有価証券報告書-第47期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、景気は緩やかな回復基調で推移しておりましたが、2019年10月の消費税増税に加えて、今般の新型コロナウイルス感染症の国内及び世界的な蔓延による影響により、経済活動の停滞が懸念されることとなり、景気の先行きが不透明な状況が一段と強まりました。
不動産業界におきましては、良質な分譲用地の取得競争の激化、それに伴う地価の上昇や人手不足を背景とした建築コストの高止まり等により、新築分譲マンションを中心に分譲事業は厳しい事業環境となりました。更に、新型コロナウイルス感染症の拡大が不動産業界に大きな影響を与えることとなり、事業への警戒感が高まって参りました。
このような状況のもと、当社グループは住宅・不動産に関するあらゆる住まいのワンストップサービス企業として、不動産事業の中での多角化によるバランス経営を図り、より収益性が高く効率性のよい賃貸及び管理事業の比率を高め、長期的な安定経営・つぶれない会社づくりを重点に事業を展開して参りました。
また、当社グループの対処すべき課題に対する当連結会計年度の主な取り組みは、次のとおりであります。
会社の成長を支える重要な経営基盤である優秀な人財の採用及び育成並びに働き甲斐のある環境の整備については、積極的なテレワークの活用による柔軟な働き方の推進や、スニーカー通勤の奨励、また、管理部門を中心とした昇降式スタンディングデスクの導入により長時間の座りっぱなしを原因とした健康障害を防ぐ環境づくりを行うなどの健康保持増進に努めました。新型コロナウイルス感染症への対応については、行政機関より発令された「緊急事態宣言」を受け、感染拡大防止、社員の安全確保を最優先とし、多人数が集まる社内外での会議やイベントの延期、テレワークの一層の推進、また、業務上休業せざるを得ない社員に対しては特別休暇を付与する等の感染防止・予防に向けた取り組みを実施し、社員が安心・安全に就業できる環境の整備に努めました。
当社グループの認知度の向上については、日頃の地域清掃活動や地域防犯パトロールに加え、木造住宅を供給する会社として環境保全や地域社会への影響に責任を持った事業活動を行いたいという考えから、和歌山県の「企業の森」事業に賛同し、和歌山県日高郡の森林の一部を「フジ住宅の森」と名付け、当社グループ社員とその家族のボランティアによる植林並びに育林活動を行い地域との交流を深めるなど、地域活動を積極的に実施して参りました。
収益基盤の維持・強化については、土地有効活用事業の需要へのさらなる対応に向け、雄健建設㈱、関西電設工業㈱及び日建設備工業㈱の3社を株式取得の方法により100%連結子会社化いたしました。なお、みなし取得日を2020年3月31日に設定しているため、同連結子会社3社の当事業年度の損益計算書は連結損益計算書に含めずに、当事業年度末の貸借対照表のみを連結貸借対照表に含めております。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)」をご参照ください。
これに伴い、以下の前期比較については、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
(分譲住宅セグメント)
良質な分譲用地の取得競争の激化や地価の上昇による土地仕入価格の高騰、人手不足、建築コストの上昇等に課題がありました。分譲マンションでは販売中物件の契約は順調となっているものの、供給は端境期となりました。
そのため、当連結会計年度の自由設計住宅の引渡戸数は前連結会計年度に比べ169戸減少し736戸(前期は905戸)となり、分譲マンションの引渡戸数は前連結会計年度に比べ73戸減少し14戸(前期は87戸)となりました。その結果、当セグメントの売上高は28,926百万円(前期比29.3%減)となり、セグメント利益は1,313百万円(前期比64.8%減)となりました。
(住宅流通セグメント)
長期保有物件の処分を目的とし、保有期間の長い物件を中心に積極的な販売価格の値下げを行った結果、1戸当たりの利益率は前連結会計年度に比べ減少することとなりました。しかしながら、第2四半期連結会計期間には販売価格の値下げによる影響に加えて消費税増税に対する駆け込み需要の影響があったこと、また、消費税増税後の第3四半期連結会計期間以降も消費税増税に対する反動減が予想より少なく、中古住宅の引渡戸数は前連結会計年度に比べ大幅に増加いたしました。
そのため、当連結会計年度の中古住宅の引渡戸数は前連結会計年度に比べ237戸増加し1,707戸(前期は1,470戸)となりました。その結果、当セグメントの売上高は38,176百万円(前期比15.4%増)となり、セグメント利益は713百万円(前期比40.6%増)となりました。
(土地有効活用セグメント)
賃貸住宅等建築請負及びサービス付き高齢者向け賃貸住宅の引渡しは堅調に推移しました。しかしながら、個人投資家向け一棟売賃貸アパートでは、建築業界の人手不足による十分な施工棟数の確保が困難であったことにより引渡しが伸び悩みました。
そのため、当連結会計年度の賃貸住宅等建築請負及びサービス付き高齢者向け賃貸住宅の引渡件数が48件(前期は39件)となり、前連結会計年度に比べ増加しましたが、個人投資家向け一棟売賃貸アパートの引渡棟数が110棟(前期は143棟)となり、前連結会計年度に比べ大幅に減少いたしました。その結果、当セグメントの売上高は23,298百万円(前期比2.3%減)となり、セグメント利益は2,171百万円(前期比8.8%減)となりました。
(賃貸及び管理セグメント)
主として土地有効活用事業にリンクしたサービス付き高齢者向け賃貸住宅等の賃貸物件及び分譲マンションの引渡しに伴い管理物件の取扱い件数が増加したことに加えて、前連結会計年度に比べ稼働率が上昇したこと、また、土地有効活用事業の大阪北部、阪神間地域の深耕により、連結子会社であるフジ・アメニティサービス㈱の同地域での認知度が向上したこと等により、業績は堅調に推移しました。
