有価証券報告書-第47期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

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2021/06/29 15:28
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当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により悪化した消費動向が、中国を始めとした海外経済の回復やGoToキャンペーン等の施策の効果により一時持ち直したものの、2021年1月に感染再拡大による2度目の緊急事態宣言が11都府県に発出され、再び経済活動が制限されました。2021年3月の緊急事態宣言解除後も、感染のリバウンドや変異ウイルスの感染拡大が国内外の経済に与える影響が懸念され、先行きは不透明な状況です。
外食業界は、新型コロナウイルス感染症の影響を最も大きく受けた業界の一つで、1度目の緊急事態宣言が発出された2020年4月は一般社団法人日本フードサービス協会の調査開始以来最低の売上となりました。また、年間で最も売上の多い7月、8月は、学校の夏休みの短縮、お盆時期の移動自粛などが客足を鈍らせ、12月は第三波による影響で忘年会需要が大幅に落ち込み、1月には2度目の緊急事態宣言による営業時間短縮、昼夜を問わない会食・外出自粛要請がなされるなど、外食業界にとって前例のない厳しい経営環境が続きました。
このような状況下において当社グループは、喫緊の課題である新型コロナウイルス感染症に対する取り組みとして、一般社団法人日本フードサービス協会が定めるガイドラインに準じた感染防止対策をいち早く取り入れ、お客様と従業員の健康と安全を守ることを最優先とした対応を行い、生活する上で欠かせない「安心・安全」で「美味しい食」の提供に取り組んでまいりました。
具体的には、全店舗に配布した感染予防ハンドブックにより全従業員が予防策について十分に理解し、出勤時の検温・体調チェック、従業員のマスク着用と手洗い・アルコール消毒、調理器具・店内各所のアルコール消毒等の徹底、飛沫感染防止ガードの設置等、飛沫感染を防ぐ店内環境作りなどです。また、新店については設計段階から、三密、飛沫感染を防止する店舗レイアウトを構築し開店させています。
こうした取り組みがお客様に評価いただけたことにより、店内飲食売上は、2回の緊急事態宣言があっても、着実に回復いたしました。
それに加え、従前よりテイクアウト需要が増加すると予想し、利用時の事前予約・事前決済等のシステムを直営全店に導入していたことにより、外出自粛、外食の営業時間の短縮、在宅勤務の増加等で一気に増加したテイクアウト需要に対応することができました。そして、デリバリーへのニーズの高まりに対し、タイムリーにデリバリーサービス対応店舗を2021年3月末時点でフランチャイズ(以下「FC」という。)加盟店47店舗を含む413店舗と拡大させ、その需要を取り込むこともできました。また、店舗独自の活動として、ご自宅で調理されるお客様向けに生餃子セールを積極的に実施したことなども、店内飲食売上の落ち込みをカバーすることに効果を発揮しました。
中期経営計画をコロナ禍にあっても、手を休めることなく着実に推進し、経営理念の実現に取り組んで来たことで、逆境に打ち勝つ強い組織へと成長したと自負しております。
その主な戦略と成果については以下のとおりであります。
① 人材戦略
社内に開設した教育部署である「王将大学」が社員の階層ごとに実施している研修につきましては、緊急事態宣言中はリモートでの研修、緊急事態宣言の解除後は感染防止策を十分に行った上で少人数にて途切れることなく実施してまいりました。各研修はマネジメントスキルの強化、及び各等級に応じた実践的な知識とスキルの習得を目的にしており、研修終了時に実施している受講者アンケートで高い研修満足度が得られております。
このように人材育成の投資を継続して来た成果は、この度のコロナ禍において、いかんなく発揮され、売上対策、店舗環境整備、人件費コントロールなど本社から指示が無くとも、店舗毎に主体的に改善が行われ、早期業績回復の大きな要因となりました。
調理技術の向上を目的に社内に開設された「王将調理道場」では、調理技術認定制度を導入して調理技術のレベルを明確化し、社員の調理技術の一層の引き上げを図りました。また、作成した調理動画を店舗に配信するとともに、調理講習会のライブ配信も行い、これには延べ6,400名以上が受講するなど、いつでも学べる環境を作りました。これらのことにより、店舗での調理講習会の実施が容易となり、コロナ禍においても料理の味の向上に努めることができました。
② 商品戦略
料理の美味しさを追求するため、グランドメニューを中心に常にレシピを見直すとともに、調理マニュアルを刷新いたしました。テイクアウト商品においては、「餃子の王将 レンチンシリーズ」の新商品(餃子・唐揚弁当、炒飯弁当、焼そば弁当、天津飯弁当)やお鍋ひとつで簡単調理ができるラーメンパック3種類を新発売いたしました。また、3月には通常の2倍以上の青森県産にんにくを使用した第3の新餃子「にんにく激増し餃子」を販売開始いたしました。コロナ禍にあって、滋養強壮や疲労回復の効果があると一般的に知られているアリシンを豊富に含んだにんにくに着目し、満を持して開発した商品であり、香りや旨みにガツンとしたインパクトのある餃子が大変ご好評を頂いております。
③ 店舗開発戦略
既存店に関しましては、新型コロナウイルス感染症の感染防止のため一般社団法人日本フードサービス協会が定めるガイドラインに沿った対応(飛沫感染防止ガードの設置、店内混雑緩和のためのテイクアウトコーナーの設置・レジの増設等)を行ったほか、快適な食空間作りのため、空調設備の定期的な交換を実施しております。また店内の安全性向上に向けて厨房・ホールの床の改修工事等を実施いたしました。
