四半期報告書-第16期第1四半期(令和4年3月1日-令和4年5月31日)
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の分析
当第1四半期連結累計期間(2022年3月1日から2022年5月31日)の連結業績は、売上収益が前年同期比10.5%増の819億5百万円、営業利益は75億60百万円(前第1四半期連結累計期間は営業損失38億19百万円)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は59億74百万円(前第1四半期連結累計期間は四半期損失30億62百万円)となりました。
当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ感染症)による影響が徐々に緩和され、経済社会活動が正常化に向かうなかで、持ち直しの動きが見られました。
小売業界におきましても、3月まで全国的にまん延防止等重点措置が継続したものの、その後3年ぶりに自粛要請のない大型連休もあり、対面サービスをはじめ個人消費に持ち直しの動きが見られました。こうした明るい兆しが見られる一方、コロナ感染症の収束時期が未だ見通せないことに加え、地政学リスクの高まり、これらによる急激な為替変動の影響や物価高による消費者心理の冷え込みなど、消費の下押しリスクについて注視していく必要があります。
こうしたなか、中期経営計画の2年目となる2022年度は、中期経営計画で掲げるコロナ禍からの「完全復活」への足取りを確かなものとし、また2024年度以降の「再成長」に向け、攻めの経営に転じる「ギア・チェンジ」の年度と位置づけております。
具体的には、3つの重点戦略・施策を着実に成果に結びつけるため、「リアル×デジタル戦略」において、中核事業の百貨店事業ではデジタル技術を活用したオンラインビジネスの高度化やマーケット変化に対応した大型改装、SC事業では旗艦店舗での大型リニューアルを計画・実行しました。「デベロッパー戦略」では、保有不動産の最大活用と不動産ポートフォリオの拡大を目的としたレジデンス事業への新規参入、また名古屋栄地区に加え、大阪心斎橋地区におけるエリア最大級の複合開発を推進しております。「プライムライフ戦略」では、堅調な富裕層マーケットに対応したコンテンツの拡充、国内外の富裕層マーケットに向けた新規施策の企画立案を進めております。
さらに、今年度より持株会社である当社においてグループ戦略の立案、推進体制を強化しました。具体的には、2030年を見据え事業ポートフォリオ変革に向けた計画を立案・実行する「事業ポートフォリオ変革推進部」、グループ保有不動産の価値最大化に向けた戦略を推進する「CRE企画部」、また顧客データベースの統合活用など顧客政策を推進する「デジタル推進部」を新設しました。これらにより、全体最適・シナジー追求の観点から、各事業会社や他社との連携強化による重点戦略の拡張、CSV視点の新規事業領域の検討、経営資源の重点配分による戦略具現化にスピードを上げて取り組んでまいります。
「サステナビリティの取り組み」については、4月にお取引先様を対象に「脱炭素社会に向けた取り組みに関する説明会」を開催し、お取引先様約200社を対象に中長期の方針、今後の取り組みへの理解・参画を呼びかけました。また、各マテリアリティにもとづく取り組みへの外部評価として、大丸心斎橋店と心斎橋PARCOが「令和3年度 おおさか気候変動対策賞 大阪府知事賞」を受賞したほか、「令和3年度 なでしこ銘柄」に選定、また「健康経営優良法人2022(大規模法人部門(ホワイト500))」及び特例子会社の株式会社JFRクリエが「障害者雇用に関する優良な中小企業主(もにす)」に認定されました。
これらにより、当第1四半期の連結業績は、前年の店舗休業等の反動影響も加わり、売上収益は大幅増収、事業利益は大幅増益、営業利益は株式会社ヌーヴ・エイの株式譲渡に伴う損失計上などの反動もあり大幅増益となりました。
セグメントの業績は、以下のとおりであります。
<百貨店事業>
当第1四半期連結累計期間の百貨店事業の業績は、売上収益が前年同期比22.9%増の488億12百万円、営業利益は22億63百万円(前第1四半期連結累計期間は39億79百万円の損失)となりました。
売上収益につきましては、まん延防止等重点措置が解除された以降、各地域での人流回復に加え、各店での改装効果や集客催事等の実施、また前年の店舗休業等の反動もあり、入店客数・総額売上高ともに大きく改善したことから大幅増収、事業利益・営業利益につきましても大幅増益となりました。
