有価証券報告書-第48期(令和1年9月1日-令和2年8月31日)

【提出】
2020/11/26 14:08
【資料】
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【項目】
145項目
(1)経営成績等の状況の概要
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、各国の経済政策や中央銀行における金融緩和により、世界経済の減速懸念が後退しておりましたが、英国のEU離脱問題や不安定な中東情勢に加え、新型コロナウイルス感染症の拡大により、景気の先行きはより一層不透明な状況となっております。
外食産業におきましては、人件費の高騰による労務費の上昇、台風等の自然災害リスクに加え、新型コロナウイルス感染症が拡大することで外食が敬遠されるなど、依然として厳しい状況が続いております。特に東京都の外出自粛要請は大きな影響を与えることとなりました。
このような状況のもと、当社グループといたしましては、「毎日の暮らしを食で豊かにしたい」という想いのもと、2019年10月の消費増税後も主力商品のミラノ風ドリアを始め、ほぼ全てのメニューにおいて税込み価格を据え置き、実質2%の値下げをいたしました。商品対策として、アロスティチーニの販売により肉料理を充実させ、ディナータイムの強化をいたしました。既存店対策として、店舗改装を積極的に推進し、お客様に安心して御食事頂ける環境作りに取り組んでまいりました。
新型コロナウイルス感染症に伴う新しい生活様式への対応として、税込価格の末尾は00円または50円に統一いたしました。端数がない価格設定で1円、5円、10円硬貨の使用を減らすことで接触機会の削減に取り組んでおります。また、導入が遅れていたキャッシュレス決済を、8月より順次展開しております。
これらの取り組みの結果、当連結会計年度の売上高は、1,268億42百万円(前期比19.0%減)、営業損失は38億15百万円(前期は95億99百万円の営業利益)、経常損失は20億91百万円(前期は97億31百万円の経常利益)、親会社株主に帰属する当期純損失は34億50百万円(前期は49億80百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
「日本」は、4月7日の「緊急事態宣言」を受けて、約300店の臨時休業および営業時間を短縮した影響、ソーシャルディスタンス確保のために客席数を減少させた影響などにより、売上高は952億84百万円(前期比19.9%減)、営業損失は56億23百万円(前期は51億16百万円の営業利益)となりました。
「豪州」は、当社で使用する食材の製造等を行っており、売上高は39億87百万円(前期比7.5%減)、営業利益は20百万円(前期比74.1%減)となりました。
「アジア」は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて、上海、広州、北京にて大半の店舗が一時休業をしたことなどにより、売上高は314億8百万円(前期比16.0%減)、営業利益は17億55百万円(前期比59.9%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
前連結会計年度当連結会計年度増減額
営業活動によるキャッシュ・フロー(百万円)14,705525△14,180
投資活動によるキャッシュ・フロー(百万円)△6,016△5,91799
財務活動によるキャッシュ・フロー(百万円)△1,8534,2446,098
現金及び現金同等物の期末残高(百万円)43,18942,320△869

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、423億20百万円(前期比8億69百万円減少)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、5億25百万円(前期比141億80百万円の減少)となりました。これは、主に税金等調整前当期純損失45億30百万円、減価償却費98億88百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、59億17百万円(前期比99百万円の減少)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出56億76百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、42億44百万円(前期比60億98百万円の増加)となりました。これは、主に短期借入れによる収入100億円、リース債務の返済による支出39億2百万円、自己株式の取得による支出10億円等によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2019年9月1日 至 2020年8月31日)
前年同期比(%)
日本(百万円)10,30879.2
豪州(百万円)3,84895.7
アジア(百万円)
合計(百万円)14,15683.1

(注) 1.金額は製造原価によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b 受注実績
当社グループは見込生産を行っているため、該当事項はありません。
c 仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2019年9月1日 至 2020年8月31日)
前年同期比(%)
日本(百万円)22,72191.0
豪州(百万円)
アジア(百万円)5,48781.8
合計(百万円)28,20989.0

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
d 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2019年9月1日 至 2020年8月31日)
前年同期比(%)
日本(百万円)95,28480.1
豪州(百万円)149103.4
アジア(百万円)31,40884.0
合計(百万円)126,84281.0

(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
下記の文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2020年8月31日)現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、将来事象の結果に依存するため確定できない金額について、仮定の適切性、情報の適切性及び金額の妥当性に留意した上で会計上の見積りを行っております。実際の結果は、将来事象の結果に特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。
なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響に関する会計上の見積もりについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、労務費の上昇、自然災害リスクや新型コロナウイルス感染症の拡大による売上低下が利益を圧迫しており、依然として厳しい状況が続いておりますが、積極的な既存店改装や新型コロナウイルス感染症対策の推進など、お客様が安心安全に御食事頂ける環境作りに注力した結果、売上高は1,268億42百万円(前期比19.0%減)、経常損失は20億91百万円(前期は97億31百万円の経常利益)、親会社株主に帰属する当期純損失は34億50百万円(前期は49億80百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループを取り巻く環境は非常に競争が厳しく、同業他社の店舗数増加によるオーバーストアの状態に加えて、コンビニ等の中食マーケットとの競合も激しさを増しており、当社のドミナント化を図っている地域にも多大な影響が出ております。
④ 戦略的現状と見通し
当社グループといたしましては、これらの状況を踏まえて、豊かさのある食事をモットーとして、食の安全性や店舗レベルの向上を掲げて、より一層メニュー開発に尽力してまいります。また、中国への進出やファスト・カジュアル店舗の拡大等、グループ企業として、事業拡大に伴う業績、業態ごとの目的を確立することが最大の課題といえます。
今後の出店地域については駅前やショッピングセンターとしており、駐車場を自社で持たない多店舗展開を考えて、新業態共々出店攻勢を掛けてまいります。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。