有価証券報告書-第12期(平成30年3月1日-平成31年2月28日)
(1)財政状態及び経営成績の状況
① 当期の経営成績
当連結会計年度の日本経済は、国内企業収益の堅調な動きを背景に設備投資の増加や雇用情勢の改善などにより緩やかな回復基調で推移しましたものの、年度後半は海外経済の不確実性の高まりから景気減速懸念が強まり、企業収益の改善に足踏みが見られるなど安定感を欠く状況となりました。個人消費については、雇用・所得環境の改善が続くとともに、高額品消費が堅調に推移するなど明るい材料が見られましたものの、社会保障費負担の増加に伴う先行き不安や天候不順、大規模な自然災害による影響も加わり一進一退の状況となりました。
このような状況の中、当社グループは「2017~2021年度 中期経営計画」の2年目の取り組みとして、グループビジョン “くらしの「あたらしい幸せ」を発明する。” の実現を目指し、事業ポートフォリオの変革に向け、①事業領域の拡大を目指す「マルチサービスリテイラー戦略」、②店舗を核に、地域とともに成長を目指す「アーバンドミナント戦略」、③あらゆるものがネットにつながる「IoT時代に向けたICT戦略」、④百貨店・パルコをはじめとする既存事業の革新、⑤ESG視点によるCSRの再構築、⑥成長を支える経営基盤強化に取り組みました。
①「マルチサービスリテイラー戦略」では、事業領域の拡大への取り組みとして、高質な幼児保育サービスを提供する認可外保育園の開園準備を進めたほか、経営効率の高い重点3事業(クレジット金融事業、人材派遣事業、建装事業)においては、新たな経営体制のもと中期経営計画達成に向けた新プランを策定するとともに、攻めと守りの両面から戦略を着実に推進するための人材・組織基盤強化に取り組みました。
②「アーバンドミナント戦略」では、各エリア戦略に基づく基幹店舗の周辺開発に加え、地域と連携したイベントの実施など街の魅力度向上に努めるとともに、当社グループが持つ都市部の好立地の強みを活かし不動産賃貸事業の拡大をはかりました。あわせてGINZA SIX(ギンザ シックス)、上野フロンティアタワーに続く大型再開発計画の成功に向け、2019年秋に開業予定の大丸心斎橋店新本館、新生渋谷パルコの再開発を着実に推進しました。
③「IoT時代に向けたICT戦略」では、お客様との生涯にわたる関係を強固なものとし、新たな商品やサービスの提供を通じて、お客様のライフタイム・バリューの最大化を目指す「ライフタイム・サービスハブ構想」の確立に向け、グループ各社の顧客データをグループ共通資産として統合的に活用していくための顧客データベースの構築に着手いたしました。あわせて、セキュリティ強化を主軸としたグループ各社のITインフラ整備に継続して取り組むなど、攻めと守りの両面からICT戦略を推進しました。
④中核事業である百貨店事業・パルコ事業の革新に向けた取り組みでは、百貨店事業における新編集売場の開発に加え、インバウンド需要や富裕層マーケットに対応する商品・サービスの拡充など収益力向上に取り組むとともに、新たな百貨店ビジネスモデルの具現化に向け大丸心斎橋店新本館の開発を推進しました。また、パルコ事業ではコト消費・サービスなど時代変化に対応した新たなテナントの導入や、スマートフォン・アプリ「POCKET PARCO」を起点としたお客様とのコミュニケーション向上をはかるとともに、新生渋谷パルコ、錦糸町パルコなどの開発案件に継続して取り組みました。
⑤持続可能な社会の実現に向けたESGの取り組み(「環境(Environment)、社会(Society)、ガバナンス(Governance)」)では、当社グループとして企業活動における最上位概念と位置づけ、ESGの全体方針となる「サステナビリティ方針」の策定とともに、「低炭素社会への貢献」をはじめとする「持続可能な社会の実現」に向け5つの重要課題を特定し、中長期の目標達成に向けた行動計画の立案など全社的な取り組みをスタートさせました。
⑥経営基盤の強化に向けた取り組みでは、財務政策においては、資本効率の高い経営体質の構築に向け、百貨店基幹店舗における店舗B/Sによる経営管理に継続して取り組むとともに、新たに各事業会社の資本適正化の計画を推進しました。また、フリーキャッシュ・フローの増大をはかるため、投資・撤退基準にもとづく事業運営による投資効率の向上と収益改善に努めました。加えて、適正な資産評価による効率経営の実践を目指し、国際会計基準(IFRS)にもとづく新リース会計基準への対応を進めました。
経営効率向上を目指すグループ業務システム革新においては、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の適用拡大による営業・後方部門の業務自動化を推進したほか、情報セキュリティの強化、生産性向上に向けたビジネスツールの導入などオフィス環境のインフラ整備に取り組みました。
グループ組織人事改革においては、非連続な成長の実現に向け人事政策の基軸を新たな価値を生み出す“人財力”に転換し、その推進をグループとして一層強化するため、5月に人財戦略統括部を新設いたしました。加えて、中期経営計画の目標達成に向け、新たな事業領域をリードできる専門人材の獲得をはじめ、一人ひとりの能力、適性、意志・意欲に応じたグループレベルでの最適配置、発明体質への転換にむけた組織風土の醸成などに継続して取り組みました。コンプライアンス・マネジメントの取り組みにおいては、法令違反事案等の再発防止に向けマニュアルの整備や研修の実施などコンプライアンス体制の強化とともに、定期的かつリアルタイムな活動報告にもとづく改善策の実行など運用面の強化、徹底に努めました。
