有価証券報告書-第117期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
当年度の業績は、営業収益が1,207,594百万円で前年度に比べ94,601百万円の減収(△7.3%)、営業利益は224,394百万円で16,374百万円の減益(△6.8%)、経常利益は210,965百万円で8,606百万円の減益(△3.9%)となりました。
特別損益につきましては、前年度において固定資産売却益5,144百万円、投資有価証券売却益1,711百万円、負ののれん償却益14,915百万円、工事負担金等受入額4,480百万円の計26,251百万円を特別利益に、固定資産除却関連損5,445百万円、投資有価証券評価損2,344百万円、事業譲渡損3,240百万円、減損損失10,844百万円の計21,874百万円を特別損失に計上したのに対して、当年度においては、固定資産売却益13,582百万円、投資有価証券売却益3,021百万円の計16,603百万円を特別利益に、固定資産除却関連損2,099百万円、減損損失4,679百万円、子会社清算損13,826百万円、新型感染症対応による損失5,698百万円の計26,304百万円を特別損失に計上しております。
この結果、税金等調整前当期純利益は201,265百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は前年度に比べ12,796百万円減益(△8.6%)の135,655百万円となりました。
当年度の業績及び各セグメントの業績は次の通りであります。
なお、当年度より当社の組織を改正したことに伴い、セグメント区分についても変更いたしました。
(1)「ビル事業」、「生活産業不動産事業」、「ホテル・空港事業」としていた報告セグメントを統合し、「コマーシャル不動産事業」に変更いたしました。
(2)海外事業の拡大・収益力強化に向け、エリア毎に最適なポートフォリオ戦略を立案し、各アセットタイプの事業を一体的に推進する体制とすることに伴い、「住宅事業」に含まれていた海外住宅事業を「海外事業」に一元化いたしました。
(3)「設計監理事業」と「不動産サービス事業」としていた報告セグメントを統合し、「設計監理・不動産サービス事業」に変更いたしました。
これにより、従来「ビル事業」、「生活産業不動産事業」、「住宅事業」、「海外事業」、「投資マネジメント事業」、「ホテル・空港事業」、「設計監理事業」、「不動産サービス事業」としていた報告セグメントを、「コマーシャル不動産事業」、「住宅事業」、「海外事業」、「投資マネジメント事業」、「設計監理・不動産サービス事業」へ変更いたしました。
(注)前年度の業績については、当年度より変更したセグメント区分に組替えております。
(a)コマーシャル不動産事業
・当年度において、オフィスビルでは、新規ビル(CO・MO・RE YOTSUYA等)の通期稼働や既存ビルでの賃料増額改定等により、前年度に比べ増収となりました。なお、当社の2021年3月末の空室率は2.35%となっております。
・一方で、商業施設やホテルでは、2020年春の緊急事態宣言期間中の休館対応を含め、新型コロナウイルス感染症拡大により利用客数が減少し、期間を通して店舗売上や稼働率が前年を大きく下回ったことにより、前年度に比べ大幅な減収となりました。なお、緊急事態宣言期間中に休館対応等を実施した商業施設やホテル等の施設については、休館対応等の期間における一部費用5,609百万円を営業原価から特別損失に振り替えて計上しております。
・その他、物件売却件数が前年度よりも減少したことにより、不動産販売が前年度に比べ大幅な減収となりました。
・この結果、当セグメントの営業収益は前年度に比べ51,270百万円減収の672,441百万円となり、営業利益は7,079百万円減益の180,775百万円となりました。
・当年度は、「the ARGYLE aoyama」が2020年6月に竣工し、共同事業により進めてきた「みずほ丸の内タワー・銀行会館・丸の内テラス」は2020年9月に竣工しました。
(注)1. 金額は消費税等抜きで表示しております。
2. 営業収益には、セグメント間の内部営業収益又は振替高を含めております。
3. その他には、建物運営管理受託収入、営繕請負工事収入、ホテル事業収入等が含まれております。
4. 前年度の業績については、当年度より変更したセグメント区分に組替えております。
(b)住宅事業
・マンション事業の主な売上計上物件
「津田沼 ザ・タワー」 (千葉県習志野市)
「hitoto広島 The Tower」 (広島県広島市)
「ザ・パークハウス 川口本町」 (埼玉県川口市)
「ザ・パークハウス 市ヶ谷」 (東京都新宿区)
「ザ・パークハウス 早稲田」 (東京都新宿区)
・当年度において、国内マンション事業では、売上計上戸数が前年度に比べて増加したこと等により、増収となりました。
・一方で、当年度において賃貸住宅の売却が前年度に比べて大幅な減収となりました。
・この結果、当セグメントの営業収益は前年度に比べ22,782百万円減収の362,755百万円となり、営業利益は251百万円減益の24,068百万円となりました。
(注)1. 金額は消費税等抜きで表示しております。
2. 営業収益には、セグメント間の内部営業収益又は振替高を含めております。
3. 他社との共同事業物件の売上計上戸数及び金額は当社持分によっております。
