有価証券報告書-第68期(2024/03/01-2025/02/28)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状況、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、所得・雇用環境の改善が続き、企業収益が緩やかに改善する中、内需の柱である個人消費は物価上昇の影響を受けて一部に足踏みが残るものの、設備投資と共に持ち直しの動きがみられています。その一方で、ウクライナ情勢の長期化やアメリカの新政権移行などの世界情勢の動きに加え、円安によるエネルギー資源や原材料価格の高騰などにより、依然として景気の先行きは不透明な状況です。外食業界においては、経済活動の正常化による人流増加に加え、インバウンドの増加も追い風となり、回復基調が継続しています。しかし、米をはじめとする原材料価格高騰に加えて、最低賃金上昇やベースアップによる人件費増加など、厳しい経営環境に直面しています。
既存事業の業態進化の取組みとして、吉野家は既存店舗の積極的なクッキング&コンフォートへの改装を継続して行っており、はなまるは「つくりたて」を実現させるべくテーブルオーダーの検証を開始しています。また、「吉野家」「はなまる」におけるクレジットカード端末の導入など、店舗運営のシステム化を積極的に進めています。海外においては、アメリカ、中国ともに現地経済の影響を受けていますが、価格戦略、メニュー構成の見直しなどに継続して取り組んでいます。これらの施策の効果により全社既存店売上高は、前年同期比5.7%増となりました。内訳は吉野家7.4%増、はなまる8.1%増、海外4.6%減(現地通貨ベース)です。
成長事業の強化の取組みとして、今後の事業ポートフォリオ戦略においてラーメン事業を次なる柱と位置付けています。ラーメン店向けの麺、スープ、タレなどの商材の開発、製造、販売を行っている宝産業株式会社に加えて、風味と食感を追求するため北海道産小麦を使用したこだわりの「自家製麺」と高純度の鶏スープを使った「鶏白湯スープ」が幅広い顧客層から支持を得ているキラメキノ未来株式会社の株式を取得し子会社化しました。今後はラーメン事業においてシナジーを活かして、規模拡大に邁進していきます。
サステナビリティの取組みとして、10月に当社東京工場が「食材加工時に廃棄される規格外の玉ねぎ端材のアップサイクル、ならびに持続可能なスキーム構築」について、環境省および消費者庁が実施している「令和6年度食品ロス削減推進表彰」で「環境事務次官賞」を受賞しました。また、誰もが一生涯、食の楽しみを失うことがない社会の実現を目指して、咀嚼・嚥下機能が低下した方を対象とした「吉野家のやさしいごはん」を展開しており、これを取り入れたデイサービス施設などで開催する介護レクリエーション「吉野家牛丼レクリエーション」が、第54回食品産業技術功労賞マーケティング部門を受賞しました。さらに、生活習慣病を気にかける消費者の食の選択肢を広げることを目指し、「新規高機能牛丼」の産学連携共同研究を太陽化学株式会社、京都府立医科大学と行っています。12月には、吉野家が提供するスマートミール®認証取得商品「牛丼ON野菜」が、厚生労働省およびスポーツ庁が主催する「第13回健康寿命をのばそう!アワード」において生活習慣病予防分野「厚生労働省 健康・生活衛生局長優良賞」を受賞しました。2月には、吉野家公式通販ショップにおいて、防災意識の高まりに合わせて缶詰やレトルトなどの防災食をセール価格で販売しました。
店舗出店については、国内75店、海外97店を出店した結果、当社グループの店舗数は2,821店舗となりました。以上の結果により、売上高は2,049億83百万円(前年同期比9.3%増)、営業利益は73億6百万円(前年同期比8.4%減)、経常利益は79億95百万円(前年同期比7.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は38億3百万円(前年同期比32.1%減)となりました。
セグメント概況につきましては、次のとおりです。
[吉野家]