コロナ感染症への対策について、引き続き、安心・安全なお買い物・職場環境づくりに全社をあげて取り組んでおります。また、コロナ禍における消費行動や働き方の変化などを総合的に検討した結果、各店の営業時間のあり方について見直しを図り、一部店舗において営業時間を短縮しました。これにより多くのお取引先様からご支持をいただくと同時に、お客様からも一定のご理解をいただいているものと考えております。
こうしたなか、重点戦略にもとづき、大丸・松坂屋アプリを基軸とした顧客接点のデジタル化の取り組みを推進しました。これらの活用により、時間や場所などの制約を越え、メディアを通じた情報発信など顧客コミュニケーションの進化を図ってまいります。あわせて、オンライン活用ビジネスの高度化に向け、大丸松坂屋オンラインストアをリプレイスしたほか、リアル店舗や人財など百貨店の強みを活かしたコスメのメディアコマース「DEPACO」をローンチしました。
リアル店舗の魅力化への取り組みでは、神戸店など基幹店での主力カテゴリーの強化に加え、高知大丸では32年ぶりとなる大型改装を実施しました。「働く女性と地元3世代ファミリーが『高知のしあわせ』を感じる店」をコンセプトに、既存百貨店MDによる売場を約4割削減し、中心市街地に適合した専門店を導入しました。
また、25年ぶりに大型改装を実施した静岡店では、静岡市の再開発事業と連動し、新しい体験・滞在型の店づくりを目指し、都市型アクアリウムを導入したほか、ライフスタイル提案型のフロア構築など「モノ」「コト」両軸による「来店動機の複線化」を通じて、街の中核施設としての成長を目指してまいります。
当第1四半期連結累計期間のSC事業の業績は、売上収益が前年同期比4.4%減の131億81百万円、営業利益は28億80百万円(前第1四半期連結累計期間は9億55百万円の損失)となりました。
売上収益につきましては、百貨店事業と同様に、期初はまん延防止等重点措置による影響が残りましたものの、旗艦店を中心とした戦略改装や新規の大型プロモーションによる集客効果に加え、前年の店舗休業等による反動もあり、入店客数・テナント取扱高は大幅に改善しました。一方、前年同期比では、前年6月の株式会社ヌーヴ・エイの株式譲渡に伴う影響により減収となりました。営業利益につきましては、売上収益の改善に加え、前期に計上した同株式譲渡に伴う損失の反動、エンタテインメント事業における補助金受入れ等により、前年実績に対し大幅増益となりました。
こうしたなか、時代変化やコロナ禍における生活スタイルの変化を見据え、重点戦略にもとづく旗艦店を中心とした大型改装を推進しております。なかでも店舗構造改装計画の一環として、池袋PARCOでは駅直結部となるグランドフロア改編やエリアとの親和性の高いコンテンツの拡充、名古屋PARCOではジェンダーレス、エイジレスをキーワードとした大規模改装を実施するなど、それぞれの店舗に変化感を持たせ、マーケットに対する店舗のイメージを一新しました。
また、新規ビジネスとして、PARCOにご来店されたお客様にクリエイティブで新たな体験価値を提供する、アートフィギュアギャラリー「1/ ONE SLASH(ワンスラッシュ)」を渋谷PARCOに開業しました。
<デベロッパー事業>
当第1四半期連結累計期間のデベロッパー事業の業績は、売上収益が前年同期比14.6%増の133億45百万円、営業利益は前年同期比18.1%増の10億34百万円となりました。
売上収益につきましては、主に、建築内装業において、ホテル等の外部工事の減少がありましたものの、株式会社パルコスペースシステムズにおけるグループ内外工事や施設管理業務の増加などにより増収、事業利益・営業利益につきましても前年実績に対し増益となりました。
こうしたなか、当社グループの保有不動産の最大活用と不動産ポートフォリオの拡大に向けた重点戦略を推進しました。具体的には、重点エリアである名古屋栄地区での「(仮称)錦三丁目25番街区計画」に加え、新たに大阪心斎橋地区のランドマークとなるエリア最大級の複合施設「(仮称)心斎橋プロジェクト」に参画し、開発を推進しております。また、保有不動産の有効活用を目的に、レジデンス事業に新規参入しました。
<決済・金融事業>
当第1四半期連結累計期間の決済・金融事業の業績は、売上収益が前年同期比35.1%増の31億54百万円、営業利益は10億25百万円(前第1四半期連結累計期間は75百万円)となりました。
