有価証券報告書-第48期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)

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2022/06/28 16:46
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当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
また、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しております。
(1)経営成績
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルスの感染拡大により個人消費が伸び悩んだ上に、企業物価が上昇したことから、景気の下振れが懸念される状況となりました。
さらに、ロシアのウクライナ侵攻で世界的なサプライチェーンに混乱が生じ、食材価格やエネルギー価格のさらなる上昇が予想されるなど、経済の先行き不透明感が強まっております。
外食業界におきましては、全国規模での緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置の適用による営業時間短縮と酒類提供制限により、店内飲食型のレストラン・飲酒業態を中心に深刻な打撃を受けました。売上の低迷に加え、原材料価格の上昇が収支を圧迫したことで、時短協力金がその一部を補填したものの、総じて厳しい状況が続きました。
このような環境下において当社グループは、お客様と従業員の健康と安全を守ることを最優先にしながら、生活する上で欠かせない「安心・安全」で「美味しい食」を提供するために、コロナ禍においても妥協することなく、これまで以上のQSCレベルの向上に注力いたしました。
その結果、店内売上が順調に回復するとともに、テイクアウト・デリバリーも引き続き好調に推移したことにより、増収増益を達成することができました。
コロナ禍にあっても、中期経営計画を着実に遂行し、経営理念の実現に向け全社一丸となって取り組んできたことが、より強固な組織へと成長させ、成果に繋がりました。
以下、当連結会計年度における主な取り組みと成果について、当連結会計年度からスタートした新中期経営計画の3つの主要戦略である営業戦略・店舗開発戦略・FC推進戦略、及びサステナビリティの取り組みの4項目に沿ってご説明をいたします。
① 営業戦略
コロナ禍における厳しい経営環境の中で、当社はお客様と従業員の感染予防対策を徹底しながら、QSCのさらなる向上に向けて最大限の努力を重ねてまいりました。
具体的には、「王将調理道場」でのオンライン研修を拡充し、社員のみならずパートタイマーも参加できる体制を整えました。さらにリアルタイムと録画の両方の動画配信による店舗講習を実施することで、スタンダードな調理方法を全員が習得できるように取り組みました。
2022年1月以降はグランドメニュー14品に特化しての講習を実施し、改めて主力メニューの美味しさの追求を図りました。
販売促進では、6月に恒例の「2022年版ぎょうざ倶楽部お客様感謝キャンペーン」、12月にはスタンプを6個集めると餃子1人前が無料となる「年末年始お客様キャンペーン」、さらに創業日の12月24日及び25日の2日間、お会計500円ごとに復刻クーポン250円を進呈する「創業祭」など、絶え間なく実施した販売促進活動が集客に効果をあげました。
コロナ禍において需要が高まったデリバリーは、直営店舗の導入店舗数を前年度末の366店舗から449店舗に、FC店舗も合わせると413店舗から560店舗に増大させ、さらに複数のプラットフォーム(出前館、UberEats、menu)を利用できる店舗を増やすなど、一層の強化を図りました。こうした施策により、デリバリーの売上は、感染状況が落ち着いても好調を持続することができました。
さらに、感染「第6波」の収束局面において、「いろいろあったけど、おいしいものを食べて、明るい未来に向けて前に進んで行こう。」「おいしい力が、未来を変える。」というメッセージを込め、俳優の仲野太賀さん、オリジナルCMソングにはケツメイシさんを起用し、おいしいものを食べることで幸せな気持ちになる瞬間を表現した新たなテレビCMを放映開始いたしました。
このような取り組みの結果、売上は2021年10月から12月まで3か月連続で同月比過去最高を達成するなど当連結会計年度で合計6度も同月比過去最高を更新することができ、当社が紹介されたTBS系列「ジョブチューン」の放映翌日の2月20日には、単日比で過去最高となる3億49百万円の売上を記録するなど、コロナ禍にあって顕著な回復傾向を示しました。
② 店舗開発戦略
当連結会計年度において、ほぼ計画通りとなる直営10店舗の新規出店を行いました。
新規出店に際しては、設計段階より一般社団法人日本フードサービス協会が定めるガイドラインに沿った感染防止対策に徹底して取り組んでまいりました。
2021年6月には、新業態となるテイクアウト&デリバリーに特化した専門店「Joy Naho(ジョイ・ナーホ)」の1号店となる「ジョイ・ナーホ池尻大橋店」を世田谷区のオフィスビル1階に出店いたしました。店内飲食スペースを持たないコンパクトな設計で、電子レンジ対応容器を用いたオリジナルメニューを豊富に揃え、テイクアウトは事前予約注文で待たずに受け取れ、デリバリーは3つのプラットフォームから注文できるなど、テイクアウト専門店としての特徴を備えております。開店以来、お客様の高い支持をいただいており、引き続き都心部の住宅地への出店を検討してまいります。
ロードサイド店舗では、2021年5月に埼玉県の「463号バイパス所沢林店」、2021年9月に栃木県の「国道293号足利南店」、2021年10月に埼玉県の「県道377号吉川栄店」、2021年11月に茨城県の「県道243号龍ヶ崎店」、2022年3月に静岡県の「沼津松長店」の5店舗を出店いたしました。いずれも東日本への出店で、テイクアウト専用の窓口を設置するなどテイクアウトを配慮した店舗設計となっており、多くのお客様にご利用いただいております。
