四半期報告書-第43期第3四半期(令和3年3月1日-令和3年5月31日)

【提出】
2021/07/05 9:20
【資料】
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【項目】
36項目

(1)財政状態及び経営成績の状況
当社は、2020年5月27日に開催の第41期定時株主総会において「定款一部変更の件」を決議し、第42期より、決算期を2月末日から8月31日に変更いたしました。これにより、2021年8月期第3四半期(2020年9月1日から2021年5月31日)に対応する前年同四半期連結累計期間がないため、前年同四半期連結累計期間との比較は行っておりません。
当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を引き続き受け、2021年1月に続いて4月にも緊急事態宣言の発出により、一定の経済活動抑制を余儀なくされました。ただし、対象区域や業種を絞っての実施であったため、需要の落ち込みは限定的なものとなりました。国内においてもワクチンの接種が開始されましたが、接種の体制に課題が残るとともに、感染力が強い変異株の感染拡大状況により、経済活動に影響を及ぼす可能性があります。
世界経済は、国・地域ごとの感染状況や経済対策の違いにより、経済の回復にばらつきが大きくなっております。米国では大型経済対策やワクチン接種の普及などから内需が伸び、コロナ危機前近くまで回復している一方で、欧州は変異株の感染急拡大による防疫措置の強化を受けて、他の先進国と比べても大きく落ち込んでいる状況です。また、中国は経済の回復基調は継続していますが、感染再拡大を回避するための一部地域のロックダウンや、春節休暇中の移動制限などが個人消費回復の妨げとなっております。今後もワクチンの普及により感染拡大リスクが低減され、防疫措置や移動制限の緩和により消費の回復が期待されるものの、感染力が強い変異株の感染拡大を巡る不確実性が消費活動に与える影響が懸念されます。
このような状況の中、当社グループは「感じ良いくらしと社会」へ向けてグローバルに貢献する小売企業として、最良な商品の開発、調達、及び地域の方々に支持され共創する店舗展開に努めてまいりました。
当第3四半期連結会計期間における活動は、以下のとおりです。
・「廃棄物削減/資源循環」
無印良品は、地球資源の循環化、及び廃棄物削減のための様々な取り組みを進めています。その一環として、ドリンクのパッケージをペットボトルから循環型原料であるアルミ缶へ切り替えました。また、プラスチックごみ削減の一環として始めた無料の給水サービスは、2021年5月末時点で302店舗まで広がり、2021年12月末までに国内の全店舗460店舗への導入を予定しています。
・「地域社会」
関東で初となる"食"の大型専門売場を備えた「無印良品 港南台バーズ」を2021年5月14日にオープンしました。また、2021年5月12日には「感じ良いくらしと社会の実現」に向けた連携協定を横浜市と締結し、港南台バーズを含む市内18の無印良品店舗を通じて、行政・住民の皆さまとともに「食と農」「資源循環」「くらしのサポート」「まちの再生」に取り組んでいくことを目指しています。
なお、2021年2月には、サステナブル・ブランド ジャパンが実施する生活者のSDGs(持続可能な開発目標)に対する企業ブランド調査『Japan Sustainable Brands Index』のランキングで、当社が総合第2位、流通・小売部門で第1位に選ばれました。この調査は、SDGs17目標に照らし合わせて企業の取り組みや商品などから各企業がこれらの目標にどれくらい取り組んでいるかを測るサステナブル価値を評価しています。
また当社は、2020年8月期の決算発表にて、ESG(環境・社会・ガバナンス)経営のトップランナーを目指すと宣言し、環境・社会に関するさまざまな取り組みについての情報公開を進めてきました。その第一歩として、2021年6月、ESG投資の代表的な指数である「FTSE4GOOD Index Series」「FTSE Blossom Japan Index」構成銘柄に初選定されました。
当第3四半期連結会計期間末における当社グループの総資産は3,840億66百万円となり、前連結会計年度末に比べ401億48百万円増加いたしました。これは主に、現金及び預金の増加344億29百万円、ソフトウエアの増加35億54百万円、有形固定資産の増加10億87百万円、及び商品の減少30億49百万円によるものです。