4. 前年度の業績については、当年度より変更したセグメント区分に組替えております。
(c)海外事業
・当年度においては、不動産開発・賃貸事業は、アジアにおいて分譲マンション事業による売上計上戸数の増加等があった一方で、前年度に計上した英国での物件売却収入の反動により減収となりました。
・この結果、当セグメントの営業収益は前年度に比べ19,718百万円減収の114,457百万円となり、営業利益は8,224百万円減益の37,932百万円となりました。
(注)1. 金額は消費税等抜きで表示しております。
2. 営業収益には、セグメント間の内部営業収益又は振替高を含めております。
3. 前年度の業績については、当年度より変更したセグメント区分に組替えております。
(d)投資マネジメント事業
・当年度においては、前年度に比べ当社グループがアセットマネジメントを行うファンドの資産残高が増加し、報酬が増加した等により、増収となりました。また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため出張の自粛等に伴い旅費交通費等の営業費用が減少したことにより、前年度に比べ利益率が改善しております。
・この結果、当セグメントの営業収益は前年度に比べ882百万円増収の22,199百万円となり、営業利益は1,499百万円増益の5,966百万円となりました。
(注)1. 金額は消費税等抜きで表示しております。
2. 営業収益には、セグメント間の内部営業収益又は振替高を含めております。
(e)設計監理・不動産サービス事業
・㈱三菱地所設計において、2023年度着工予定の、「Torch Tower(東京駅前常盤橋プロジェクトB棟)」等の設計監理業務他の収益を計上しました。
・当年度においては、設計監理収益は売上件数が減少したものの、1件あたりの金額が増加したこと等により増収となりましたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、不動産仲介・駐車場運営管理については減収となりました。
・この結果、当セグメントの営業収益は前年度に比べ1,063百万円減収の56,064百万円となり、営業利益は1,448百万円減益の959百万円となりました。
(注)1. 金額は消費税等抜きで表示しております。
2. 営業収益には、セグメント間の内部営業収益又は振替高を含めております。
3. 前年度の業績については、当年度より変更したセグメント区分に組替えております。
② キャッシュ・フローの状況
当年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」)は、税金等調整前当期純利益、長期借入れ等による収入、有形固定資産の取得等による支出により、前年度末に比べ40,701百万円減少し、172,307百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、207,414百万円の資金の増加(前年度比△134,352百万円)となりました。これは、税金等調整前当期純利益201,265百万円に非資金損益項目である減価償却費89,107百万円等を調整した資金の増加に、法人税等の支払、たな卸資産の減少等による資金の増減を加えたものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、297,303百万円の資金の減少(前年度比△19,863百万円)となりました。これは有形固定資産の取得等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、50,425百万円の資金の増加(前年度比+79,312百万円)となりました。これは長期借入れ、社債の発行等によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
生産、受注及び販売の実績については、「① 財政状態及び経営成績の状況」における各セグメントの業績に関連付けて記載しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りです。
なお、本項における将来に関する事項は、当年度末現在において当社グループが判断したものであります。
2021年3月期の業績は営業利益が2,243億円で、直近の対外公表予想値に比べて73億円の増益(+3.4%)となり、計画を上回る成果を挙げることができました。
2020年度は新型コロナウイルス感染症に伴う休館等により、商業施設・ホテルを中心に大きく影響を受ける結果となりました。その中でもオフィス賃貸事業や販売利益を中心に確実に利益を実現したほか、分譲住宅市場の活況を着実に捉えた販売進捗や、海外における販売利益の獲得により計画を上回る利益を実現できました。
2020年度よりスタートした「長期経営計画2030」では国内アセット事業・海外アセット事業・ノンアセット事業で、それぞれ500億円程度の成長を目指しております。2020年度においては丸の内NEXTステージ再開発計画の第一弾として「みずほ丸の内タワー・銀行会館・丸の内テラス」が竣工、その他にも「TOKYO TORCH(東京駅前常盤橋プロジェクト)」の対外発表、当社グループとして初となるストックホルムでのオフィスビル事業への参画など、長期経営計画の戦略に合致する将来の収益機会の獲得を実現しております。更に、回転型投資の展開を通じた売却益の獲得及びフィービジネスの拡大を図るべく、当社グループで運営するファンドやREITへの売却を推進し、バリューチェーンを強化しています。これらの成果を着実に利益として結実させ、長期経営計画で掲げた計数目標の達成を目指します。
