により、H&Gを6店舗閉店いたしました。
この結果、当連結会計年度末の店舗数は、PW66店舗、H&G1,120店舗、PRO3店舗、AT8店舗、合計で1,197店舗となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(イ)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(ロ)資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては、自己資金または借入により資金調達することとしております。このうち、借入による資金調達に関しましては、短期運転資金は銀行からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、銀行からの長期借入及びリースを基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は552億99百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は93億30百万円となっております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
なお、新型コロナウィルス感染症の影響等不確実性が大きく将来事業計画等の見込数値に反映させることが難しい要素もありますが、期末時点で入手可能な情報を基に検証等を行っております。
(イ)繰延税金資産の回収可能性
当社グループは、繰延税金資産について定期的に回収可能性を検討し、当該資産の回収が不確実と考えられる部分に対して評価性引当額を計上しています。回収可能性の判断においては、将来の課税所得見込額と実行可能なタックス・プランニングを考慮して、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しています。
将来の課税所得見込額はその時の業績等により変動するため、課税所得の見積に影響を与える要因が発生した場合は、回収懸念額の見直しを行い繰延税金資産の修正を行うため、当期純損益額が変動する可能性があります。
(ロ)固定資産の減損処理
当社グループが有する固定資産のうち、「固定資産の減損に係る会計基準」において対象とされるものについては、損益報告や経営計画などの企業内部の情報、経営環境や資産の市場価格などの企業外部の要因に関する情報に基づき、資産又は資産グループ別に減損の兆候の有無を確認し、企業環境の変化や経済事象の発生によりその帳簿価額の回収が懸念されているかなども考慮し、減損損失の認識を判定しております。
この判定により減損兆候を認識すべきと判断した場合には、その帳簿価額を回収可能価額まで減損処理を行っております。事業計画や経営・市場環境の変化により、回収可能価額が変更された場合には、減損損失の金額の増加又は新たな減損損失の認識の可能性があります。
(ハ)資産除去債務
当社グループは、営業店舗等の開設にあたり、不動産所有者との間で不動産賃貸借契約を締結しており、退去時における原状回復義務に関し、「資産除去債務に関する会計基準」に基づき過去の実績等から合理的な見積りを行い資産除去債務を計上しております。しかしながら、新たな事実の発生等に伴い、資産除去債務の計上額が変動する可能性があります。