以上のような諸施策に取り組みました結果、当期の連結業績は、売上収益については百貨店事業、不動産事業、クレジット金融事業が増収となりましたものの、前年の連結子会社売却による減収影響のほか、卸売事業、建装事業の不振もあり、2.1%減の4,598億40百万円となりました。営業利益については、不動産事業が増益となりましたものの、百貨店事業におけるPOSレジ更新費用をはじめとする販売費及び一般管理費の増加や、パルコ事業における地方店舗の営業終了決定に伴う損失計上のほか、前年の固定資産売却益や連結子会社の株式売却益計上による反動減も加わったことから、17.5%減の408億91百万円と減収減益となり、税引前利益は12.7%減の421億26百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は4.0%減の273億58百万円となりました。また、親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE)は6.8%(対前年0.7pt減)、親会社所有者帰属持分比率は40.1%(同1.4pt増)となりました。
なお期末配当金につきましては、1株あたり18円とさせていただきました。この結果、中間配当金17円と合わせた年間配当金は1株につき35円となり、前期に実施いたしました記念配当(中間・期末各1円)を除いた普通配当では8年連続の増配となりました。
セグメント業績
<百貨店事業>店舗戦略の基軸を集客力の強化、顧客基盤の拡大と位置づけ、店舗の提供価値向上と収益力向上に取り組みました。集客力の強化への取り組みでは、大丸札幌店・婦人服フロアにおいて、「コスメ」「フーズ」「グッズ」からなる新編集売場として「KiKiYOCOCHO(キキヨコチョ)」をオープンさせました。また、「アーバンドミナント戦略」のもと、重点エリアを中心とする店舗周辺の開発とあわせ、地域や行政などと連携したイベントの開催など各店舗が立地するエリアの魅力度向上、賑わいの創出に取り組みました。
顧客基盤拡大の取り組みでは、ID顧客の拡大に向け、大丸東京店にモバイルアプリを先行導入するとともに、顧客との関係強化をはかる新顧客戦略の基盤づくりを進めました。また、拡大する富裕層マーケットに対応するため新規口座開拓に継続して取り組むとともに、新たな外商ビジネスモデルの構築に向け、ICTを活用した業務支援システムの整備・構築を推進いたしました。また、訪日外国人客の増加に着実に対応するため、基幹店舗における化粧品売場の拡大やSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を活用した情報配信による集客力の強化、モバイル決済対応売場の拡大に取り組みました。
なお、大丸山科店については昨今の経済環境の変化と競合激化が進む中、業績の改善を見通すことは困難であるとの判断から、2019年3月31日をもって営業を終了いたしました。
以上のような諸施策に取り組みましたものの、店舗所在エリアにおいて度重なる自然災害等の発生により営業時間の短縮や臨時休業を余儀なくされたほか、衣料品販売の苦戦などもありましたことから、売上収益は0.4%増の2,754億41百万円の微増収にとどまりました。営業利益につきましては、前年の固定資産売却益の反動減に加え、大丸心斎橋店再開発に伴う減価償却費のほか、POSレジの更新、空調・昇降機など店舗設備に関する安全安心投資に加え、将来の成長に向けた先行投資に伴う販売費及び一般管理費の増加により、9.2%減の241億94百万円となりました。
<パルコ事業>パルコのストアブランド強化に向け、店舗事業において食品や飲食、ヘルス&ビューティ、コト消費関連など成長分野の強化に向けた改装に加え、新たなショップやブランドの発掘と育成を目的としたスペース「UP NEXT(アップ・ネクスト)」の導入を推進いたしました。お客様とのさらなる関係性強化では、スマートフォン・アプリ「POCKET PARCO」の機能拡充などによるCRM戦略を推進いたしました。また、新たな商業施設モデルの具現化に向け、原宿ゼロゲート・三宮ゼロゲートを開業させるとともに、錦糸町パルコ、新生渋谷パルコ、サンエー浦添西海岸 PARCO CITY、大丸心斎橋店北館出店などの開発案件に継続して取り組みました。
なお、店舗を取り巻く商業環境の変化などを勘案した結果、宇都宮パルコについては2019年5月31日をもって、また熊本パルコについては、建物の老朽化と商業環境の変化などを勘案した結果、建物賃貸借契約の満了にあわせ2020年2月29日をもって営業を終了することを決定いたしました。
以上のような諸施策に取り組みましたものの、専門店事業において不採算店舗の閉鎖を進めたことや、衣料品販売、地方・郊外店の苦戦などもあり、売上収益は1.8%減の899億69百万円となりました。営業利益につきましては、売上収益減に伴う売上総利益の減少に加え、上記2店舗の営業終了決定に伴う損失などを計上しましたことから、53.7%減の54億45百万円となりました。