その結果、賃貸及び管理セグメントの業績は前連結会計年度に比べ増加し、当セグメントの売上高は20,042百万円(前期比12.3%増)となり、セグメント利益は2,430百万円(前期比39.1%増)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高110,444百万円(前期比4.6%減)を計上し、営業利益5,002百万円(前期比24.6%減)、経常利益4,611百万円(前期比28.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益3,088百万円(前期比28.1%減)となりました。当連結会計年度の経営成績は、期初の連結業績予想に比べて売上高は上回りましたが、各段階利益は若干下回る結果となりました。新型コロナウイルス感染症による影響については、営業活動の縮小による受注減等はございますが、当連結会計年度への影響は僅少であります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ2,516百万円の増加となり、当連結会計年度末には14,557百万円(前期比20.9%増)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により使用した資金は1,650百万円(前期は11,962百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上額4,684百万円(前期比25.6%減)、たな卸資産の増加額5,974百万円(前期は4,574百万円の減少)、その他債務の増加額946百万円(前期は70百万円の増加)及び法人税等の支払額1,894百万円(前期比17.2%減)等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は6,021百万円(前期比64.1%減)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出6,148百万円(前期比63.0%減)、有形固定資産の売却による収入807百万円(前期比945.6%増)及び連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出552百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により得られた資金は10,187百万円(前期比60.6%増)となりました。これは主に、長短借入金の純増加額10,400百万円(前期比52.8%増)、社債の発行・償還による収入739百万円(前期比25.1%減)及び配当金の支払額953百万円(前期比1.5%減)等によるものであります。
③ 販売及び契約の実績
a.販売実績
当連結会計年度及び前連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.最近2連結会計年度に、販売実績が総販売実績の100分の10以上の相手先はありません。
2.住宅流通セグメントの「その他」は、仲介手数料収入等であります。
3.当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)」をご参照ください。
4.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注契約実績
当連結会計年度及び前連結会計年度におけるセグメントごとの受注契約実績は、次のとおりであります。
(注)1.期中契約高に記載された金額は、期中契約高と期中解約高を純額表示しております。
2.当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)」をご参照ください。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、現行の見積りを必要とする会計処理については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりの方法によっており、会計基準等の新設・更新や連結財務諸表に重要な影響を及ぼす事象が発生した場合は、基本的には会計処理基準に準拠する方法によることとしており、新たに見積りを必要とする場合は、蓋然性の高い見積り方法による方針としております。
なお、会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 (追加情報)」をご参照ください。
(たな卸資産)
当社グループのたな卸資産の評価については、収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により評価損を計上しております。今後、市場状況の悪化による処分価額の低下が生じた場合、たな卸資産の評価損を計上する可能性があります。
(貸倒引当金)
当社グループは、営業未収入金等の回収事故に対処するため、貸倒懸念債権等特定の債権については、個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。将来、顧客の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加の引当金が必要となる可能性があります。
(有価証券の減損)
当社グループのその他有価証券については、期末日における時価が取得価額の50%以上下落した場合、又は、2年間に渡り連続して取得価額の30%以上下落した場合に、減損処理を行う事としております。
将来、投資先の株価の著しい下落があった場合には、投資有価証券の評価損を計上する可能性があります。
(繰延税金資産)
当社グループの繰延税金資産については、中長期の損益見込みに基づいて将来の課税所得を検討し、回収可能性を考慮して計上しております。当連結会計年度末において計上されている繰延税金資産は十分回収できると判断しておりますが、予測し得なかった損失の発生が見込まれた場合、当該繰延税金資産が法人税等調整額として費用化される可能性があります。
② 財政状態の状況、分析及び検討
当社グループは、適切な流動性の維持、事業活動のための資金確保及び健全なバランスシートの維持を財務方針としております。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ14,969百万円増加して162,435百万円(前期比10.2%増)となりました。流動資産は、前連結会計年度末に比べ11,764百万円増加して119,763百万円(前期比10.9%増)となり、固定資産は、前連結会計年度末に比べ3,204百万円増加し、42,671百万円(前期比8.1%増)となりました。
