有価証券報告書-第64期(令和2年3月1日-令和3年2月28日)

【提出】
2021/05/28 10:00
【資料】
PDFをみる
【項目】
151項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状況、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
売上高は、前期末に実施したアークミール社の株式譲渡による売上減少198億10百万円に加え、新型コロナウイルス感染症の拡大影響に伴い、グループ各社で店舗の休業・営業時間の短縮を実施したことにより、前年同期に対して大幅な減収となりました。国内においては2020年5月の緊急事態宣言の解除以降、海外においては外出禁止令の解除以降、営業再開が進み、新商品の導入や各セグメントでキャンペーンを積極的に展開したことにより、売上高は回復基調となりましたが、2021年1月7日の再度の緊急事態宣言に伴う政府・各自治体からの外出自粛や営業時間の短縮要請により、下半期においても前年の水準を下回って推移しました。
コスト面では、賃料減額交渉や管理可能経費の削減などに加え、グループ全体で構造改革に取り組みコスト削減を進めており、その成果は着実に表れ、下半期においては営業利益が黒字に転じました。また、売上高の減少に対し、当期はキャッシュ・フローを重視し、当初計画していた出店・改装投資も抑制し、不採算または売上高の回復が見込めない直営店舗の閉店を進めました。しかしながら上述のコスト削減策を実施したものの、売上高の大幅な減少や、閉店や店舗資産の収益力の低下に伴う減損損失および新型コロナウイルス感染症による損失など総額57億93百万円を特別損失として計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純損失は75億3百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益7億13百万円)となりました。
なお、営業外収益には、各自治体からの営業時間短縮に係る感染拡大防止協力金や雇用調整助成金などの助成金等収入32億75百万円を計上し、特別損失には、各国政府や各行政の指示・ガイドラインに従い休業した店舗の休業期間中に発生した固定費の一部を新型コロナウイルス感染症による損失6億11百万円として計上しております。
セグメント概況につきましては、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度において、報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」の「1 報告セグメントの概要 (報告セグメントの変更等に関する事項)」をご参照ください。
[吉野家]
売上高は、1,056億16百万円と、対前年同期比5.4%の減収となりました。
全国一斉休校や緊急事態宣言を受け、3月には「お子様・ご家庭食事支援」、4月には「牛丼テイクアウト15%オフキャンペーン」、「テイクアウト限定ファミリーセット」を販売するなど、食のインフラとして各種支援策を機動的に実施しながら、店内飲食からテイクアウトへと変化する顧客ニーズに迅速に対応いたしました。また、デリバリー需要の高まりに対応するため、デリバリー対応店舗を751店舗へと積極的に拡大し、各種キャンペーンを実施いたしました。商品施策においては、テイクアウトでも、よりおいしく召し上がれる商品開発を基本方針に掲げ、4月から「肉だく牛丼」や「スタミナ超特盛丼」を、6月から期間限定で「牛たん麦とろ御膳」を、10月から冬の定番「牛すき鍋膳」を、1月から「牛の鍋焼き御膳」を販売いたしました。また、販売施策としては、5月、7月、9月、11月には昨年大変ご好評をいただいた「ポケ盛」キャンペーンを、6月には「超特盛祭」を実施し、11月にはプレミアム食事券の「Go To Eatキャンペーン」に参加いたしました。その結果、テイクアウト販売数増により売上高は回復傾向ではあるものの、店内飲食による売上の回復が弱含みであるため、既存店売上高前年比は91.5%となりました。セグメント利益は減収に加え、販売促進費ならびにテイクアウト用包材等のコスト増により41億47百万円と、前年同期に比べ17億88百万円の減益となりましたが、上記取り組みにより、下半期においては前年を9億11百万円上回る結果となりました。同期間の店舗数は、25店舗を出店し、50店舗を閉鎖した結果、1,189店舗となりました。
[はなまる]
売上高は、203億62百万円と、対前年同期比34.1%の減収となりました。
減収の主な要因は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い商業施設内店舗の大規模な休業や営業時間の短縮を行ったことにより、既存店売上高前年比が7割の水準へと大幅に減少したことであります。商業施設の営業再開に伴い売上高は回復傾向にあるものの、都市部への通勤人口の減少やフードコートの客席稼働率の低下といった厳しい状況が続いております。商品施策としては、3月には「とろ玉フェア」を、6月には「冷かけフェア」を、9月には「温もり、とろーり!あんかけフェア」を実施し、11月には「具・たくさん!豚汁うどん」を販売し、1月にはお持ち帰りも可能な、グループのから揚げ専門業態の「鶏千 から揚げ」を販売し、新たな客層を獲得しております。販売施策としては、3月と9月にはご好評をいただいている「天ぷら定期券」を販売し、7月には「コウペンちゃんはなまる日和」とのコラボキャンペーンを実施し、11月にはプレミアム食事券の「Go To Eatキャンペーン」へ参加し、12月には「うどんチケット」を販売いたしました。テイクアウト・デリバリー需要の高まりに対応するため、デリバリー対応店舗を192店(前期末+117店)に拡大いたしました。これらに加えかけうどんの価格改定を行うなど、機動的に施策を展開いたしましたが、セグメント損失は31億60百万円と、前年同期に比べ44億12百万円の減益となりました。同期間の店舗数は、18店舗を出店し、50店舗を閉鎖した結果、490店舗となりました。