<不動産事業>上野、名古屋、京都、心斎橋、神戸など重点エリアを中心に、賃貸床面積拡大を通じた不動産賃貸事業の強化に取り組みました。大型再開発案件として2017年度に開業したGINZA SIX(ギンザ シックス)や上野フロンティアタワーが順調に推移し、年度を通じて業績向上に寄与したほか、大丸京都店・大丸神戸店の周辺開発に取り組みました。また、名古屋栄エリアの魅力化に貢献すべく日本生命栄町ビル(仮称)の商業開発に加え、錦三丁目25番街区の開発に名古屋市と共同で推進していくことを決定するなど資産の有効活用、事業拡大への取り組みを着実に推進しました。
以上のような諸施策に取り組みました結果、売上収益は26.6%増の169億95百万円、営業利益は前年の固定資産売却益計上による反動減がありましたものの、12.9%増の46億64百万円となりました。
<クレジット金融事業>カード会員の新規獲得を積極的に進めるとともに、カード利用率、取扱高の向上に取り組みました。これらの結果、加盟店手数料収入、割賦販売利息収入等が増加し、売上収益は3.9%増の105億73百万円となりました。しかしながら、営業利益については発行済みカードの更新費用や支払い手数料増加に加え、決済・金融サービスを機軸とする中長期の成長実現に向けた体制強化、専門人材の採用などの先行投資による経費が増加しましたことから、13.9%減の23億60百万円となりました。
<その他>人材派遣事業のディンプルは、グループ外企業の受託契約増加に伴う売上及び売上総利益の増加により増収増益となり、建装事業のJ.フロント建装は、前年の大型物件計上の反動減による影響などから減収となりましたものの、利益管理の徹底により増益となりました。しかしながら、卸売事業の大丸興業は主力の電子デバイス部門の苦戦により大幅な減収減益となりましたことから、その他の売上収益は11.5%減の1,042億50百万円、営業利益は26.1%減の35億7百万円となりました。
②財政状態
当連結会計年度末の資産合計は1兆295億73百万円となり、前連結会計年度末に比べ72億25百万円増加いたしました。一方、負債合計は5,610億87百万円となり、前連結会計年度末に比べ103億73百万円減少いたしました。なお、有利子負債残高は1,743億78百万円となり、前連結会計年度末に比べ98億24百万円減少いたしました。
資本合計は、4,684億85百万円となり、前連結会計年度末に比べ175億98百万円増加いたしました。
③キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における「現金及び現金同等物」の残高は、前連結会計年度末に比べ132億24百万円減の256億59百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
「営業活動によるキャッシュ・フロー」は348億70百万円の収入となりました。前連結会計年度との比較では、棚卸資産や営業債権及びその他の債権の増加などにより222億9百万円の収入減となりました。
「投資活動によるキャッシュ・フロー」は268億36百万円の支出となりました。前連結会計年度との比較では、有形固定資産の取得による支出の増加などにより78億6百万円の支出増となりました。
「財務活動によるキャッシュ・フロー」は212億74百万円の支出となりました。前連結会計年度との比較では、長期借入金の返済による支出の減少などにより97億74百万円の支出減となりました。
④生産、受注及び販売の実績
1)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
2 上記以外のセグメントについては該当事項はありません。
2)受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
2 上記以外のセグメントについては該当事項はありません。
3)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 セグメント間の取引については、「調整額」欄で調整しております。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績の状況に関する分析・検討内容
当社グループに関する財政状態及び経営成績の分析・検討内容は、原則として連結財務諸表に基づいて分析した内容であります。
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、国際会計基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績や現状を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)経営成績等
a)売上収益
売上収益は、百貨店事業、不動産事業、クレジット金融事業が増収となりましたものの、前年の連結子会社売却による減収影響のほか、卸売事業、建装事業の不振もあり、前連結会計年度に比べ100億75百万円減の4,598億40百万円となりました。
b)営業利益
営業利益は、前連結会計年度に比べ86億55百万円減の408億91百万円となりました。
c)税引前利益
税引前利益は、前連結会計年度に比べ61億45百万円減の421億26百万円となりました。
d)親会社の所有者に帰属する当期利益
親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度に比べ11億28百万円減の273億58百万円となりました。