流動資産増加の主な要因は、現金及び預金の増加額2,716百万円(前期比22.6%増)及びたな卸資産の増加額8,694百万円(前期比9.3%増)等を反映したものであります。当社グループは、当連結会計年度において地価が上昇する中、良質な分譲マンション用地及び一棟売賃貸アパート用地の購入に注力した結果、たな卸資産が前連結会計年度末に比べ増加いたしました。
固定資産のうち有形固定資産は、前連結会計年度末に比べ2,754百万円増加して38,717百万円(前期比7.7%増)となりました。この増加の主な要因は、中古住宅アセット事業に係る土地・建物の取得、自社所有サービス付き高齢者向け賃貸住宅に係る土地・建物の取得、本社設備並びに分譲住宅事業及び住宅流通事業に係る販売センター設備等の取得による増加額6,271百万円等の増加要因並びに賃貸資産の売却、所有目的の変更及び減価償却実施による減少額3,516百万円等の減少要因を反映したものであります。無形固定資産は、前連結会計年度末に比べ356百万円増加の716百万円(前期比99.3%増)となりました。また、投資その他の資産は、前連結会計年度末に比べ93百万円増加の3,237百万円(前期比3.0%増)となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ12,798百万円増加して122,507百万円(前期比11.7%増)となりました。流動負債は、前連結会計年度末に比べ11,324百万円増加し50,223百万円(前期比29.1%増)となり、固定負債は、前連結会計年度末に比べ1,474百万円増加し72,284百万円(前期比2.1%増)となりました。
流動負債増加の主な要因は、支払手形・工事未払金の減少額443百万円(前期比9.5%減)、電子記録債務の増加額1,100百万円(前期比107.5%増)、短期借入金の増加額9,460百万円(前期比39.6%増)及び前受金の増加額1,264百万円(前期比35.4%増)等を反映したものであります。
固定負債増加の主な要因は、社債の増加額525百万円(前期比65.6%増)及び長期借入金の増加額940百万円(前期比1.3%増)を反映したものであります。
当連結会計年度末の純資産の合計は、前連結会計年度末に比べ2,170百万円増加して39,927百万円(前期比5.7%増)となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益3,088百万円の計上による資金増加要因及び配当金の支払額953百万円の資金減少要因並びに自己株式の処分による増加額94百万円等を反映したものであります。
以上の結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末の25.6%から24.6%となりました。また、1株当たり純資産額は、前連結会計年度末の1,068.69円から1,126.40円となりました。
当連結会計年度末の財政状態を検討した結果、事業活動のための資金確保及び健全なバランスシートの維持という財務方針どおり、将来の収益確保に備えるための良質の分譲住宅事業及び土地有効活用事業における開発用不動産取得を推し進めたことにより流動資産は増加することとなり、プロジェクトごとの資金調達での短期借入金、長期借入金は増加する結果となっており、「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」に記載されております外因的リスクには晒されておりますが、概ね計画どおりの財政状態となっております。
③ 経営成績の分析・検討
当連結会計年度の連結損益計算書に重要な影響を与えた要因につき、以下にご説明いたします。
a.売上高
当連結会計年度の売上高は、期初予想を上回ることとなりましたが、前連結会計年度に比べ5,266百万円減少して、110,444百万円(前期比4.6%減)を計上いたしました。分譲住宅セグメントにおいては、自由設計住宅及び分譲マンションの引渡戸数が大幅に減少したこと及び前連結会計年度に大型の素地販売があったことにより、前連結会計年度に比べ29.3%減少の28,926百万円となりました。住宅流通セグメントにおいては、中古住宅の引渡戸数が大幅に増加したことにより、売上高は前連結会計年度に比べ15.4%増加し38,176百万円となりました。土地有効活用セグメントにおいては、賃貸住宅等建築請負及びサービス付き高齢者向け賃貸住宅の引渡しは堅調に推移しましたが、個人投資家向け一棟売賃貸アパートの引渡しが減少したことにより、売上高は前連結会計年度に比べ2.3%減少し23,298百万円となりました。賃貸及び管理セグメントにおいては、土地有効活用セグメントにおけるサービス付き高齢者向け賃貸住宅等の請負工事の引渡しにリンクした管理物件の増加及び中古住宅アセット事業が軌道に乗っていることにより、当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ12.3%増加し20,042百万円を計上いたしました。
b.営業利益
当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比べ1,634百万円減少して、5,002百万円(前期比24.6%減)となりました。主な要因は、自由設計住宅の引渡戸数が大幅に減少したこと等により分譲住宅セグメントに係る営業利益が前連結会計年度に比べ64.8%減少の1,313百万円となったこと、中古住宅の引渡戸数が大幅に増加したことにより住宅流通セグメントに係る営業利益が前連結会計年度に比べ40.6%増加の713百万円となったこと、賃貸住宅等建築請負及びサービス付き高齢者向け賃貸住宅の売上高の増加並びに個人投資家向け一棟売賃貸アパートの売上高の減少があったことにより、相対的に利益幅が低下したことを反映して土地有効活用セグメントに係る営業利益が前連結会計年度に比べ8.8%減少の2,171百万円となったこと、賃貸及び管理セグメントに係る営業利益が前連結会計年度に比べ39.1%増加の2,430百万円となったことによるものであります。
c.経常利益
当連結会計年度の営業外損益は、営業外収益が主として前連結会計年度に受取和解金の計上があったことにより相対的に前連結会計年度に比べ9.6%減少し474百万円となり、営業外費用が主として分譲住宅セグメント及び土地有効活用セグメントの開発用土地購入並びに住宅流通セグメントの中古住宅取得に付随する借入金に係る支払利息の増加により、前連結会計年度に比べ20.7%増加し865百万円となりました。