[京樽]
売上高は、188億99百万円と、対前年同期比33.8%の減収となりました。
減収の主な要因は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い店舗の大規模な休業や営業時間の短縮を行ったことにより、既存店売上高前年比が7割の水準へと大幅に減少したことや、外出自粛要請に伴いイベントによる弁当販売が減少したことであります。商業施設の営業再開に伴いテイクアウト事業を中心に売上高は回復傾向にあるものの、夜間の外出自粛により外食事業の売上高は厳しい状況が続いております。テイクアウト・デリバリー需要の高まりに対応するため、全業態において「すしパーティーセット」や、海鮮三崎港にて「ちらしずしのタネ」を販売するなど、テイクアウト商品の充実を図りながら、デリバリー対応店舗を136店(前期末+134店)に拡大し、「1個買ったらもう一つサービス」キャンペーンを実施いたしました。また、外食事業においてEPARKの予約システムを導入し、店内・お持ち帰り予約に対応いたしました。商品施策としては、豊後の寒ブリ、金華サバ、あん肝醤油・炙り白子など、産地や素材にこだわった旬の食材を用いた季節メニューを各業態で販売いたしました。販売施策としては、テイクアウト事業において、「創業88周年記念祭あかふじセール」やご好評をいただいている「中巻セール」、外食事業における「本まぐろ祭」「(赤皿)99円セール」を実施し、「Go To Eatキャンペーン」に参加いたしました。しかしながらセグメント損失は22億13百万円と、前年同期に比べ26億70百万円の減益となりました。同期間の店舗数は、14店舗を出店し、61店舗を閉鎖した結果、288店舗となりました。なお、2021年4月1日に当社が保有する京樽社の全株式を株式会社FOOD & LIFE COMPANIESへ譲渡いたしました。
[海外]
売上高は、195億34百万円と、対前年同期比11.0%の減収となりました。
減収の主な要因は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い各エリアにおいて外出禁止令が発令されたことにより、店舗の大規模な休業や営業時間の短縮を行ったことであります。アメリカは感染拡大に加え、店内飲食の禁止は続いておりましたが、テイクアウトおよびデリバリー需要を底堅く獲得できており既存店売上高は前年の水準まで回復いたしました。中国は、既存店売上高が前年を若干下回っておりますが、経済活動再開に伴い回復基調にあります。感染拡大が続くアセアンは、売上高が前年を下回って推移しております。休業・営業時間短縮による大幅な減収によりセグメント利益は、5億75百万円と、前年同期に比べ3億97百万円の減益となりました。同期間の店舗数は、76店舗を出店し、105店舗を閉鎖した結果、965店舗となりました。なお、海外は暦年決算のため1月~12月の実績を取り込んでおります。
当連結会計年度末の財政状態につきましては、次のとおりであります。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ57億53百万円増加し、1,319億21百万円となりました。
これは主に、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に鑑み、事業に必要な資金を安定的に確保するために金融機関からの資金調達を実施したことによる現金及び預金が152億95百万円増加したこと、一方で有形固定資産について、アークミール社の連結除外や、退店等により91億99百万円減少したことによるものであります。
負債は、前連結会計年度末に比べ139億96百万円増加し、917億78百万円となりました。これは主に上記資金調達等により、短期借入金が124億22百万円増加、長期借入金が58億10百万円増加したこと、一方でアークミール社の連結除外による負債の減少等によるものであります。
純資産は前連結会計年度末に比べ82億42百万円減少し、401億42百万円となり、自己資本比率は、前連結会計年度末比で7.9%減少し30.0%となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、換算差額を加え、前連結会計年度末より152億96百万円増加して367億96百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純損失77億21百万円に減価償却費71億91百万円および減損損失45億28百万円等を加えた収入に対して、仕入債務の減少21億7百万円等の支出により、27億22百万円の収入(前年同期は140億38百万円の収入)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得43億18百万円およびアークミール社の連結除外に伴う連結範囲の変更を伴う子会社株式売却による12億42百万円等の支出により、51億68百万円の支出(前年同期は84億53百万円の支出)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金141億32百万円および短期借入金の純増額130億45百万円等の収入に対して、長期借入金の返済60億50百万円、ファイナンス・リース債務の返済26億80百万円等の支出により、178億10百万円の収入(前年同期は2億88百万円の収入)となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)
吉野家10,145△7.4
はなまる1,024△34.0
京樽2,223△29.3
その他146△13.8
合計13,540△14.4