e)キャッシュ・フロー
当社グループは、事業活動のための適切な資金確保、流動性の維持並びに健全な財政状況を目指し、安定的な営業キャッシュ・フローの創出、幅広い資金調達手段の確保に努めております。
また、当社グループの成長を維持するために将来必要な運転資金及び設備投資、投融資資金は、主に手許資金と営業活動によるキャッシュ・フローに加え、社債の発行及び金融機関からの借入などにより調達しております。
「営業活動によるキャッシュ・フロー」は348億70百万円の収入となりました。一方、「投資活動によるキャッシュ・フロー」は268億36百万円の支出、「財務活動によるキャッシュ・フロー」は212億74百万円の支出となりました。
この結果、当連結会計年度末における「現金及び現金同等物」は、前連結会計年度末に比べ132億24百万円減の256億59百万円となりました。
今後も、利益水準やキャッシュ・フローの動向等を考慮し、適切な利益配分や設備投資を行っていく予定であります。
f)財政状態
当連結会計年度の資産合計は1兆295億73百万円となり、大丸心斎橋店本館や渋谷パルコ再開発に係る建設仮勘定の増加などにより前連結会計年度末に比べ72億25百万円増加いたしました。一方、負債合計は5,610億87百万円となり、前連結会計年度末に比べ103億73百万円減少いたしました。なお、有利子負債残高は1,743億78百万円となり、前連結会計年度末に比べ98億24百万円減少いたしました。
資本合計は4,684億85百万円となり、前連結会計年度末に比べ175億98百万円増加いたしました。
これらの結果、資産合計営業利益率(ROA)は、4.0%、親会社所有者帰属持分比率は、40.1%となりました。
(資本の財源及び資金の流動性)
当社グループは、事業活動に必要となる資金は、自ら創出した資金でまかなうことを基本方針としております。その上で、事業投資等で必要資金が生じる場合には、財務の健全性維持を勘案し、主として社債の発行及び金融機関からの借入などにより資金調達を行っております。
グループ子会社については、原則として金融機関からの資金調達を行わず、キャッシュマネジメントシステムを利用したグループ内ファイナンスにより、資金調達の一元化と資金効率化を推進しております。
また、適切な現預金残高を維持することに加え、一時的な資金不足に備え、主要取引銀行とのコミットメントライン契約及び当座借越契約、並びにコマーシャル・ペーパー発行枠を確保することにより、充分な流動性を確保しております。
なお、資金調達に係るリスクについては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しております。
2)経営目標の達成状況
「2017~2021年度 中期経営計画」最終年度である2021年度において目標として掲げております経営数値目標の達成状況は以下のとおりです。
引き続き「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の成長戦略に取り組み、経営目標の達成に努めてまいります。
経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下「日本基準」という。)により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりであります。
(表示組替)
日本基準では、営業外収益、営業外費用、特別利益及び特別損失に表示していた項目を、IFRSでは金融収益又は金融費用、その他の営業収益及びその他の営業収費用等に表示しております。
(売上収益の純額表示に関する事項)
当社グループにおいては、取引の当事者として提供される財又はサービス自体の付加価値を高める機能を有し、取引に係る重要なリスクを負担している取引以外の取引について、日本基準では、売上高を計上し関連する売上原価を総額で認識しておりますが、IFRSでは、対象となる取引が他社の代理人であると判断されるため、売上収益を純額で認識しております。
この影響により、当連結会計年度にて、IFRSでは日本基準に比べて、売上収益が665,313百万円減少しております。
① 当期の経営成績
当連結会計年度の日本経済は、国内企業収益の堅調な動きを背景に設備投資の増加や雇用情勢の改善などにより緩やかな回復基調で推移しましたものの、年度後半は海外経済の不確実性の高まりから景気減速懸念が強まり、企業収益の改善に足踏みが見られるなど安定感を欠く状況となりました。個人消費については、雇用・所得環境の改善が続くとともに、高額品消費が堅調に推移するなど明るい材料が見られましたものの、社会保障費負担の増加に伴う先行き不安や天候不順、大規模な自然災害による影響も加わり一進一退の状況となりました。
このような状況の中、当社グループは「2017~2021年度 中期経営計画」の2年目の取り組みとして、グループビジョン “くらしの「あたらしい幸せ」を発明する。” の実現を目指し、事業ポートフォリオの変革に向け、①事業領域の拡大を目指す「マルチサービスリテイラー戦略」、②店舗を核に、地域とともに成長を目指す「アーバンドミナント戦略」、③あらゆるものがネットにつながる「IoT時代に向けたICT戦略」、④百貨店・パルコをはじめとする既存事業の革新、⑤ESG視点によるCSRの再構築、⑥成長を支える経営基盤強化に取り組みました。