新店に関しましては、ロードサイド店として、2020年6月にさいたま市の17号さいたま町谷店、7月に北九州市の3号小倉三萩野店、2021年3月に飯塚市の200号飯塚西町店、茨木市の府道143号茨木島店を出店いたしました。設計段階から、店内飲食のお客様との動線を分けるためテイクアウト専用窓口を設け、カウンター席・テーブル席・レジ・テイクアウト窓口に飛沫感染防止ガードを設置するなど、ガイドラインに準じた店舗作りを行いました。また、フードコート店舗として2020年9月に横浜市の駅近商業施設1階にモザイクモール港北店を出店しました。フードコートタイプですが、フルメニュー対応とし、液晶パネル7枚を設置してインパクトがある表示にもこだわりました。おかげさまで同施設内の数あるフードコート店舗の中で、最高の売上を記録しています。
④ 販促戦略
毎年好評いただいている「2021年版ぎょうざ倶楽部お客様感謝キャンペーン」ではロゴ入りラーメン鉢や目覚まし時計に加え、餃子柄晴雨兼用折りたたみ傘や餃子柄ショッピングエコバッグ等、日々の生活に密着した賞品を取り揃えました。さらにご家庭で食事をされる機会が増加したことに対応し、餃子のお皿を賞品とした「生餃子スタンプキャンペーン」、生ビール1杯につき100円引き又は生ビール半額券をご提供する生ビールキャンペーン、創業53年目を迎えた2020年12月24日・25日の2日間限定で税込500円分割引券を配布する創業祭など、途切れることなく販促企画を実施することで、厳しい環境の中でもお客様の来店を促し、売上を引き上げることができました。
また、ダウンロード数が227万を突破した「餃子の王将スマホアプリ」は、「ぎょうざ倶楽部会員カード」を登録できる機能と「お客様感謝キャンペーン」のスタンプを貯められる機能を追加した最新バージョンをリリースしました。これにより、スマホの画面を提示するだけで会員特典を受けられ、スタンプをペーパーレスで貯めることができます。今後も、ますます便利なアプリとなるよう開発を継続中です。広告の分野では、コロナ禍を受けて、家庭での調理の機会が増えてますます多忙となった主婦の方々に対し、当社の生餃子や料理を役立てていただきたいというメッセージを伝えるテレビコマーシャルを新たに制作し積極的に投下しました。その他、株式会社アダストリア(東京都渋谷区渋谷2―21―1/代表取締役会長兼社長 福田三千男)が展開する20代に人気のファッションブランド「RAGEBLUE」との期間限定でのコラボにより、「餃子の王将」を題材にデザインしたTシャツや生活雑貨計10アイテムが発売され、大変好評をいただきました。
[サステナビリティへの取り組み]
新型コロナウイルス感染症拡大の影響により子どもたちの生活環境が大きく変化している状況に鑑み、毎年3月に販売している「野菜煮込みラーメン」の売上に対し、1杯30円をこども食堂サポートセンター(運営:一般社団法人全国食支援活動協力会)を通じて、各地の「こども食堂」に寄付させていただくことといたしました。
また、ストローとお持ち帰り用スプーン及びレジ袋については、プラスチック製を廃止し、他の素材への切り替え等を実施いたしました。
工場では、環境配慮設計によりエネルギーコストを削減、AIを利用した配送編成により配送距離を適正化し、DXによりトータル物流業務時間を短縮するとともに、製品化率の引き上げにより食材ロスを削減するなど、カーボンニュートラルに向けた積極的な取り組みを図っております。
なお、当社は従前から食の安心安全に最大限配慮してまいりました。2014年度に当社の看板商品であります餃子、そして麺の主要食材を国産化に大きく切り替えました。この取り組みは、主要仕入先と協議を重ね、安心安全は勿論のこと、味へのこだわりを厳正に追求したものです。今後もこの取り組みを持続するためにも、仕入先と有機的なネットワークを構築・強化して、お客様にご満足いただける食材を提供いたします。
当連結会計年度における売上高としては、新型コロナウイルス感染症の影響による客数の減少等により、前年同期に比べて49億55百万円(5.8%)の減収で806億16百万円となりましたが、前述のとおり2020年4月に一旦落ち込んでから顕著な回復傾向を示しました。
営業利益は、効率的なシフト編成による人件費コントロールや水道光熱費の抑制等もあって60億73百万円となり、前年同期に比べて16億24百万円(21.1%)の減益ながら、下半期(10月から3月)に限っての営業利益は前年同期比0.1%の増益となりました。
経常利益は、上記理由等により、前年同期に比べて12億16百万円(15.1%)の減益で68億67百万円となりましたが、下半期(10月から3月)に限っての経常利益は前年同期比8.5%の増益となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、上記理由等により、前年同期に比べて10億24百万円(19.3%)の減益で42億87百万円となりましたが、下半期(10月から3月)に限っての親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比2.4%の増益となりました。
当連結会計年度の店舗展開の状況につきましては、直営5店、FC3店の新規出店、FC11店の閉店を行っております。これにより期末店舗数は、直営528店、FC206店となりました。
(生産、受注及び販売の実績)
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績は、主な品目を示すと次のとおりであります。
品目当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
生産高(百万円)前年同期比(%)
麺類898△6.6
餃子の皮847△16.9
餃子の具5,511△2.1
成形餃子6,11813.2
スライス豚肉6170.0

