有価証券報告書-第119期(2022/04/01-2023/03/31)
(1) 経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の業績は、営業収益が1,377,827百万円で前連結会計年度に比べ28,337百万円の増収(+2.1%)、営業利益は296,702百万円で17,724百万円の増益(+6.4%)、経常利益は271,819百万円で18,108百万円の増益(+7.1%)となりました。
特別損益につきましては、前連結会計年度において固定資産売却益6,781百万円、投資有価証券売却益7,987百万円、関係会社株式売却益1,843百万円、環境対策引当金戻入益3,576百万円の計20,189百万円を特別利益に、固定資産除却関連損16,254百万円、減損損失3,866百万円の計20,120百万円を特別損失に計上したのに対して、当連結会計年度においては、固定資産売却益8,921百万円、投資有価証券売却益3,303百万円の計12,224百万円を特別利益に、固定資産除却関連損17,741百万円、関係会社株式評価損2,599百万円、減損損失3,535百万円、エクイティ出資評価損7,264百万円の計31,141百万円を特別損失に計上しております。
この結果、税金等調整前当期純利益は252,902百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ10,171百万円増益(+6.6%)の165,343百万円となりました。
当連結会計年度の業績及び各セグメントの業績は次のとおりであります。
(a)コマーシャル不動産事業
・当連結会計年度において、オフィスビルは、常盤橋タワー(TOKYO TORCH 東京駅前常盤橋プロジェクトA棟)の通期稼働による増収等があった一方で、主に既存ビル等における前連結会計年度計上の一時的な収入の反動減により、減収となりました。
なお、当社の2023年3月末の空室率は3.73%となっております。
・商業施設やホテルは、新型コロナウイルス感染症による各種制限が緩和された影響等により、増収となりました。
・この結果、当セグメントの営業収益は16,766百万円増収の777,424百万円となりましたが、営業利益は1,057百万円減益の188,852百万円となりました。
(注)1. 営業収益には、セグメント間の内部営業収益又は振替高を含めております。
2. その他には、建物運営管理受託収入、営繕請負工事収入、ホテル事業収入等が含まれております。
(b)住宅事業
・国内分譲マンション事業の主な売上計上物件
「ザ・パークハウス 高輪松ヶ丘」 (東京都港区)
「ザ・パークハウス 御苑内藤町」 (東京都新宿区)
「ザ・パークハウス 府中」 (東京都府中市)
「ザ・パークハウス 新浦安マリンヴィラ」 (千葉県浦安市)
「ザ・パークハウス 名古屋」 (愛知県名古屋市)
・当連結会計年度において、国内分譲マンション事業は、一戸当たりの販売単価は上昇したものの、売上計上戸数が減少したことにより減収となりました。一方で、その他の事業では賃貸マンションや有料老人ホーム等の収益用不動産の売却等により増収となりました。
・この結果、当セグメントの営業収益は34,540百万円減収の346,419百万円となりましたが、営業利益は4,863百万円増益の35,037百万円となりました。
(注)1. 営業収益には、セグメント間の内部営業収益又は振替高を含めております。
2. 他社との共同事業物件の売上計上戸数及び金額は当社持分によっております。
(c)海外事業
・当連結会計年度においては、アジアは前連結会計年度に計上した物件売却の反動及び分譲マンション事業による売上計上戸数の減少等により減収となりましたが、米国は物件売却収入の増加及びオフィスビルの稼働率上昇等により、英国はオフィスビルの売却によりそれぞれ増収となりました。
・この結果、当セグメントの営業収益は54,896百万円増収の176,130百万円となり、営業利益は33,583百万円増益の89,400百万円となりました。
(注)営業収益には、セグメント間の内部営業収益又は振替高を含めております。
(d)投資マネジメント事業
・当連結会計年度においては、米国で当社グループがアセットマネジメントを行うファンドが保有する資産の時価評価額の下落に伴い一過性のフィーが減少したこと等により、減収となりました。
・この結果、当セグメントの営業収益は10,824百万円減収の35,878百万円となり、営業利益は18,483百万円減益の8,054百万円となりました。
(注)営業収益には、セグメント間の内部営業収益又は振替高を含めております。
(e)設計監理・不動産サービス事業
・㈱三菱地所設計において、2023年度着工予定の、「Torch Tower(TOKYO TORCH 東京駅前常盤橋プロジェクトB棟)」等の設計監理業務等の収益を計上しました。