①「マルチサービスリテイラー戦略」では、事業領域の拡大への取り組みとして、高質な幼児保育サービスを提供する認可外保育園の開園準備を進めたほか、経営効率の高い重点3事業(クレジット金融事業、人材派遣事業、建装事業)においては、新たな経営体制のもと中期経営計画達成に向けた新プランを策定するとともに、攻めと守りの両面から戦略を着実に推進するための人材・組織基盤強化に取り組みました。
②「アーバンドミナント戦略」では、各エリア戦略に基づく基幹店舗の周辺開発に加え、地域と連携したイベントの実施など街の魅力度向上に努めるとともに、当社グループが持つ都市部の好立地の強みを活かし不動産賃貸事業の拡大をはかりました。あわせてGINZA SIX(ギンザ シックス)、上野フロンティアタワーに続く大型再開発計画の成功に向け、2019年秋に開業予定の大丸心斎橋店新本館、新生渋谷パルコの再開発を着実に推進しました。
③「IoT時代に向けたICT戦略」では、お客様との生涯にわたる関係を強固なものとし、新たな商品やサービスの提供を通じて、お客様のライフタイム・バリューの最大化を目指す「ライフタイム・サービスハブ構想」の確立に向け、グループ各社の顧客データをグループ共通資産として統合的に活用していくための顧客データベースの構築に着手いたしました。あわせて、セキュリティ強化を主軸としたグループ各社のITインフラ整備に継続して取り組むなど、攻めと守りの両面からICT戦略を推進しました。
④中核事業である百貨店事業・パルコ事業の革新に向けた取り組みでは、百貨店事業における新編集売場の開発に加え、インバウンド需要や富裕層マーケットに対応する商品・サービスの拡充など収益力向上に取り組むとともに、新たな百貨店ビジネスモデルの具現化に向け大丸心斎橋店新本館の開発を推進しました。また、パルコ事業ではコト消費・サービスなど時代変化に対応した新たなテナントの導入や、スマートフォン・アプリ「POCKET PARCO」を起点としたお客様とのコミュニケーション向上をはかるとともに、新生渋谷パルコ、錦糸町パルコなどの開発案件に継続して取り組みました。
⑤持続可能な社会の実現に向けたESGの取り組み(「環境(Environment)、社会(Society)、ガバナンス(Governance)」)では、当社グループとして企業活動における最上位概念と位置づけ、ESGの全体方針となる「サステナビリティ方針」の策定とともに、「低炭素社会への貢献」をはじめとする「持続可能な社会の実現」に向け5つの重要課題を特定し、中長期の目標達成に向けた行動計画の立案など全社的な取り組みをスタートさせました。
⑥経営基盤の強化に向けた取り組みでは、財務政策においては、資本効率の高い経営体質の構築に向け、百貨店基幹店舗における店舗B/Sによる経営管理に継続して取り組むとともに、新たに各事業会社の資本適正化の計画を推進しました。また、フリーキャッシュ・フローの増大をはかるため、投資・撤退基準にもとづく事業運営による投資効率の向上と収益改善に努めました。加えて、適正な資産評価による効率経営の実践を目指し、国際会計基準(IFRS)にもとづく新リース会計基準への対応を進めました。
経営効率向上を目指すグループ業務システム革新においては、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の適用拡大による営業・後方部門の業務自動化を推進したほか、情報セキュリティの強化、生産性向上に向けたビジネスツールの導入などオフィス環境のインフラ整備に取り組みました。
グループ組織人事改革においては、非連続な成長の実現に向け人事政策の基軸を新たな価値を生み出す“人財力”に転換し、その推進をグループとして一層強化するため、5月に人財戦略統括部を新設いたしました。加えて、中期経営計画の目標達成に向け、新たな事業領域をリードできる専門人材の獲得をはじめ、一人ひとりの能力、適性、意志・意欲に応じたグループレベルでの最適配置、発明体質への転換にむけた組織風土の醸成などに継続して取り組みました。コンプライアンス・マネジメントの取り組みにおいては、法令違反事案等の再発防止に向けマニュアルの整備や研修の実施などコンプライアンス体制の強化とともに、定期的かつリアルタイムな活動報告にもとづく改善策の実行など運用面の強化、徹底に努めました。
以上のような諸施策に取り組みました結果、当期の連結業績は、売上収益については百貨店事業、不動産事業、クレジット金融事業が増収となりましたものの、前年の連結子会社売却による減収影響のほか、卸売事業、建装事業の不振もあり、2.1%減の4,598億40百万円となりました。営業利益については、不動産事業が増益となりましたものの、百貨店事業におけるPOSレジ更新費用をはじめとする販売費及び一般管理費の増加や、パルコ事業における地方店舗の営業終了決定に伴う損失計上のほか、前年の固定資産売却益や連結子会社の株式売却益計上による反動減も加わったことから、17.5%減の408億91百万円と減収減益となり、税引前利益は12.7%減の421億26百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は4.0%減の273億58百万円となりました。また、親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE)は6.8%(対前年0.7pt減)、親会社所有者帰属持分比率は40.1%(同1.4pt増)となりました。