(注)1 上記の金額は、製造原価額によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 当連結会計年度より、成形餃子製造ラインを増設したため、成形餃子を品目に追加しております。また、成形餃子には餃子の具及び餃子の皮の生産高が一部含まれております。餃子の皮については成形餃子増産に伴う製造工程の見直しにより生産高が減少しております。
② 商品仕入実績
品目当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
仕入高(百万円)前年同期比(%)
酒類1,728△23.5
清涼飲料水等151△24.5
合計1,880△23.6

(注)1 上記の金額は、仕入価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 当連結会計年度において、商品仕入実績に著しい変動がありました。これは、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う緊急事態宣言等により店内飲食売上が減少したこと等によるものであります。
③ 受注実績
当社グループは飲食業であり、見込生産によっておりますので、受注高及び受注残高について記載すべき事項はありません。
④ 販売実績
a 形態別販売実績
区分当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
店舗数(店)金額(百万円)前年同期比(%)
直営店52873,885△6.4
フランチャイズ加盟店2066,7301.2
合計73480,616△5.8

(注)1 直営店は、直営店舗での中華料理等の販売高であり、フランチャイズ加盟店は、当社からの中華食材等の販売高であります。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 店舗数は、期末日現在のものであります。
b 地域別販売実績
地域別当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
店舗数(店)売上高(百万円)前年同期比(%)
直営店
京都府446,973△8.7
大阪府11515,983△6.5
兵庫県385,929△6.2
滋賀県152,891△7.3
奈良県152,399△6.1
和歌山県91,388△4.1
北海道192,030△9.6
宮城県5583△15.9
東京都567,215△11.5
埼玉県242,800△2.4
千葉県263,246△7.9
神奈川県314,452△3.4
群馬県6704△11.1
茨城県3464△6.0
栃木県1154△13.5
長野県4342△14.0
新潟県3289△9.8
山梨県1151△6.8
愛知県213,753△6.5
岐阜県121,618△3.4
三重県121,757△2.9
静岡県6900△1.1
富山県4507△1.9
石川県8983△2.3
福井県44990.3
岡山県3334△3.9
広島県6803△8.2
山口県3292△3.9
徳島県161△22.7
香川県4362△7.0
福岡県152,4478.6
熊本県4451△9.1
佐賀県22902.3
長崎県4349△4.5
大分県11602.9
台湾33054.0
小計52873,885△6.4