・当連結会計年度においては、設計監理収益は売上件数が減少したものの、1件当たりの金額が増加したこと等により増収となり、不動産仲介・駐車場運営管理は、新型コロナウイルス感染症による各種制限の緩和及び不動産仲介取扱件数の増加等により、増収となりました。
・この結果、当セグメントの営業収益は2,994百万円増収の60,774百万円となり、営業利益は1,374百万円増益の4,176百万円となりました。
(注)営業収益には、セグメント間の内部営業収益又は振替高を含めております。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前当期純利益、長期借入れ等による収入、有形固定資産の取得等による支出により、前連結会計年度末に比べ8,472百万円減少し、225,772百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、269,914百万円の資金の増加(前連結会計年度比△10,175百万円)となりました。これは、税金等調整前当期純利益252,902百万円に非資金損益項目である減価償却費93,459百万円等を調整した資金の増加に対し、法人税等の支払又は還付等により資金が減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、312,046百万円の資金の減少(前連結会計年度比+1,731百万円)となりました。これは有形固定資産の取得等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、30,457百万円の資金の増加(前連結会計年度比△60,516百万円)となりました。これは長期借入れ、社債の発行等によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
生産、受注及び販売の実績については、「① 財政状態及び経営成績の状況」における各セグメントの業績に関連付けて記載しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、本項における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
2023年3月期の業績は営業利益が2,967億円で、直近の対外公表予想値に比べて57億円の増益(+1.9%)となりました。
2022年度はオフィス賃貸事業では再開発を予定するビルの閉館に向けた賃料収入の減少等で賃貸利益が減少したものの、販売利益を実現させたほか、分譲住宅市場の活況を着実に捉えた販売進捗や、アウトレットモール等の商業施設の需要回復、海外における販売利益の獲得、投資マネジメント事業における安定的なフィー収益の獲得等により、当初計画の水準に近い利益を実現できました。
2020年度よりスタートした「長期経営計画2030」では国内アセット事業・海外アセット事業・ノンアセット事業で、それぞれ500億円程度の成長を目指しております。2022年度においては国際ビル・帝劇ビル共同建替計画の対外発表、「うめきた2期地区開発事業」において「(仮称)うめきた公園」工事本格着手、オーストラリアでの「180 George Street(別名:Salesforce Tower)」の竣工及び高級住宅・ホテル複合開発である「One Circular Quay」プロジェクトへの参加等、長期経営計画の戦略に合致する将来の収益機会の獲得を実現しております。さらに、回転型投資の展開を通じた売却益の獲得及びフィービジネスの拡大を図るべく、当社グループで運営するファンドやREITへの売却を推進し、バリューチェーンを強化しています。これらの成果を着実に利益として結実させ、長期経営計画で掲げた計数目標の達成を目指します。
セグメントごとの経営成績に関しては次のとおりです。
コマーシャル不動産事業においては、新型コロナウイルス感染症の影響がピークを過ぎ、商業施設・ホテルを中心に回復傾向の一方で、閉館予定物件の賃料収入の減額等によりビルの賃貸利益が減益となり、営業利益は1,889億円となり、直近の予想値よりも69億円の増益となりました。
住宅事業においては、分譲マンションの分譲戸数減による収益は減少したものの、原価低減を図り、あわせて賃貸マンション等のキャピタルゲインが大幅増加となったことから、営業利益は350億円となり、直近の予想値よりも30億円の増益となりました。
海外事業においては、英国の物件売却益実現、為替影響などにより営業利益は894億円となり、直近の予想値よりも6億円の減益となりました。
投資マネジメント事業においては、国内AM会社の安定的な収益の伸びがあったものの、海外AM会社のマーケット環境の変化などにより、営業利益は81億円となり、直近の予想値よりも19億円の減益となりました。
その他のセグメントについても、概ね計画通りに利益を計上することができました。
