訂正有価証券報告書-第40期(2018/03/01-2019/02/28)

【提出】
2025/02/07 15:36
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117項目
経営成績等の状況の概要
(1)財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、夏場に発生いたしました自然災害の影響や米中貿易摩擦の激化の影響を受け、輸出や個人消費の伸びが抑えられたものの、景気は拡大基調を維持しています。
世界経済に目を向けると、米国は財政支出の拡大が景気を押し上げたほか、減税効果もあって個人消費や設備投資が拡大いたしました。欧州は前年と比較すると成長率は低下いたしました。また、中国はデレバレッジ政策や米中貿易摩擦の影響で減速傾向が続いています。
このような状況の中、当社グループ(当社、連結子会社、関連会社)は、「『感じ良いくらし』を実現する企業」として、「素材の選択」「工程の点検」「包装の簡略化」の3つの視点を基本に、生産者や生活者にとって役に立つ商品・サービスの開発、およびそれらを世界中の人々に提案するための店舗数の拡大に努めてまいりました。
当連結会計年度における当社グループの業績については、下記のとおりであります。
営業収益 4,096億97百万円(前年同期比 7.9%増)
売上高 4,088億48百万円(前年同期比 7.9%増)
営業利益 447億43百万円(前年同期比 1.2%減)
経常利益 458億61百万円(前年同期比 0.3%減)
親会社株主に帰属する当期純利益 338億45百万円(前年同期比 12.4%増)
(当連結会計年度におけるセグメント別の概況)
当連結会計年度における当社グループのセグメント別業績は、次のとおりであります。
① 国内事業
国内事業の当連結会計年度の営業収益は2,462億69百万円(前年同期比4.9%増)、セグメント利益は250億84百万
円(前年同期比12.1%減)となりました。
国内事業のうち、直営店の売上高は前期に比べ7.2%増加、またネットストアの売上高が10.1%の増加となり、引き続き堅調に推移しています。
衣服・雑貨ではほぼ全てのカテゴリーにおいて好調に推移しました。特にSNSで話題となった「肩の負担を軽くするリュックサック」シリーズの販売が好調でした。
生活雑貨では収納用品である「やわらかポリエチレン」シリーズやスキンケア用品の「敏感肌シリーズ」が好調に推移しましたが、大型家具については前期を下回りました。
食品では「バターチキンカレー」などのレトルトカレーや、新規に発売した「発酵ぬかどこ」も好調に推移しました。また、新カテゴリーの冷凍食品も限定店舗とネットストアのみの展開ながら、計画を上回る販売となりました。
営業利益は、戦略的に店舗スタッフを増員し、将来への投資を行ったこと等により、減益となりました。
② 東アジア事業
東アジア事業の当連結会計年度の営業収益は1,223億40百万円(前年同期比11.4%増)、セグメント利益は198億
14百万円(前年同期比17.5%増)となりました。
中国では引き続き積極的な出店を行い、当連結会計年度末においては店舗数が256店舗になりました。特に南京等に旗艦店を開店し、大型店の出店を積極的に行いました。衣服・雑貨では紳士服が好調でした。生活雑貨では、住空間アイテムが苦戦したものの、アロマ関連商材の販売は好調に推移しました。
香港や韓国においては、新規出店を行った店舗の売上が計画を上回り、売上・利益ともに伸長しました。特に衣服・雑貨が好調でした。
台湾においては、MUJI Passportアプリを使用した販売施策等により、お客様数が増加しました。また、衣服・雑貨の売上が好調に推移しました。
③ 欧米事業
欧米事業の当連結会計年度の営業収益は244億95百万円(前年同期比15.4%増)、セグメント損失は11億52百万円
(前年同期に比べ2億53百万円の損失増加)となりました。
欧州では衣服・雑貨を中心に売上が好調に推移しました。特にドイツでは既存店を中心に売上が伸長しました。またフランスにおいては、前期に不採算店舗を閉鎖したことにより、販管費が減少しました。これらをはじめとする売上の増加や販管費の削減等により、欧州ではセグメント利益で黒字化を達成することができました。
一方、米国においては、積極的に新規出店を行ったことにより投資費用が増加し、苦戦が続いています。
④ 西南アジア・オセアニア事業
西南アジア・オセアニア事業の当連結会計年度の営業収益は165億89百万円(前年同期20.8%増)、セグメント利
益は5億13百万円(前年同期比299.9%増)となりました。
シンガポールやタイにおいては、衣服・雑貨を中心に売上が好調に推移しました。オーストラリアでは、既存店が好調であったことに加え、2店舗の新規出店も行い、売上が伸長しました。またマレーシアにおいては、衣服・雑貨と生活雑貨ともに売上が好調でした。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動および新規出
店等による投資活動、並びに財務活動を行った結果、当連結会計年度末の資金残高は、前連結会計年度末に比べ
64億27百万円増加し537億56百万円となりました。
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
営業活動で得られた資金は、236億80百万円(前年同期は469億82百万円の収入)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益538億83百万円、投資有価証券売却益86億34百万円、たな卸資産の増加165億9百万円および法人税等の支払180億49百万円によるものであります。
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
投資活動の結果使用した資金は、54億92百万円(前年同期は142億90百万円の支出)となりました。
これは主に、店舗等の有形固定資産の取得による支出130億55百万円、店舗出店による敷金等の支出14億18百
万円、ソフトウエア投資等の無形固定資産の取得による支出54億38百万円および投資有価証券の売却による収入123億57百万円によるものであります。
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
財務活動の結果使用した資金は、95億5百万円(前年同期は217億59百万円の支出)となりました。
これは主に、配当金の支払98億54百万円、長期借入金の返済による支出6億31百万円によるものでありま
す。
生産、受注及び販売の実績
(1)販売実績
当連結会計年度における販売実績(営業収益)をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称営業収益(百万円)前期比(%)
国内事業246,269104.9
東アジア事業中国75,020111.7
台湾16,962104.1
香港16,503106.8
韓国13,853127.2
小計122,340111.4
欧米事業アメリカ合衆国8,480122.1
イギリス3,915103.0
カナダ3,626159.1
フランス2,62994.7
ドイツ2,149105.7
イタリア1,912104.2
スペイン1,122113.5
ポルトガル292108.4
スウェーデン123-
その他24282.7
小計24,495115.4
西南アジア・オセアニア事業シンガポール5,431108.3
タイ3,447121.5
オーストラリア2,965128.6
マレーシア1,774114.0
インド490108.5
その他2,479158.5
小計16,589120.8
セグメント計409,695107.9
その他2179.7
合計409,697107.9