売上収益につきましては、年会費改定による増収効果に加え、百貨店事業及び外部加盟店でのカード取扱高が前年実績に対し大きく改善したことから大幅な増収となりました。営業利益につきましては、人件費や広告宣伝費が増加した一方、信用状況の改善及び回収努力により貸倒償却などが減少しました結果、前年実績に対し大幅な増益となりました。
また、重点戦略にもとづく顧客政策として、百貨店事業との連携による顧客基盤の拡大に加え、独自のポイントサービス「QIRAポイント」の差別化、認知度向上に向け、サッカー日本代表選手を起用したイベントやプロゴルフ協賛によるプロアマ出場チャンスのキャンペーンを実施するなど、お客様への特別な体験提供に取り組みました。
(2)財政状態の分析
当第1四半期連結会計期間末の資産合計は1兆1,846億67百万円となり、前連結会計年度末に比べ82億40百万円減少しました。一方、負債合計は8,202億94百万円となり、前連結会計年度末に比べ104億93百万円減少しました。資本合計は3,643億72百万円となり、前連結会計年度末に比べ22億52百万円増加しました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結会計期間末における「現金及び現金同等物」の残高は、前連結会計年度末に比べ138億37百万円減の794億41百万円となりました。
当第1四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは78億21百万円の収入となりました。前第1四半期連結累計期間との比較では、税引前四半期利益の増加などにより102億22百万円の収入増となりました。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは31億54百万円の支出となりました。前第1四半期連結累計期間との比較では、有形固定資産の取得による支出の増加などにより2億29百万円の支出増となりました。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは185億89百万円の支出となりました。前第1四半期連結累計期間との比較では、前年に実施した社債発行による収入の反動などにより180億6百万円の収入減(支出増)となりました。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5)研究開発活動
特記事項はありません。
(1)経営成績の分析
(単位:百万円、%) | 2023年2月期 第1四半期連結累計期間(3-5月) | ||
実績 | 対前年 | ||
増減高 | 増減率 | ||
総額売上高 | 227,165 | 38,925 | 20.7 |
売上収益 | 81,905 | 7,808 | 10.5 |
売上総利益 | 40,546 | 7,011 | 20.9 |
販売費及び一般管理費 | 33,501 | 1,265 | 3.9 |
事業利益 | 7,045 | 5,747 | 442.4 |
その他の営業収益 | 1,260 | 829 | 192.0 |
その他の営業費用 | 745 | △4,805 | △86.6 |
営業利益 | 7,560 | 11,379 | - |
親会社の所有者に 帰属する四半期利益 | 5,974 | 9,036 | - |
当第1四半期連結累計期間(2022年3月1日から2022年5月31日)の連結業績は、売上収益が前年同期比10.5%増の819億5百万円、営業利益は75億60百万円(前第1四半期連結累計期間は営業損失38億19百万円)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は59億74百万円(前第1四半期連結累計期間は四半期損失30億62百万円)となりました。
当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ感染症)による影響が徐々に緩和され、経済社会活動が正常化に向かうなかで、持ち直しの動きが見られました。
小売業界におきましても、3月まで全国的にまん延防止等重点措置が継続したものの、その後3年ぶりに自粛要請のない大型連休もあり、対面サービスをはじめ個人消費に持ち直しの動きが見られました。こうした明るい兆しが見られる一方、コロナ感染症の収束時期が未だ見通せないことに加え、地政学リスクの高まり、これらによる急激な為替変動の影響や物価高による消費者心理の冷え込みなど、消費の下押しリスクについて注視していく必要があります。