地域別当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
店舗数(店)売上高(百万円)前年同期比(%)
フランチャイズ加盟店
京都府7161△14.3
大阪府521,654△3.4
兵庫県431,6184.2
滋賀県7258△4.7
奈良県282△17.1
和歌山県370△2.4
北海道12579.2
宮城県1566.4
東京都9276△9.4
茨城県1287.6
埼玉県520920.8
神奈川県5208△2.1
群馬県313430.2
愛知県227663.4
岐阜県5201△2.3
長野県126△0.4
三重県62021.2
福井県272△3.5
岡山県7951.4
広島県4315.2
山口県19△11.6
鳥取県3972.2
徳島県518316.0
香川県38611.5
愛媛県2358.9
高知県26127.4
福岡県3605.0
熊本県11419.1
小計2066,7301.2
合計73480,616△5.8

(注)1 一部の複数の地域にまたがって店舗展開をしているフランチャイズ加盟店については、一部店舗の販売金額を当該フランチャイズ加盟店の本店所在地に含めて表示しております。
2 直営店は、直営店舗での中華料理等の販売高であり、フランチャイズ加盟店は、当社からの中華食材等の販売高であります。
3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
4 店舗数は、期末日現在のものであります。
なお、国内直営店売上についての主な分析は下記のとおりであります。
第46期店内店外別全店売上
売上高(百万円)客数(千人)客単価(円)
構成比
店内飲食63,63080.9%70,607901
テイクアウト・デリバリー14,99519.1%11,9681,253
合計78,625100.0%82,576952

(注)1 店内飲食のお客様がテイクアウトを追加注文された場合など混在した売上は、店内飲食としてカウントしております。
2 レジ入力ミス等による売上高の修正は店内飲食に含めております。
第47期店内店外別全店売上
売上高(百万円)客数(千人)客単価(円)
構成比
店内飲食48,97166.6%53,052923
テイクアウト・デリバリー24,60833.4%17,5751,400
合計73,580100.0%70,6281,042

(注)1 店内飲食のお客様がテイクアウトを追加注文された場合など混在した売上は、店内飲食としてカウントしております。
2 レジ入力ミス等による売上高の修正は店内飲食に含めております。
3 店内飲食は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う緊急事態宣言等により落ち込みましたが、テイクアウト・デリバリー需要に迅速に対応したこと等により売上が大きく伸長し、店内売上の落ち込みをカバーいたしました。
第46期既存店月別売上構成比第46期既存店曜日別平均売上対比
(月曜日を100として対比)
月別売上構成比
(%)
営業日数曜日別平均売上対比
合計
4月8.24444444230月曜日100.0
5月8.43444434531火曜日101.8
6月7.94444455030水曜日108.8
7月8.24554444131木曜日105.8
8月8.93445554131金曜日127.3
9月8.33444445230土曜日160.0
10月8.03455444231日曜日161.7
11月8.43444544230祝日153.1
12月8.55544445031
1月8.83454455131
2月8.13344454229
3月8.35544345131
合計100.04350515049515319366

(注)1 新規出店、閉鎖及び改装を行った店舗を除いております。
2 元旦は祝日としてカウントしておらず、1月2日は土曜日、1月3日は日曜日としてカウントしており、営業日数については営業していない店舗もあります。
売上の主な増減要因
月間日数及び土・日曜日、祝日等による曜日構成が売上の主な増減要因となりますが、他にゴールデンウィークや学校等の休みにより外食機会が増えることや長雨による客足の鈍化などの増減要因があります。
第47期既存店月別売上構成比第47期既存店曜日別平均売上対比
(月曜日を100として対比)
月別売上構成比
(%)
営業日数曜日別平均売上対比
合計
4月6.64445444130月曜日100.0
5月7.83334555331火曜日103.7
6月8.05544444030水曜日110.3
7月8.34454444231木曜日105.4
8月9.34444455131金曜日132.5
9月8.43454444230土曜日164.9
10月8.84445554031日曜日161.5
11月8.84344445230祝日147.4
12月8.94555444031
1月8.53444555131
2月7.94343444228
3月8.75554434131
合計100.04748515051515215365