≪セグメント別営業利益≫
(注)*1. 2023年2月9日公表時の通期業績予想となります。
当社グループは、中期的な視点から強みを活かした投資により得られる利益の拡大を通じた企業価値の向上を図るため、成長投資を推進する一方で、財務健全性の維持も重要な経営目標としており、成長に向けた事業投資を行う際は、高格付けの維持を前提とした最適な資本構成を図っています。当社グループの財源については、ビル賃貸事業が主力事業であることから、引き続き長期・固定資金を主体に調達しております。今後も期間中の金利状況や、調達済有利子負債の償還期間等とのバランスも考慮しながら、調達手段に柔軟性を持たせつつ運営を行って参る所存であります。
事業等のリスクに対しては、当社グループでは「三菱地所グループリスクマネジメント規程」を制定し、すべての事業活動を対象にリスクマネジメントを整備、運用しています。当社グループのリスクマネジメントを統括する機関として「リスク・コンプライアンス委員会」を、またリスクマネジメントに関する情報の集約など、実務的な合議体として「リスク・コンプライアンス協議会」をそれぞれ位置付けるほか、取締役会の決議により任命されたリスクマネジメント担当役員を統括責任者として、ラインスタッフ部署、コーポレート部署、DX推進部並びにグループ各社に責任者を置き、それを推進事務局である法務・コンプライアンス部が支援する形でリスクマネジメント活動を推進しています。さらに、重要な投資案件の意思決定に当たっては「経営会議」の審議前に「投資委員会」で審議を行い、リスク内容及びリスク管理方法等をチェックしています。また、緊急事態発生時の行動指針や連絡・初動体制、事業継続計画等についても整備、運用しています。
(3) 資本の財源及び資金の流動性
1)財務戦略の基本的な考え方
当社グループは、業界最上位の格付に裏打ちされた強固な財務基盤は、重要な経営資源の一つであると位置づけ、財務健全性の維持と高格付を活かした適時最適な調達の実現を財務戦略の基本方針としております。
2020年4月から開始した「長期経営計画2030」においても、ROAの向上を通じたROEの向上に主眼を置き、レバレッジについては現状の格付水準が維持可能な範囲で適切にコントロールすることを基本方針としており、不動産市況に応じた、成長投資・資産売却・株主還元・資金調達の最適な組み合わせによる企業価値向上を実現して参ります。長期経営計画の2年目となる2022年度は、ネット有利子負債/EBITDA倍率についてはハイブリッドファイナンス考慮前で6.6倍(考慮後で6.2倍)にて着地いたしました。世界経済の先行きは依然として不透明な状況が継続することが想定されますが、10年間という長期にわたる経営計画においては、事業環境が変動する可能性を織り込んでいるため、環境の変化を見極めつつ、柔軟な資本政策を組み合わせながら、事業機会獲得の機会を的確に捉え、2030年の目標実現に向け、着実に各種施策を推進して参ります。
2)経営資源の配分と資金需要の主な内容
当社グループは、事業により獲得した営業キャッシュ・フローと資金調達余力に応じたキャッシュインを、株主還元、事業投資・回収(ネット投資額=投資決定済案件への投資-物件売却による回収)、不動産市況に応じて柔軟に行う戦略的アロケーションの3点に配分します。戦略的アロケーションは、株主価値向上に資する案件への厳選投資、追加の株主還元、負債抑制等のうち、その時々の状況に応じて柔軟に判断して参ります。
今後の主な資金需要としては「長期経営計画2030」に基づき、有楽町エリア及び常盤橋エリアを重点更新エリアとし、2030年までに総額6,000~7,000億円程度を投じ、再開発やリノベーションを推進して参ります。また、2024年3月期のキャッシュ・フローでは、約6,800億円のベース投資と約5,700億円の物件売却による回収を見込んでおります。
3)資金調達手段
当社グループは、事業展開に伴う資金需要を安定的に確保するため、内部資金及び外部資金を有効に活用しております。
内部資金については、主要グループ会社では原則として金融機関など外部からの資金調達を行わず、キャッシュ・マネジメント・サービスの活用により、資金調達の一元化と資金効率化、流動性の確保を図っています。
外部資金については、財務健全性の維持が可能な範囲において金融機関からの借入や社債発行等を活用しており、資金需要・金融市況・調達コスト・償還バランスなどを総合的に勘案した上で、適切なファイナンスを実施しているほか、近年ではグリーンボンドやサステナビリティ・リンク・ローン等のサステナビリティファイナンスにも取り組んでおります。なお、当社グループは長期の開発期間を伴う事業が中心であるため、いずれの調達手段であっても10年以上の長期資金を中心とした資金調達を行うとともに、負債の年度別償還額の集中を避けることでリファイナンスリスクの低減を図っています。