こうしたなか、中期経営計画の2年目となる2022年度は、中期経営計画で掲げるコロナ禍からの「完全復活」への足取りを確かなものとし、また2024年度以降の「再成長」に向け、攻めの経営に転じる「ギア・チェンジ」の年度と位置づけております。
具体的には、3つの重点戦略・施策を着実に成果に結びつけるため、「リアル×デジタル戦略」において、中核事業の百貨店事業ではデジタル技術を活用したオンラインビジネスの高度化やマーケット変化に対応した大型改装、SC事業では旗艦店舗での大型リニューアルを計画・実行しました。「デベロッパー戦略」では、保有不動産の最大活用と不動産ポートフォリオの拡大を目的としたレジデンス事業への新規参入、また名古屋栄地区に加え、大阪心斎橋地区におけるエリア最大級の複合開発を推進しております。「プライムライフ戦略」では、堅調な富裕層マーケットに対応したコンテンツの拡充、国内外の富裕層マーケットに向けた新規施策の企画立案を進めております。
さらに、今年度より持株会社である当社においてグループ戦略の立案、推進体制を強化しました。具体的には、2030年を見据え事業ポートフォリオ変革に向けた計画を立案・実行する「事業ポートフォリオ変革推進部」、グループ保有不動産の価値最大化に向けた戦略を推進する「CRE企画部」、また顧客データベースの統合活用など顧客政策を推進する「デジタル推進部」を新設しました。これらにより、全体最適・シナジー追求の観点から、各事業会社や他社との連携強化による重点戦略の拡張、CSV視点の新規事業領域の検討、経営資源の重点配分による戦略具現化にスピードを上げて取り組んでまいります。
「サステナビリティの取り組み」については、4月にお取引先様を対象に「脱炭素社会に向けた取り組みに関する説明会」を開催し、お取引先様約200社を対象に中長期の方針、今後の取り組みへの理解・参画を呼びかけました。また、各マテリアリティにもとづく取り組みへの外部評価として、大丸心斎橋店と心斎橋PARCOが「令和3年度 おおさか気候変動対策賞 大阪府知事賞」を受賞したほか、「令和3年度 なでしこ銘柄」に選定、また「健康経営優良法人2022(大規模法人部門(ホワイト500))」及び特例子会社の株式会社JFRクリエが「障害者雇用に関する優良な中小企業主(もにす)」に認定されました。
これらにより、当第1四半期の連結業績は、前年の店舗休業等の反動影響も加わり、売上収益は大幅増収、事業利益は大幅増益、営業利益は株式会社ヌーヴ・エイの株式譲渡に伴う損失計上などの反動もあり大幅増益となりました。
セグメントの業績は、以下のとおりであります。
<百貨店事業>
(単位:百万円、%) | 2023年2月期 第1四半期連結累計期間(3-5月) | ||
実績 | 対前年 | ||
増減高 | 増減率 | ||
売上収益 | 48,812 | 9,112 | 22.9 |
事業利益 | 2,650 | 3,579 | - |
営業利益 | 2,263 | 6,242 | - |
当第1四半期連結累計期間の百貨店事業の業績は、売上収益が前年同期比22.9%増の488億12百万円、営業利益は22億63百万円(前第1四半期連結累計期間は39億79百万円の損失)となりました。
売上収益につきましては、まん延防止等重点措置が解除された以降、各地域での人流回復に加え、各店での改装効果や集客催事等の実施、また前年の店舗休業等の反動もあり、入店客数・総額売上高ともに大きく改善したことから大幅増収、事業利益・営業利益につきましても大幅増益となりました。
コロナ感染症への対策について、引き続き、安心・安全なお買い物・職場環境づくりに全社をあげて取り組んでおります。また、コロナ禍における消費行動や働き方の変化などを総合的に検討した結果、各店の営業時間のあり方について見直しを図り、一部店舗において営業時間を短縮しました。これにより多くのお取引先様からご支持をいただくと同時に、お客様からも一定のご理解をいただいているものと考えております。
こうしたなか、重点戦略にもとづき、大丸・松坂屋アプリを基軸とした顧客接点のデジタル化の取り組みを推進しました。これらの活用により、時間や場所などの制約を越え、メディアを通じた情報発信など顧客コミュニケーションの進化を図ってまいります。あわせて、オンライン活用ビジネスの高度化に向け、大丸松坂屋オンラインストアをリプレイスしたほか、リアル店舗や人財など百貨店の強みを活かしたコスメのメディアコマース「DEPACO」をローンチしました。