店舗数は、52店舗の出店、22店舗の閉店により1,259店舗となりました。当連結会計年度の主な商品施策として「親子丼」「牛皿麦とろ御膳、牛麦とろ丼」「牛たん・牛皿御膳」「オーストリッチ丼」「牛すき鍋膳、牛カレー鍋膳」「牛魯珈カレー、肉だく牛魯珈カレー」等を販売し、主な販売施策として「吉野家×星のカービィ」コラボキャンペーンに加え、「お子様割」「秋の牛丼祭(100円引き)」「牛すき祭」「から揚げ祭(10%引)」「あすトククーポン」「牛すき鍋膳テイクアウトキャンペーン」「超特盛祭(100円引)」等のキャンペーンを行いました。特に13年振りに実施した「秋の牛丼祭」は、幅広い層のお客様に好評でお客様の店舗体験の向上につながりました。また、原材料価格高騰および人件費増加の影響により7月に価格改定を行いました。
以上の結果により、当連結会計年度におけるセグメント売上高は1,378億4百万円(前年同期比9.0%増)となり、セグメント利益は人材の確保と定着を目的とした先行的な賃上げや店舗の時給改定など人件費を中心としたコスト上昇の影響により77億90百万円(前年同期比3.0%減)となりました。転換を進めている新サービスモデルの店舗数は当連結会計年度において412店舗から540店舗と128店舗増加し、テイクアウト・デリバリー専門店は同37店舗から44店舗と7店舗増加しました。
[はなまる]
店舗数は、12店舗の出店、15店舗の閉店により415店舗となりました。当連結会計年度の商品施策として「柴漬鬼おろしぶっかけ、柚子鬼おろしぶっかけ」「白ごま担々、サラダ担々、海老担々」「生姜鶏ねぎ塩うどん、ゆず生姜鶏ねぎ塩うどん」「ホタテ味噌バター、豚肉味噌バター」等を販売し、販売施策として毎年ご好評をいただいている春・秋の「天ぷら定期券」と初実施となった夏・冬の「あすトククーポン」などのキャンペーンを行いました。また、原材料価格高騰および人件費増加の影響により1月に価格改定を行い、付加価値を感じていただくため、ご要望の多かった青ネギのフリートッピングを同時に開始しました。
2025年1月1日に本社を高松市に移転し、同月に「おいでまい!さぬきプロジェクト」を始動しました。香川県での地産地消の促進をはじめ、県産品を使った商品開発や販売により、香川県の魅力を全国に発信する取組みに着手しています。
以上の結果により、当連結会計年度におけるセグメント売上高は308億52百万円(前年同期比5.5%増)となりました。セグメント利益は、人件費を中心としたコスト上昇はあるものの増収効果により20億5百万円(前年同期比16.3%増)となりました。
[海外]
店舗数は、97店舗の出店、93店舗の閉店により998店舗となりました。エリア別概況は次のとおりです。アメリカは既存店売上高前年同期比3.8%減、中国は同6.8%減、その他アセアン地区は同3.0%減、海外合計は同4.6%減(現地通貨ベース)となりました。米国(カリフォルニア州)の人件費上昇や中国における経済不況により外食産業で大きく影響を受けています。このような状況に対して米国、中国では価格戦略やメニュー構成の見直しに加え、販売施策を強化し打開を図っています。
以上の結果、当連結会計年度におけるセグメント売上高は為替などの影響により278億75百万円(前年同期比2.9%増)となりました。セグメント利益は、人件費を中心としたコスト上昇などの影響により12億14百万円(前年同期比47.0%減)となりました。なお、海外は暦年決算のため1月から12月の実績を取り込んでいます。
当連結会計年度末の財政状態につきましては、次のとおりです。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ61億76百万円増加し1,191億13百万円となりました。主な内訳は、建物及び構築物(純額)の増加55億55百万円、土地の増加17億70百万円、原材料及び貯蔵品の減少6億38百万円、投資不動産(純額)の減少5億20百万円です。
負債総額は前連結会計年度末に比べ22億12百万円増加し542億99百万円となりました。主な内訳は、支払手形及び買掛金の増加16億99百万円、短期借入金の増加23億94百万円、資産除去債務(長期)の増加4億5百万円、長期借入金の減少25億20百万円です。
純資産は前連結会計年度末に比べ39億63百万円増加し648億13百万円となり、自己資本比率は0.5%増加し53.9%となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、換算差額を加え、前連結会計年度末より67億50百万円減少して195億24百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、133億4百万円の収入(前年同期は200億71百万円の収入)となりました。主な内訳は、税金等調整前当期純利益63億64百万円、減価償却費68億30百万円等です。
