訂正有価証券報告書-第42期(2020/03/01-2020/08/31)

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2025/02/07 15:48
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経営成績等の状況の概要
当連結会計年度は決算期変更(2月末日から8月31日へ変更)に伴い、6か月の変則決算となっております。そのため前連結会計年度との比較は記載しておりません。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大を抑止すべく、各国政府が厳格な行動制限を実施した影響で、個人消費や企業収益等が悪化いたしました。4月、5月を最悪期として既に回復に転じていますが、感染再拡大への懸念から経済への下押し圧力が残るため、回復は緩やかとなっています。
このような状況の中、当社グループ(当社、連結子会社、関連会社)は、「『感じ良いくらし』を実現する企業」として、「素材の選択」「工程の点検」「包装の簡略化」の3つの視点を基本に、生産者や生活者にとって役に立つ商品・サービスの開発に努めてまいりました。
当連結会計年度末における当社グループの総資産は3,439億18百万円となり、前連結会計年度末に比べ374億5百万円増加いたしました。これは主に、現金及び預金の増加534億94百万円及び有形固定資産の減少146億53百万円によるものです。
負債は1,609億25百万円と629億6百万円増加いたしました。これは主に、長期借入金の増加710億89百万円、リース解約債務の増加32億20百万円及び買掛金の減少86億25百万円によるものです。
純資産は1,829億92百万円と255億円減少いたしました。これは主に、利益剰余金の減少217億15百万円、非支配株主持分の減少17億90百万円及び為替換算調整勘定の減少12億36百万円によるものです。
当連結会計年度における当社グループの業績については、下記のとおりであります。
営業収益 1,793億92百万円
売上高 1,789億33百万円
営業利益 8億72百万円
経常利益 5億63百万円
親会社株主に帰属する当期純損失 △169億17百万円
(当連結会計年度におけるセグメント別の概況)
当連結会計年度における当社グループのセグメント別業績は、次のとおりであります。
① 国内事業
国内事業の当連結会計年度の営業収益は1,224億28百万円、セグメント利益は39億74百万円となりました。
国内事業のうち、直営店の売上高は2019年3月1日より8月31日までの期間(以下「前年同期間」と記載いたします)に比べ13.7%減少、またオンラインストアの売上高が37.9%の増加となりました。
新型コロナウイルス感染症の拡大による休業要請、営業時間の短縮を受け、直営店の売上が前年同期間に対して下回りました。大部分の店舗が休業していた状況においてオンラインストアでの販売を強化いたしました。
オンラインストアではキッチン用品、収納用品、食品などの巣ごもり需要関連商材が堅調に推移いたしました。
7月には新潟県上越市に地域の”くらしの真ん中になる”ことを目指す店舗として無印良品直江津をオープンし、好調に推移しています。
「新しい生活様式」に伴う移動の変化や、訪日外国人観光客の減少の影響で、営業再開後も都心部に立地する店舗の多くが売上、客数ともに前年同期間を下回る傾向にあり、Café&Meal MUJI店舗も新型コロナウイルス感染症の予防対策に伴い席数を減少させたことにより売上が伸び悩みました。
緊急事態宣言の解除後は、店頭の売上が好調に推移し、価格施策の見直しや経費コントロールを行い、業績が回復基調となりました。
② 東アジア事業
東アジア事業の当連結会計年度の営業収益は453億95百万円、セグメント利益は59億90百万円となりました。
中国大陸では店舗営業再開後、自社の会員向け施策である「無印良品週間」を実施するなど、売上の回復を図りましたが、1月から始まった店舗休業の影響で店頭の売上は計画を下回りました。一方でオンラインストアの売上は好調に推移いたしました。店舗営業が順次再開された3月以降は店頭の売上も徐々に回復してまいりました。
台湾においては、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響が小さく、堅調に推移いたしました。韓国、香港
では、社会情勢不安の影響も受け業績が低調となりました。
③ 欧米事業
欧米事業の当連結会計年度の営業収益は65億85百万円、セグメント損失は53億37百万円となりました。
欧州では、各国で3月より新型コロナウイルス感染症の拡大によるロックダウンが実施され、大部分の店舗で休業となりました。営業再開後もお客様数が戻らず、売上が計画を大幅に下回りました。