リアル店舗の魅力化への取り組みでは、神戸店など基幹店での主力カテゴリーの強化に加え、高知大丸では32年ぶりとなる大型改装を実施しました。「働く女性と地元3世代ファミリーが『高知のしあわせ』を感じる店」をコンセプトに、既存百貨店MDによる売場を約4割削減し、中心市街地に適合した専門店を導入しました。
また、25年ぶりに大型改装を実施した静岡店では、静岡市の再開発事業と連動し、新しい体験・滞在型の店づくりを目指し、都市型アクアリウムを導入したほか、ライフスタイル提案型のフロア構築など「モノ」「コト」両軸による「来店動機の複線化」を通じて、街の中核施設としての成長を目指してまいります。
(単位:百万円、%) | 2023年2月期 第1四半期連結累計期間(3-5月) | ||
実績 | 対前年 | ||
増減高 | 増減率 | ||
売上収益 | 13,181 | △605 | △4.4 |
事業利益 | 2,208 | 722 | 48.6 |
営業利益 | 2,880 | 3,835 | - |
当第1四半期連結累計期間のSC事業の業績は、売上収益が前年同期比4.4%減の131億81百万円、営業利益は28億80百万円(前第1四半期連結累計期間は9億55百万円の損失)となりました。
売上収益につきましては、百貨店事業と同様に、期初はまん延防止等重点措置による影響が残りましたものの、旗艦店を中心とした戦略改装や新規の大型プロモーションによる集客効果に加え、前年の店舗休業等による反動もあり、入店客数・テナント取扱高は大幅に改善しました。一方、前年同期比では、前年6月の株式会社ヌーヴ・エイの株式譲渡に伴う影響により減収となりました。営業利益につきましては、売上収益の改善に加え、前期に計上した同株式譲渡に伴う損失の反動、エンタテインメント事業における補助金受入れ等により、前年実績に対し大幅増益となりました。
こうしたなか、時代変化やコロナ禍における生活スタイルの変化を見据え、重点戦略にもとづく旗艦店を中心とした大型改装を推進しております。なかでも店舗構造改装計画の一環として、池袋PARCOでは駅直結部となるグランドフロア改編やエリアとの親和性の高いコンテンツの拡充、名古屋PARCOではジェンダーレス、エイジレスをキーワードとした大規模改装を実施するなど、それぞれの店舗に変化感を持たせ、マーケットに対する店舗のイメージを一新しました。
また、新規ビジネスとして、PARCOにご来店されたお客様にクリエイティブで新たな体験価値を提供する、アートフィギュアギャラリー「1/ ONE SLASH(ワンスラッシュ)」を渋谷PARCOに開業しました。
<デベロッパー事業>
(単位:百万円、%) | 2023年2月期 第1四半期連結累計期間(3-5月) | ||
実績 | 対前年 | ||
増減高 | 増減率 | ||
売上収益 | 13,345 | 1,705 | 14.6 |
事業利益 | 832 | 14 | 1.7 |
営業利益 | 1,034 | 158 | 18.1 |
当第1四半期連結累計期間のデベロッパー事業の業績は、売上収益が前年同期比14.6%増の133億45百万円、営業利益は前年同期比18.1%増の10億34百万円となりました。
売上収益につきましては、主に、建築内装業において、ホテル等の外部工事の減少がありましたものの、株式会社パルコスペースシステムズにおけるグループ内外工事や施設管理業務の増加などにより増収、事業利益・営業利益につきましても前年実績に対し増益となりました。
こうしたなか、当社グループの保有不動産の最大活用と不動産ポートフォリオの拡大に向けた重点戦略を推進しました。具体的には、重点エリアである名古屋栄地区での「(仮称)錦三丁目25番街区計画」に加え、新たに大阪心斎橋地区のランドマークとなるエリア最大級の複合施設「(仮称)心斎橋プロジェクト」に参画し、開発を推進しております。また、保有不動産の有効活用を目的に、レジデンス事業に新規参入しました。
<決済・金融事業>
(単位:百万円、%) | 2023年2月期 第1四半期連結累計期間(3-5月) | ||
実績 | 対前年 | ||
増減高 | 増減率 | ||
売上収益 | 3,154 | 819 | 35.1 |
事業利益 | 1,012 | 944 | - |
営業利益 | 1,025 | 950 | - |
