四半期報告書-第46期第3四半期(2024/03/01-2024/05/31)

【提出】
2024/07/16 9:42
【資料】
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【項目】
41項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間におきましては、世界的な資源価格の高騰や金融引き締めに伴う海外景気の下振れにより、依然として国内外における経済の先行きは不透明な状態が続いています。また、円安の進行や原材料価格、エネルギーコストの上昇に伴う生活必需品の値上げも相次いでおり、消費者の節約志向が一層強まっています。
このような状況の中、当社グループは、第二創業にあたり、「人と自然とモノの望ましい関係と心豊かな人間社会」を考えた商品、サービス、店舗、活動を通じて「感じ良い暮らしと社会」の実現に貢献することを企業理念と定め、以下に記載する二つの使命を果たすべく事業展開を進めました。
第一の使命は、日常生活の基本商品群を誠実な品質と倫理的な視点から開発し、使うことで社会を良くする商品を、手に取りやすい価格で提供すること、そして第二の使命は、店舗は各地域のコミュニティセンターとしての役割を持ち、地域の皆さまと課題や価値観を共有し、共に地域課題に取り組み、地域への良いインパクトを実現することです。
当第3四半期連結会計期間末における当社グループの総資産は5,220億32百万円となり、前連結会計年度末に比べ683億17百万円増加しました。これは主に、現金及び預金の増加95億31百万円、受取手形及び売掛金の増加32億51百万円、商品の増加32億53百万円、その他流動資産の増加155億46百万円、有形固定資産の増加122億74百万円、および投資その他の資産の増加188億97百万円によるものです。
負債は2,065億35百万円となり、前連結会計年度末に比べ、202億67百万円増加しました。これは主に、買掛金の増加42億30百万円、1年内返済予定の長期借入金の減少217億56百万円、社債の増加300億円、および繰延税金負債の増加96億59百万円によるものです。
純資産は3,154億97百万円となり、前連結会計年度末に比べ、480億50百万円増加しました。これは主に、利益剰余金の増加221億88百万円、繰延ヘッジ損益の増加177億47百万円、および為替換算調整勘定の増加64億72百万円によるものです。
この結果、連結ベースの自己資本比率は、前連結会計年度末58.1%から59.6%となりました。
当第3四半期連結累計期間における当社グループの経営成績は、次のとおりであります。
営業収益 4,956億99百万円(前年同期比 13.7%増)
営業利益 424億69百万円(前年同期比 87.3%増)
経常利益 433億26百万円(前年同期比 79.5%増)
親会社株主に帰属する四半期純利益 335億7百万円(前年同期比 79.4%増)
営業収益は、新規出店に伴う店舗数の増加に加え、国内の既存店売上が堅調に推移したことで、増収となりました。国内における価格改定に伴い、営業総利益率の改善が進み、営業利益、経常利益は増益になるとともに、本社売却益の計上等もあり、親会社株主に帰属する四半期純利益は増益となりました。
また、当第3四半期末における無印良品(ライセンスドストアを含む)の店舗数は国内外計1,275店舗(国内611店舗、海外664店舗)となり、前期末に比べ87店舗増加しました。国内では、郊外の生活圏を中心に61店舗を出店、海外では、中国大陸、香港、タイ、マレーシア等に47店舗を出店し、店舗網を拡大しました。
セグメントの経営成績は、次のとおりです。なお、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおり、第1四半期連結会計期間より、報告セグメントの利益又は損失の算定方法の変更を行っています。以下の前年同四半期比較については、前年同四半期の数値を変更後のセグメントの利益又は損失の算定方法により組み替えた数値で比較分析しています。
① 国内事業
国内事業における当第3四半期連結累計期間の営業収益は2,931億28百万円(前年同期比11.9%増)、セグメント利益は308億10百万円(同75.6%増)と、増収増益となりました。
営業収益は、スキンケアや日用消耗品をはじめとする生活雑貨が好調に推移したほか、継続的なマーケティング活動が集客に寄与したことで、増収となりました。また、2023年1月から2月にかけて実施した一部商品の価格改定に伴い、営業総利益率の改善が図られ、大幅な増益となりました。
② 東アジア事業
東アジア事業における当第3四半期連結累計期間の営業収益は1,442億49百万円(前年同期比15.7%増)、セグメント利益は255億14百万円(同17.7%増)と、増収増益となりました。