投資活動によるキャッシュ・フローは、143億98百万円の支出(前年同期は83億7百万円の支出)となりました。主な内訳は、有形固定資産の取得による支出133億45百万円等です。
財務活動によるキャッシュ・フローは、59億73百万円の支出(前年同期は89億57百万円の支出)となりました。主な内訳は、長期借入による収入30億円、長期借入金の返済による支出77億16百万円、配当金の支払額12億89百万円等です。
③ 生産、受注及び販売の実績
(ⅰ) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 海外は生産実績がないため、記載していません。
(ⅱ) 受注実績
該当事項はありません。
(ⅲ) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) セグメント間の取引については、相殺消去しています。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(ⅰ) 売上高
売上高は前年同期に比べて175億10百万円増加し、2,049億83百万円(前年同期比9.3%増)となりました。主な要因は、既存店売上高が伸長したことおよび価格改定に加え、店舗数が増加したことです。
(ⅱ) 営業利益
営業利益は前年同期に比べて6億67百万円減少し、73億6百万円(前年同期比8.4%減)となりました。主な要因は、原材料価格高騰に加えて最低賃金上昇やベースアップによる人件費が増加したことです。
(ⅲ) 経常利益
経常利益は前年同期に比べて6億11百万円減少し、79億95百万円(前年同期比7.1%減)となりました。主な要因は、為替相場の急激な変動により外貨建て取引において為替差損を1億75百万円計上したことです。
(ⅳ) 特別利益
特別利益は、主に前期に固定資産売却益4億8百万円および受取補償金5億18百万円計上したことの反動により、前年同期に比べて7億24百万円減少し2億2百万円となりました。
(ⅴ) 特別損失
特別損失は、主に閉店決定や店舗資産の収益力の低下に伴う減損損失10億36百万円、中国組織再編に伴う評価損を含む契約解約損5億62百万円などを計上した結果、前年同期に比べて5億59百万円増加し18億32百万円となりました。
(ⅵ) 親会社株主に帰属する当期純利益
法人税、住民税及び事業税24億88百万円、法人税等調整額△55百万円、非支配株主に帰属する当期純利益1億29百万円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は38億3百万円となりました(前年同期比32.1%減)。
② 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの主な資金需要は、将来の事業展開や経営基盤強化のための新規出店や既存店舗の改装および生産設備の増強等です。設備投資資金は、自己資金および長期借入金により、短期運転資金については、自己資金および短期借入金により調達しています。
国内連結子会社における余剰資金を当社へ集中、一元管理を行うことで、資金効率の向上を図り、現預金残高と有利子負債残高を一定範囲にコントロールし、経営環境の変化に対応するための資金の流動性を確保しながら資金管理を行っています。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成に当たりまして、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いていますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状況、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、所得・雇用環境の改善が続き、企業収益が緩やかに改善する中、内需の柱である個人消費は物価上昇の影響を受けて一部に足踏みが残るものの、設備投資と共に持ち直しの動きがみられています。その一方で、ウクライナ情勢の長期化やアメリカの新政権移行などの世界情勢の動きに加え、円安によるエネルギー資源や原材料価格の高騰などにより、依然として景気の先行きは不透明な状況です。外食業界においては、経済活動の正常化による人流増加に加え、インバウンドの増加も追い風となり、回復基調が継続しています。しかし、米をはじめとする原材料価格高騰に加えて、最低賃金上昇やベースアップによる人件費増加など、厳しい経営環境に直面しています。