当第1四半期連結累計期間の決済・金融事業の業績は、売上収益が前年同期比35.1%増の31億54百万円、営業利益は10億25百万円(前第1四半期連結累計期間は75百万円)となりました。
売上収益につきましては、年会費改定による増収効果に加え、百貨店事業及び外部加盟店でのカード取扱高が前年実績に対し大きく改善したことから大幅な増収となりました。営業利益につきましては、人件費や広告宣伝費が増加した一方、信用状況の改善及び回収努力により貸倒償却などが減少しました結果、前年実績に対し大幅な増益となりました。
また、重点戦略にもとづく顧客政策として、百貨店事業との連携による顧客基盤の拡大に加え、独自のポイントサービス「QIRAポイント」の差別化、認知度向上に向け、サッカー日本代表選手を起用したイベントやプロゴルフ協賛によるプロアマ出場チャンスのキャンペーンを実施するなど、お客様への特別な体験提供に取り組みました。
(2)財政状態の分析
(単位:百万円、%) | 2022年2月期 | 2023年2月期 第1四半期 | 増減高 |
流動資産 | 234,884 | 242,391 | 7,507 |
非流動資産 | 958,022 | 942,275 | △15,747 |
資産合計 | 1,192,907 | 1,184,667 | △8,240 |
流動負債 | 347,413 | 367,026 | 19,613 |
非流動負債 | 483,373 | 453,267 | △30,106 |
負債合計 | 830,787 | 820,294 | △10,493 |
親会社の所有者に帰属する持分 | 350,368 | 352,701 | 2,333 |
親会社所有者帰属持分比率 | 29.4 | 29.8 | 0.4 |
資本合計 | 362,120 | 364,372 | 2,252 |
当第1四半期連結会計期間末の資産合計は1兆1,846億67百万円となり、前連結会計年度末に比べ82億40百万円減少しました。一方、負債合計は8,202億94百万円となり、前連結会計年度末に比べ104億93百万円減少しました。資本合計は3,643億72百万円となり、前連結会計年度末に比べ22億52百万円増加しました。
(3)キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円) | 2022年2月期 第1四半期 | 2023年2月期 第1四半期 | 増減高 |
営業活動によるキャッシュ・フロー | △2,401 | 7,821 | 10,222 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △2,925 | △3,154 | △229 |
フリーキャッシュ・フロー | △5,326 | 4,667 | 9,993 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | △583 | △18,589 | △18,006 |
現金及び現金同等物の増減額 | △5,909 | △13,921 | △8,012 |
現金及び現金同等物の四半期末残高 | 123,067 | 79,441 | △43,626 |
当第1四半期連結会計期間末における「現金及び現金同等物」の残高は、前連結会計年度末に比べ138億37百万円減の794億41百万円となりました。
当第1四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは78億21百万円の収入となりました。前第1四半期連結累計期間との比較では、税引前四半期利益の増加などにより102億22百万円の収入増となりました。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは31億54百万円の支出となりました。前第1四半期連結累計期間との比較では、有形固定資産の取得による支出の増加などにより2億29百万円の支出増となりました。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは185億89百万円の支出となりました。前第1四半期連結累計期間との比較では、前年に実施した社債発行による収入の反動などにより180億6百万円の収入減(支出増)となりました。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5)研究開発活動
特記事項はありません。