なお期末配当金につきましては、1株あたり18円とさせていただきました。この結果、中間配当金17円と合わせた年間配当金は1株につき35円となり、前期に実施いたしました記念配当(中間・期末各1円)を除いた普通配当では8年連続の増配となりました。
セグメント業績
<百貨店事業>店舗戦略の基軸を集客力の強化、顧客基盤の拡大と位置づけ、店舗の提供価値向上と収益力向上に取り組みました。集客力の強化への取り組みでは、大丸札幌店・婦人服フロアにおいて、「コスメ」「フーズ」「グッズ」からなる新編集売場として「KiKiYOCOCHO(キキヨコチョ)」をオープンさせました。また、「アーバンドミナント戦略」のもと、重点エリアを中心とする店舗周辺の開発とあわせ、地域や行政などと連携したイベントの開催など各店舗が立地するエリアの魅力度向上、賑わいの創出に取り組みました。
顧客基盤拡大の取り組みでは、ID顧客の拡大に向け、大丸東京店にモバイルアプリを先行導入するとともに、顧客との関係強化をはかる新顧客戦略の基盤づくりを進めました。また、拡大する富裕層マーケットに対応するため新規口座開拓に継続して取り組むとともに、新たな外商ビジネスモデルの構築に向け、ICTを活用した業務支援システムの整備・構築を推進いたしました。また、訪日外国人客の増加に着実に対応するため、基幹店舗における化粧品売場の拡大やSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を活用した情報配信による集客力の強化、モバイル決済対応売場の拡大に取り組みました。
なお、大丸山科店については昨今の経済環境の変化と競合激化が進む中、業績の改善を見通すことは困難であるとの判断から、2019年3月31日をもって営業を終了いたしました。
以上のような諸施策に取り組みましたものの、店舗所在エリアにおいて度重なる自然災害等の発生により営業時間の短縮や臨時休業を余儀なくされたほか、衣料品販売の苦戦などもありましたことから、売上収益は0.4%増の2,754億41百万円の微増収にとどまりました。営業利益につきましては、前年の固定資産売却益の反動減に加え、大丸心斎橋店再開発に伴う減価償却費のほか、POSレジの更新、空調・昇降機など店舗設備に関する安全安心投資に加え、将来の成長に向けた先行投資に伴う販売費及び一般管理費の増加により、9.2%減の241億94百万円となりました。
<パルコ事業>パルコのストアブランド強化に向け、店舗事業において食品や飲食、ヘルス&ビューティ、コト消費関連など成長分野の強化に向けた改装に加え、新たなショップやブランドの発掘と育成を目的としたスペース「UP NEXT(アップ・ネクスト)」の導入を推進いたしました。お客様とのさらなる関係性強化では、スマートフォン・アプリ「POCKET PARCO」の機能拡充などによるCRM戦略を推進いたしました。また、新たな商業施設モデルの具現化に向け、原宿ゼロゲート・三宮ゼロゲートを開業させるとともに、錦糸町パルコ、新生渋谷パルコ、サンエー浦添西海岸 PARCO CITY、大丸心斎橋店北館出店などの開発案件に継続して取り組みました。
なお、店舗を取り巻く商業環境の変化などを勘案した結果、宇都宮パルコについては2019年5月31日をもって、また熊本パルコについては、建物の老朽化と商業環境の変化などを勘案した結果、建物賃貸借契約の満了にあわせ2020年2月29日をもって営業を終了することを決定いたしました。
以上のような諸施策に取り組みましたものの、専門店事業において不採算店舗の閉鎖を進めたことや、衣料品販売、地方・郊外店の苦戦などもあり、売上収益は1.8%減の899億69百万円となりました。営業利益につきましては、売上収益減に伴う売上総利益の減少に加え、上記2店舗の営業終了決定に伴う損失などを計上しましたことから、53.7%減の54億45百万円となりました。
<不動産事業>上野、名古屋、京都、心斎橋、神戸など重点エリアを中心に、賃貸床面積拡大を通じた不動産賃貸事業の強化に取り組みました。大型再開発案件として2017年度に開業したGINZA SIX(ギンザ シックス)や上野フロンティアタワーが順調に推移し、年度を通じて業績向上に寄与したほか、大丸京都店・大丸神戸店の周辺開発に取り組みました。また、名古屋栄エリアの魅力化に貢献すべく日本生命栄町ビル(仮称)の商業開発に加え、錦三丁目25番街区の開発に名古屋市と共同で推進していくことを決定するなど資産の有効活用、事業拡大への取り組みを着実に推進しました。
以上のような諸施策に取り組みました結果、売上収益は26.6%増の169億95百万円、営業利益は前年の固定資産売却益計上による反動減がありましたものの、12.9%増の46億64百万円となりました。
<クレジット金融事業>カード会員の新規獲得を積極的に進めるとともに、カード利用率、取扱高の向上に取り組みました。これらの結果、加盟店手数料収入、割賦販売利息収入等が増加し、売上収益は3.9%増の105億73百万円となりました。しかしながら、営業利益については発行済みカードの更新費用や支払い手数料増加に加え、決済・金融サービスを機軸とする中長期の成長実現に向けた体制強化、専門人材の採用などの先行投資による経費が増加しましたことから、13.9%減の23億60百万円となりました。
