訂正有価証券報告書-第88期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2015/03/30 15:02
【資料】
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【項目】
113項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に準拠して作成されております。その作成に当たり、会計方針は原則として前事業年度と同一の基準を継続して適用するほか、引当金等につきましても過去の実績等を勘案し合理的に見積りを行い、また棚卸資産のうち重要な長期滞留物件等について回収可能性の検討を行い必要な評価減を行なっております。
(2) 財政状態の分析
① 資産の状況
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度と比較して5,157百万円増加し、14,274百万円となりました。これは、コミットメント型ライツ・オファリング(上場型新株予約権の無償割当て)を実施したことにより、2,222百万円の資金調達が完了したこと、収益不動産残高の拡充を積極的に進め、たな卸資産が3,717百万円増加したことなどが主な要因であります。
② 負債の状況
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度と比較して2,558百万円増加し、8,778百万円となりました。これは、収益不動産残高の拡充に伴い、有利子負債が2,476百万円増加したことなどが主な要因であります。当社グループでは、収益不動産の取得にあたっては、自己資金及び不動産担保評価による金融機関からの借入れにより賄っております。
(3) 経営成績の分析
① 売上高の分析
当連結会計年度における売上高は、11,537百万円(前期比17.1%増)と、大幅な増収となりました。これは収益不動産事業において予定を上回る売上高を確保したことに加え、収益不動産残高の拡充によりストック型フィービジネスにおいて賃料収入が増加したことなどが主な要因であります。
上記記載の内容により、事業セグメント別の売上高は、収益不動産事業9,595百万円(前期比30.6%増)、ストック型フィービジネス1,109百万円(前期比27.2%増)、総合居住用不動産事業916百万円(前期比45.1%減)となりました。なお、連結上、内部売上高83百万円が消去されております。
② 費用・利益の分析
当連結会計年度における売上原価は、主として収益不動産事業における売上高増加に伴う原価の増加により9,405百万円(前期比13.1%増)、売上総利益は収益不動産事業におけるキャピタルゲインの利益率が上昇したこと、及び賃料収入が増加したことなどにより2,132百万円(前期比39.0%増)となりました。事業部門別の売上原価は、収益不動産事業7,964百万円(前期比25.6%増)、ストック型フィービジネス611百万円(前期比25.9%増)、総合居住用不動産事業829百万円(前期比44.5%減)となりました。
販売費及び一般管理費は、役員報酬、従業員賞与の増加、及び販売物件に係る仲介手数料の増加などにより1,341百万円(前期比36.7%増)となりました。
この結果、営業利益は790百万円(前期比43.0%増)となりました。
営業外収益は、狭あい道路拡幅整備事業に係る助成金収入があったものの、前期において保険金収入があったことによる反動減により2百万円(前期比18.4%減)となりました。
営業外費用は、ライツ・オファリングに係る発行諸費用の発生により342百万円(前期比76.1%増)となりました。
この結果、経常利益は450百万円(前期比24.7%増)となりました。
以上の結果、税効果会計適用後の法人税等負担額は179百万円(前期比24.0%増)、当期純利益は270百万円(前期比25.2%増)となりました。
(4) キャッシュ・フロー状況の分析
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(5)経営戦略の現状と見通し
当社グループは、「物件ありき」あるいは「サービスありき」の発想ではなく、「顧客ニーズ」を起点としたサービス提供を重視しております。多様な顧客(オーナー)ニーズに対応すべく、様々なサービスをワンストップで提供できる体制を確立する一方、当社が販売した物件オーナーである顧客との信頼関係を構築しながら、長期取引に繋げ、顧客あたりの生涯価値(LTV*)を向上していく方針です。
この方針に基づき掲げた経営戦略を実行するなか、「第3次中期経営計画」が早期に進捗したことを受け、当期(2014年3月期)をもって終了し、新たに「第4次中期経営計画(2015年3月期から2017年3月期まで)」を策定、スタートさせております。
当第4次中期経営計画では、先の計画に引き続き「事業規模の拡大による収益構造の転換」を基本方針に掲げ、収益不動産残高の拡充を積極的に進めてまいります。
これにより、当第4次中期経営計画の最終年度となる2017年3月期には、販売用収益不動産の年間平均残高150億円(ガイダンス)を目指してまいります。この戦略を実行することにより、収益不動産の販売に依存する収益モデルから、収益不動産の売却益に加えて、収益不動産の拡大を通して賃料収入の増加を図ることで収益安定化モデルへの転換を目指してまいります。さらには、当社では収益不動産の回転率と当該残高の積み上げとのバランスを適正にコントロールすることで、当社が保有する収益不動産から一定の賃料収入を毎期確保し、連結ROEの向上に努めてまいります。
また同時に、上述の方針に則し、従来以上によりきめ細やかにオーナーニーズに対応していくために、当社が販売した物件オーナーを対象としたエー・ディー・ワークスグループオーナーズクラブ「torch」を発足し運営を開始するなど強固な顧客基盤を構築しクローズド・マーケットの確立を目指してまいります。
*LTV: Life Time Valueの略。
(6)経営者の問題意識と今後の方針について
当社は、上述(5)の経営戦略を着実に遂行し、「第4次中期経営計画」の達成を目指してまいります。
経営者の問題意識と今後の方針について、「第2 事業の状況 3.対処すべき課題」に記載のとおりであります。