また、地元小売企業との取り組みとして、2021年9月に北九州市の「サンリブシティ小倉店」、2021年10月に神奈川県の「sanwa藤が丘店」、福岡県の「サンリブくりえいと宗像店」、及び2021年12月に福岡県の「国道202号糸島店」を出店いたしました。いずれも、集客力のある食料品や日用品を取り扱う地元企業とのタイアップで、平日の集客も見込め、売上は好調に推移しております。
③ FC推進戦略
10月1日より、FC事業を所管する「FC推進部」を直営店と同じ「営業本部」に移管し、FC加盟店とのパートナーシップを強化し、直営店・FC加盟店が一体となって「餃子の王将」のブランド価値向上に取り組む体制といたしました。
具体的には、「王将大学」及び「王将調理道場」を、FC加盟店のオーナーや店長、さらには次世代のオーナー・店長候補者に門戸を拡げ、FC加盟店の店舗運営のノウハウを向上させ、調理技術の引き上げを図りました。
さらに、FC店舗でまちまちだった餃子レンジを、当社独自の鉄板に規格を統一することで、よりおいしい餃子を提供できる体制を整えました。
また、当社のFCコンサルタントのFC店舗巡回時には、直営店舗と同様の「重点料理チェックシート」及び「新型コロナウイルス感染予防対策チェック表」を用いてQSCチェックを行い、そこで明らかになった改善点にFCオーナー・店長と協同して取り組むことで、王将スタンダードの一層の浸透を図りました。
販促の面では、直営店と歩調を合わせたキャンペーンを実施し、デリバリー・EPARKテイクアウト・クレジット決済等のサービス導入を直営店と同等レベルまで引き上げたことが、厳しい環境の中でのお客様の来店促進に効果をあげました。
こうした施策の成果により、個々のFC加盟店の売上は好調を持続し、当社工場からFC加盟店に対する出荷売上は前年を大幅に上回りました。
④ サステナビリティの取り組み
当社は、2021年12月13日開催の取締役会において、「サステナビリティ基本方針」と「サステナビリティビジョン」を決議し、「サステナビリティ委員会」を設置いたしました。サステナビリティを重視した経営を遂行し、当社の経営理念「お客様から褒められる店創り」を追求することで、企業価値の向上はもとより、持続可能な社会形成の実現を目指すものです。
「サステナビリティビジョン」では、「食に困らない豊かな社会の実現」「全てのステークホルダーとの共栄」「地球環境の保全」を掲げています。
「食に困らない豊かな社会の実現」では、2021年の夏休み期間、冬休み期間、さらに本年の春休み期間の3回にわたり、子どもたちへの食事支援として、当社の店舗のうち約300店舗が全国の子ども食堂等に「お子様弁当」合計約14万5千食を無償提供いたしました。
さらに、3月の限定メニュー「野菜煮込みラーメン」の売上代金の一部、約10百万円(1杯につき30円)を、世界各地で子供たちの貧困問題等の解決のため支援活動を行う民間・非営利の国際組織「セーブ・ザ・チルドレン」に寄付いたしました。
「全てのステークホルダーとの共栄」では、当社100%子会社の株式会社王将ハートフルが、障害者雇用への積極的な取り組みを評価され、「もにす認定企業」に選定されました。厚生労働大臣が障害者雇用の促進や安定への取り組みにおける優良な中小企業を認定する制度で、特例子会社としては京都初となりました。
「地球環境の保全」では、気候変動に係るリスク及び機会が当社の事業活動や収益等に与える影響について、必要なデータの収集と分析を行うなど、改訂コーポレートガバナンスコードに示されたTCFD提言に沿った取り組みを進めました。
また、本年4月からの「プラスチック資源循環促進法」の施行に伴い、「バイオマスプラスプーン」「プラスチックレンゲ」を有料化するとともに、「ストロー」の素材をプラスチックから紙に、「使い捨てミニスプーン」はプラスチックから金属製のデザートスプーンに変更するなど、同法に則り、環境保全のための取り組みを推進いたしました。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は、前年同期に比べて41億58百万円(5.2%)の増収で847億75百万円となりました。
営業利益は、増収となったことに加え、効率的なシフト編成による人件費コントロールや水道光熱費の抑制等もあって、前年同期に比べて8億85百万円(14.6%)の増益で69億59百万円となりました。
経常利益は、上記理由のほか営業時間短縮に伴う協力金収入等もあり、前年同期に比べて61億56百万円(89.6%)の増益で130億24百万円となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、上記理由等により、前年同期に比べて45億19百万円(105.4%)の増益で88億7百万円となりました。
なお、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益は、過去最高益となりました。
当連結会計年度の店舗展開の状況につきましては、直営店10店、FC加盟店3店の新規出店、直営店2店、FC加盟店11店の閉店を行っております。これにより当連結会計年度末店舗数は、直営店536店、FC加盟店198店となりました。
(生産、受注及び販売の実績)
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績は、主な品目を示すと次のとおりであります。
品目当連結会計年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
生産高(百万円)前年同期比(%)
麺類1,00712.2
餃子の皮801△5.4
餃子の具5,497△0.3
成形餃子6,75210.4
スライス豚肉6271.8