主要な取引先金融機関とは、良好な取引関係を維持構築することで、円滑な資金調達を可能としております。また、国内金融機関においてコミットメントライン枠やスポット借入枠を設定しており、緊急時の流動性を確保しております。
社債発行については、国内外4社の格付機関から取得している信用格付(※1)をもとに、近年は劣後特約付社債(ハイブリッド社債)に加え、国内の公募債市場で最長かつ初となる50年債の発行を行う等、投資家需要や起債環境を見極めたうえで最適な起債に努めており、今後も資金調達手段の多様化を図って参ります。
なお、当社は劣後特約付公募社債を含む、全ての社債を無担保で発行していること、金融機関からの借入金についても財務制限条項は付されていないことから、安定した資金調達が可能と考えております。
※1 本報告書提出時点において、格付投資情報センターの格付はAAマイナス(安定的)、日本格付研究所の格付はAAプラス(安定的)、スタンダード&プアーズの格付はAプラス(安定的)、ムーディーズの格付はA2(安定的)となっております。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の業績は、営業収益が1,377,827百万円で前連結会計年度に比べ28,337百万円の増収(+2.1%)、営業利益は296,702百万円で17,724百万円の増益(+6.4%)、経常利益は271,819百万円で18,108百万円の増益(+7.1%)となりました。
特別損益につきましては、前連結会計年度において固定資産売却益6,781百万円、投資有価証券売却益7,987百万円、関係会社株式売却益1,843百万円、環境対策引当金戻入益3,576百万円の計20,189百万円を特別利益に、固定資産除却関連損16,254百万円、減損損失3,866百万円の計20,120百万円を特別損失に計上したのに対して、当連結会計年度においては、固定資産売却益8,921百万円、投資有価証券売却益3,303百万円の計12,224百万円を特別利益に、固定資産除却関連損17,741百万円、関係会社株式評価損2,599百万円、減損損失3,535百万円、エクイティ出資評価損7,264百万円の計31,141百万円を特別損失に計上しております。
この結果、税金等調整前当期純利益は252,902百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ10,171百万円増益(+6.6%)の165,343百万円となりました。
当連結会計年度の業績及び各セグメントの業績は次のとおりであります。
(単位:百万円) |
区分 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減 |
営業収益 | 1,349,489 | 1,377,827 | 28,337 |
営業利益 | 278,977 | 296,702 | 17,724 |
経常利益 | 253,710 | 271,819 | 18,108 |
親会社株主に帰属する 当期純利益 | 155,171 | 165,343 | 10,171 |
(単位:百万円) | ||||
前連結会計年度 | 当連結会計年度 | |||
営業収益 | 営業利益又は 営業損失(△) | 営業収益 | 営業利益又は 営業損失(△) | |
コマーシャル不動産 事業 | 760,658 | 189,909 | 777,424 | 188,852 |
住宅事業 | 380,959 | 30,173 | 346,419 | 35,037 |
海外事業 | 121,234 | 55,816 | 176,130 | 89,400 |
投資マネジメント事業 | 46,702 | 26,537 | 35,878 | 8,054 |
設計監理・ 不動産サービス事業 | 57,780 | 2,802 | 60,774 | 4,176 |
その他の事業 | 10,134 | △1,683 | 11,801 | △2,121 |
調整額 | △27,979 | △24,578 | △30,602 | △26,696 |
合 計 | 1,349,489 | 278,977 | 1,377,827 | 296,702 |
(a)コマーシャル不動産事業
・当連結会計年度において、オフィスビルは、常盤橋タワー(TOKYO TORCH 東京駅前常盤橋プロジェクトA棟)の通期稼働による増収等があった一方で、主に既存ビル等における前連結会計年度計上の一時的な収入の反動減により、減収となりました。
なお、当社の2023年3月末の空室率は3.73%となっております。
・商業施設やホテルは、新型コロナウイルス感染症による各種制限が緩和された影響等により、増収となりました。
・この結果、当セグメントの営業収益は16,766百万円増収の777,424百万円となりましたが、営業利益は1,057百万円減益の188,852百万円となりました。