セグメントごとの経営成績に関しては次の通りです。コマーシャル不動産事業においては、新型コロナウイルス感染症に伴う閉館等の影響で、商業施設・ホテルを中心に大きく減益となった一方で、新規に竣工したビルや既存ビルの賃貸利益の増加及び物件売却益の増加により営業利益は1,807億円となり、直近の予想値よりも27億円の増益となりました。住宅事業においては、分譲マンションの利益の増加などにより、営業利益は240億円となり、直近の予想値よりも30億円の増益となりました。海外事業においては、米国事業の物件売却益の増加などにより営業利益は379億円となり、直近の予想値と同水準となりました。投資マネジメント事業においては、三菱地所投資顧問㈱の運用するファンドで扱う物件数の増加などにより、営業利益は59億円となり、直近の予想値よりも19億円の増益となりました。その他のセグメントについても、概ね計画通りに利益を計上することができました。
≪セグメント別営業利益≫
(注)*1. 2021年2月10日公表時の通期業績予想となります。
当社グループは、中期的な視点から強みを活かした投資により得られる利益の拡大を通じた企業価値の向上を図るため、成長投資を推進する一方で、財務健全性の維持も重要な経営目標としており、成長に向けた事業投資を行うにあたっては、高格付けの維持を前提とした最適な資本構成を図っています。当社グループの財源については、ビル賃貸事業が主力事業であることから、引き続き長期・固定資金を主体に調達しております。今後も期間中の金利状況や、調達済有利子負債の償還期間等とのバランスも考慮しながら、調達手段に柔軟性を持たせつつ運営を行って参る所存であります。事業等のリスクに対しては、当社グループでは「三菱地所グループリスクマネジメント規程」を制定し、すべての事業活動を対象にリスクマネジメントを整備、運用しています。当社グループのリスクマネジメントを統括する機関として「リスク・コンプライアンス委員会」を、またリスクマネジメントに関する情報の集約など、実務的な合議体として「リスク・コンプライアンス協議会」をそれぞれ位置付けるほか、取締役会の決議より任命されたリスクマネジメント担当役員を統括責任者として、ラインスタッフ部署、コーポレート部署、DX推進部並びにグループ各社に責任者を置き、それを推進事務局である法務・コンプライアンス部が支援する形でリスクマネジメント活動を推進しています。更に、重要な投資案件の意思決定にあたっては「経営会議」での審議の前に「投資委員会」で審議を行い、リスクの内容や対応等をチェックしています。また、緊急事態発生時の行動指針や連絡・初動体制、事業継続計画等についても整備、運用しています。
(3) 資本の財源及び資金の流動性
1)財務戦略の基本的な考え方
当社グループは、業界最上位の格付に裏打ちされた強固な財務基盤は、重要な経営資源の一つであると位置づけ、財務健全性の維持と高格付を活かした適時最適な調達の実現を財務戦略の基本方針としております。
2020年4月から開始した「長期経営計画2030」においても、ROAの向上を通じたROEの向上に主眼を置き、レバレッジについては現状の格付水準が維持可能な範囲で適切にコントロールすることを基本方針としており、不動産市況に応じた、成長投資・資産売却・株主還元・資金調達の最適な組み合わせによる企業価値向上を実現して参ります。長期経営計画初年度である2020年度は、新型コロナウイルス感染症の影響により、財務健全性の一時的な悪化を想定しておりましたが、ネット有利子負債/EBITDA倍率についてはハイブリッドファイナンス考慮前で7.1倍(考慮後で6.6倍)にて着地いたしました。世界経済の先行きは依然として不透明な状況が継続することが想定されますが、10年という長期にわたる経営計画においては、事業環境が変動する可能性を織り込んでいるため、環境の変化を見極めつつ、柔軟な資本政策を組み合わせながら、事業機会獲得の機会を的確に捉え、2030年の目標実現に向け、着実に各種施策を推進して参ります。
2)経営資源の配分と資金需要の主な内容
当社グループは、事業により獲得した営業キャッシュ・フローと資金調達余力に応じたキャッシュインを、株主還元、事業投資・回収(ネット投資額=投資決定済案件への投資-物件売却による回収)、不動産市況に応じて柔軟に行う戦略的アロケーションの3点に配分します。戦略的アロケーションは、株主価値向上に資する案件への厳選投資、追加の株主還元、負債抑制等のうち、その時々の状況に応じて柔軟に判断して参ります。
今後の主な資金需要としては「長期経営計画2030」に基づき、有楽町エリア及び常盤橋エリアを重点更新エリアとし、2030年までに総額6,000~7,000億円程度を投じ、再開発やリノベーションを推進して参ります。また、2022年3月期のキャッシュ・フローでは、約5,800億円のベース投資と約4,000億円の物件売却による回収を見込んでおります。
3)資金調達手段
当社グループは、事業展開に伴う資金需要を安定的に確保するため、内部資金及び外部資金を有効に活用しております。
内部資金については、主要グループ会社では原則として金融機関など外部からの資金調達を行わず、キャッシュ・マネジメント・サービスの活用により、資金調達の一元化と資金効率化、流動性の確保を図っています。
