四半期報告書-第105期第2四半期(令和2年7月1日-令和2年9月30日)

【提出】
2020/11/13 16:52
【資料】
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【項目】
30項目
経営者の視点による当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。なお、当社はオンライン証券取引サービスの単一セグメントであるため、セグメントごとの記載を省略しております。
(1) 経営成績の状況及び分析
当第2四半期累計期間の国内株式市場は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う世界経済悪化への警戒感から、日経平均株価が2月下旬以降急落し、その後やや値を戻した18,600円台で開始しました。4月に入ると、欧米で新型コロナウイルスの感染者数がピークアウトしたとの見方が広がったことや、世界各国の大規模な経済対策の決定を受けて株価は上昇基調となりました。5月下旬以降、欧米における経済活動再開への期待や国内の緊急事態宣言の解除、ワクチン開発の進展期待等から株価は続伸し、6月上旬には約3ヶ月半ぶりに23,000円を回復しました。その後は、急速な株価上昇に伴う高値警戒感や、新型コロナウイルスの感染第2波への懸念から上値は抑えられましたが、8月に入ると、米国の景気刺激策やワクチン開発への期待を背景に堅調に推移しました。その後、米国における追加経済対策の先行き不透明感の強まりなどから上値の重い展開が続き、9月末の日経平均株価は23,100円台で取引を終えました。
このような市場環境の中で、二市場(東京、名古屋の各証券取引所)合計の株式等売買代金は、前第2四半期累計期間と比較して22%増加しました。当社の主たる顧客層である個人投資家についても、株価上昇に伴う買い余力の増加や、値動きの激しい相場環境等を背景に取引が拡大し、二市場全体における個人の株式等委託売買代金は、同57%と大幅に増加しました。その結果、二市場における個人の株式等委託売買代金の割合は22%と、前第2四半期累計期間の17%から大きく上昇しました。また、当社の株式等委託売買代金についても、個人投資家の売買が活発化したことを受け、同51%の増加となりました。
当第2四半期累計期間における当社の取組みとしては、新たな投資情報ツールとして、アクティビストを含む大口投資家の取引動向を把握し、株価チャートと組み合わせて利用できる「アクティビスト追跡ツール」の提供を開始しました。また、投資信託について、信託報酬の一部をお客様に現金で還元する日本初のサービス「投信毎月現金還元サービス」を開始したほか、10月には、個人型確定拠出年金「iDeCo」の取扱商品を業界最多水準の40本へ大幅に拡充しました。その他、FXについては、全通貨ペアのスプレッドを縮小するなど、サービスの向上に努めました。
以上を背景に、当第2四半期累計期間においては、株式等委託売買代金の増加等により受入手数料が8,789百万円(対前第2四半期累計期間比46.1%増)となりました。また、信用取引平均買残高はほぼ横ばいとなったものの、その他の金融収支の増加により金融収支は同12.5%増の4,236百万円となりました。
この結果、営業収益は14,188百万円(同25.9%増)、純営業収益は13,440百万円(同29.4%増)となりました。また、営業利益は5,869百万円(同47.2%増)、経常利益は5,912百万円(同45.4%増)となりました。投資有価証券売却益1,994百万円を計上したこともあり、四半期純利益は5,488百万円(同95.6%増)となりました。前第2四半期累計期間と比較して、営業収益、純営業収益、営業利益、経常利益、四半期純利益は大幅な増加となりました。新型コロナウイルスの感染拡大は株式市場に影響を与えておりますが、市場の動向そのものを別とすれば、オンライン証券という当社の業態の性質もあり、業績への重要な影響はありませんでした。
収益・費用の主な項目については以下の通りです。
(受入手数料)
受入手数料は8,789百万円(同46.1%増)となりました。そのうち、委託手数料は8,425百万円(同48.3%増)となりました。これは主として、株式等委託売買代金が同51%増となったことによるものです。
(トレーディング損益)
トレーディング損益は、主としてFX取引のトレーディング益により、414百万円の利益となりました。
(金融収支)
金融収益から金融費用を差し引いた金融収支は4,236百万円(同12.5%増)となりました。これは主として、信用取引平均買残高はほぼ横ばいとなったものの、その他の金融収支が増加したことによるものです。
(販売費・一般管理費)
販売費・一般管理費は、同18.3%増の7,570百万円となりました。これは主として、広告宣伝費や取引所費の増加等による取引関係費の増加(同30.8%増)によるものです。
(営業外損益)
営業外損益は合計で42百万円の利益となりました。これは主として、受取配当金56百万円によるものです。
(特別損益)
特別損益は合計で1,994百万円の利益となりました。これは主として、投資有価証券売却益1,994百万円によるものです。