北米においても営業再開が7月になる店舗があるなど、新型コロナウイルス感染症の拡大による休業期間が長くなりました。
店舗休業により営業収益が計画を大幅に下回りました。
なお、当社海外連結子会社であるMUJI U.S.A. Limitedは、2020年7月に米国連邦倒産法第11章(チャプター11)に基づく再生手続の申請を行いました。
④ 西南アジア・オセアニア事業
西南アジア・オセアニア事業の当連結会計年度の営業収益は49億81百万円、セグメント損失は3億96百万円となりました。
タイにおいては、新型コロナウイルス感染症の拡大による店舗休業期間が比較的短く、コロナ禍での巣ごもり需要関連商品の売上が好調であったことなどにより、業績が堅調に推移いたしました。
一方、シンガポールでは、6月中旬の営業再開後も外出規制や観光客の入国禁止などの影響で、売上が計画を下回り、業績が低調に推移いたしました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動および新規出
店等による投資活動、並びに財務活動を行った結果、当連結会計年度末の資金残高は、前連結会計年度末に比べ
575億73百万円増加し915億99百万円となりました。
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
営業活動の結果使用した資金は、17億58百万円(前年同期間は103億28百万円の収入)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純損失181億13百万円、減損損失142億65百万円、減価償却費86億55百万円、仕入債務の減少81億39百万円および法人税等の支払30億26百万円によるものであります。
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
投資活動の結果使用した資金は、42億39百万円(前年同期間は155億34百万円の支出)となりました。
これは主に、店舗等の有形固定資産の取得による支出49億91百万円、店舗出店による敷金等の支出7億81百万円およびソフトウエア投資等の無形固定資産の取得による支出32億61百万円によるものであります。
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
財務活動の結果獲得した資金は、637億22百万円(前年同期間は71億14百万円の支出)となりました。
これは主に、長期借入れによる収入714億66百万円、配当金の支払額47億96百万円、リース債務の返済による支出35億11百万円によるものであります。
生産、受注及び販売の実績
(1)販売実績
当連結会計年度における販売実績(営業収益)をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称営業収益(百万円)前期比(%)
国内事業122,428-
東アジア事業45,395-
欧米事業6,585-
西南アジア・オセアニア事業4,981-
セグメント計179,390-
その他2-
合計179,392-

(注)1.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、グローバル調達事業であります。
2.上記の金額には、消費税及び地方消費税は含まれておりません。
3.決算期変更に伴い、当連結会計年度は6カ月決算となっておりますので、前期比については記載しており
ません。
4.営業収益の商品別の構成は次のとおりであります。

商品別営業収益(百万円)前期比(%)
衣服・雑貨63,526-
生活雑貨92,226-
食品17,606-
その他6,033-
合計179,392-

(注)1.上記の金額には、消費税及び地方消費税は含まれておりません。
2.決算期変更に伴い、当連結会計年度は6カ月決算となっておりますので、前期比については記
載しておりません。
経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、一定の会計基準の範囲内にて合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下の通りです。
① 固定資産の減損
当社グループは、店舗の減損の兆候を把握するに当たり、資産のグルーピングを店舗単位で行っており、各店舗の営業損益が継続してマイナスとなる場合等に、減損の兆候があると判断しております。この場合の減損損失の測定については、各店舗の将来キャッシュ・フローを見積り、将来キャッシュ・フローの合計額が固定資産の帳簿価額を下回る場合に、帳簿価額を回収可能価額まで減額しており、当連結会計年度においては142億65百万円の減損損失を計上いたしました。将来キャッシュ・フロー及び回収可能価額の算定にあたっては、決算時点で入手可能な情報等に基づき合理的に判断しておりますが、市場動向の変化や新型コロナウイルス感染症の拡大による店舗の営業時間短縮及び臨時休業の措置を講じる場合など、将来の不確実な経営環境の変動等により利益計画の見直しが必要になった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において追加の減損損失が発生する可能性があります。