(注)1 上記の金額は、製造原価額によっております。
2 成形餃子には餃子の具及び餃子の皮の生産高が一部含まれております。
② 商品仕入実績
品目当連結会計年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
仕入高(百万円)前年同期比(%)
酒類1,104△36.1
清涼飲料水等129△14.5
合計1,234△34.4

(注)1 上記の金額は、仕入価格によっております。
2 当連結会計年度において、商品仕入実績に著しい変動がありました。これは、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う緊急事態宣言等により店内飲食売上が減少したこと等によるものであります。
③ 受注実績
当社グループは飲食業であり、見込生産によっておりますので、受注高及び受注残高について記載すべき事項はありません。
④ 販売実績
a 形態別販売実績
区分当連結会計年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
店舗数(店)金額(百万円)前年同期比(%)
直営店53677,4804.9
フランチャイズ加盟店1987,2948.4
合計73484,7755.2

(注)1 直営店は、直営店舗での中華料理等の販売高であり、フランチャイズ加盟店は、当社からの中華食材等の販売高であります。
2 店舗数は、期末日現在のものであります。
b 地域別販売実績
地域別当連結会計年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
店舗数(店)売上高(百万円)前年同期比(%)
直営店
京都府436,883△1.3
大阪府11516,1100.8
兵庫県385,9820.9
滋賀県152,831△2.1
奈良県152,4662.8
和歌山県91,4323.2
北海道192,0611.5
宮城県56277.5
東京都578,26514.6
埼玉県263,13411.9
千葉県263,3743.9
神奈川県324,8699.4
群馬県6670△4.8
茨城県452713.5
栃木県228484.2
長野県438412.1
新潟県33066.1
山梨県11531.3
愛知県213,9044.0
岐阜県121,6642.8
三重県121,7992.4
静岡県79455.1
富山県456010.3
石川県81,08610.5
福井県455411.1
岡山県33412.0
広島県68252.8
山口県33137.4
徳島県17116.1
香川県43702.0
福岡県183,07025.5
熊本県44663.2
佐賀県23199.9
長崎県439312.4
大分県11653.2
台湾2258△15.4
小計53677,4804.9

