四半期報告書-第49期第1四半期(令和4年4月1日-令和4年6月30日)

【提出】
2022/08/12 12:05
【資料】
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【項目】
32項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの感染者数が減少傾向となり、社会経済活動の正常化が進む中で、行政による各種政策の効果もあって、個人消費は持ち直しの動きが見られました。しかしながら、ウクライナ情勢の長期化や中国のゼロコロナ政策による経済活動の抑制の影響等により景気後退リスクが高まる中で、食材価格やエネルギー価格等のさらなる上昇が予想されるなど、先行き不透明感が強まっております。
外食業界におきましては、3月22日以降全国でまん延防止等重点措置が解除されたことから、3年ぶりに行動制限のないゴールデンウィークとなり、家族客を中心として客足が回復いたしました。一方、コロナ禍での生活習慣の変化により、制限緩和後も夜間の客足は伸びず、夜の外食需要は引き続き厳しい状況が続いております。
このような環境下において当社グループは、「安心・安全」で「美味しい食」をお客様に提供するという使命のもと、全社一丸となってQSCレベルの向上に努め、中期経営計画を着実に遂行してまいりました。
その結果、これまで以上に多くのお客様にご来店いただける結果となり、テイクアウト・デリバリーの売上を高水準に維持しながら、店内売上を回復させることで、経営成績はコロナ前(2019年度第1四半期連結累計期間)を上回って好調に推移いたしました。
以下、当第1四半期連結累計期間における主な取り組みと成果について、再スタートしてから2年目を迎える中期経営計画の3つの主要戦略である「営業戦略」、「店舗開発戦略」、「FC推進戦略」、及び「サステナビリティの取り組み」の4項目に沿ってご説明をいたします。
① 営業戦略
「おいしい力が未来を変える」という2022年のスローガンのもと、引き続きQSCの更なる向上に向けて全社一丸となって取り組んでまいりました。
具体的には、売上の上位を占める主要メニュー14品について、更なる品質向上を目的に、レシピ、マニュアルのブラッシュアップを行いました。王将調理道場では、調理研修及び調理検定試験を再開し、オンライン配信および動画配信も引き続き実施することで、従業員の全員が受講できる体制を構築し、料理のおいしい力にさらに磨きをかけました。
販売促進では、当社の料理と相性抜群の飲みごたえをお客様に実感して頂くため、生ビール一杯50円(税込)引きとなる「新スーパードライ発売記念セール」を実施し、大変ご好評をいただき、当初4月1日から4月末までの予定でしたが、セール期間を急きょ5月末まで延長いたしました。
また、1月より実施中の「2022年版ぎょうざ倶楽部お客様感謝キャンペーン」は、スタンプ2倍押しキャンペーンを5月16日から5月末までの期間限定で実施し、さらに6月24日からは「2023年版ぎょうざ倶楽部お客様感謝キャンペーン」を開始いたしました。スタンプ35個でラーメン鉢またはクッションブランケット、50個でワイヤレスイヤホンまたはオリジナル将棋セットと交換でき、昨年とはまた違う、オリジナリティ溢れる景品をお楽しみいただけるキャンペーンとなっております。
コロナ禍において業容拡大を果たしたデリバリーは、サービス導入店舗数(FC店舗を含む)を前連結会計年度末の546店舗から574店舗に拡大し、感染状況が落ち着いても売上は引き続き好調に推移いたしました。
当社は原材料価格の高騰や人件費、物流費の上昇等を受け、2022年5月14日より一部商品の価格改定を実施させていただきました。当社グランドメニュー全体の約2割の商品の価格について税抜き20円から30円の改定をし、同時に、さらなる美味しさを追求したレシピの改良を行いました。
価格改定後は客単価の上昇だけでなく、客数も衰えず、むしろ増加して推移いたしました。これは、前述のQSCレベルの向上や積極的な販売促進策とともに、引き続き主要なメディアに取り上げていただいたことや、「いろいろあったけど、おいしいものを食べて、明るい未来に向けて前に進んで行こう。」「おいしい力が、未来を変える。」というメッセージを込め、俳優の仲野太賀さん、オリジナルCMソングにケツメイシさんを起用した新CMで美味しさを訴求したことが奏効したものと考えております。
このような取り組みの結果、売上は2022年2月から6月まで5か月連続で過去最高売上を達成するとともに、2022年5月の直営店売上高は73億84百万円と、5月としてだけでなく単月として創業以来過去最高売上を記録いたしました。