外部資金については、財務健全性の維持が可能な範囲において金融機関からの借入や社債発行等を活用しており、資金需要・金融市況・調達コスト・償還バランスなどを総合的に勘案した上で、適切なファイナンスを実施しております。なお、当社グループは長期の開発期間を伴う事業が中心であるため、いずれの調達手段であっても10年以上の長期資金を中心とした資金調達を行うと共に、負債の年度別償還額の集中を避けることでリファイナンスリスクの低減を図っています。
主要な取引先金融機関とは、良好な取引関係を維持構築することで、円滑な資金調達を可能としております。また、国内金融機関においてコミットメントライン枠やスポット借入枠を設定しており、緊急時の流動性を確保しております。
社債発行については、国内外3社の格付機関から取得している信用格付(※1)をもとに、近年は劣後特約付社債(ハイブリッド社債)に加え、東京駅前常盤橋プロジェクトA棟建設資金を使途とするグリーンボンド、国内の公募債市場で最長かつ初となる50年債の発行など、投資家需要や起債環境を見極めたうえで最適な起債に努めており、今後も資金調達手段の多様化を図って参ります。
尚、当社は劣後特約付公募社債を含む、全ての社債を無担保で発行していること、金融機関からの借入金についても財務制限条項は付されていないことから、安定した資金調達が可能と考えております。
※1 本報告書提出時点において、格付投資情報センターの格付はAAマイナス(安定的)、スタンダード&プアーズの格付はAプラス(安定的)、ムーディーズの格付はA2(安定的)となっております。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当年度の業績は、営業収益が1,207,594百万円で前年度に比べ94,601百万円の減収(△7.3%)、営業利益は224,394百万円で16,374百万円の減益(△6.8%)、経常利益は210,965百万円で8,606百万円の減益(△3.9%)となりました。
特別損益につきましては、前年度において固定資産売却益5,144百万円、投資有価証券売却益1,711百万円、負ののれん償却益14,915百万円、工事負担金等受入額4,480百万円の計26,251百万円を特別利益に、固定資産除却関連損5,445百万円、投資有価証券評価損2,344百万円、事業譲渡損3,240百万円、減損損失10,844百万円の計21,874百万円を特別損失に計上したのに対して、当年度においては、固定資産売却益13,582百万円、投資有価証券売却益3,021百万円の計16,603百万円を特別利益に、固定資産除却関連損2,099百万円、減損損失4,679百万円、子会社清算損13,826百万円、新型感染症対応による損失5,698百万円の計26,304百万円を特別損失に計上しております。
この結果、税金等調整前当期純利益は201,265百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は前年度に比べ12,796百万円減益(△8.6%)の135,655百万円となりました。
当年度の業績及び各セグメントの業績は次の通りであります。
なお、当年度より当社の組織を改正したことに伴い、セグメント区分についても変更いたしました。
(1)「ビル事業」、「生活産業不動産事業」、「ホテル・空港事業」としていた報告セグメントを統合し、「コマーシャル不動産事業」に変更いたしました。
(2)海外事業の拡大・収益力強化に向け、エリア毎に最適なポートフォリオ戦略を立案し、各アセットタイプの事業を一体的に推進する体制とすることに伴い、「住宅事業」に含まれていた海外住宅事業を「海外事業」に一元化いたしました。
(3)「設計監理事業」と「不動産サービス事業」としていた報告セグメントを統合し、「設計監理・不動産サービス事業」に変更いたしました。
これにより、従来「ビル事業」、「生活産業不動産事業」、「住宅事業」、「海外事業」、「投資マネジメント事業」、「ホテル・空港事業」、「設計監理事業」、「不動産サービス事業」としていた報告セグメントを、「コマーシャル不動産事業」、「住宅事業」、「海外事業」、「投資マネジメント事業」、「設計監理・不動産サービス事業」へ変更いたしました。
| (単位:百万円) |
| 区分 | 前年度 | 当年度 | 増減 |
| 営業収益 | 1,302,196 | 1,207,594 | △94,601 |
| 営業利益 | 240,768 | 224,394 | △16,374 |
| 経常利益 | 219,572 | 210,965 | △8,606 |
| 親会社株主に帰属する 当期純利益 | 148,451 | 135,655 | △12,796 |
| (単位:百万円) | ||||
| 前年度 | 当年度 | |||
| 営業収益 | 営業利益又は 営業損失(△) | 営業収益 | 営業利益又は 営業損失(△) | |
| コマーシャル不動産 事業 | 723,712 | 187,855 | 672,441 | 180,775 |
| 住宅事業 | 385,538 | 24,320 | 362,755 | 24,068 |
| 海外事業 | 134,175 | 46,156 | 114,457 | 37,932 |
| 投資マネジメント事業 | 21,316 | 4,467 | 22,199 | 5,966 |
