四半期報告書-第46期第3四半期(令和1年10月1日-令和1年12月31日)

【提出】
2020/02/13 12:56
【資料】
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【項目】
33項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、設備投資の増加傾向等により緩やかに回復し、家計部門は、雇用情勢が堅調に推移している事や、所得環境の改善が続いている事もあり、底堅い動きとなりました。しかしながら、消費税率の引き上げや食料品価格の上昇等の要因もあり、消費者マインドは弱含んでおり、さらに米中貿易摩擦による輸出環境の悪化等により、経済の下振れリスクは高まっております。
外食業界におきましては、季節メニューの好調やメニュー価格の改定等により客単価は上昇傾向にあり、全体の売上は好調に推移したものの、中食市場との競合や少子高齢化による需要の減退、最近の人手不足等による人件費単価の上昇や営業時間の短縮、消費税率の引き上げが消費意欲に影響を与える等、先行きは依然不透明であります。
このような状況下において当社グループは、引き続き4つの主要戦略(人材戦略、商品戦略、店舗開発戦略、販促戦略)と6つのサポート戦略(工場戦略、FC店舗戦略、海外戦略、情報共有促進・社内広報強化、財務体質の強化、組織体制の強化)から成る中期経営計画に基づき、経営理念の実現に取り組んでおります。その主な戦略と成果については以下のとおりであります。
① 積極的な人材教育投資
お客様から褒められる店づくりのため、積極的な人材教育投資を行っております。社内に開設した「王将大学」が等級ごとに実施している研修及び店長合宿研修において店舗マネジメントスキルの強化とマインドの醸成を行い、さらに「王将調理道場」において調理スキルを向上させ、その相乗効果による個々の社員の成長によって店舗のQSCを着実に向上させてまいりました。また、店舗の営業体制が強化されたことで、2019年の大型のゴールデンウィークを始め、繁忙時にも店舗の混雑とチャンスロスを最小限に抑える事ができるようになりました。
② 生産性向上
調理方法やシフト管理の見直し等による生産性向上のための努力と工夫を実行し、価格を据え置くための取り組みを実施してまいりました。
③ 安定的な国産食材の供給確保と継続的な品質改良
餃子の具に使用する青森県産にんにくの生産者と緊密な連携を行う等、上質かつ安定的な国産食材の供給を確保するとともに、餃子の皮に使用する北海道産小麦の特性を最大限引き出すため継続的な製造工程の見直しを実施し、看板商品である餃子の継続的な品質改良を実施してまいりました。また、にんにくを控えたい方のための「にんにくゼロ餃子」をさらに進化させて、通常の餃子の約2倍の国産生姜を使用した「にんにくゼロ生姜餃子」を開発いたしました。生姜本来の香りと辛みがバランスよく他の具材と絡み合い、2019年7月の販売以来、大変好評をいただき、人気メニューとなっております。
④ 料理の味の向上
「王将調理道場」における社員の調理スキルの向上とともに、グランドメニューを中心に、より美味しさを追求して常にレシピを見直し、絶えず料理のブラッシュアップに努めております。また、季節感を取り入れた毎月の期間限定商品を開発、提供し、飽きのこない新鮮味のあるメニューの追求にも努めてまいりました。
⑤ 積極的な販売促進活動
お会計金額に応じて押印されるスタンプを集めて各種賞品(「音声目覚まし時計」を始めとした王将限定グッズ等)と交換できるお客様感謝キャンペーン、生ビール1杯につき100円引きまたは生ビール半額券をご提供する生ビールキャンペーン、創業52年目を迎えた2019年12月24日・25日の2日間限定で税込500円分割引券を配布する創業祭など、途切れることなく実施した販促企画が来店客数の増加に大きく貢献いたしました。さらに、スマホアプリの拡充やケンドーコバヤシさんを起用した新CM公開等、新規顧客獲得を図りつつ、顧客の固定化、来店頻度向上のための施策を実施いたしました。
⑥ テイクアウト・デリバリー強化及び決済方法の多様化
消費税改定後の軽減税率適用をチャンスととらえ、テイクアウトとデリバリーサービスの強化を図りました。テイクアウトでは、スマホからいつでもどこからでも商品を注文・事前決済できる仕組みである『EPARK テイクアウト』を直営全店に導入いたしました。デリバリーサービスでは、「出前館」導入店舗を新たな地域に拡張し、「Uber Eats」と併せて計56店舗にデリバリーサービスを拡大いたしました。その結果、テイクアウトとデリバリーサービスを合わせた売上高は、当期間において高い伸びを維持する事ができました。今後もお客様のご利用のニーズに合わせて対応店舗を拡げてまいります。また、決済方法においては、従来一部店舗のみだったキャッシュレス決済を直営全店でご利用いただけるようになり、お客様にとって格段に利便性が向上いたしました。
⑦ 新たな市場開拓
2019年6月に創業以来の「初めて」を集結させた新業態1号店となる「餃子の王将Express アトレ秋葉原店」を開店いたしました。全席スタンディングである事や先行販売した「餃子の王将 ひとくち餃子」等のオリジナルメニューは、駅構内や狭小物件等に対する今後の店舗展開の可能性を見据えて取り組むものです。また「GYOZA OHSHO京都髙島屋店」では女性のお客様が多いという百貨店地階売場の特色に合わせて、「ひとくちシリーズ」として3種類の「ひとくち餃子」を販売開始いたしました。今後も立地や客層に応じた柔軟な店舗づくりを進めてまいります。
⑧ CSRの重視
CSRを重視した取り組みの一つとして、全世界で深刻化する「プラスチック製品による環境汚染問題」に対処するため、2019年7月より全店舗においてプラスチック製のストローとスプーン(お持帰り用)を廃止し、生分解性樹脂のストローとバイオマスプラのスプーン(お持帰り用)への切り替えを行いました。
上記の取り組みを始めとした活動とその成果に対し、お客様から高い評価をいただけた事が前年同期の業績を上回り、第3四半期における過去最高の売上高を獲得した大きな要因であると考えております。以上の結果、売上高は、客数及び客単価がともに増加した事等により、前年同期に比べて26億21百万円(4.3%)の増収で639億21百万円となりました。