② 店舗開発戦略
当第1四半期連結累計期間において、直営1店舗の新規出店及びFC加盟店2店舗の直営への移行を行いました。
2022年4月には「コトエ流山おおたかの森店」を新規出店いたしました。複合商業施設「コトエ流山おおたかの森」の開業に合わせた出店で、子育て世代を中心に人口が増加し続けている千葉県流山市への初出店となります。子育てファミリー層を中心とした全世代の日々の生活においてご利用いただける施設内への出店で、売上は好調に推移しております。
FC加盟店2店舗の直営への移行に関しては、5月に大阪府枚方市の楠葉店を、6月に愛知県名古屋市の神の倉店をそれぞれ直営化いたしました。FCオーナーの高齢化により事業継続が困難となったものの、長年地域に密着して営業を行ってきたことで近隣のお客様から人気の高い店舗であったこと、さらに今後の新規顧客獲得も十分見込めると判断したことから、直営化を行いました。
また、2022年7月より直営店の新規出店を担う「店舗開発部」とFC事業を担う「FC推進部」を再編し、「店舗開発・FC契約管理部」を新設いたしました。直営店とFC加盟店に関する物件情報や賃貸借契約等を一元管理することで、FC店舗も含めた店舗開発のさらなる強化に努めてまいります。
③ FC推進戦略
前連結会計年度に引き続き、王将調理道場の調理研修による調理の改善指導、さらにFCコンサルタントによる店舗巡回を強化し、衛生日報に基づく衛生管理及び店舗清掃状況の確認、異物混入防止マニュアルを活用した異物混入予防対策の強化等、FC加盟店舗のQSC向上を徹底して図ってまいりました。また、価格改定に際しては、主要メニュー14品目を中心に、改めてレシピと調理手順のチェックを行いました。
販売促進においては、生ビールキャンペーンや2023年版ぎょうざ倶楽部お客様感謝キャンペーン等、全店キャンペーン実施時の店頭告知の強化を促すなど、直営店舗と一致して取り組む体制を整えました。
これらの取り組みにより、前期に引き続き個々のFC加盟店の売上は好調を持続し、それに伴い、当社工場からのFC加盟店に対する出荷売上も前年同期を大幅に上回りました。
なお、前述の通り、2022年7月に「FC推進部」からFC契約管理機能を分離して「FC営業部」を新設し、直営営業部と同じく営業面に機能特化させる組織強化を図りました。
④ サステナビリティの取り組み
当社は、2021年12月13日開催の取締役会において、「サステナビリティ基本方針」と「サステナビリティビジョン」を決議し、「サステナビリティ委員会」を設置いたしました。サステナビリティを重視した経営を遂行し、当社の経営理念「お客様から褒められる店創り」を追求することで、企業価値の向上はもとより、持続可能な社会形成の実現を目指すものです。
「サステナビリティビジョン」では、「食に困らない豊かな社会の実現」「全てのステークホルダーとの共栄」「地球環境の保全」を掲げています。
「食に困らない豊かな社会の実現」においては、前年より継続実施しております全国の子ども食堂等への「お子様弁当」の無償提供を、本年3月から4月の春休み期間中にも実施いたしました。
「全てのステークホルダーとの共栄」では、従業員満足度の向上を重視しております。働きやすい職場環境の整備に注力するとともに、待遇面においても2022年上期賞与について、賞与テーブル100%水準の金額に加え、賞与テーブルの8.5%分を「特別加算金」として支給することといたしました。従業員の働く喜びが起点となってお客様を始めとした「全てのステークホルダーとの共栄」を実現できると考えることから、人的資本への様々な投資に最優先で取り組んでおります。
「地球環境の保全」では、TCFD提言に沿った取り組み(第48期有価証券報告書にて詳細を開示:https://ir.ohsho.co.jp/ir/library/securities.html)を進めるとともに、2022年4月の「プラスチック資源循環促進法」の施行に伴い、環境にやさしい素材への変更と有料化を組み合わせた対応を行い、店頭で提供または使用しているプラスチック製品の削減に成果をあげました。
また、2022年7月より経営戦略本部の直下に、サステナビリティを推進する部門横断的な組織として「サステナビリティ推進室」を新たに設置し、全社を挙げて迅速に取り組む体制といたしました。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間における売上高は、前年同期に比べて24億4百万円(11.9%)の増収で、過去最高となる226億17百万円となりました。