(注) 1 海外は生産実績がないため、記載しておりません。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 当連結会計年度において、生産実績に著しい変動がありました。これは、株式会社アークミールが当連結会計年度より連結の範囲から除外されたことによるものであります。
b.受注実績
該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)
吉野家104,650△5.5
はなまる20,175△34.1
京樽18,795△33.8
海外19,534△11.0
その他7,191+51.4
合計170,348△21.2

(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 当連結会計年度において、販売実績に著しい変動がありました。これは、新型コロナウイルス感染症の影響および株式会社アークミールが当連結会計年度より連結の範囲から除外されたことによるものであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.売上高
当連結会計年度の売上高は、前年に対し458億53百万円減少となる1,703億48百万円(前年同期比21.2%減)となりました。連結売上高減少の要因は、主として、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響や、一時的にグループ各社で店舗の休業・営業時間の短縮を実施したことや、前期末に実施したアークミール社の株式譲渡による売上減少198億10百万円によるものであります(アークミール除外時の前年同期比13.2%減)。
b.営業損失
当連結会計年度の営業損失は53億35百万円(前年同期は営業利益39億26百万円)となりました。減益の要因は、主として新型コロナウイルス感染症の拡大影響による減収や、一時的な休業等の影響による原価率、及び販売管理費率の上昇によるものであります。
売上原価は、売上高減少により前年に対し129億65百万円減少したものの、休業・営業時間短縮に伴う食材ロスやテイクアウト需要増加に伴う包材費増加等により、原価率は前年に対し1.9%上昇し37.2%となりました。販売費及び一般管理費においては、管理可能経費の削減などに加え、グループ全体でのコスト構造改革による効果等により前年に対し236億25百万円減少となる1,123億97百万円となったものの、減収による固定費率の上昇等により、経費率では前年に対し3.1%上昇し66.0%となりました。
c.経常損失
経常損失は19億64百万円(前年同期は経常利益33億69百万円)となりました。これは主として、各自治体からの営業時間短縮に係る感染拡大防止協力金や雇用調整助成金などの助成金等収入32億75百万円を計上したことによるものであります。
c.特別利益
特別利益は、固定資産売却益37百万円を計上した結果、前年に対し1億51百万円減少し、37百万円となりました。
d.特別損失
閉店や店舗資産の収益力の低下に伴う減損損失45億28百万円を計上したに加え、新型コロナウイルス感染症による損失6億11百万円を計上した結果、前年に対し32億67百万円増加となる57億93百万円の特別損失となりました。
e.親会社株主に帰属する当期純損失
法人税、住民税及び事業税4億73百万円、法人税等調整額△6億6百万円、非支配株主に帰属する当期純損失85百万円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純損失は75億3百万円となりました(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益7億13百万円)。