営業利益は、増収となった事に加え、原価低減の取り組みによる原価率の改善、生産性向上による人件費増加の抑制、水道光熱費増加の抑制等もあり、前年同期に比べて4億25百万円(7.7%)の増益で59億83百万円となりました。
経常利益は、上記理由等により、前年同期に比べて4億86百万円(8.4%)の増益で62億98百万円となりました。
親会社株主に帰属する四半期純利益は、上記理由等により、前年同期に比べて5億6百万円(13.4%)の増益で42億93百万円となりました。
当第3四半期連結累計期間の店舗展開の状況につきましては、直営4店、FC5店の新規出店、FC4店の閉鎖を行っております。これにより当第3四半期連結会計期間末店舗数は、直営520店、FC214店となりました。
(2)財政状態の状況
(資産の部)
当第3四半期連結会計期間末における総資産の残高は、前連結会計年度末に比べ22億73百万円(3.6%)増加し、662億24百万円となりました。主な増減要因は次のとおりであります。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ17億29百万円(10.8%)増加し、177億42百万円となりました。主な要因は現金及び預金の増加等であります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ5億44百万円(1.1%)増加し、484億81百万円となりました。主な要因は投資有価証券の時価の上昇に伴う増加等であります。
(負債の部)
当第3四半期連結会計期間末における負債の残高は、前連結会計年度末に比べ9億76百万円(5.7%)減少し、161億1百万円となりました。主な増減要因は次のとおりであります。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ14億22百万円(10.6%)減少し、120億18百万円となりました。主な要因は未払法人税等の減少等であります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ4億45百万円(12.3%)増加し、40億83百万円となりました。主な要因は長期借入金の増加等であります。なお、借入金の残高は57億82百万円となりました。
(純資産の部)
当第3四半期連結会計期間末における純資産の残高は、前連結会計年度末に比べ32億50百万円(6.9%)増加し、501億22百万円となりました。主な要因は配当金の支払い22億51百万円に対し、親会社株主に帰属する四半期純利益42億93百万円による増加に加え、その他有価証券評価差額金が増加した事によるもの等であります。以上の結果、自己資本比率は、前連結会計年度末73.3%から75.7%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ11億2百万円増加し、152億20百万円となりました。
当第3四半期連結累計期間に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、前年同期に比べて12億87百万円(22.9%)減少し、43億25百万円となりました。主な要因は法人税等の支払額の増加であります。
主な内訳は、税金等調整前四半期純利益63億73百万円に減価償却費18億46百万円を加えた額から法人税等の支払額29億84百万円等を減じた額であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、前年同期に比べて4億29百万円(37.4%)増加し、15億79百万円となりました。主な要因は有形固定資産の取得による支出の増加であります。
主な内訳は、有形固定資産の取得による支出17億26百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、前年同期に比べて29億89百万円(64.6%)減少し、16億40百万円となりました。主な要因は短期借入金の純減少額の減少であります。
主な内訳は、借入金の純増加額6億12百万円による収入から配当金の支払額22億51百万円による支出を減じた額であります。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等は次のとおりであります。
(株式会社の支配に関する基本方針)
① 会社の支配に関する基本方針
上場会社である当社の株式は株主、投資家の皆様による自由な取引が認められており、当社の株式に対する大規模買付提案またはこれに類似する行為があった場合においても、一概に否定するものではなく、最終的には当社株主の皆様の判断に委ねられるべきものであると考えます。
しかしながら、近年わが国の資本市場においては、対象となる企業の経営陣の賛同を得ずに、一方的に大規模買付提案またはこれに類似する行為を強行する動きが顕在化しております。
当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方としては、経営の基本理念、企業価値のさまざまな源泉、当社を支えるステークホルダーとの信頼関係を十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を中長期的に確保、向上させる者でなければならないと考えております。従いまして、企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれのある不適切な大規模買付提案またはこれに類似する行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えます。
② 会社の支配に関する基本方針の実現に資する取り組み
当社では、多数の投資家の皆様に継続して当社に投資していただくため、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を向上させるための取り組みとして、種々の施策を実行しております。
これらの取り組みは、会社の支配に関する基本方針の実現に資するものと考えております。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。