(注)1 新規出店、閉鎖及び改装を行った店舗を除いております。
2 元旦は祝日としてカウントしておらず、1月2日は土曜日、1月3日は日曜日としてカウントしており、営業日数については営業していない店舗もあります。
売上の主な増減要因
月間日数及び土・日曜日、祝日等による曜日構成が売上の主な増減要因となりますが、他にゴールデンウィークや学校等の休みにより外食機会が増えることや長雨による客足の鈍化などの増減要因があります。そのほか新型コロナウイルス感染症拡大に伴う緊急事態宣言等の影響により売上が増減いたしました。
(2)財政状態
(資産の部)
当連結会計年度末における総資産の残高は、前連結会計年度末に比べ236億16百万円(35.0%)増加し、911億54百万円となりました。主な増加要因は次のとおりであります。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ228億98百万円(117.1%)増加し、424億52百万円となりました。主な要因は現金及び預金の増加等であります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ7億18百万円(1.5%)増加し、487億1百万円となりました。主な要因は年金資産の時価上昇等に伴う退職給付に係る資産の増加等であります。
(負債の部)
当連結会計年度末における負債の残高は、前連結会計年度末に比べ209億68百万円(121.7%)増加し、382億1百万円となりました。主な増加要因は次のとおりであります。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ68億67百万円(50.1%)増加し、205億82百万円となりました。主な要因は1年内返済予定の長期借入金の増加等であります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ141億1百万円(400.8%)増加し、176億19百万円となりました。主な要因は長期借入金の増加等であります。なお、借入金の残高は269億95百万円となりました。
(純資産の部)
当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末に比べ26億47百万円(5.3%)増加し、529億52百万円となりました。主な要因は配当金の支払い20億64百万円に対し、親会社株主に帰属する当期純利益42億87百万円の計上により増加した事によるもの等であります。以上の結果、自己資本比率は、前連結会計年度末74.5%から58.1%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ224億72百万円増加し、395億90百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果得られた資金は、前年同期に比べて19億12百万円(24.7%)減少し、58億24百万円となりました。主な要因は税金等調整前当期純利益の減少であります。
主な内訳は、税金等調整前当期純利益65億91百万円に減価償却費25億25百万円を加えた額から法人税等の支払額25億42百万円等を減じた額であります。
②投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果使用した資金は、前年同期に比べて12億93百万円(60.2%)増加し、34億44百万円となりました。主な要因は有形固定資産の取得による支出の増加であります。
主な内訳は、有形固定資産の取得による支出31億92百万円等によるものであります。
③財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果得られた資金は、200億92百万円(前年同期は25億85百万円の使用)となりました。主な要因は長期借入れによる収入の増加であります。
主な内訳は、借入金の純増加額221億57百万円による収入から配当金の支払額20億64百万円による支出を減じた額であります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、安定した資金調達基盤を維持しつつ、資金効率を重視して資金調達を行っております。当連結会計年度におきましては、積極的に既存店、工場への投資を行う一方で、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う業績への影響が懸念されたため、取引金融機関から合計250億円の長期借入を行い、万一の資金流出に備えました。結果として、資金繰りへの影響は限定的で、手許資金は余剰となりましたが、これからも先行き不透明な環境が続くと予想されるため、資金調達は資金効率とともに資金の安定を重視して検討してまいる予定です。
なお、キャッシュ・フロー指標のトレンドは下記のとおりです。
第45期
2019年3月期
第46期
2020年3月期
第47期
2021年3月期
自己資本比率(%)73.374.558.1
時価ベースの自己資本比率(%)205.6160.6119.9
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)0.60.64.6
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)536.5509.195.7

(注) 自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
※ 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
※ キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
※ 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、連結決算日における資産・負債の報告数値及び偶発資産・負債の開示、ならびに報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り等を行っております。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。