四半期報告書-第48期第3四半期(令和3年10月1日-令和3年12月31日)

【提出】
2022/02/14 12:01
【資料】
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【項目】
33項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、第5波で急拡大した新型コロナウイルス感染が本年8月にピークアウトして縮小に向かったため、個人消費に回復の動きが見られました。
外食業界におきましては、時短営業及び酒類提供の制限解除もあり、業況は改善に向かったものの、外食店のテイクアウトを含めた中食市場が引き続き堅調に推移する中で、夜間営業を中心とするような一部の業態は依然として厳しい状況が続いております。
このような状況下において当社グループは、お客様と従業員の健康と安全を守ることを最優先とし、生活する上で欠かせない「安心・安全」で「美味しい食」を提供するために、コロナ禍においてもオンラインでの各種研修を実施し、店舗のQSCレベル向上を図ってまいりました。
その結果、緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置解除後には順調に店内売上が回復するとともに、テイクアウト・デリバリーも引き続き好調に推移したことにより、当第3四半期連結累計期間において、第2四半期連結累計期間に続き、前年同期比で増収増益を達成することができました。
以下、当第3四半期連結累計期間における主な取り組みと成果について、当連結会計年度からスタートした新中期経営計画の3つの主要戦略である営業戦略・店舗開発戦略・FC推進戦略、及びサステナビリティの取り組みの4項目に沿ってご説明をいたします。
① 営業戦略
本年10月以降、新型コロナウイルス感染症が沈静化に向かっても、当社はお客様と従業員の感染予防対策を徹底しながら、QSCレベルの更なる向上のための努力を重ね、アフターコロナに向けた営業体制の整備を行いました。全国の時短営業要請解除後には、店内売上の回復とデリバリー・テイクアウトの需要確保のため、積極的な販促活動を実施いたしました。
QSCレベルの引き上げでは、感染予防対策を行い「王将調理道場」での調理研修を再開するとともに、これまで開催してきたオンライン研修も並行実施し、基本の調理方法の徹底を行いました。また、一時中断していた調理検定試験も再開し、社員が切磋琢磨することで調理技術の一層の向上を図りました。その他、接客スキルの向上のため新たに作成したマニュアルをベースにトレーニングを実施するとともに、お客様が安心してお食事をお楽しみいただけるように徹底した店内清掃・消毒を習慣化してまいりました。
販促では、毎年恒例の「2022年版ぎょうざ倶楽部お客様感謝キャンペーン」を6月より開始、期間限定でスタンプ2倍押しキャンペーンを実施いたしました。さらに、11月からは、お子様にも楽しんでいただける「ステーショナリー(文具セット)」「レッスンバッグ」「テーブルゲームセット」の3賞品を追加し、幅広いお客様に参加頂けるよう取り組みました。
12月にはスタンプを6個集めると餃子1人前が無料となる「年末年始お客様キャンペーン」や、創業日の12月24日及び25日の2日間、お会計500円ごとに復刻クーポン250円を進呈する「創業祭」を実施し、お客様から大変好評をいただきました。
また、テイクアウトでは、「生餃子スタンプキャンペーン」や「生餃子セール」を継続して実施するとともに、デリバリーでは、導入店舗数を直営店舗で前年度末の366店舗から443店舗に、FC店舗も合わせると413店舗から546店舗に増大させ、さらに複数のプラットフォーム(出前館、UberEats、menu)を利用できる店舗を増やしました。こうした需要の喚起と、お客様の利便性向上を図る施策により、テイクアウト・デリバリーの売上は好調に推移いたしました。
その結果、全社売上は当第3四半期連結会計期間の10月から12月まで3カ月連続して同月比過去最高を達成し、12月11日には1日当たりで直営過去最高売上となる3億27百万円を記録いたしました。
② 店舗開発戦略
当第3四半期連結会計期間において、直営店舗を5店舗新規出店いたしました。
直営の新店5店舗は、市場規模や近隣の経済環境等から出店余地の十分に見込めるエリアに位置し、感染症対策の徹底と、テイクアウト・デリバリーを利用いただく際の利便性を重視した店舗設計といたしました。
ロードサイド店舗の「県道377号吉川栄店」は、大型商業施設の開業に伴い人口増加が顕著な埼玉県吉川市への出店で、関東地区最大面積の店舗となりました。
「県道243号龍ヶ崎店」は、首都圏と比べ人口密度が低い地域ながら、同一敷地内に併設される食品スーパー等との相乗効果が期待できるロードサイド店舗として出店いたしました。
また、地元小売企業との取り組みとして、神奈川県に「sanwa藤が丘店」、福岡県に「サンリブくりえいと宗像店」及び「国道202号糸島店」を出店いたしました。いずれも、集客力を見込める食料品や日用品を取り扱う地元企業とのタイアップによる相乗効果を期待しております。
③ FC推進戦略
10月1日より、FC事業を所管する「FC推進部」を直営店と同じ「営業本部」に移管し、FC加盟店とのパートナーシップを強化し、直営店・FC加盟店が一体となって「餃子の王将」のブランド価値向上に取り組む体制といたしました。
「王将大学」及び「王将調理道場」をFC加盟店のオーナーや店長、さらには次世代のオーナー・店長候補者に門戸を拡げたことで、FC加盟店の店舗運営のノウハウを向上させ、調理技術を引き上げることができました。さらに、当社のFCコンサルタントが定期的にFC店舗を巡回してQSCチェックを行い、そこで明らかになった改善点に協同して取り組むことで、王将スタンダードの一層の浸透を図りました。
また、直営店と連携した販促の積極化と、デリバリー・EPARKテイクアウト・クレジット決済サービスの直営店と同等のサービスレベルへの引き上げが、厳しい環境の中でのお客様の来店促進に効果をあげました。
こうした成果により、個々のFC加盟店の売上は好調を持続し、当社工場からFC加盟店に対する出荷売上は増加基調で推移いたしました。