負債は1,722億55百万円となり、前連結会計年度末に比べ、113億29百万円増加いたしました。これは主に、未払法人税等の増加90億38百万円、未払費用の増加12億77百万円及びリース解約債務の減少32億20百万円によるものです。
純資産は2,118億10百万円となり、前連結会計年度末に比べ、288億18百万円増加いたしました。これは主に、利益剰余金の増加233億42百万円及び為替換算調整勘定の増加37億89百万円によるものです。
この結果、連結ベースの自己資本比率は、前連結会計年度末の52.4%から54.2%となりました。
当第3四半期連結累計期間における当社グループの経営成績は、次のとおりであります。
営業収益 3,450億49百万円
売上高 3,440億25百万円
営業利益 351億97百万円
経常利益 383億78百万円
親会社株主に帰属する四半期純利益 291億25百万円
セグメントの経営成績は、次のとおりであります。なお、文中の店舗数は、無印良品、MUJIcom、MUJI to Go、Cafe MUJI、Cafe&Meal MUJI、IDEE店舗等の合計を表記しております。
① 国内事業
国内事業の当第3四半期連結累計期間の営業収益は2,266億5百万円、セグメント利益は237億11百万円となりました。
当第3四半期連結会計期間末の国内事業店舗数は、494店舗となりました。
新型コロナウイルス感染拡大の影響による、「巣ごもり需要」を追い風とする食品の売上増加や、日用品をお求めやすく価格改定したことによる客数の増加が下支えとなり、衣服・雑貨の靴下や肌着、生活雑貨の収納用品や調理器具などが堅調に推移しております。しかしながら、4月後半以降、緊急事態宣言が発出され、大型連休期間を中心に最大70店舗が臨時休業し、その後も一部店舗では週末での休業が継続しており、店頭販売に影響を受けております。
② 東アジア事業
東アジア事業の当第3四半期連結累計期間の営業収益は955億79百万円、セグメント利益は178億14百万円となりました。
当第3四半期連結会計期間末の東アジア事業店舗数は、430店舗となりました。
中国大陸では、オンライン販売が堅調に推移する一方で、散発的に新型コロナウイルス感染拡大による影響を受けております。店頭では生活雑貨の化粧水の売上が伸び悩みましたが、衣服・雑貨、食品は堅調な売上が継続しております。
③ 欧米事業
欧米事業の当第3四半期連結累計期間の営業収益は118億47百万円、セグメント損失は25億55百万円となりました。
当第3四半期連結会計期間末の欧米事業店舗数は、59店舗となりました。
欧州・北米ともに新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、店舗の通常営業ができないことにより厳しい状況が続いておりましたが、北米においてはワクチン接種の進展とともに、客数、売上共に回復の兆しが見えてまいりました。
④ 西南アジア・オセアニア事業
西南アジア・オセアニア事業の当第3四半期連結累計期間の営業収益は110億17百万円、セグメント利益は11億27百万円となりました。
当第3四半期連結会計期間末の西南アジア・オセアニア事業店舗数は、77店舗となりました。
各地域とも堅調に推移をしてまいりましたが、地域により新型コロナウイルス感染拡大の影響が広がりを見せ、タイやマレーシアでは売上が一時鈍化いたしました。
(2)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの経営方針、経営戦略等に重要な変更はありません。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社グループの研究開発活動の金額は、7億42百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因
当第3四半期連結累計期間において、経営成績に重要な影響を与える要因について、重要な変更はありません。
(6)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は主に新規出店及び既存店舗の改装といった設備投資、情報システム投資によるものであります。
これらの運転資金や投資資金は、自己資金により充当することを基本方針としておりますが、必要に応じて資金調達を行ってまいります。