地域別当連結会計年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
店舗数(店)売上高(百万円)前年同期比(%)
フランチャイズ加盟店
京都府5157△2.4
大阪府501,7193.9
兵庫県401,7146.0
滋賀県7253△1.8
奈良県210831.7
和歌山県37913.7
北海道2264.2
宮城県16311.5
東京都7267△3.1
茨城県13111.1
埼玉県628938.1
神奈川県52153.5
群馬県31350.8
愛知県2187013.5
岐阜県52136.0
長野県125△4.6
三重県622712.3
福井県271△1.7
岡山県711925.3
広島県43821.8
山口県17△16.6
鳥取県31025.1
徳島県524030.9
香川県39713.1
愛媛県24014.4
高知県210164.7
福岡県360△0.7
熊本県114△0.9
小計1987,2948.4
合計73484,7755.2

(注)1 一部の複数の地域にまたがって店舗展開をしているフランチャイズ加盟店については、一部店舗の販売金額を当該フランチャイズ加盟店の本店所在地に含めて表示しております。
2 直営店は、直営店舗での中華料理等の販売高であり、フランチャイズ加盟店は、当社からの中華食材等の販売高であります。
3 店舗数は、期末日現在のものであります。
なお、国内直営店売上についての主な分析は下記のとおりであります。
第47期店内店外別全店売上
売上高(百万円)客数(千人)客単価(円)
構成比
店内飲食48,97166.6%53,052923
テイクアウト・デリバリー24,60833.4%17,5751,400
合計73,580100.0%70,6281,042

(注)1 店内飲食のお客様がテイクアウトを追加注文された場合など混在した売上は、店内飲食としてカウントしております。
2 レジ入力ミス等による売上高の修正は店内飲食に含めております。
3 店内飲食は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う緊急事態宣言等により落ち込みましたが、テイクアウト・デリバリー需要に迅速に対応したこと等により売上が大きく伸長し、店内売上の落ち込みをカバーいたしました。
第48期店内店外別全店売上
売上高(百万円)客数(千人)客単価(円)
構成比
店内飲食47,00560.9%51,892906
テイクアウト・デリバリー30,21639.1%20,5231,472
合計77,221100.0%72,4161,066

(注)1 店内飲食のお客様がテイクアウトを追加注文された場合など混在した売上は、店内飲食としてカウントしております。
2 レジ入力ミス等による売上高の修正は店内飲食に含めております。
3 店内飲食は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う緊急事態宣言等に加え、営業時間の短縮及び酒類提供の制限要請等により落ち込みましたが、テイクアウト・デリバリーを一層強化したこと等により売上が大きく伸長し、店内売上の落ち込みをカバーいたしました。
第47期既存店月別売上構成比第47期既存店曜日別平均売上対比
(月曜日を100として対比)
月別売上構成比
(%)
営業日数曜日別平均売上対比
合計
4月6.64445444130月曜日100.0
5月7.83334555331火曜日103.7
6月8.05544444030水曜日110.3
7月8.34454444231木曜日105.4
8月9.34444455131金曜日132.5
9月8.43454444230土曜日164.9
10月8.84445554031日曜日161.5
11月8.84344445230祝日147.4
12月8.94555444031
1月8.53444555131
2月7.94343444228
3月8.75554434131
合計100.04748515051515215365

(注)1 新規出店、閉鎖及び改装を行った店舗を除いております。
2 元旦は祝日としてカウントしておらず、1月2日は土曜日、1月3日は日曜日としてカウントしており、営業日数については営業していない店舗もあります。
売上の主な増減要因
月間日数及び土・日曜日、祝日等による曜日構成が売上の主な増減要因となりますが、他にゴールデンウィークや学校等の休みにより外食機会が増えることや長雨による客足の鈍化などの増減要因があります。そのほか新型コロナウイルス感染症拡大に伴う緊急事態宣言等の影響により売上が増減いたしました。
第48期既存店月別売上構成比第48期既存店曜日別平均売上対比
(月曜日を100として対比)
月別売上構成比
(%)
営業日数曜日別平均売上対比
合計
4月7.74444544130月曜日100.0
5月7.84334455331火曜日104.3
6月7.94554444030水曜日110.2
7月8.44444454231木曜日105.9
8月8.24544445131金曜日128.1
9月7.53454444230土曜日168.8
10月8.64444555031日曜日166.5
11月8.75434444230祝日152.4
12月9.14455544031
1月8.93444465131
2月8.34434344228
3月8.93555444131
合計100.04650495050535215365