以上の結果、営業利益に営業外収益・費用を加減算した経常利益は4,611百万円(前期比28.4%減)となり、売上高経常利益率は4.2%(前期は5.6%)となりました。
d.親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の特別利益は、主として中古住宅アセット事業等に係る固定資産売却益の計上等により148百万円(前期は3百万円)となり、特別損失は、主として前連結会計年度に投資有価証券評価損を計上したことにより前連結会計年度に比べ50.5%減少し75百万円となりました。また、税金費用は、前連結会計年度に比べ20.1%減少し1,595百万円となりました。
以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ28.1%減益となり3,088百万円を計上いたしました。
(3)資本の財源及び資金の流動性
① キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
② 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの資金需要のうち主なものは、不動産(たな卸資産、固定資産)の取得・開発をはじめとする事業への投資資金等であり、金融機関からの短期借入金、長期借入金を基本としております。その中で、中古住宅等の取得資金の効率的な調達を行うため、取引銀行と当座貸越契約及びコミットメントライン契約並びにコミット型シンジケートローン契約を締結しております。当連結会計年度において、中古住宅仕入資金のためのコミットメントライン型シンジケートローン契約2件(契約締結額合計8,350百万円、期末借入額合計7,100百万円)を金融機関と締結いたしました。また、金融機関2行と銀行保証付無担保社債(発行額合計1,000百万円)を発行いたしました。なお、新型コロナウイルス感染症拡大による資金需要に備え、金融機関からの借入により手許資金を増加し、現金及び預金は14,757百万円(前連結会計年度は12,041百万円)となりました。
(4)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況
当社グループは、株主重視の経営という観点から、企業価値の向上と継続的・安定的な成長を図り、企業の経営効率を判断する指標である自己資本当期純利益率(ROE)を重要な経営指標として位置付けており、中期利益計画(2020年3月期~2022年3月期)において、全期間でのROE10%以上の達成を目指しております。
当連結会計年度は、7.96%で未達成となりました。
過去5年間におけるROEの推移は、以下のとおりであります。
中期利益計画(2020年3月期~2022年3月期)の初年度である当連結会計年度のROEを含めた各経営指標の達成・進捗状況は以下のとおりであります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、景気は緩やかな回復基調で推移しておりましたが、2019年10月の消費税増税に加えて、今般の新型コロナウイルス感染症の国内及び世界的な蔓延による影響により、経済活動の停滞が懸念されることとなり、景気の先行きが不透明な状況が一段と強まりました。
不動産業界におきましては、良質な分譲用地の取得競争の激化、それに伴う地価の上昇や人手不足を背景とした建築コストの高止まり等により、新築分譲マンションを中心に分譲事業は厳しい事業環境となりました。更に、新型コロナウイルス感染症の拡大が不動産業界に大きな影響を与えることとなり、事業への警戒感が高まって参りました。
このような状況のもと、当社グループは住宅・不動産に関するあらゆる住まいのワンストップサービス企業として、不動産事業の中での多角化によるバランス経営を図り、より収益性が高く効率性のよい賃貸及び管理事業の比率を高め、長期的な安定経営・つぶれない会社づくりを重点に事業を展開して参りました。
また、当社グループの対処すべき課題に対する当連結会計年度の主な取り組みは、次のとおりであります。
会社の成長を支える重要な経営基盤である優秀な人財の採用及び育成並びに働き甲斐のある環境の整備については、積極的なテレワークの活用による柔軟な働き方の推進や、スニーカー通勤の奨励、また、管理部門を中心とした昇降式スタンディングデスクの導入により長時間の座りっぱなしを原因とした健康障害を防ぐ環境づくりを行うなどの健康保持増進に努めました。新型コロナウイルス感染症への対応については、行政機関より発令された「緊急事態宣言」を受け、感染拡大防止、社員の安全確保を最優先とし、多人数が集まる社内外での会議やイベントの延期、テレワークの一層の推進、また、業務上休業せざるを得ない社員に対しては特別休暇を付与する等の感染防止・予防に向けた取り組みを実施し、社員が安心・安全に就業できる環境の整備に努めました。
当社グループの認知度の向上については、日頃の地域清掃活動や地域防犯パトロールに加え、木造住宅を供給する会社として環境保全や地域社会への影響に責任を持った事業活動を行いたいという考えから、和歌山県の「企業の森」事業に賛同し、和歌山県日高郡の森林の一部を「フジ住宅の森」と名付け、当社グループ社員とその家族のボランティアによる植林並びに育林活動を行い地域との交流を深めるなど、地域活動を積極的に実施して参りました。
収益基盤の維持・強化については、土地有効活用事業の需要へのさらなる対応に向け、雄健建設㈱、関西電設工業㈱及び日建設備工業㈱の3社を株式取得の方法により100%連結子会社化いたしました。なお、みなし取得日を2020年3月31日に設定しているため、同連結子会社3社の当事業年度の損益計算書は連結損益計算書に含めずに、当事業年度末の貸借対照表のみを連結貸借対照表に含めております。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)」をご参照ください。
これに伴い、以下の前期比較については、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
(分譲住宅セグメント)