| 設計監理・ 不動産サービス事業 | 57,128 | 2,407 | 56,064 | 959 |
| その他の事業 | 8,743 | △2,018 | 9,055 | △1,089 |
| 調整額 | △28,418 | △22,420 | △29,378 | △24,219 |
| 合 計 | 1,302,196 | 240,768 | 1,207,594 | 224,394 |
(注)前年度の業績については、当年度より変更したセグメント区分に組替えております。
(a)コマーシャル不動産事業
・当年度において、オフィスビルでは、新規ビル(CO・MO・RE YOTSUYA等)の通期稼働や既存ビルでの賃料増額改定等により、前年度に比べ増収となりました。なお、当社の2021年3月末の空室率は2.35%となっております。
・一方で、商業施設やホテルでは、2020年春の緊急事態宣言期間中の休館対応を含め、新型コロナウイルス感染症拡大により利用客数が減少し、期間を通して店舗売上や稼働率が前年を大きく下回ったことにより、前年度に比べ大幅な減収となりました。なお、緊急事態宣言期間中に休館対応等を実施した商業施設やホテル等の施設については、休館対応等の期間における一部費用5,609百万円を営業原価から特別損失に振り替えて計上しております。
・その他、物件売却件数が前年度よりも減少したことにより、不動産販売が前年度に比べ大幅な減収となりました。
・この結果、当セグメントの営業収益は前年度に比べ51,270百万円減収の672,441百万円となり、営業利益は7,079百万円減益の180,775百万円となりました。
・当年度は、「the ARGYLE aoyama」が2020年6月に竣工し、共同事業により進めてきた「みずほ丸の内タワー・銀行会館・丸の内テラス」は2020年9月に竣工しました。
| (単位:百万円) | |||||||||||||
| 摘 要 | 前年度 | 当年度 | |||||||||||
| 貸付面積 | 営業収益 | 貸付面積 | 営業収益 | ||||||||||
| 不動産 賃貸 | 丸の内オフィス | (所有) | 1,350,384 | ㎡ | 243,689 | (所有) | 1,349,034 | ㎡ | 248,249 | ||||
| (転貸) | 401,046 | ㎡ | (転貸) | 397,171 | ㎡ | ||||||||
| 東京オフィス (丸の内以外) | (所有) | 610,634 | ㎡ | 123,607 | (所有) | 584,645 | ㎡ | 140,514 | |||||
| (転貸) | 839,540 | ㎡ | (転貸) | 929,890 | ㎡ | ||||||||
| オフィス (東京以外) | (所有) | 632,566 | ㎡ | 69,862 | (所有) | 609,128 | ㎡ | 59,457 | |||||
| (転貸) | 285,882 | ㎡ | (転貸) | 277,194 | ㎡ | ||||||||
| アウトレットモール | (店舗) | 306,497 | ㎡ | 46,386 | (店舗) | 334,539 | ㎡ | 40,027 | |||||
| その他 | - | 40,919 | - | 36,175 | |||||||||
| 不動産販売 | - | 91,030 | - | 52,878 | |||||||||
| その他(注3) | - | 108,217 | - | 95,139 | |||||||||
| 合 計 | - | 723,712 | - | 672,441 | |||||||||
(注)1. 金額は消費税等抜きで表示しております。
2. 営業収益には、セグメント間の内部営業収益又は振替高を含めております。
3. その他には、建物運営管理受託収入、営繕請負工事収入、ホテル事業収入等が含まれております。
4. 前年度の業績については、当年度より変更したセグメント区分に組替えております。
(b)住宅事業
・マンション事業の主な売上計上物件
「津田沼 ザ・タワー」 (千葉県習志野市)
「hitoto広島 The Tower」 (広島県広島市)
「ザ・パークハウス 川口本町」 (埼玉県川口市)
「ザ・パークハウス 市ヶ谷」 (東京都新宿区)
「ザ・パークハウス 早稲田」 (東京都新宿区)
・当年度において、国内マンション事業では、売上計上戸数が前年度に比べて増加したこと等により、増収となりました。
・一方で、当年度において賃貸住宅の売却が前年度に比べて大幅な減収となりました。
・この結果、当セグメントの営業収益は前年度に比べ22,782百万円減収の362,755百万円となり、営業利益は251百万円減益の24,068百万円となりました。
| (単位:百万円) | ||||||||||||
| 摘 要 | 前年度 | 当年度 | ||||||||||
| 販売数量等 | 営業収益 | 販売数量等 | 営業収益 | |||||||||
| マンション | 売上計上戸数 | 3,214 | 戸 | 202,876 | 売上計上戸数 | 3,476 | 戸 | 203,513 | ||||
| 住宅管理業務受託 | 受託件数 | 352,365 | 件 | 54,980 | 受託件数 | 350,682 | 件 | 55,102 | ||||
| 注文住宅 | - | 36,101 | - | 32,045 | ||||||||
| その他 | - | 91,579 | - | 72,094 | ||||||||