(注)1 新規出店、閉鎖及び改装を行った店舗を除いております。
2 元旦は祝日としてカウントしておらず、1月2日は土曜日、1月3日は日曜日としてカウントしており、営業日数については営業していない店舗もあります。
売上の主な増減要因
月間日数及び土・日曜日、祝日等による曜日構成が売上の主な増減要因となりますが、他にゴールデンウィークや学校等の休みにより外食機会が増えることや長雨による客足の鈍化などの増減要因があります。そのほか新型コロナウイルス感染症拡大に伴う緊急事態宣言等の影響により売上が増減いたしました。
(2)財政状態
(資産の部)
当連結会計年度末における総資産の残高は、前連結会計年度末に比べ17億48百万円(1.9%)減少し、894億5百万円となりました。主な減少要因は次のとおりであります。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ15億72百万円(3.7%)減少し、408億80百万円となりました。主な要因は現金及び預金の減少等であります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ1億76百万円(0.4%)減少し、485億25百万円となりました。主な要因は投資有価証券の減少等であります。
(負債の部)
当連結会計年度末における負債の残高は、前連結会計年度末に比べ78億94百万円(20.7%)減少し、303億7百万円となりました。主な減少要因は次のとおりであります。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ48億64百万円(23.6%)増加し、254億46百万円となりました。主な要因は前連結会計年度にコロナ禍の長期化に備え、手元資金を通常より厚くする目的で借り入れた長期借入金250億円の一部を1年内返済予定の長期借入金に振り替えたためであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ127億59百万円(72.4%)減少し、48億60百万円となりました。主な要因は長期借入金の減少等であります。なお、借入金の残高は160億63百万円となりました。
(純資産の部)
当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末に比べ61億45百万円(11.6%)増加し、590億98百万円となりました。主な要因は配当金の支払い18億77百万円に対し、親会社株主に帰属する当期純利益88億7百万円の計上により増加した事によるもの等であります。以上の結果、自己資本比率は、前連結会計年度末58.1%から66.1%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ21億50百万円減少し、374億40百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果得られた資金は、前年同期に比べて77億72百万円(133.5%)増加し、135億96百万円となりました。主な要因は税金等調整前当期純利益の増加であります。
主な内訳は、税金等調整前当期純利益129億91百万円に減価償却費25億77百万円を加えた額から法人税等の支払額21億97百万円等を減じた額であります。
②投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果使用した資金は、前年同期に比べて5億2百万円(14.6%)減少し、29億41百万円となりました。主な要因は有形固定資産の取得による支出の減少であります。
主な内訳は、有形固定資産の取得による支出25億56百万円等によるものであります。
③財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果使用した資金は、128億8百万円(前年同期は200億92百万円の獲得)となりました。主な要因は長期借入れによる収入の減少であります。
主な内訳は、長期借入金の返済による支出109億31百万円及び配当金の支払額18億77百万円であります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、安定した資金調達基盤を維持しつつ、資金効率を重視して資金調達を行っております。前期におきまして、取引金融機関から合計250億円の長期借入を行い、新型コロナウイルス感染拡大に伴う万一の資金流出に備えましたが、結果として、資金繰りへの影響は限定的でありました。そのため、一時的に資金余剰となったものの、当期から約定返済による借入金と現預金の圧縮を進めております。引き続き事業拡大のための設備投資と人的資本への投資を積極的に行う方針から、資金効率を重視しつつ、今後も一定の資金調達を行ってまいります。
なお、キャッシュ・フロー指標のトレンドは下記のとおりです。
第46期
2020年3月期
第47期
2021年3月期
第48期
2022年3月期
自己資本比率(%)74.558.166.1
時価ベースの自己資本比率(%)160.6119.9126.1
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)0.64.61.2
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)509.195.7224.2

(注) 自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
※ 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
※ キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
※ 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、連結決算日における資産・負債の報告数値及び偶発資産・負債の開示、ならびに報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り等を行っております。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。