良質な分譲用地の取得競争の激化や地価の上昇による土地仕入価格の高騰、人手不足、建築コストの上昇等に課題がありました。分譲マンションでは販売中物件の契約は順調となっているものの、供給は端境期となりました。
そのため、当連結会計年度の自由設計住宅の引渡戸数は前連結会計年度に比べ169戸減少し736戸(前期は905戸)となり、分譲マンションの引渡戸数は前連結会計年度に比べ73戸減少し14戸(前期は87戸)となりました。その結果、当セグメントの売上高は28,926百万円(前期比29.3%減)となり、セグメント利益は1,313百万円(前期比64.8%減)となりました。
(住宅流通セグメント)
長期保有物件の処分を目的とし、保有期間の長い物件を中心に積極的な販売価格の値下げを行った結果、1戸当たりの利益率は前連結会計年度に比べ減少することとなりました。しかしながら、第2四半期連結会計期間には販売価格の値下げによる影響に加えて消費税増税に対する駆け込み需要の影響があったこと、また、消費税増税後の第3四半期連結会計期間以降も消費税増税に対する反動減が予想より少なく、中古住宅の引渡戸数は前連結会計年度に比べ大幅に増加いたしました。
そのため、当連結会計年度の中古住宅の引渡戸数は前連結会計年度に比べ237戸増加し1,707戸(前期は1,470戸)となりました。その結果、当セグメントの売上高は38,176百万円(前期比15.4%増)となり、セグメント利益は713百万円(前期比40.6%増)となりました。
(土地有効活用セグメント)
賃貸住宅等建築請負及びサービス付き高齢者向け賃貸住宅の引渡しは堅調に推移しました。しかしながら、個人投資家向け一棟売賃貸アパートでは、建築業界の人手不足による十分な施工棟数の確保が困難であったことにより引渡しが伸び悩みました。
そのため、当連結会計年度の賃貸住宅等建築請負及びサービス付き高齢者向け賃貸住宅の引渡件数が48件(前期は39件)となり、前連結会計年度に比べ増加しましたが、個人投資家向け一棟売賃貸アパートの引渡棟数が110棟(前期は143棟)となり、前連結会計年度に比べ大幅に減少いたしました。その結果、当セグメントの売上高は23,298百万円(前期比2.3%減)となり、セグメント利益は2,171百万円(前期比8.8%減)となりました。
(賃貸及び管理セグメント)
主として土地有効活用事業にリンクしたサービス付き高齢者向け賃貸住宅等の賃貸物件及び分譲マンションの引渡しに伴い管理物件の取扱い件数が増加したことに加えて、前連結会計年度に比べ稼働率が上昇したこと、また、土地有効活用事業の大阪北部、阪神間地域の深耕により、連結子会社であるフジ・アメニティサービス㈱の同地域での認知度が向上したこと等により、業績は堅調に推移しました。
その結果、賃貸及び管理セグメントの業績は前連結会計年度に比べ増加し、当セグメントの売上高は20,042百万円(前期比12.3%増)となり、セグメント利益は2,430百万円(前期比39.1%増)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高110,444百万円(前期比4.6%減)を計上し、営業利益5,002百万円(前期比24.6%減)、経常利益4,611百万円(前期比28.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益3,088百万円(前期比28.1%減)となりました。当連結会計年度の経営成績は、期初の連結業績予想に比べて売上高は上回りましたが、各段階利益は若干下回る結果となりました。新型コロナウイルス感染症による影響については、営業活動の縮小による受注減等はございますが、当連結会計年度への影響は僅少であります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ2,516百万円の増加となり、当連結会計年度末には14,557百万円(前期比20.9%増)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により使用した資金は1,650百万円(前期は11,962百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上額4,684百万円(前期比25.6%減)、たな卸資産の増加額5,974百万円(前期は4,574百万円の減少)、その他債務の増加額946百万円(前期は70百万円の増加)及び法人税等の支払額1,894百万円(前期比17.2%減)等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は6,021百万円(前期比64.1%減)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出6,148百万円(前期比63.0%減)、有形固定資産の売却による収入807百万円(前期比945.6%増)及び連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出552百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により得られた資金は10,187百万円(前期比60.6%増)となりました。これは主に、長短借入金の純増加額10,400百万円(前期比52.8%増)、社債の発行・償還による収入739百万円(前期比25.1%減)及び配当金の支払額953百万円(前期比1.5%減)等によるものであります。
③ 販売及び契約の実績
a.販売実績
当連結会計年度及び前連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | |||
| 数量 | 金額(千円) | 数量 | 金額(千円) | ||
| 分譲住宅 | |||||
| 自由設計住宅等 | 905戸 | 34,310,749 | 736戸 | 27,666,966 | |
| 分譲マンション | 87戸 | 3,097,321 | 14戸 | 519,263 | |
| 土地販売 | 20,119㎡ | 3,511,561 | 6,142㎡ | 740,647 | |
| 計 | 992戸 20,119㎡ | 40,919,632 | 750戸 6,142㎡ | 28,926,878 | |
| 住宅流通 | |||||
| 中古住宅(一戸建) | 251戸 | 5,968,063 | 279戸 | 6,917,579 | |