既存事業の業態進化の取組みとして、吉野家は既存店舗の積極的なクッキング&コンフォートへの改装を継続して行っており、はなまるは「つくりたて」を実現させるべくテーブルオーダーの検証を開始しています。また、「吉野家」「はなまる」におけるクレジットカード端末の導入など、店舗運営のシステム化を積極的に進めています。海外においては、アメリカ、中国ともに現地経済の影響を受けていますが、価格戦略、メニュー構成の見直しなどに継続して取り組んでいます。これらの施策の効果により全社既存店売上高は、前年同期比5.7%増となりました。内訳は吉野家7.4%増、はなまる8.1%増、海外4.6%減(現地通貨ベース)です。
成長事業の強化の取組みとして、今後の事業ポートフォリオ戦略においてラーメン事業を次なる柱と位置付けています。ラーメン店向けの麺、スープ、タレなどの商材の開発、製造、販売を行っている宝産業株式会社に加えて、風味と食感を追求するため北海道産小麦を使用したこだわりの「自家製麺」と高純度の鶏スープを使った「鶏白湯スープ」が幅広い顧客層から支持を得ているキラメキノ未来株式会社の株式を取得し子会社化しました。今後はラーメン事業においてシナジーを活かして、規模拡大に邁進していきます。
サステナビリティの取組みとして、10月に当社東京工場が「食材加工時に廃棄される規格外の玉ねぎ端材のアップサイクル、ならびに持続可能なスキーム構築」について、環境省および消費者庁が実施している「令和6年度食品ロス削減推進表彰」で「環境事務次官賞」を受賞しました。また、誰もが一生涯、食の楽しみを失うことがない社会の実現を目指して、咀嚼・嚥下機能が低下した方を対象とした「吉野家のやさしいごはん」を展開しており、これを取り入れたデイサービス施設などで開催する介護レクリエーション「吉野家牛丼レクリエーション」が、第54回食品産業技術功労賞マーケティング部門を受賞しました。さらに、生活習慣病を気にかける消費者の食の選択肢を広げることを目指し、「新規高機能牛丼」の産学連携共同研究を太陽化学株式会社、京都府立医科大学と行っています。12月には、吉野家が提供するスマートミール®認証取得商品「牛丼ON野菜」が、厚生労働省およびスポーツ庁が主催する「第13回健康寿命をのばそう!アワード」において生活習慣病予防分野「厚生労働省 健康・生活衛生局長優良賞」を受賞しました。2月には、吉野家公式通販ショップにおいて、防災意識の高まりに合わせて缶詰やレトルトなどの防災食をセール価格で販売しました。
店舗出店については、国内75店、海外97店を出店した結果、当社グループの店舗数は2,821店舗となりました。以上の結果により、売上高は2,049億83百万円(前年同期比9.3%増)、営業利益は73億6百万円(前年同期比8.4%減)、経常利益は79億95百万円(前年同期比7.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は38億3百万円(前年同期比32.1%減)となりました。
セグメント概況につきましては、次のとおりです。
[吉野家]
店舗数は、52店舗の出店、22店舗の閉店により1,259店舗となりました。当連結会計年度の主な商品施策として「親子丼」「牛皿麦とろ御膳、牛麦とろ丼」「牛たん・牛皿御膳」「オーストリッチ丼」「牛すき鍋膳、牛カレー鍋膳」「牛魯珈カレー、肉だく牛魯珈カレー」等を販売し、主な販売施策として「吉野家×星のカービィ」コラボキャンペーンに加え、「お子様割」「秋の牛丼祭(100円引き)」「牛すき祭」「から揚げ祭(10%引)」「あすトククーポン」「牛すき鍋膳テイクアウトキャンペーン」「超特盛祭(100円引)」等のキャンペーンを行いました。特に13年振りに実施した「秋の牛丼祭」は、幅広い層のお客様に好評でお客様の店舗体験の向上につながりました。また、原材料価格高騰および人件費増加の影響により7月に価格改定を行いました。