| 合 計 | - | 385,538 | - | 362,755 | ||||||||
(注)1. 金額は消費税等抜きで表示しております。
2. 営業収益には、セグメント間の内部営業収益又は振替高を含めております。
3. 他社との共同事業物件の売上計上戸数及び金額は当社持分によっております。
4. 前年度の業績については、当年度より変更したセグメント区分に組替えております。
(c)海外事業
・当年度においては、不動産開発・賃貸事業は、アジアにおいて分譲マンション事業による売上計上戸数の増加等があった一方で、前年度に計上した英国での物件売却収入の反動により減収となりました。
・この結果、当セグメントの営業収益は前年度に比べ19,718百万円減収の114,457百万円となり、営業利益は8,224百万円減益の37,932百万円となりました。
| (単位:百万円) | |||||||||||||
| 摘 要 | 前年度 | 当年度 | |||||||||||
| 貸付面積等 | 営業収益 | 貸付面積等 | 営業収益 | ||||||||||
| 不動産開発 ・賃貸 | 米国 | 貸付面積 | 347,728 | ㎡ | 79,821 | 貸付面積 | 424,009 | ㎡ | 75,582 | ||||
| 管理受託面積 | 97,527 | ㎡ | 管理受託面積 | 97,527 | ㎡ | ||||||||
| 欧州 | 貸付面積 | 248,507 | ㎡ | 40,753 | 貸付面積 | 246,763 | ㎡ | 22,131 | |||||
| アジア | 貸付面積 | 69,779 | ㎡ | 10,384 | 貸付面積 | 61,555 | ㎡ | 15,504 | |||||
| 売上計上戸数 | 1,076 | 戸 | 売上計上戸数 | 2,552 | 戸 | ||||||||
| その他 | - | 3,216 | - | 1,238 | |||||||||
| 合 計 | - | 134,175 | - | 114,457 | |||||||||
(注)1. 金額は消費税等抜きで表示しております。
2. 営業収益には、セグメント間の内部営業収益又は振替高を含めております。
3. 前年度の業績については、当年度より変更したセグメント区分に組替えております。
(d)投資マネジメント事業
・当年度においては、前年度に比べ当社グループがアセットマネジメントを行うファンドの資産残高が増加し、報酬が増加した等により、増収となりました。また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため出張の自粛等に伴い旅費交通費等の営業費用が減少したことにより、前年度に比べ利益率が改善しております。
・この結果、当セグメントの営業収益は前年度に比べ882百万円増収の22,199百万円となり、営業利益は1,499百万円増益の5,966百万円となりました。
| (単位:百万円) | ||
| 摘 要 | 営 業 収 益 | |
| 前年度 | 当年度 | |
| 投資マネジメント | 21,316 | 22,199 |
| 合 計 | 21,316 | 22,199 |
(注)1. 金額は消費税等抜きで表示しております。
2. 営業収益には、セグメント間の内部営業収益又は振替高を含めております。
(e)設計監理・不動産サービス事業
・㈱三菱地所設計において、2023年度着工予定の、「Torch Tower(東京駅前常盤橋プロジェクトB棟)」等の設計監理業務他の収益を計上しました。
・当年度においては、設計監理収益は売上件数が減少したものの、1件あたりの金額が増加したこと等により増収となりましたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、不動産仲介・駐車場運営管理については減収となりました。
・この結果、当セグメントの営業収益は前年度に比べ1,063百万円減収の56,064百万円となり、営業利益は1,448百万円減益の959百万円となりました。
| (単位:百万円) | ||||||||||||
| 摘 要 | 前年度 | 当年度 | ||||||||||
| 売上件数等 | 営業収益 | 売上件数等 | 営業収益 | |||||||||
| 設計監理 | 受注件数 | 1,293 | 件 | 19,547 | 受注件数 | 1,200 | 件 | 20,472 | ||||
| 売上件数 | 1,375 | 件 | 売上件数 | 1,279 | 件 | |||||||
| 不動産仲介 | 取扱件数 | 1,095 | 件 | 8,598 | 取扱件数 | 931 | 件 | 7,368 | ||||
| 駐車場運営管理 | 管理台数 | 54,460 | 台 | 11,171 | 管理台数 | 56,596 | 台 | 10,447 | ||||
| その他 | - | 17,812 | - | 17,775 | ||||||||
| 合 計 | - | 57,128 | - | 56,064 | ||||||||
(注)1. 金額は消費税等抜きで表示しております。
2. 営業収益には、セグメント間の内部営業収益又は振替高を含めております。
3. 前年度の業績については、当年度より変更したセグメント区分に組替えております。
② キャッシュ・フローの状況