| 中古住宅(マンション) | 1,219戸 | 26,985,136 | 1,428戸 | 31,255,776 | |
| 建売住宅・その他 | 6戸 | 141,127 | - | 3,473 | |
| 計 | 1,476戸 | 33,094,327 | 1,707戸 | 38,176,829 | |
| 土地有効活用 | |||||
| 賃貸住宅等建築請負 | 26件 | 2,288,235 | 29件 | 3,250,521 | |
| サービス付き高齢者向け賃貸住宅 | 13件 | 4,015,899 | 19件 | 5,581,550 | |
| 個人投資家向け一棟売賃貸アパート | 143棟 | 17,543,495 | 110棟 | 14,466,041 | |
| 計 | 39件 143棟 | 23,847,631 | 48件 110棟 | 23,298,114 | |
| 賃貸及び管理 | |||||
| 賃貸料収入 | ――― | 13,579,005 | ――― | 15,080,915 | |
| サービス付き高齢者向け賃貸住宅事業収入 | ――― | 3,390,927 | ――― | 4,017,512 | |
| 管理手数料収入 | ――― | 879,070 | ――― | 944,075 | |
| 計 | ――― | 17,849,004 | ――― | 20,042,503 | |
| 合計 | 2,468戸 20,119㎡ 39件 143棟 | 115,710,595 | 2,457戸 6,142㎡ 48件 110棟 | 110,444,324 | |
(注)1.最近2連結会計年度に、販売実績が総販売実績の100分の10以上の相手先はありません。
2.住宅流通セグメントの「その他」は、仲介手数料収入等であります。
3.当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)」をご参照ください。
4.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注契約実績
当連結会計年度及び前連結会計年度におけるセグメントごとの受注契約実績は、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | |||||||
| 期中契約高 | 期末契約残高 | 期中契約高 | 期末契約残高 | ||||||
| 数量 | 金額(千円) | 数量 | 金額(千円) | 数量 | 金額(千円) | 数量 | 金額(千円) | ||
| 分譲住宅 | |||||||||
| 自由設計住宅等 | 822戸 | 30,756,081 | 578戸 | 21,408,426 | 719戸 | 28,578,400 | 561戸 | 22,319,859 | |
| 分譲マンション | 33戸 | 1,184,653 | 6戸 | 226,323 | 143戸 | 4,954,112 | 135戸 | 4,661,172 | |
| 土地販売 | 21,630㎡ | 3,727,661 | 1,613㎡ | 242,167 | 11,055㎡ | 1,531,351 | 6,525㎡ | 1,032,871 | |
| 計 | 855戸 21,630㎡ | 35,668,396 | 584戸 1,613㎡ | 21,876,917 | 862戸 11,055㎡ | 35,063,864 | 696戸 6,525㎡ | 28,013,903 | |
| 住宅流通 | |||||||||
| 中古住宅(一戸建) | 358戸 | 8,470,757 | 49戸 | 1,117,741 | 275戸 | 7,006,246 | 45戸 | 1,206,408 | |
| 中古住宅(マンション) | 1,139戸 | 25,449,331 | 146戸 | 3,401,879 | 1,445戸 | 31,494,805 | 163戸 | 3,640,909 | |
| 建売住宅・その他 | 2戸 | 46,574 | ― | - | ― | 3,473 | ― | - | |
| 計 | 1,499戸 | 33,966,663 | 195戸 | 4,519,621 | 1,720戸 | 38,504,525 | 208戸 | 4,847,317 | |
| 土地有効活用 | |||||||||
| 賃貸住宅等建築請負 | 44件 | 4,305,830 | ― | 4,610,204 | 31件 | 3,168,941 | ― | 4,528,624 | |
| サービス付き高齢者向け 賃貸住宅 | 30件 | 8,064,354 | ― | 9,516,675 | 9件 | 2,805,869 | ― | 6,740,994 | |
| 個人投資家向け一棟売賃貸アパート | 119棟 | 14,639,495 | 56棟 | 7,079,000 | 109棟 | 14,964,041 | 55棟 | 7,577,000 | |
| 計 | 74件 119棟 | 27,009,681 | 56棟 | 21,205,880 | 40件 109棟 | 20,938,852 | 55棟 | 18,846,618 | |
| 合計 | 2,354戸 21,630㎡ 74件 119棟 | 96,644,742 | 779戸 1,613㎡ 56棟 | 47,602,419 | 2,582戸 11,055㎡ 40件 109棟 | 94,507,242 | 904戸 6,525㎡ 55棟 | 51,707,839 | |
(注)1.期中契約高に記載された金額は、期中契約高と期中解約高を純額表示しております。
2.当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)」をご参照ください。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、現行の見積りを必要とする会計処理については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりの方法によっており、会計基準等の新設・更新や連結財務諸表に重要な影響を及ぼす事象が発生した場合は、基本的には会計処理基準に準拠する方法によることとしており、新たに見積りを必要とする場合は、蓋然性の高い見積り方法による方針としております。