(単位:百万円) | |||||||||||||
摘 要 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | |||||||||||
貸付面積 | 営業収益 | 貸付面積 | 営業収益 | ||||||||||
不動産 賃貸 | 丸の内オフィス | (所有) | 1,360,974 | ㎡ | 256,967 | (所有) | 1,331,673 | ㎡ | 253,525 | ||||
(転貸) | 404,672 | ㎡ | (転貸) | 401,163 | ㎡ | ||||||||
東京オフィス (丸の内以外) | (所有) | 602,738 | ㎡ | 149,361 | (所有) | 592,043 | ㎡ | 145,827 | |||||
(転貸) | 897,046 | ㎡ | (転貸) | 823,864 | ㎡ | ||||||||
オフィス (東京以外) | (所有) | 595,315 | ㎡ | 60,450 | (所有) | 566,469 | ㎡ | 61,914 | |||||
(転貸) | 289,964 | ㎡ | (転貸) | 290,616 | ㎡ | ||||||||
アウトレットモール | (店舗) | 334,488 | ㎡ | 44,164 | (店舗) | 362,408 | ㎡ | 51,052 | |||||
その他 | - | 35,242 | - | 36,634 | |||||||||
不動産販売 | - | 126,878 | - | 105,228 | |||||||||
その他(注2) | - | 87,593 | - | 123,240 | |||||||||
合 計 | - | 760,658 | - | 777,424 |
(注)1. 営業収益には、セグメント間の内部営業収益又は振替高を含めております。
2. その他には、建物運営管理受託収入、営繕請負工事収入、ホテル事業収入等が含まれております。
(b)住宅事業
・国内分譲マンション事業の主な売上計上物件
「ザ・パークハウス 高輪松ヶ丘」 (東京都港区)
「ザ・パークハウス 御苑内藤町」 (東京都新宿区)
「ザ・パークハウス 府中」 (東京都府中市)
「ザ・パークハウス 新浦安マリンヴィラ」 (千葉県浦安市)
「ザ・パークハウス 名古屋」 (愛知県名古屋市)
・当連結会計年度において、国内分譲マンション事業は、一戸当たりの販売単価は上昇したものの、売上計上戸数が減少したことにより減収となりました。一方で、その他の事業では賃貸マンションや有料老人ホーム等の収益用不動産の売却等により増収となりました。
・この結果、当セグメントの営業収益は34,540百万円減収の346,419百万円となりましたが、営業利益は4,863百万円増益の35,037百万円となりました。
(単位:百万円) | ||||||||||||
摘 要 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||||||||||
販売数量等 | 営業収益 | 販売数量等 | 営業収益 | |||||||||
マンション | 売上計上戸数 | 3,046 | 戸 | 212,335 | 売上計上戸数 | 1,596 | 戸 | 112,937 | ||||
住宅管理業務受託 | 受託件数 | 345,327 | 件 | 56,664 | 受託件数 | 344,867 | 件 | 57,713 | ||||
注文住宅 | - | 38,910 | - | 38,252 | ||||||||
その他 | - | 73,049 | - | 137,517 | ||||||||
合 計 | - | 380,959 | - | 346,419 |
(注)1. 営業収益には、セグメント間の内部営業収益又は振替高を含めております。
2. 他社との共同事業物件の売上計上戸数及び金額は当社持分によっております。
(c)海外事業
・当連結会計年度においては、アジアは前連結会計年度に計上した物件売却の反動及び分譲マンション事業による売上計上戸数の減少等により減収となりましたが、米国は物件売却収入の増加及びオフィスビルの稼働率上昇等により、英国はオフィスビルの売却によりそれぞれ増収となりました。
・この結果、当セグメントの営業収益は54,896百万円増収の176,130百万円となり、営業利益は33,583百万円増益の89,400百万円となりました。
(単位:百万円) | |||||||||||||
摘 要 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | |||||||||||
貸付面積等 | 営業収益 | 貸付面積等 | 営業収益 | ||||||||||
不動産開発 ・賃貸 | 米国 | 貸付面積 | 443,817 | ㎡ | 90,169 | 貸付面積 | 461,530 | ㎡ | 117,499 | ||||