当年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」)は、税金等調整前当期純利益、長期借入れ等による収入、有形固定資産の取得等による支出により、前年度末に比べ40,701百万円減少し、172,307百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、207,414百万円の資金の増加(前年度比△134,352百万円)となりました。これは、税金等調整前当期純利益201,265百万円に非資金損益項目である減価償却費89,107百万円等を調整した資金の増加に、法人税等の支払、たな卸資産の減少等による資金の増減を加えたものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、297,303百万円の資金の減少(前年度比△19,863百万円)となりました。これは有形固定資産の取得等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、50,425百万円の資金の増加(前年度比+79,312百万円)となりました。これは長期借入れ、社債の発行等によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
生産、受注及び販売の実績については、「① 財政状態及び経営成績の状況」における各セグメントの業績に関連付けて記載しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りです。
なお、本項における将来に関する事項は、当年度末現在において当社グループが判断したものであります。
2021年3月期の業績は営業利益が2,243億円で、直近の対外公表予想値に比べて73億円の増益(+3.4%)となり、計画を上回る成果を挙げることができました。
2020年度は新型コロナウイルス感染症に伴う休館等により、商業施設・ホテルを中心に大きく影響を受ける結果となりました。その中でもオフィス賃貸事業や販売利益を中心に確実に利益を実現したほか、分譲住宅市場の活況を着実に捉えた販売進捗や、海外における販売利益の獲得により計画を上回る利益を実現できました。
2020年度よりスタートした「長期経営計画2030」では国内アセット事業・海外アセット事業・ノンアセット事業で、それぞれ500億円程度の成長を目指しております。2020年度においては丸の内NEXTステージ再開発計画の第一弾として「みずほ丸の内タワー・銀行会館・丸の内テラス」が竣工、その他にも「TOKYO TORCH(東京駅前常盤橋プロジェクト)」の対外発表、当社グループとして初となるストックホルムでのオフィスビル事業への参画など、長期経営計画の戦略に合致する将来の収益機会の獲得を実現しております。更に、回転型投資の展開を通じた売却益の獲得及びフィービジネスの拡大を図るべく、当社グループで運営するファンドやREITへの売却を推進し、バリューチェーンを強化しています。これらの成果を着実に利益として結実させ、長期経営計画で掲げた計数目標の達成を目指します。
セグメントごとの経営成績に関しては次の通りです。コマーシャル不動産事業においては、新型コロナウイルス感染症に伴う閉館等の影響で、商業施設・ホテルを中心に大きく減益となった一方で、新規に竣工したビルや既存ビルの賃貸利益の増加及び物件売却益の増加により営業利益は1,807億円となり、直近の予想値よりも27億円の増益となりました。住宅事業においては、分譲マンションの利益の増加などにより、営業利益は240億円となり、直近の予想値よりも30億円の増益となりました。海外事業においては、米国事業の物件売却益の増加などにより営業利益は379億円となり、直近の予想値と同水準となりました。投資マネジメント事業においては、三菱地所投資顧問㈱の運用するファンドで扱う物件数の増加などにより、営業利益は59億円となり、直近の予想値よりも19億円の増益となりました。その他のセグメントについても、概ね計画通りに利益を計上することができました。
≪セグメント別営業利益≫
| (単位:百万円) | |||
| 2020年度 | |||
| 直近予想値 *1 | 決算値 | 増減 | |
| コマーシャル不動産 事業 | 178,000 | 180,775 | 2,775 |
| 住宅事業 | 21,000 | 24,068 | 3,068 |
| 海外事業 | 38,000 | 37,932 | △68 |
| 投資マネジメント事業 | 4,000 | 5,966 | 1,966 |
| 設計監理・ 不動産サービス事業 | 1,000 | 959 | △41 |
| その他の事業 | △1,000 | △1,089 | △89 |
| 調整額 | △24,000 | △24,219 | △219 |
| 合 計 | 217,000 | 224,394 | 7,394 |
(注)*1. 2021年2月10日公表時の通期業績予想となります。