以上の結果により、当連結会計年度におけるセグメント売上高は1,378億4百万円(前年同期比9.0%増)となり、セグメント利益は人材の確保と定着を目的とした先行的な賃上げや店舗の時給改定など人件費を中心としたコスト上昇の影響により77億90百万円(前年同期比3.0%減)となりました。転換を進めている新サービスモデルの店舗数は当連結会計年度において412店舗から540店舗と128店舗増加し、テイクアウト・デリバリー専門店は同37店舗から44店舗と7店舗増加しました。
[はなまる]
店舗数は、12店舗の出店、15店舗の閉店により415店舗となりました。当連結会計年度の商品施策として「柴漬鬼おろしぶっかけ、柚子鬼おろしぶっかけ」「白ごま担々、サラダ担々、海老担々」「生姜鶏ねぎ塩うどん、ゆず生姜鶏ねぎ塩うどん」「ホタテ味噌バター、豚肉味噌バター」等を販売し、販売施策として毎年ご好評をいただいている春・秋の「天ぷら定期券」と初実施となった夏・冬の「あすトククーポン」などのキャンペーンを行いました。また、原材料価格高騰および人件費増加の影響により1月に価格改定を行い、付加価値を感じていただくため、ご要望の多かった青ネギのフリートッピングを同時に開始しました。
2025年1月1日に本社を高松市に移転し、同月に「おいでまい!さぬきプロジェクト」を始動しました。香川県での地産地消の促進をはじめ、県産品を使った商品開発や販売により、香川県の魅力を全国に発信する取組みに着手しています。
以上の結果により、当連結会計年度におけるセグメント売上高は308億52百万円(前年同期比5.5%増)となりました。セグメント利益は、人件費を中心としたコスト上昇はあるものの増収効果により20億5百万円(前年同期比16.3%増)となりました。
[海外]
店舗数は、97店舗の出店、93店舗の閉店により998店舗となりました。エリア別概況は次のとおりです。アメリカは既存店売上高前年同期比3.8%減、中国は同6.8%減、その他アセアン地区は同3.0%減、海外合計は同4.6%減(現地通貨ベース)となりました。米国(カリフォルニア州)の人件費上昇や中国における経済不況により外食産業で大きく影響を受けています。このような状況に対して米国、中国では価格戦略やメニュー構成の見直しに加え、販売施策を強化し打開を図っています。
以上の結果、当連結会計年度におけるセグメント売上高は為替などの影響により278億75百万円(前年同期比2.9%増)となりました。セグメント利益は、人件費を中心としたコスト上昇などの影響により12億14百万円(前年同期比47.0%減)となりました。なお、海外は暦年決算のため1月から12月の実績を取り込んでいます。
当連結会計年度末の財政状態につきましては、次のとおりです。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ61億76百万円増加し1,191億13百万円となりました。主な内訳は、建物及び構築物(純額)の増加55億55百万円、土地の増加17億70百万円、原材料及び貯蔵品の減少6億38百万円、投資不動産(純額)の減少5億20百万円です。
負債総額は前連結会計年度末に比べ22億12百万円増加し542億99百万円となりました。主な内訳は、支払手形及び買掛金の増加16億99百万円、短期借入金の増加23億94百万円、資産除去債務(長期)の増加4億5百万円、長期借入金の減少25億20百万円です。
純資産は前連結会計年度末に比べ39億63百万円増加し648億13百万円となり、自己資本比率は0.5%増加し53.9%となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、換算差額を加え、前連結会計年度末より67億50百万円減少して195億24百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、133億4百万円の収入(前年同期は200億71百万円の収入)となりました。主な内訳は、税金等調整前当期純利益63億64百万円、減価償却費68億30百万円等です。
投資活動によるキャッシュ・フローは、143億98百万円の支出(前年同期は83億7百万円の支出)となりました。主な内訳は、有形固定資産の取得による支出133億45百万円等です。
財務活動によるキャッシュ・フローは、59億73百万円の支出(前年同期は89億57百万円の支出)となりました。主な内訳は、長期借入による収入30億円、長期借入金の返済による支出77億16百万円、配当金の支払額12億89百万円等です。
③ 生産、受注及び販売の実績