(注)1.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、グローバル調達事業であります。
2.上記の金額には、消費税及び地方消費税は含まれておりません。
3.営業収益の商品別の構成は次のとおりであります。
商品別営業収益(百万円)前期比(%)
衣服・雑貨161,594112.2
生活雑貨207,691104.7
食品27,105113.2
その他13,306101.3
合計409,697107.9

(注)上記の金額には、消費税及び地方消費税は含まれておりません。
経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、一定の会計基準の範囲内にて合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
① 売上高及び営業総利益
当連結会計年度の売上高につきましては、前連結会計年度に比べて、300億46百万円増(前期比7.9%増)の4,088億48百万円となりました。セグメント別売上高の詳細については、「1 業績等の概要 (1)業績」に記載しております。
売上高が増加した主な要因は、国内外における無印良品店舗の増加及びネットストアの伸長等によるものです。
また、営業総利益は、前連結会計年度に比べて195億61百万円増加し2,113億80百万円となりました。売上高に対する比率は51.7%となり、前連結会計年度より1.1ポイント増加いたしました。
② 販売費及び一般管理費及び営業利益
当連結会計年度の販売費及び一般管理費につきましては、前連結会計年度に比べて201億3百万円増(前期比13.7%増)の1,666億36百万円となりました。売上高に対する比率は40.8%となり、前連結会計年度より2.1ポイント増加いたしました。
この結果、営業利益は前連結会計年度に比べて5億42百万円減少し、447億43百万円となりました。売上高に対する比率は10.9%となり、前連結会計年度より1.0ポイント減少いたしました。
③ 営業外損益及び経常利益
当連結会計年度の営業外収益につきましては、前連結会計年度に比べて4億95百万円増加し、19億57百万円となりました。受取利息が前連結会計年度に比べて2億5百万円増加したことが主な要因です。また、営業外費用につきましては、77百万円増加し8億40百万円となりました。
この結果、経常利益は前連結会計年度に比べて1億24百万円減少し、458億61百万円となりました。売上高に対する比率は11.2%となり、0.9ポイント減少いたしました。
④ 特別損益及び親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の特別利益につきましては、前連結会計年度に比べて86億18百万円増加し、86億35百万円となりました。主な要因は、当連結会計年度に投資有価証券売却益を86億34百万円計上したことによるものです。また、特別損失につきましては、2億25百万円減少し、6億12百万円となりました。
この結果、税金等調整前当期純利益は前連結会計年度に比べて87億20百万円増加し、538億83百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べて37億32百万円増加し、338億45百万円となり、1株当たり当期純利益は前連結会計年度1,146円96銭から1,289円17銭に増加いたしました。
(3)資本の財源及び資金の流動性についての分析
① 資産、負債及び資本の分析
当連結会計年度末における当社グループの総資産は2,600億75百万円となり、前連結会計年度末に比べ217億62百万円増加いたしました。これは主に、現金及び預金の増加45億68百万円、未収入金の増加14億52百万円、商品の増加137億16百万円、直営店の出店及び改装による有形固定資産の増加49億41百万円および投資有価証券の減少81億3百万円によるものです。
負債は648億86百万円と9億円99百万円増加いたしました。これは主に、買掛金の増加5億51百万円、短期借入金の増加3億47百万円、1年内返済予定の長期借入金の増加3億97百万円、長期借入金の減少10億56百万円、未払法人税等の増加20億39百万円、未払金の増加21億11百万円および繰延税金負債の減少5億24百万円によるものです。
純資産は1,951億89百万円と207億62百万円増加いたしました。これは主に、利益剰余金の増加239億88百万円および自己株式の減少5億54百万円によるものです。
② キャッシュ・フローの分析
当社グループの資金の状況につきましては、「1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。