管理受託面積 | 97,527 | ㎡ | 管理受託面積 | 97,527 | ㎡ | ||||||||
欧州 | 貸付面積 | 62,321 | ㎡ | 3,828 | 貸付面積 | 59,254 | ㎡ | 45,040 | |||||
アジア | 貸付面積 | 58,757 | ㎡ | 26,722 | 貸付面積 | 8,436 | ㎡ | 10,392 | |||||
売上計上戸数 | 1,634 | 戸 | 売上計上戸数 | 1,171 | 戸 | ||||||||
その他 | - | 513 | - | 3,198 | |||||||||
合 計 | - | 121,234 | - | 176,130 |
(注)営業収益には、セグメント間の内部営業収益又は振替高を含めております。
(d)投資マネジメント事業
・当連結会計年度においては、米国で当社グループがアセットマネジメントを行うファンドが保有する資産の時価評価額の下落に伴い一過性のフィーが減少したこと等により、減収となりました。
・この結果、当セグメントの営業収益は10,824百万円減収の35,878百万円となり、営業利益は18,483百万円減益の8,054百万円となりました。
(単位:百万円) | ||
摘 要 | 営 業 収 益 | |
前連結会計年度 | 当連結会計年度 | |
投資マネジメント | 46,702 | 35,878 |
合 計 | 46,702 | 35,878 |
(注)営業収益には、セグメント間の内部営業収益又は振替高を含めております。
(e)設計監理・不動産サービス事業
・㈱三菱地所設計において、2023年度着工予定の、「Torch Tower(TOKYO TORCH 東京駅前常盤橋プロジェクトB棟)」等の設計監理業務等の収益を計上しました。
・当連結会計年度においては、設計監理収益は売上件数が減少したものの、1件当たりの金額が増加したこと等により増収となり、不動産仲介・駐車場運営管理は、新型コロナウイルス感染症による各種制限の緩和及び不動産仲介取扱件数の増加等により、増収となりました。
・この結果、当セグメントの営業収益は2,994百万円増収の60,774百万円となり、営業利益は1,374百万円増益の4,176百万円となりました。
(単位:百万円) | ||||||||||||
摘 要 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||||||||||
売上件数等 | 営業収益 | 売上件数等 | 営業収益 | |||||||||
設計監理 | 受注件数 | 1,245 | 件 | 20,615 | 受注件数 | 1,289 | 件 | 20,940 | ||||
売上件数 | 1,284 | 件 | 売上件数 | 1,238 | 件 | |||||||
不動産仲介 | 取扱件数 | 1,118 | 件 | 8,961 | 取扱件数 | 1,196 | 件 | 10,394 | ||||
駐車場運営管理 | 管理台数 | 58,418 | 台 | 10,472 | 管理台数 | 61,004 | 台 | 11,029 | ||||
その他 | - | 17,730 | - | 18,409 | ||||||||
合 計 | - | 57,780 | - | 60,774 |
(注)営業収益には、セグメント間の内部営業収益又は振替高を含めております。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前当期純利益、長期借入れ等による収入、有形固定資産の取得等による支出により、前連結会計年度末に比べ8,472百万円減少し、225,772百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、269,914百万円の資金の増加(前連結会計年度比△10,175百万円)となりました。これは、税金等調整前当期純利益252,902百万円に非資金損益項目である減価償却費93,459百万円等を調整した資金の増加に対し、法人税等の支払又は還付等により資金が減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、312,046百万円の資金の減少(前連結会計年度比+1,731百万円)となりました。これは有形固定資産の取得等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、30,457百万円の資金の増加(前連結会計年度比△60,516百万円)となりました。これは長期借入れ、社債の発行等によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
