四半期報告書-第48期第2四半期(令和3年7月1日-令和3年9月30日)

【提出】
2021/11/12 15:25
【資料】
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【項目】
33項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第1四半期連結会計期間の期首から適用しております。
(1)経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス第4波、第5波の感染拡大と、それによる緊急事態宣言またはまん延防止等重点措置の全国規模での適用により、経済活動は大きな影響を受け、サービス支出を中心に個人消費は弱い動きで推移いたしました。
外食業界におきましては、飲食店の営業時間短縮、酒類提供の中止等の制約により、特に感染者数が急拡大した8月と9月はファストフードを除いて来店客数が大幅に落ち込み、深刻な打撃を受けました。
このような状況下において当社グループは、前連結会計年度に引き続き、お客様と従業員の健康と安全を守ることを最優先とし、生活する上で欠かせない「安心・安全」で「美味しい食」を提供するために、新型コロナウイルス感染症対策に徹底して取り組んでまいりました。
それとともに、コロナ禍におけるテイクアウト・デリバリーの強い需要を取り込み、短縮された営業時間内での生産効率を引き上げ、タイムリーな販促活動を実施したこと等により、当第2四半期連結累計期間は、前年同期に比べて増収増益を達成することができました。
以下、当第2四半期連結累計期間における主な取組みと成果について、当連結会計年度を初年度として新たにスタートした新中期経営計画における3つの主要戦略(営業戦略、店舗開発戦略、FC推進戦略)に沿ってご説明をいたします。
① 営業戦略
コロナ禍における厳しい経営環境の中で、お客様と従業員の感染予防対策を徹底しながら、QSCレベルをさらに引き上げるとともに、テイクアウト・デリバリーの一層の強化を図り、販促を活発化させることに注力いたしました。
QSCレベルの引き上げでは、「王将調理道場」のオンライン調理研修を拡充し、社員のみならずパートタイマーも参加できる体制を整えました。研修内容については一連の調理方法にとどまらず、餃子の鉄板の磨き方や調理器具のメンテナンスの方法といった基本に立ち返るとともに、テイクアウト商品に適した調理法など、様々なカリキュラムを実施いたしました。オンライン調理研修にはこれまでに延べ2万8千人が参加し、並行して実施している調理検定では受験対象者を店長だけではなく副店長、一般社員まで広げるなど、調理技術の一層の向上を図りました。
その他、オンラインでの接客対応研修の実施による顧客サービスの向上、コロナ禍であってもお客様が安心してお食事をお楽しみいただけるように店内の重点箇所を定めての消毒と清掃の徹底を行いました。
デリバリーでは、3月より販売開始し好評をいただいている「にんにく激増し餃子」をデリバリーメニューに追加、お好みに応じて通常餃子、にんにくゼロ生姜餃子、そしてにんにく激増し餃子をデリバリーで注文いただけるようになりました。デリバリーでは他に、こだわりの厳選食材と調理法を用いた極王シリーズ(極王炒飯、極王天津飯、極王天津麺、極王焼きそば)を提供できる店舗を増やすなど、メニューを増やすことでデリバリーの魅力を高めました。また、デリバリー導入店舗数を直営店舗で前年度末の366店舗から424店舗に、FC店舗も合わせると413店舗から484店舗に増大させるとともに、複数のプラットフォーム(出前館、UberEats、menu)を利用できる店舗を増やしたことで、デリバリーのカバー率は格段に上昇いたしました。
販促では、毎年恒例の「2022年版ぎょうざ倶楽部お客様感謝キャンペーン」を6月より開始、期間限定でスタンプ2倍押しキャンペーンを実施いたしました。さらに、「餃子の王将ロゴ入り小皿」を2枚プレゼントする「生餃子スタンプキャンペーン」や「生餃子セール」を実施し、生餃子の美味しい焼き方動画やアレンジレシピをHP、YouTubeで公開するなど、ご家庭でも焼きたての餃子をお楽しみ頂けるよう取り組みました。
また、酒類提供中止の中で、「アサヒドライゼロ」の50円引きセールを実施、9月から販売開始となったアルコール度数0.5%のビールテイスト飲料「アサヒビアリー」の販売にも注力し、ビールに代わる飲料としての魅力を訴求しました。
決済方法に関しましては、キャッシュレス決済として新たにQRコード決済の取り扱いを直営店ほぼ全店で開始したことで、利便性向上とともにお会計時の混雑解消にもつなげることができました。
② 店舗開発戦略
新業態となるテイクアウト&デリバリーに特化した専門店「Joy Naho(ジョイ・ナーホ)」の1号店となる「ジョイ・ナーホ池尻大橋店」を世田谷区のオフィスビル1階に出店いたしました。電子レンジ対応容器を用いた豊富なメニューをラインナップし、テイクアウトは事前予約注文で待たずに受け取れ、デリバリーは3つのプラットフォームからご注文いただけるなど、テイクアウト&デリバリー専門店として様々なシーンでご活用いただける店舗といたしました。
ロードサイド店舗では、5月に「463号バイパス所沢林店」、9月に「国道293号足利南店」を出店いたしました。どちらも当社の店舗が比較的手薄な東日本への出店で、設計段階から感染防止対策を最優先に取り組みました。
また、福岡県が地盤の地元スーパーマーケット企業との取り組みとして、北九州市小倉南区のショッピングモール内の店舗「サンリブシティ小倉店」を出店いたしました。テイクアウトとデリバリーに便利な1階フロアへの出店であり、食品スーパーのエリア近くに店舗を構え、お持ち帰り専用コーナーを設置することで、お買い物帰りのお客様にスムーズに商品をお渡しできるようにいたしました。これまでのGMSとは違った、食品スーパーとの相乗効果を期待しております。
③ FC推進戦略
FC加盟店とのパートナーシップを強化し、「餃子の王将」のブランド価値向上を図るため、加盟店が抱える課題解決を全社的にバックアップできるように社内体制を整備いたしました。
これまで直営店の従業員を対象にしてきた「王将大学」及び「王将調理道場」については、店舗運営のためのノウハウの習得や調理技術の引き上げを目的に、FCオーナーや店長、更には次世代のオーナー・店長候補者に門戸を広げ、FC加盟店から多数の受講を得ることができました。