② 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループにおける主な資金需要は、将来の事業展開や経営基盤強化のための新規出店や既存店舗の改装及び生産設備の増強等によるものであります。これらの設備投資資金は、内部留保金の配分とともに、金融機関からの借入金やリース取引により充当しております。なお、借入金のうち、短期借入金は主に営業取引に係る資金調達であり、長期借入金は主に設備投資に係る資金調達であります。
手許の運転資金につきましては、グループファイナンスを通じて、国内連結子会社における余剰資金を当社へ集中し、一元管理を行うことで、資金効率の向上を図っております。
また、現預金残高と有利子負債残高を一定範囲にコントロールし、経営環境の変化に対応するための資金の流動性を確保しながら資金管理を行っております。
当社グループにおける当連結会計年度における流動比率は122.4%(前連結会計年度108.8%)となっており、キャッシュ・フロー対有利子負債比率は25.1年となりました。直近5ヵ年における以下の数表の通りであります。
2017年2月期2018年2月期2019年2月期2020年2月期2021年2月期
流動比率118.7%110.2%106.9%108.8%122.4%
自己資本比率49.4%49.5%43.9%37.9%30.0%
時価ベースの自己資本比率92.4%107.7%103.6%109.8%102.8%
キャッシュ・フロー対有利子
負債比率
3.5年3.5年14.0年3.6年25.1年
インタレスト・カバレッジ・
レシオ
39.8倍51.3倍15.6倍26.9倍5.2倍

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」の「(新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う会計上の見積りについて)」をご参照ください。

IRBANK 採用情報

フルスタックエンジニア

  • 10年以上蓄積したファイナンスデータとAIを掛け合わせて、投資の意思決定を加速させるポジションです。
  • UI からデータベースまで一貫して関われるポジションです。

プロダクトMLエンジニア

  • MLとLLMを掛け合わせ、分析から予測までをスピーディかつ正確な投資体験に落とし込むポジションです。

AI Agent エンジニア

  • 開示資料・決算・企業データを横断し、投資家の意思決定を支援するAI Agent機能を設計・実装するポジションです。
  • RAG・検索・ランキングを含む情報取得/推論パイプラインの設計から運用まで一気通貫で担います。

UI/UXデザイナー

  • IRBANK初の一人目デザイナーとして、複雑な金融情報を美しく直感的に届ける体験をつくるポジションです。

Webメディアディレクター

  • 月間500万PVを超える、大規模DBサイトを運営できます。
  • これから勢いよく伸びるであろうサービスの根幹部分を支えるポジションです。

クラウドインフラ & セキュリティエンジニア

  • Google Cloud 上でマイクロサービス基盤の信頼性・可用性・セキュリティを担うポジションです。
  • 大規模金融データを安全かつ高速に処理するインフラを設計・構築できます。

学生インターン

  • 月間500万PVを超える日本最大級のIRデータプラットフォームの運営に携わり、金融・データ・プロダクトの現場を学生のうちから体験できます。

マーケティングマネージャー

  • IRBANKのブランドと文化の構築。
  • 百万人の現IRBANKユーザーとまだIRBANKを知らない数千万人に対してマーケティングをしてみたい方。