営業利益は、原材料の高騰や光熱費の単価上昇等があったものの、価格改定に伴う客単価上昇や客数増加による増収効果に加え、効率的なシフト編成による人件費コントロール等により、前年同期に比べて4億79百万円(28.1%)の増益で21億85百万円となりました。
経常利益は、営業時間短縮に伴う協力金収入が減少したこと等があり、前年同期に比べて1億6百万円(3.4%)の減益で30億44百万円となりました。
親会社株主に帰属する四半期純利益は、上記理由に加え、減損損失の計上等により、前年同期に比べて2億71百万円(12.7%)の減益で18億72百万円となりました。
当第1四半期連結累計期間の店舗展開の状況につきましては、直営店1店、FC加盟店1店の新規出店、FC加盟店2店の直営店への移行、FC加盟店1店の閉店を行っております。これにより当第1四半期連結会計期間末店舗数は、直営店539店、FC加盟店196店となりました。
(2)財政状態の状況
(資産の部)
当第1四半期連結会計期間末における総資産の残高は、前連結会計年度末に比べ43億56百万円(4.9%)減少し、850億49百万円となりました。主な増減要因は次のとおりであります。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ39億7百万円(9.6%)減少し、369億72百万円となりました。主な要因は現金及び預金の減少等であります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ4億48百万円(0.9%)減少し、480億76百万円となりました。主な要因は土地の減少等であります。
(負債の部)
当第1四半期連結会計期間末における負債の残高は、前連結会計年度末に比べ50億90百万円(16.8%)減少し、252億16百万円となりました。主な増減要因は次のとおりであります。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ19億42百万円(7.6%)減少し、235億4百万円となりました。主な要因は未払法人税等の減少等であります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ31億48百万円(64.8%)減少し、17億11百万円となりました。主な要因は長期借入金の減少等であります。なお、借入金の残高は127億5百万円となりました。
(純資産の部)
当第1四半期連結会計期間末における純資産の残高は、前連結会計年度末に比べ7億33百万円(1.2%)増加し、598億32百万円となりました。主な要因は親会社株主に帰属する四半期純利益18億72百万円の増加に対し、配当金13億15百万円の支払いによる減少等であります。以上の結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の66.1%から70.4%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ39億74百万円減少し、334億66百万円となりました。
当第1四半期連結累計期間に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、前年同期に比べて17億95百万円(57.0%)減少し、13億53百万円となりました。主な要因は法人税等の支払額の増加であります。
主な内訳は、税金等調整前四半期純利益28億4百万円に減価償却費6億36百万円及び未払消費税等の増加額3億90百万円を加えた額から法人税等の支払額30億80百万円等を減じた額であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、前年同期に比べて1億1百万円(18.4%)増加し、6億54百万円となりました。主な要因は有形固定資産の取得による支出の増加であります。
主な内訳は、有形固定資産の取得による支出8億38百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、前年同期に比べて32億12百万円(219.9%)増加し、46億73百万円となりました。主な要因は長期借入金の返済による支出の増加であります。
主な内訳は、長期借入金の返済による支出33億58百万円及び配当金の支払額13億15百万円によるものであります。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。