<その他>人材派遣事業のディンプルは、グループ外企業の受託契約増加に伴う売上及び売上総利益の増加により増収増益となり、建装事業のJ.フロント建装は、前年の大型物件計上の反動減による影響などから減収となりましたものの、利益管理の徹底により増益となりました。しかしながら、卸売事業の大丸興業は主力の電子デバイス部門の苦戦により大幅な減収減益となりましたことから、その他の売上収益は11.5%減の1,042億50百万円、営業利益は26.1%減の35億7百万円となりました。
②財政状態
当連結会計年度末の資産合計は1兆295億73百万円となり、前連結会計年度末に比べ72億25百万円増加いたしました。一方、負債合計は5,610億87百万円となり、前連結会計年度末に比べ103億73百万円減少いたしました。なお、有利子負債残高は1,743億78百万円となり、前連結会計年度末に比べ98億24百万円減少いたしました。
資本合計は、4,684億85百万円となり、前連結会計年度末に比べ175億98百万円増加いたしました。
③キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における「現金及び現金同等物」の残高は、前連結会計年度末に比べ132億24百万円減の256億59百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
「営業活動によるキャッシュ・フロー」は348億70百万円の収入となりました。前連結会計年度との比較では、棚卸資産や営業債権及びその他の債権の増加などにより222億9百万円の収入減となりました。
「投資活動によるキャッシュ・フロー」は268億36百万円の支出となりました。前連結会計年度との比較では、有形固定資産の取得による支出の増加などにより78億6百万円の支出増となりました。
「財務活動によるキャッシュ・フロー」は212億74百万円の支出となりました。前連結会計年度との比較では、長期借入金の返済による支出の減少などにより97億74百万円の支出減となりました。
④生産、受注及び販売の実績
1)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) |
| その他 | 722 | 96.3 |
(注)1 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
2 上記以外のセグメントについては該当事項はありません。
2)受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) |
| その他 | 36,285 | 104.2 |
(注)1 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
2 上記以外のセグメントについては該当事項はありません。
3)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 内訳 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 百貨店事業 | 大丸松坂屋百貨店 | 246,178 | 100.8 |
| 博多大丸 | 19,743 | 99.0 | |
| 下関大丸 | 4,680 | 94.9 | |
| 高知大丸 | 4,838 | 92.5 | |
| 計 | 275,441 | 100.4 | |
| パルコ事業 | ショッピングセンター事業 | 50,315 | 99.6 |
| 専門店事業 | 19,754 | 93.1 | |
| 総合空間事業 | 14,158 | 99.0 | |
| その他事業 | 5,741 | 102.4 | |
| 計 | 89,969 | 98.2 | |
| 不動産事業 | 不動産賃貸業・テナント業 | 16,995 | 126.6 |
| クレジット金融事業 | クレジットカードの発行及び運営等 | 10,573 | 103.9 |
| その他 | 卸売業 | 33,077 | 82.8 |
| 建装工事請負・家具製造販売業 | 28,178 | 90.6 | |
| 人材派遣業 | 22,741 | 101.4 | |
| その他 | 20,251 | 83.0 | |
| 計 | 104,250 | 88.5 | |
| 調整額 | △37,389 | - | |
| 合計 | 459,840 | 97.9 | |
(注)1 セグメント間の取引については、「調整額」欄で調整しております。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績の状況に関する分析・検討内容
当社グループに関する財政状態及び経営成績の分析・検討内容は、原則として連結財務諸表に基づいて分析した内容であります。
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、国際会計基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績や現状を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)経営成績等
a)売上収益
売上収益は、百貨店事業、不動産事業、クレジット金融事業が増収となりましたものの、前年の連結子会社売却による減収影響のほか、卸売事業、建装事業の不振もあり、前連結会計年度に比べ100億75百万円減の4,598億40百万円となりました。