なお、会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 (追加情報)」をご参照ください。
(たな卸資産)
当社グループのたな卸資産の評価については、収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により評価損を計上しております。今後、市場状況の悪化による処分価額の低下が生じた場合、たな卸資産の評価損を計上する可能性があります。
(貸倒引当金)
当社グループは、営業未収入金等の回収事故に対処するため、貸倒懸念債権等特定の債権については、個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。将来、顧客の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加の引当金が必要となる可能性があります。
(有価証券の減損)
当社グループのその他有価証券については、期末日における時価が取得価額の50%以上下落した場合、又は、2年間に渡り連続して取得価額の30%以上下落した場合に、減損処理を行う事としております。
将来、投資先の株価の著しい下落があった場合には、投資有価証券の評価損を計上する可能性があります。
(繰延税金資産)
当社グループの繰延税金資産については、中長期の損益見込みに基づいて将来の課税所得を検討し、回収可能性を考慮して計上しております。当連結会計年度末において計上されている繰延税金資産は十分回収できると判断しておりますが、予測し得なかった損失の発生が見込まれた場合、当該繰延税金資産が法人税等調整額として費用化される可能性があります。
② 財政状態の状況、分析及び検討
当社グループは、適切な流動性の維持、事業活動のための資金確保及び健全なバランスシートの維持を財務方針としております。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ14,969百万円増加して162,435百万円(前期比10.2%増)となりました。流動資産は、前連結会計年度末に比べ11,764百万円増加して119,763百万円(前期比10.9%増)となり、固定資産は、前連結会計年度末に比べ3,204百万円増加し、42,671百万円(前期比8.1%増)となりました。
流動資産増加の主な要因は、現金及び預金の増加額2,716百万円(前期比22.6%増)及びたな卸資産の増加額8,694百万円(前期比9.3%増)等を反映したものであります。当社グループは、当連結会計年度において地価が上昇する中、良質な分譲マンション用地及び一棟売賃貸アパート用地の購入に注力した結果、たな卸資産が前連結会計年度末に比べ増加いたしました。
固定資産のうち有形固定資産は、前連結会計年度末に比べ2,754百万円増加して38,717百万円(前期比7.7%増)となりました。この増加の主な要因は、中古住宅アセット事業に係る土地・建物の取得、自社所有サービス付き高齢者向け賃貸住宅に係る土地・建物の取得、本社設備並びに分譲住宅事業及び住宅流通事業に係る販売センター設備等の取得による増加額6,271百万円等の増加要因並びに賃貸資産の売却、所有目的の変更及び減価償却実施による減少額3,516百万円等の減少要因を反映したものであります。無形固定資産は、前連結会計年度末に比べ356百万円増加の716百万円(前期比99.3%増)となりました。また、投資その他の資産は、前連結会計年度末に比べ93百万円増加の3,237百万円(前期比3.0%増)となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ12,798百万円増加して122,507百万円(前期比11.7%増)となりました。流動負債は、前連結会計年度末に比べ11,324百万円増加し50,223百万円(前期比29.1%増)となり、固定負債は、前連結会計年度末に比べ1,474百万円増加し72,284百万円(前期比2.1%増)となりました。
流動負債増加の主な要因は、支払手形・工事未払金の減少額443百万円(前期比9.5%減)、電子記録債務の増加額1,100百万円(前期比107.5%増)、短期借入金の増加額9,460百万円(前期比39.6%増)及び前受金の増加額1,264百万円(前期比35.4%増)等を反映したものであります。
固定負債増加の主な要因は、社債の増加額525百万円(前期比65.6%増)及び長期借入金の増加額940百万円(前期比1.3%増)を反映したものであります。
当連結会計年度末の純資産の合計は、前連結会計年度末に比べ2,170百万円増加して39,927百万円(前期比5.7%増)となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益3,088百万円の計上による資金増加要因及び配当金の支払額953百万円の資金減少要因並びに自己株式の処分による増加額94百万円等を反映したものであります。
以上の結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末の25.6%から24.6%となりました。また、1株当たり純資産額は、前連結会計年度末の1,068.69円から1,126.40円となりました。
当連結会計年度末の財政状態を検討した結果、事業活動のための資金確保及び健全なバランスシートの維持という財務方針どおり、将来の収益確保に備えるための良質の分譲住宅事業及び土地有効活用事業における開発用不動産取得を推し進めたことにより流動資産は増加することとなり、プロジェクトごとの資金調達での短期借入金、長期借入金は増加する結果となっており、「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」に記載されております外因的リスクには晒されておりますが、概ね計画どおりの財政状態となっております。
③ 経営成績の分析・検討
当連結会計年度の連結損益計算書に重要な影響を与えた要因につき、以下にご説明いたします。
a.売上高