④ サステナビリティの取り組み
当社は、食を通じて社会に貢献していく企業として、昨夏、各地の子ども食堂等に「お子様弁当」合計3万2千食の無償提供を実施いたしました。この取り組みに対して、全国の子供たちから、またお子様弁当を食べたいという強い要望が多数寄せられたことを受け、冬休みの期間に再度実施することにいたしました。
今回は前回の約2倍にあたる6万3千食の希望があり、当社の直営・FC店舗のうち304店舗が全国の子ども食堂等に1カ月間にわたりお子様弁当の提供を行いました。持続可能な社会実現に向けての一助となることを期待して、店舗、製造、本社が一体となって取り組みました。
当社は、12月13日開催の取締役会において、「サステナビリティ基本方針」を定め、「サステナビリティ委員会」を設置いたしました。当社の経営理念「お客様から褒められる店創り」を追求することで、企業価値の向上はもとより、持続可能な社会形成の実現を目指すもので、引き続きサステナビリティをめぐる課題に全社を挙げて取り組んでまいります。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間における売上高は、前年同期に比べて22億47百万円(3.7%)の増収で627億58百万円となりました。
営業利益は、増収となったことに加え、効率的なシフト編成による人件費コントロールや水道光熱費の抑制等もあって、前年同期に比べて3億96百万円(8.6%)の増益で50億21百万円となりました。
経常利益は、上記理由のほか営業時間短縮に伴う補助金収入等もあり、前年同期に比べて50億34百万円(100.6%)の増益で100億36百万円となりました。
親会社株主に帰属する四半期純利益は、上記理由等により、前年同期に比べて37億97百万円(118.1%)の増益で70億14百万円となりました。
なお、経常利益及び親会社株主に帰属する四半期純利益は、第3四半期連結累計期間における過去最高益となりました。
当第3四半期連結累計期間の店舗展開の状況につきましては、直営店9店、FC加盟店3店の新規出店、直営店2店、FC加盟店8店の閉店を行っております。これにより当第3四半期連結会計期間末店舗数は、直営店535店、FC加盟店201店となりました。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第1四半期連結会計期間の期首から適用しております。
(2)財政状態の状況
(資産の部)
当第3四半期連結会計期間末における総資産の残高は、前連結会計年度末に比べ15億48百万円(1.7%)減少し、896億6百万円となりました。主な増減要因は次のとおりであります。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ15億22百万円(3.6%)減少し、409億30百万円となりました。主な要因は現金及び預金の減少等であります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ26百万円(0.1%)減少し、486億75百万円となりました。主な要因は投資有価証券の減少等であります。
(負債の部)
当第3四半期連結会計期間末における負債の残高は、前連結会計年度末に比べ62億99百万円(16.5%)減少し、319億2百万円となりました。主な増減要因は次のとおりであります。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ33億36百万円(16.2%)増加し、239億18百万円となりました。主な要因は前連結会計年度にコロナ禍の長期化に備え、手元資金を通常より厚くする目的で借り入れた長期借入金250億円の一部を1年内返済予定の長期借入金に振り替えたためであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ96億35百万円(54.7%)減少し、79億83百万円となりました。主な要因は長期借入金の減少等であります。なお、流動負債と固定負債を合わせた借入金の残高は、前連結会計年度に比べ75億24百万円減少し、194億70百万円となりました。
(純資産の部)
当第3四半期連結会計期間末における純資産の残高は、前連結会計年度末に比べ47億50百万円(9.0%)増加し、577億3百万円となりました。主な要因は親会社株主に帰属する四半期純利益70億14百万円による増加に対し、配当金18億77百万円の支払いによる減少等であります。以上の結果、自己資本比率は、前連結会計年度末58.1%から64.4%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ24億40百万円減少し、371億50百万円となりました。
当第3四半期連結累計期間に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、前年同期に比べて67億39百万円(250.1%)増加し、94億33百万円となりました。主な要因は税金等調整前四半期純利益の増加であります。
主な内訳は、税金等調整前四半期純利益103億36百万円に減価償却費19億円を加えた額から法人税等の支払額21億97百万円等を減じた額であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、前年同期に比べて5億48百万円(18.1%)減少し、24億74百万円となりました。主な要因は有形固定資産の取得による支出の減少であります。
主な内訳は、有形固定資産の取得による支出22億39百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、94億2百万円(前年同期は206億62百万円の獲得)となりました。主な要因は長期借入れによる収入の減少であります。
主な内訳は、借入金の純減少額75億24百万円による支出及び配当金の支払額18億77百万円による支出であります。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。