b)営業利益
営業利益は、前連結会計年度に比べ86億55百万円減の408億91百万円となりました。
c)税引前利益
税引前利益は、前連結会計年度に比べ61億45百万円減の421億26百万円となりました。
d)親会社の所有者に帰属する当期利益
親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度に比べ11億28百万円減の273億58百万円となりました。
e)キャッシュ・フロー
当社グループは、事業活動のための適切な資金確保、流動性の維持並びに健全な財政状況を目指し、安定的な営業キャッシュ・フローの創出、幅広い資金調達手段の確保に努めております。
また、当社グループの成長を維持するために将来必要な運転資金及び設備投資、投融資資金は、主に手許資金と営業活動によるキャッシュ・フローに加え、社債の発行及び金融機関からの借入などにより調達しております。
「営業活動によるキャッシュ・フロー」は348億70百万円の収入となりました。一方、「投資活動によるキャッシュ・フロー」は268億36百万円の支出、「財務活動によるキャッシュ・フロー」は212億74百万円の支出となりました。
この結果、当連結会計年度末における「現金及び現金同等物」は、前連結会計年度末に比べ132億24百万円減の256億59百万円となりました。
今後も、利益水準やキャッシュ・フローの動向等を考慮し、適切な利益配分や設備投資を行っていく予定であります。
f)財政状態
当連結会計年度の資産合計は1兆295億73百万円となり、大丸心斎橋店本館や渋谷パルコ再開発に係る建設仮勘定の増加などにより前連結会計年度末に比べ72億25百万円増加いたしました。一方、負債合計は5,610億87百万円となり、前連結会計年度末に比べ103億73百万円減少いたしました。なお、有利子負債残高は1,743億78百万円となり、前連結会計年度末に比べ98億24百万円減少いたしました。
資本合計は4,684億85百万円となり、前連結会計年度末に比べ175億98百万円増加いたしました。
これらの結果、資産合計営業利益率(ROA)は、4.0%、親会社所有者帰属持分比率は、40.1%となりました。
(資本の財源及び資金の流動性)
当社グループは、事業活動に必要となる資金は、自ら創出した資金でまかなうことを基本方針としております。その上で、事業投資等で必要資金が生じる場合には、財務の健全性維持を勘案し、主として社債の発行及び金融機関からの借入などにより資金調達を行っております。
グループ子会社については、原則として金融機関からの資金調達を行わず、キャッシュマネジメントシステムを利用したグループ内ファイナンスにより、資金調達の一元化と資金効率化を推進しております。
また、適切な現預金残高を維持することに加え、一時的な資金不足に備え、主要取引銀行とのコミットメントライン契約及び当座借越契約、並びにコマーシャル・ペーパー発行枠を確保することにより、充分な流動性を確保しております。
なお、資金調達に係るリスクについては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しております。
2)経営目標の達成状況
「2017~2021年度 中期経営計画」最終年度である2021年度において目標として掲げております経営数値目標の達成状況は以下のとおりです。
引き続き「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の成長戦略に取り組み、経営目標の達成に努めてまいります。
| 2017年度 | 2018年度 | 2021年度(目標) | |
| 連結営業利益(百万円) | 49,546 | 40,891 | 56,000 |
| 連結営業利益率(%) | 10.5 | 8.9 | 10.0 |
| 連結ROE(%) | 7.5 | 6.8 | 8.0以上 |
| 2017~2018年度累計 | 2017~2021年度累計 | |
| 連結営業キャッシュ・フロー(百万円) | 91,949 | 260,000以上 |
| 投資キャッシュ・フロー(百万円) | △45,867 | △200,000 |
| フリー・キャッシュ・フロー(百万円) | 46,082 | 60,000以上 |
経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下「日本基準」という。)により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりであります。
(表示組替)
日本基準では、営業外収益、営業外費用、特別利益及び特別損失に表示していた項目を、IFRSでは金融収益又は金融費用、その他の営業収益及びその他の営業収費用等に表示しております。
(売上収益の純額表示に関する事項)
当社グループにおいては、取引の当事者として提供される財又はサービス自体の付加価値を高める機能を有し、取引に係る重要なリスクを負担している取引以外の取引について、日本基準では、売上高を計上し関連する売上原価を総額で認識しておりますが、IFRSでは、対象となる取引が他社の代理人であると判断されるため、売上収益を純額で認識しております。
この影響により、当連結会計年度にて、IFRSでは日本基準に比べて、売上収益が665,313百万円減少しております。