中国大陸は既存店の売上が伸び悩んだものの、新規出店に伴う店舗網の拡大により、増収増益となりました。生活雑貨を中心に現地開発商品を拡充しました。そのほか、台湾、香港、韓国も増収増益となりました。
③ 東南アジア・オセアニア事業
東南アジア・オセアニア事業における当第3四半期連結累計期間の営業収益は288億45百万円(前年同期比25.1%増)、セグメント利益は35億65百万円(同52.8%増)と、増収増益となりました。
タイ、マレーシア、ベトナムなど新規出店を進め、東南アジア・オセアニア事業の店舗数は100店舗となりました。新規出店に伴い経費が先行するも、セグメント利益は前年実績を上回りました。
④ 欧米事業
欧米事業における当第3四半期連結累計期間の営業収益は294億76百万円(前年同期比12.7%増)、セグメント利益は38億52百万円(同1,398.5%増)と、増収増益となりました。
北米においては、店舗運営力の向上および経営体制の強化を進め、引き続き売上が伸長しました。欧州においては、経営資源を集中させるため、不採算店舗を閉鎖するなど、収益基盤の強化を進めました。
[ESGの取り組み]
創業時から変わらない「社会や人の役に立つ」という根本方針のもと、ESG経営のトップランナーを目指し、提供する商品やサービス、地域に根差す店舗を軸とした活動を通じて、資源循環型・自然共生型の社会、持続可能な社会の実現に貢献する取り組みを進めています。
・商品におけるESG:
当社では、以前から機能性素材や天然由来成分を使用するなどして、節電しながら暑い夏を快適に過ごすための商品開発に力を入れています。2024年4月からは、天然由来成分※1100%にこだわった「ボディスクラブ クールタイプ」などケア用品8種類、また2024年5月から接触冷感性のある生地を使用し、触れた時に冷たさを感じる「背当てにもなるひんやりマルチクッション」などファブリック10種類を発売しました。
※1 天然成分を化学的に反応させた成分を含みます。
・事業活動でのESG:
当社は、循環型社会の実現に向けて、使い終わった商品も貴重な資源として循環させる取り組みを、お客さまにご協力いただきながら推進しています。具体的には、ご不要になった無印良品の一部商品を、店頭回収したうえでリユース・リサイクルし、商品をお持ち込みいただいたお客さまには、1,000MUJIマイルをプレゼントしています。この取り組みをさらに拡大するため、5月30日よりMUJIマイル付与対象商品を、「衣料品」のみから、「プラスチック収納用品」と「スキンケアPETボトル」に拡大しました。さらに付与するMUJIマイルを7月1日までの期間限定で3,000MUJIマイルに増やすキャンペーンも実施し、回収量拡大を目指しています。回収したプラスチック収納用品は、再生ポリプロピレン入りの商品として、またPETボトルは再生PET素材のボトルへとリサイクルしています。
・土着化活動でのESG:
当社は、公益人本主義経営の実現を目指し、ステークホルダーの皆様との対話の機会を積極的に設けてきました。4月からは地域事業に注力している大型店舗を中心に、各店舗の社員により企画・開催する、少人数形式での対話イベント「タウンミーティング」を開催しています。地域住民および地域事業者の皆様を広くお迎えし、当社が目指す方向性や店舗での取り組みをご紹介することで、事業活動への理解をより深めて頂くだけでなく、地域の皆様が目指す地域の姿や無印良品に期待されることをお伺いし、より地域に根付き寄り添った事業活動へと繋げていきます。第3四半期においては、横浜、広島、京都、千葉の4地域事業部で開催し、今後もより多くの地域でのタウンミーティングの開催を予定しています。この活動を通し、各店舗が地域のコミュニティセンターとなり、地域の皆様と課題や価値観を共有し、地域課題の解決と地域への良いインパクトの創出に貢献することを目指しています。
(2)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの経営方針、経営戦略等に重要な変更はありません。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社グループの研究開発活動の金額は、12億2百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因
当第3四半期連結累計期間において、経営成績に重要な影響を与える要因について、重要な変更はありません。
(6)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は主に新規出店および既存店舗の改装といった設備投資、情報システム投資によるものであります。
これらの運転資金や投資資金は、自己資金により充当することを基本方針としていますが、必要に応じて資金調達を行っていきます。