当社グループは、中期的な視点から強みを活かした投資により得られる利益の拡大を通じた企業価値の向上を図るため、成長投資を推進する一方で、財務健全性の維持も重要な経営目標としており、成長に向けた事業投資を行うにあたっては、高格付けの維持を前提とした最適な資本構成を図っています。当社グループの財源については、ビル賃貸事業が主力事業であることから、引き続き長期・固定資金を主体に調達しております。今後も期間中の金利状況や、調達済有利子負債の償還期間等とのバランスも考慮しながら、調達手段に柔軟性を持たせつつ運営を行って参る所存であります。事業等のリスクに対しては、当社グループでは「三菱地所グループリスクマネジメント規程」を制定し、すべての事業活動を対象にリスクマネジメントを整備、運用しています。当社グループのリスクマネジメントを統括する機関として「リスク・コンプライアンス委員会」を、またリスクマネジメントに関する情報の集約など、実務的な合議体として「リスク・コンプライアンス協議会」をそれぞれ位置付けるほか、取締役会の決議より任命されたリスクマネジメント担当役員を統括責任者として、ラインスタッフ部署、コーポレート部署、DX推進部並びにグループ各社に責任者を置き、それを推進事務局である法務・コンプライアンス部が支援する形でリスクマネジメント活動を推進しています。更に、重要な投資案件の意思決定にあたっては「経営会議」での審議の前に「投資委員会」で審議を行い、リスクの内容や対応等をチェックしています。また、緊急事態発生時の行動指針や連絡・初動体制、事業継続計画等についても整備、運用しています。
(3) 資本の財源及び資金の流動性
1)財務戦略の基本的な考え方
当社グループは、業界最上位の格付に裏打ちされた強固な財務基盤は、重要な経営資源の一つであると位置づけ、財務健全性の維持と高格付を活かした適時最適な調達の実現を財務戦略の基本方針としております。
2020年4月から開始した「長期経営計画2030」においても、ROAの向上を通じたROEの向上に主眼を置き、レバレッジについては現状の格付水準が維持可能な範囲で適切にコントロールすることを基本方針としており、不動産市況に応じた、成長投資・資産売却・株主還元・資金調達の最適な組み合わせによる企業価値向上を実現して参ります。長期経営計画初年度である2020年度は、新型コロナウイルス感染症の影響により、財務健全性の一時的な悪化を想定しておりましたが、ネット有利子負債/EBITDA倍率についてはハイブリッドファイナンス考慮前で7.1倍(考慮後で6.6倍)にて着地いたしました。世界経済の先行きは依然として不透明な状況が継続することが想定されますが、10年という長期にわたる経営計画においては、事業環境が変動する可能性を織り込んでいるため、環境の変化を見極めつつ、柔軟な資本政策を組み合わせながら、事業機会獲得の機会を的確に捉え、2030年の目標実現に向け、着実に各種施策を推進して参ります。
2)経営資源の配分と資金需要の主な内容
当社グループは、事業により獲得した営業キャッシュ・フローと資金調達余力に応じたキャッシュインを、株主還元、事業投資・回収(ネット投資額=投資決定済案件への投資-物件売却による回収)、不動産市況に応じて柔軟に行う戦略的アロケーションの3点に配分します。戦略的アロケーションは、株主価値向上に資する案件への厳選投資、追加の株主還元、負債抑制等のうち、その時々の状況に応じて柔軟に判断して参ります。
今後の主な資金需要としては「長期経営計画2030」に基づき、有楽町エリア及び常盤橋エリアを重点更新エリアとし、2030年までに総額6,000~7,000億円程度を投じ、再開発やリノベーションを推進して参ります。また、2022年3月期のキャッシュ・フローでは、約5,800億円のベース投資と約4,000億円の物件売却による回収を見込んでおります。
3)資金調達手段
当社グループは、事業展開に伴う資金需要を安定的に確保するため、内部資金及び外部資金を有効に活用しております。
内部資金については、主要グループ会社では原則として金融機関など外部からの資金調達を行わず、キャッシュ・マネジメント・サービスの活用により、資金調達の一元化と資金効率化、流動性の確保を図っています。
外部資金については、財務健全性の維持が可能な範囲において金融機関からの借入や社債発行等を活用しており、資金需要・金融市況・調達コスト・償還バランスなどを総合的に勘案した上で、適切なファイナンスを実施しております。なお、当社グループは長期の開発期間を伴う事業が中心であるため、いずれの調達手段であっても10年以上の長期資金を中心とした資金調達を行うと共に、負債の年度別償還額の集中を避けることでリファイナンスリスクの低減を図っています。
主要な取引先金融機関とは、良好な取引関係を維持構築することで、円滑な資金調達を可能としております。また、国内金融機関においてコミットメントライン枠やスポット借入枠を設定しており、緊急時の流動性を確保しております。
社債発行については、国内外3社の格付機関から取得している信用格付(※1)をもとに、近年は劣後特約付社債(ハイブリッド社債)に加え、東京駅前常盤橋プロジェクトA棟建設資金を使途とするグリーンボンド、国内の公募債市場で最長かつ初となる50年債の発行など、投資家需要や起債環境を見極めたうえで最適な起債に努めており、今後も資金調達手段の多様化を図って参ります。
尚、当社は劣後特約付公募社債を含む、全ての社債を無担保で発行していること、金融機関からの借入金についても財務制限条項は付されていないことから、安定した資金調達が可能と考えております。
※1 本報告書提出時点において、格付投資情報センターの格付はAAマイナス(安定的)、スタンダード&プアーズの格付はAプラス(安定的)、ムーディーズの格付はA2(安定的)となっております。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。