生産、受注及び販売の実績については、「① 財政状態及び経営成績の状況」における各セグメントの業績に関連付けて記載しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、本項における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
2023年3月期の業績は営業利益が2,967億円で、直近の対外公表予想値に比べて57億円の増益(+1.9%)となりました。
2022年度はオフィス賃貸事業では再開発を予定するビルの閉館に向けた賃料収入の減少等で賃貸利益が減少したものの、販売利益を実現させたほか、分譲住宅市場の活況を着実に捉えた販売進捗や、アウトレットモール等の商業施設の需要回復、海外における販売利益の獲得、投資マネジメント事業における安定的なフィー収益の獲得等により、当初計画の水準に近い利益を実現できました。
2020年度よりスタートした「長期経営計画2030」では国内アセット事業・海外アセット事業・ノンアセット事業で、それぞれ500億円程度の成長を目指しております。2022年度においては国際ビル・帝劇ビル共同建替計画の対外発表、「うめきた2期地区開発事業」において「(仮称)うめきた公園」工事本格着手、オーストラリアでの「180 George Street(別名:Salesforce Tower)」の竣工及び高級住宅・ホテル複合開発である「One Circular Quay」プロジェクトへの参加等、長期経営計画の戦略に合致する将来の収益機会の獲得を実現しております。さらに、回転型投資の展開を通じた売却益の獲得及びフィービジネスの拡大を図るべく、当社グループで運営するファンドやREITへの売却を推進し、バリューチェーンを強化しています。これらの成果を着実に利益として結実させ、長期経営計画で掲げた計数目標の達成を目指します。
セグメントごとの経営成績に関しては次のとおりです。
コマーシャル不動産事業においては、新型コロナウイルス感染症の影響がピークを過ぎ、商業施設・ホテルを中心に回復傾向の一方で、閉館予定物件の賃料収入の減額等によりビルの賃貸利益が減益となり、営業利益は1,889億円となり、直近の予想値よりも69億円の増益となりました。
住宅事業においては、分譲マンションの分譲戸数減による収益は減少したものの、原価低減を図り、あわせて賃貸マンション等のキャピタルゲインが大幅増加となったことから、営業利益は350億円となり、直近の予想値よりも30億円の増益となりました。
海外事業においては、英国の物件売却益実現、為替影響などにより営業利益は894億円となり、直近の予想値よりも6億円の減益となりました。
投資マネジメント事業においては、国内AM会社の安定的な収益の伸びがあったものの、海外AM会社のマーケット環境の変化などにより、営業利益は81億円となり、直近の予想値よりも19億円の減益となりました。
その他のセグメントについても、概ね計画通りに利益を計上することができました。
≪セグメント別営業利益≫
(単位:百万円) | |||
2022年度 | |||
直近予想値 *1 | 決算値 | 増減 | |
コマーシャル不動産 事業 | 182,000 | 188,852 | 6,852 |
住宅事業 | 32,000 | 35,037 | 3,037 |
海外事業 | 90,000 | 89,400 | △600 |
投資マネジメント事業 | 10,000 | 8,054 | △1,946 |
設計監理・ 不動産サービス事業 | 5,000 | 4,176 | △824 |
その他の事業 | △1,000 | △2,121 | △1,121 |
調整額 | △27,000 | △26,696 | 304 |
合 計 | 291,000 | 296,702 | 5,702 |
(注)*1. 2023年2月9日公表時の通期業績予想となります。
当社グループは、中期的な視点から強みを活かした投資により得られる利益の拡大を通じた企業価値の向上を図るため、成長投資を推進する一方で、財務健全性の維持も重要な経営目標としており、成長に向けた事業投資を行う際は、高格付けの維持を前提とした最適な資本構成を図っています。当社グループの財源については、ビル賃貸事業が主力事業であることから、引き続き長期・固定資金を主体に調達しております。今後も期間中の金利状況や、調達済有利子負債の償還期間等とのバランスも考慮しながら、調達手段に柔軟性を持たせつつ運営を行って参る所存であります。