(2) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社の主たる事業は、個人投資家向けの株式等委託売買業務であり、収入項目としては受入手数料、とりわけ株式等売買に関する委託手数料が当社の業績に重要な影響を及ぼします。また、主として信用取引に起因する金融収益についても当社の業績に重要な影響を及ぼす要因となります。しかしながら、その水準はともに株式市場の相場環境に大きく左右されます。
(3) 財政状態の状況及び分析
当第2四半期会計期間末の資産合計は、対前事業年度末比18.8%増の841,752百万円となりました。これは主として、信用取引貸付金が同41.1%増の217,697百万円となったことや、預り金や受入保証金等の増加に伴い預託金が同11.6%増の501,612百万円となったことによるものです。
負債合計は、同21.3%増の762,032百万円となりました。これは主として、信用取引貸付金の増加等に伴い短期借入金が同93.8%増の152,900百万円となったことや、預り金が同8.7%増の293,538百万円、受入保証金が同10.3%増の234,417百万円となったことによるものです。
純資産合計は、同0.7%減の79,720百万円となりました。当第2四半期累計期間においては、2020年3月期期末配当金5,780百万円を計上する一方、四半期純利益5,488百万円を計上しております。
当社の主な資産は、顧客からの預り金や受入保証金等を信託銀行に預託した顧客分別金信託(預託金に含まれます)と、信用取引貸付金を中心とする信用取引資産です。一方、信用取引貸付金に充当することを目的として、短期借入金等による調達を行っております。当社の主な負債は、預り金、受入保証金及び短期借入金です。
当第2四半期会計期間末において、預り金は同8.7%増の293,538百万円、受入保証金は同10.3%増の234,417百万円となりました。これに伴い、預託金は同11.6%増の501,612百万円となりました。また、信用取引貸付金が同41.1%増の217,697百万円となったことに伴い、短期借入金は同93.8%増の152,900百万円となりました。
(4) キャッシュ・フローの状況及び分析
当第2四半期累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、59,959百万円のマイナス(前第2四半期累計期間は22,914百万円のプラス)となりました。これは、信用取引資産及び信用取引負債の増減と預託金の増加が主な要因です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、33百万円のマイナス(前第2四半期累計期間は1,913百万円のマイナス)となりました。当第2四半期累計期間においては、無形固定資産の取得による支出1,812百万円を計上する一方、投資有価証券の売却による収入2,000百万円を計上しております。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、68,172百万円のプラス(前第2四半期累計期間は21,373百万円のマイナス)となりました。これは、短期借入金の純増加が主な要因です。
以上の結果、当第2四半期会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、63,524百万円(前第2四半期会計期間末は38,735百万円)となりました。
(5) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社が行う資金調達は、主として信用取引貸付金の増加に対応するものですが、経常的な信用取引貸付金の増減については、銀行等金融機関からの短期借入金の増減を中心に対応しております。信用取引貸付金の水準が大きく増加する場合に備えて、社債による資金調達を機動的に行えるよう発行登録も行っておりますが、当第2四半期会計期間末現在においては、信用取引貸付金と内部留保の水準を踏まえ、資金調達の大部分はコール・マネーを含む短期借入金によっております。
なお、複数の金融機関と当座貸越契約やコミットメントライン契約を締結することで、資金調達の安全性を確保しております。
また、新型コロナウイルス感染拡大に伴う資金調達への重要な影響はありませんでした。
(6) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当第2四半期累計期間において、重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定に重要な変更はありません。
(7) 経営方針・経営戦略等
当第2四半期累計期間において、経営方針・経営戦略等に重要な変更はありません。
(8) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期累計期間において、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更はなく、新たに生じた課題もありません。
(9) 研究開発活動
該当事項はありません。