当連結会計年度の売上高は、期初予想を上回ることとなりましたが、前連結会計年度に比べ5,266百万円減少して、110,444百万円(前期比4.6%減)を計上いたしました。分譲住宅セグメントにおいては、自由設計住宅及び分譲マンションの引渡戸数が大幅に減少したこと及び前連結会計年度に大型の素地販売があったことにより、前連結会計年度に比べ29.3%減少の28,926百万円となりました。住宅流通セグメントにおいては、中古住宅の引渡戸数が大幅に増加したことにより、売上高は前連結会計年度に比べ15.4%増加し38,176百万円となりました。土地有効活用セグメントにおいては、賃貸住宅等建築請負及びサービス付き高齢者向け賃貸住宅の引渡しは堅調に推移しましたが、個人投資家向け一棟売賃貸アパートの引渡しが減少したことにより、売上高は前連結会計年度に比べ2.3%減少し23,298百万円となりました。賃貸及び管理セグメントにおいては、土地有効活用セグメントにおけるサービス付き高齢者向け賃貸住宅等の請負工事の引渡しにリンクした管理物件の増加及び中古住宅アセット事業が軌道に乗っていることにより、当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ12.3%増加し20,042百万円を計上いたしました。
b.営業利益
当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比べ1,634百万円減少して、5,002百万円(前期比24.6%減)となりました。主な要因は、自由設計住宅の引渡戸数が大幅に減少したこと等により分譲住宅セグメントに係る営業利益が前連結会計年度に比べ64.8%減少の1,313百万円となったこと、中古住宅の引渡戸数が大幅に増加したことにより住宅流通セグメントに係る営業利益が前連結会計年度に比べ40.6%増加の713百万円となったこと、賃貸住宅等建築請負及びサービス付き高齢者向け賃貸住宅の売上高の増加並びに個人投資家向け一棟売賃貸アパートの売上高の減少があったことにより、相対的に利益幅が低下したことを反映して土地有効活用セグメントに係る営業利益が前連結会計年度に比べ8.8%減少の2,171百万円となったこと、賃貸及び管理セグメントに係る営業利益が前連結会計年度に比べ39.1%増加の2,430百万円となったことによるものであります。
c.経常利益
当連結会計年度の営業外損益は、営業外収益が主として前連結会計年度に受取和解金の計上があったことにより相対的に前連結会計年度に比べ9.6%減少し474百万円となり、営業外費用が主として分譲住宅セグメント及び土地有効活用セグメントの開発用土地購入並びに住宅流通セグメントの中古住宅取得に付随する借入金に係る支払利息の増加により、前連結会計年度に比べ20.7%増加し865百万円となりました。
以上の結果、営業利益に営業外収益・費用を加減算した経常利益は4,611百万円(前期比28.4%減)となり、売上高経常利益率は4.2%(前期は5.6%)となりました。
d.親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の特別利益は、主として中古住宅アセット事業等に係る固定資産売却益の計上等により148百万円(前期は3百万円)となり、特別損失は、主として前連結会計年度に投資有価証券評価損を計上したことにより前連結会計年度に比べ50.5%減少し75百万円となりました。また、税金費用は、前連結会計年度に比べ20.1%減少し1,595百万円となりました。
以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ28.1%減益となり3,088百万円を計上いたしました。
(3)資本の財源及び資金の流動性
① キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
② 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの資金需要のうち主なものは、不動産(たな卸資産、固定資産)の取得・開発をはじめとする事業への投資資金等であり、金融機関からの短期借入金、長期借入金を基本としております。その中で、中古住宅等の取得資金の効率的な調達を行うため、取引銀行と当座貸越契約及びコミットメントライン契約並びにコミット型シンジケートローン契約を締結しております。当連結会計年度において、中古住宅仕入資金のためのコミットメントライン型シンジケートローン契約2件(契約締結額合計8,350百万円、期末借入額合計7,100百万円)を金融機関と締結いたしました。また、金融機関2行と銀行保証付無担保社債(発行額合計1,000百万円)を発行いたしました。なお、新型コロナウイルス感染症拡大による資金需要に備え、金融機関からの借入により手許資金を増加し、現金及び預金は14,757百万円(前連結会計年度は12,041百万円)となりました。
(4)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況
当社グループは、株主重視の経営という観点から、企業価値の向上と継続的・安定的な成長を図り、企業の経営効率を判断する指標である自己資本当期純利益率(ROE)を重要な経営指標として位置付けており、中期利益計画(2020年3月期~2022年3月期)において、全期間でのROE10%以上の達成を目指しております。
当連結会計年度は、7.96%で未達成となりました。
過去5年間におけるROEの推移は、以下のとおりであります。
| 経営指標 | 2016年3月期 | 2017年3月期 | 2018年3月期 | 2019年3月期 | 2020年3月期 |
| ROE | 12.53% | 13.11% | 12.53% | 11.86% | 7.96% |
中期利益計画(2020年3月期~2022年3月期)の初年度である当連結会計年度のROEを含めた各経営指標の達成・進捗状況は以下のとおりであります。
| 経 営 指 標 | 2020年3月期 (計 画) | 2020年3月期 (実 績) | 2020年3月期(計画比) |
| 売上高 | 107,000百万円 | 110,444百万円 | 3,444百万円(3.2%増) |
| 経常利益 | 5,000百万円 | 4,611百万円 | △388百万円(7.8%減) |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 3,300百万円 | 3,088百万円 | △211百万円(6.4%減) |
| ROE(自己資本当期純利益率) | 10%以上 | 7.96% | 2.04ポイント減 |