また、当社のFCコンサルタントが定期的にFC店舗を巡回してQSCチェックを行い、そこで明らかになった改善点に協同して取り組むことで、王将スタンダードの一層の浸透を図りました。
さらに、直営店と一体となった販促の実施、デリバリー・EPARKテイクアウト導入店舗の増大、クレジット決済サービスの拡大等、直営店と同等のサービスレベルへの引き上げを進めました。
上記施策を強力に推進するため、本年10月1日付で、FC事業を所管する「FC推進部」を直営店と同じ「営業本部」に移管いたしております。
また、当社は、食を通じて社会に貢献していく企業として、夏休みご家庭応援メニュー「お持ち帰り専用お子様弁当」を販売いたしました。さらに新型コロナウイルス感染拡大の影響により、学校給食がない夏休み期間中は子供の栄養状態が悪化する可能性が高いとの調査結果があることを受け、こども食堂サポートセンター(運営:一般社団法人全国食支援活動協力会)を通じて、全国各地のこども食堂等に「お子様弁当」を無償提供することとし、8月から9月にかけての1カ月間で直営店184店舗が360団体(こども食堂、母子生活支援施設等)に対して合計3万2千食を提供いたしました。
当社の社会的使命は、コロナ禍にあっても「安心・安全」で「美味しい料理」の提供を行い、より多くのお客様に元気をお届けすることであり、こども食堂への食事支援もその一環です。持続可能な社会実現の一助になることを期待し、今後も全社を挙げて取り組みを進めてまいります。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間における売上高は、直営店舗のテイクアウト・デリバリー売上高が過去最高となったことや、営業時間の制約を受けなかった5時から20時までの売上高が過去最高となったこと等により、前年同期に比べて13億20百万円(3.4%)の増収で404億63百万円となりました。
営業利益は、増収となったことに加え、効率的なシフト編成による人件費コントロールや水道光熱費の抑制等もあって、前年同期に比べて8億1百万円(33.5%)の増益で31億92百万円となりました。
経常利益は、上記理由のほか営業時間短縮に伴う補助金収入等もあり、前年同期に比べて32億78百万円(121.3%)の増益で59億82百万円となりました。
親会社株主に帰属する四半期純利益は、上記理由等により、前年同期に比べて25億75百万円(151.7%)の増益で42億74百万円となりました。
なお、経常利益及び親会社株主に帰属する四半期純利益は、第2四半期連結累計期間における過去最高益となりました。
当第2四半期連結累計期間の店舗展開の状況につきましては、直営店4店、FC加盟店3店の新規出店、直営店1店、FC加盟店5店の閉店を行っております。これにより当第2四半期連結会計期間末店舗数は、直営店531店、FC加盟店204店となりました。
(2)財政状態の状況
(資産の部)
当第2四半期連結会計期間末における総資産の残高は、前連結会計年度末に比べ2億83百万円(0.3%)減少し、908億71百万円となりました。主な増減要因は次のとおりであります。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ7億16百万円(1.7%)減少し、417億36百万円となりました。主な要因は現金及び預金の減少等であります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ4億32百万円(0.9%)増加し、491億34百万円となりました。主な要因は時価の上昇に伴う投資有価証券の増加等であります。
(負債の部)
当第2四半期連結会計期間末における負債の残高は、前連結会計年度末に比べ36億92百万円(9.7%)減少し、345億9百万円となりました。主な増減要因は次のとおりであります。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ27億82百万円(13.5%)増加し、233億64百万円となりました。主な要因は前連結会計年度にコロナ禍の長期化に備え、手元資金を通常より厚くする目的で借り入れた長期借入金250億円の一部を1年内返済予定の長期借入金に振り替えたためであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ64億74百万円(36.7%)減少し、111億44百万円となりました。主な要因は長期借入金の減少等であります。なお、流動負債と固定負債を合わせた借入金の残高は、前連結会計年度に比べ40億71百万円減少し、229億23百万円となりました。
(純資産の部)
当第2四半期連結会計期間末における純資産の残高は、前連結会計年度末に比べ34億8百万円(6.4%)増加し、563億61百万円となりました。主な要因は親会社株主に帰属する四半期純利益42億74百万円による増加に対し、配当金9億38百万円の支払いによる減少等であります。以上の結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の58.1%から62.0%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ10億62百万円減少し、385億28百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、前年同期に比べて41億35百万円(322.6%)増加し、54億17百万円となりました。主な要因は税金等調整前四半期純利益の増加であります。
主な内訳は、税金等調整前四半期純利益62億86百万円に減価償却費12億43百万円を加えた額から法人税等の支払額10億50百万円等を減じた額であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、前年同期に比べて10億79百万円(42.3%)減少し、14億72百万円となりました。主な要因は有形固定資産の取得による支出の減少であります。
主な内訳は、有形固定資産の取得による支出12億52百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、50億9百万円(前年同期は222億33百万円の獲得)となりました。主な要因は長期借入れによる収入の減少であります。
主な内訳は、借入金の純減少額40億71百万円による支出及び配当金の支払額9億38百万円による支出であります。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。