事業等のリスクに対しては、当社グループでは「三菱地所グループリスクマネジメント規程」を制定し、すべての事業活動を対象にリスクマネジメントを整備、運用しています。当社グループのリスクマネジメントを統括する機関として「リスク・コンプライアンス委員会」を、またリスクマネジメントに関する情報の集約など、実務的な合議体として「リスク・コンプライアンス協議会」をそれぞれ位置付けるほか、取締役会の決議により任命されたリスクマネジメント担当役員を統括責任者として、ラインスタッフ部署、コーポレート部署、DX推進部並びにグループ各社に責任者を置き、それを推進事務局である法務・コンプライアンス部が支援する形でリスクマネジメント活動を推進しています。さらに、重要な投資案件の意思決定に当たっては「経営会議」の審議前に「投資委員会」で審議を行い、リスク内容及びリスク管理方法等をチェックしています。また、緊急事態発生時の行動指針や連絡・初動体制、事業継続計画等についても整備、運用しています。
(3) 資本の財源及び資金の流動性
1)財務戦略の基本的な考え方
当社グループは、業界最上位の格付に裏打ちされた強固な財務基盤は、重要な経営資源の一つであると位置づけ、財務健全性の維持と高格付を活かした適時最適な調達の実現を財務戦略の基本方針としております。
2020年4月から開始した「長期経営計画2030」においても、ROAの向上を通じたROEの向上に主眼を置き、レバレッジについては現状の格付水準が維持可能な範囲で適切にコントロールすることを基本方針としており、不動産市況に応じた、成長投資・資産売却・株主還元・資金調達の最適な組み合わせによる企業価値向上を実現して参ります。長期経営計画の2年目となる2022年度は、ネット有利子負債/EBITDA倍率についてはハイブリッドファイナンス考慮前で6.6倍(考慮後で6.2倍)にて着地いたしました。世界経済の先行きは依然として不透明な状況が継続することが想定されますが、10年間という長期にわたる経営計画においては、事業環境が変動する可能性を織り込んでいるため、環境の変化を見極めつつ、柔軟な資本政策を組み合わせながら、事業機会獲得の機会を的確に捉え、2030年の目標実現に向け、着実に各種施策を推進して参ります。
2)経営資源の配分と資金需要の主な内容
当社グループは、事業により獲得した営業キャッシュ・フローと資金調達余力に応じたキャッシュインを、株主還元、事業投資・回収(ネット投資額=投資決定済案件への投資-物件売却による回収)、不動産市況に応じて柔軟に行う戦略的アロケーションの3点に配分します。戦略的アロケーションは、株主価値向上に資する案件への厳選投資、追加の株主還元、負債抑制等のうち、その時々の状況に応じて柔軟に判断して参ります。
今後の主な資金需要としては「長期経営計画2030」に基づき、有楽町エリア及び常盤橋エリアを重点更新エリアとし、2030年までに総額6,000~7,000億円程度を投じ、再開発やリノベーションを推進して参ります。また、2024年3月期のキャッシュ・フローでは、約6,800億円のベース投資と約5,700億円の物件売却による回収を見込んでおります。
3)資金調達手段
当社グループは、事業展開に伴う資金需要を安定的に確保するため、内部資金及び外部資金を有効に活用しております。
内部資金については、主要グループ会社では原則として金融機関など外部からの資金調達を行わず、キャッシュ・マネジメント・サービスの活用により、資金調達の一元化と資金効率化、流動性の確保を図っています。
外部資金については、財務健全性の維持が可能な範囲において金融機関からの借入や社債発行等を活用しており、資金需要・金融市況・調達コスト・償還バランスなどを総合的に勘案した上で、適切なファイナンスを実施しているほか、近年ではグリーンボンドやサステナビリティ・リンク・ローン等のサステナビリティファイナンスにも取り組んでおります。なお、当社グループは長期の開発期間を伴う事業が中心であるため、いずれの調達手段であっても10年以上の長期資金を中心とした資金調達を行うとともに、負債の年度別償還額の集中を避けることでリファイナンスリスクの低減を図っています。
主要な取引先金融機関とは、良好な取引関係を維持構築することで、円滑な資金調達を可能としております。また、国内金融機関においてコミットメントライン枠やスポット借入枠を設定しており、緊急時の流動性を確保しております。
社債発行については、国内外4社の格付機関から取得している信用格付(※1)をもとに、近年は劣後特約付社債(ハイブリッド社債)に加え、国内の公募債市場で最長かつ初となる50年債の発行を行う等、投資家需要や起債環境を見極めたうえで最適な起債に努めており、今後も資金調達手段の多様化を図って参ります。
なお、当社は劣後特約付公募社債を含む、全ての社債を無担保で発行していること、金融機関からの借入金についても財務制限条項は付されていないことから、安定した資金調達が可能と考えております。
※1 本報告書提出時点において、格付投資情報センターの格付はAAマイナス(安定的)、日本格付研究所の格付はAAプラス(安定的)、スタンダード&プアーズの格付はAプラス(安定的)、ムーディーズの格付はA2(安定的)となっております。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。