(ⅰ) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) |
吉野家 | 15,863 | 5.3 |
はなまる | 1,521 | 8.5 |
その他 | 1,513 | 615.0 |
合計 | 18,898 | 13.3 |
(注) 海外は生産実績がないため、記載していません。
(ⅱ) 受注実績
該当事項はありません。
(ⅲ) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
吉野家 | 136,796 | 9.0 |
はなまる | 30,677 | 5.6 |
海外 | 27,875 | 2.9 |
その他 | 9,632 | 64.4 |
合計 | 204,983 | 9.3 |
(注) セグメント間の取引については、相殺消去しています。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(ⅰ) 売上高
売上高は前年同期に比べて175億10百万円増加し、2,049億83百万円(前年同期比9.3%増)となりました。主な要因は、既存店売上高が伸長したことおよび価格改定に加え、店舗数が増加したことです。
(ⅱ) 営業利益
営業利益は前年同期に比べて6億67百万円減少し、73億6百万円(前年同期比8.4%減)となりました。主な要因は、原材料価格高騰に加えて最低賃金上昇やベースアップによる人件費が増加したことです。
(ⅲ) 経常利益
経常利益は前年同期に比べて6億11百万円減少し、79億95百万円(前年同期比7.1%減)となりました。主な要因は、為替相場の急激な変動により外貨建て取引において為替差損を1億75百万円計上したことです。
(ⅳ) 特別利益
特別利益は、主に前期に固定資産売却益4億8百万円および受取補償金5億18百万円計上したことの反動により、前年同期に比べて7億24百万円減少し2億2百万円となりました。
(ⅴ) 特別損失
特別損失は、主に閉店決定や店舗資産の収益力の低下に伴う減損損失10億36百万円、中国組織再編に伴う評価損を含む契約解約損5億62百万円などを計上した結果、前年同期に比べて5億59百万円増加し18億32百万円となりました。
(ⅵ) 親会社株主に帰属する当期純利益
法人税、住民税及び事業税24億88百万円、法人税等調整額△55百万円、非支配株主に帰属する当期純利益1億29百万円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は38億3百万円となりました(前年同期比32.1%減)。
② 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの主な資金需要は、将来の事業展開や経営基盤強化のための新規出店や既存店舗の改装および生産設備の増強等です。設備投資資金は、自己資金および長期借入金により、短期運転資金については、自己資金および短期借入金により調達しています。
国内連結子会社における余剰資金を当社へ集中、一元管理を行うことで、資金効率の向上を図り、現預金残高と有利子負債残高を一定範囲にコントロールし、経営環境の変化に対応するための資金の流動性を確保しながら資金管理を行っています。
2021年2月期 | 2022年2月期 | 2023年2月期 | 2024年2月期 | 2025年2月期 | |
流動比率 | 122.4% | 154.4% | 153.8% | 141.8% | 109.9% |
自己資本比率 | 30.0% | 42.9% | 50.9% | 53.4% | 53.9% |
時価ベースの自己資本比率 | 102.8% | 137.5% | 140.0% | 182.4% | 156.8% |
キャッシュ・フロー対有利子 負債比率 | 25.1年 | 1.6年 | 3.5年 | 0.9年 | 1.3年 |
インタレスト・カバレッジ・ レシオ | 5.2倍 | 50.4倍 | 17.4倍 | 55.1倍 | 47.0倍 |
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成に当たりまして、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いていますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。