なお、固定資産の減損につきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表 注記事項 (連結損益計算書関係)」に記載しております。
② たな卸資産の評価
当社グループはたな卸資産の貸借対照表価額は主として総平均法による原価法(収益性の低下に基づく簿価切下げの方法)により算定しており、当連結会計年度末においては1,052億85百万円計上しております。期末における正味売却可能価額が取得原価よりも下落している場合、その下落分を減額しております。決算時点で入手可能な情報等に基づき合理的に判断しておりますが、正味売却可能価額の見積りは不確実性を伴うため、正味売却可能価額が想定よりも下回った場合には損失が発生する可能性があります。また、衣服雑貨など一部の商品については、期間の経過とともにその価値が低下するとの仮定に基づき、一定年数を経過した商品は、帳簿価額の全額について評価減を行っております。当該見積りおよび仮定について、市場動向の変化等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の売上総利益に影響する可能性があります。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
① 営業収益及び営業総利益
当連結会計年度の営業収益につきましては、2019年3月1日より8月31日までの期間(以下「前年同期間」と記載いたします)に比べて、370億58百万円減(前年同期間比17.1%減)の1,793億92百万円となりました。セグメント別の営業収益の詳細については、「生産、受注及び販売の実績 (1)販売実績」に記載しております。
営業収益が減少した主な要因は、国内外における新型コロナウイルス感染症の拡大による休業要請、及び営業時間の短縮に伴う直営店の売上の減少によるものです。
また、営業総利益は、前年同期間に比べて267億4百万円減少し836億94百万円となりました。営業収益に対する比率は46.7%となり、前年同期間より4.3ポイント減少いたしました。
② 販売費及び一般管理費及び営業利益
当連結会計年度の販売費及び一般管理費につきましては、前年同期間に比べて69億80百万円減(前年同期間比7.8%減)の828億21百万円となりました。営業収益に対する比率は46.2%となり、前年同期間より4.7ポイント増加いたしました。
この結果、営業利益は前年同期間に比べて197億23百万円減少し、8億72百万円となりました。営業収益に対する比率は0.5%となり、前年同期間より9.0ポイント減少いたしました。
③ 営業外損益及び経常利益
当連結会計年度の営業外収益につきましては、前年同期間に比べて1百万円増加し、6億37百万円となりました。また、営業外費用につきましては、5億49百万円減少し9億46百万円となりました。
この結果、経常利益は前年同期間に比べて191億72百万円減少し、5億63百万円となりました。営業収益に対する比率は0.3%となり、8.8ポイント減少いたしました。
④ 特別損益及び親会社株主に帰属する当期純利益又は当期純損失
当連結会計年度の特別損失につきましては、前年同期間に比べて185億36百万円増加し、186億77百万円となりました。主な要因は、減損損失が142億65百万円増加したことによるものです。
この結果、税金等調整前当期純利益又は当期純損失は前年同期間の195億94百万円の利益に対し、181億13百万円の損失となりました。親会社株主に帰属する当期純利益又は当期純損失は前年同期間の132億70百万円の利益に対し、169億17百万円の損失となり、1株当たり当期純利益又は当期純損失は前年同期間の50円50銭の利益に対し、64円32銭の損失となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容及び資本の財源及び資金の流動性に関する情報
① 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に新規出店及び既存店舗の改装といった設備投資、情報システム投資によるものであります。
これらの運転資金や投資資金は、自己資金により充当することを基本方針としておりますが、必要に応じて資金調達を行ってまいります。
② キャッシュ・フローの分析
当社グループの資金の状況につきましては、「 経営成績等の状況の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。