有価証券報告書-第96期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度のわが国経済は、企業収益の改善に加え、雇用・所得環境の改善による個人消費の持ち直しなどにより、緩やかな回復の動きを見せました。
このような経済情勢のもとにおきまして、当社グループでは、各事業にわたり積極的な営業活動をおこなって、業績の向上に努めました結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
<財政状態>当連結会計年度末の総資産は、販売土地建物や投資有価証券が増加したことなどにより、前連結会計年度末から195億7千5百万円増加(2.9%増)し、6,992億7百万円となりました。
負債につきましては、有利子負債が増加したものの、工事代金などの支払いに伴い未払金が減少したことなどにより、前連結会計年度末から5億2千8百万円減少(0.1%減)し、4,756億4千7百万円となりました。
なお、有利子負債(借入金、社債の合計額)は、前連結会計年度末から18億6千万円増加し、3,163億9千9百万円となりました。
純資産につきましては、利益剰余金が増加したことなどにより、前連結会計年度末から201億3百万円増加(9.9%増)し、2,235億5千9百万円となりました。
この結果、自己資本比率は31.5%となり、前連結会計年度末に比べ2.0ポイント上昇いたしました。
<経営成績>当連結会計年度の営業収益は3,222億7千6百万円(前期比193億5千9百万円、6.4%増)、営業利益は314億5千8百万円(前期比8億8千5百万円、2.7%減)となり、これに営業外損益を加減した経常利益は296億3千万円(前期比7億5百万円、2.3%減)となりました。さらに、これに特別損益を加減し、法人税等及び非支配株主に帰属する当期純利益を控除した親会社株主に帰属する当期純利益は227億1千2百万円と、前期に比較して7千5百万円の増益(0.3%増)となりました。
なお、「第2 事業の状況」から「第5 経理の状況」まで、特に記載のない限り、消費税等抜きで記載しております。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
当連結会計年度のセグメント別の状況
| 営業収益 | 営業利益 | |||||
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減率 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減率 | |
| 百万円 | 百万円 | % | 百万円 | 百万円 | % | |
| 運輸業 | 94,404 | 92,262 | △2.3 | 9,976 | 9,180 | △8.0 |
| 不動産業 | 94,014 | 113,132 | 20.3 | 14,491 | 15,316 | 5.7 |
| 流通業 | 98,493 | 100,709 | 2.2 | 2,636 | 2,845 | 7.9 |
| レジャー・サービス業 | 30,801 | 31,298 | 1.6 | 4,755 | 4,877 | 2.6 |
| その他の事業 | 1,792 | 1,824 | 1.8 | 74 | 34 | △54.0 |
| 計 | 319,505 | 339,228 | 6.2 | 31,935 | 32,254 | 1.0 |
| 調 整 額 | △16,588 | △16,951 | - | 408 | △795 | - |
| 連 結 | 302,917 | 322,276 | 6.4 | 32,343 | 31,458 | △2.7 |
(運輸業)
a.概況
鉄道事業におきましては、京阪電気鉄道㈱において、2017年8月20日より、「上質な移動空間」を実現しワンランク上のサービスをご提供する、座席指定の特急車両「プレミアムカー」の運行を、翌21日より、平日朝のラッシュ時間帯に全車両座席指定の「ライナー」列車の運行をそれぞれ開始し、増収に寄与いたしました。また、近年訪日外国人旅行者をはじめとして、多くの観光客にご利用いただいている伏見稲荷駅をリニューアルいたしましたほか、訪日外国人旅行者の利便性向上を図るため、車内や駅における多言語放送の充実などをおこないました。さらに、叡山電鉄㈱において、2018年3月21日より、新たな観光用車両「ひえい」の運行を開始するなど、鉄道事業全体で一層のサービス向上と旅客誘致に努めました。
バス事業におきましては、京阪バス㈱、京都京阪バス㈱、京阪京都交通㈱及び江若交通㈱において、2017年4月1日より、ICOCAを活用した京阪グループバス事業専用のポイントサービスを開始するなど、競争力の強化と利便性の向上を図りました。
しかしながら、2017年4月26日、京阪ライフサポート㈱の全株式を関西電力㈱及び㈱関電セキュリティ・オブ・ソサイエティに譲渡したことなどにより、運輸業全体の営業収益は922億6千2百万円(前期比21億4千1百万円、2.3%減)、営業利益は91億8千万円(前期比7億9千5百万円、8.0%減)となりました。
b.京阪電気鉄道㈱運輸成績
| 種 別 | 単位 | 当連結会計年度 自 2017年4月1日 至 2018年3月31日 | |||
| 対前連結会計年度 増減率 | |||||
| % | |||||
| 営業日数 | 日 | 365 | - | ||
| 営業キロ | キロ | 91.1 | - | ||
| 客車走行キロ | 千キロ | 89,257 | 0.6 | ||
| 旅客 人員 | 定期 | 千人 | 142,463 | 1.5 | |
| 定期外 | 〃 | 151,946 | 0.8 | ||
| 計 | 〃 | 294,409 | 1.1 | ||
| 旅客 収入 | 定期 | 百万円 | 16,541 | 1.4 | |
| 定期外 | 〃 | 35,278 | 1.2 | ||
| 計 | 〃 | 51,820 | 1.3 | ||
| 運輸雑収 | 〃 | 3,809 | 0.2 | ||
| 収 入 計 | 〃 | 55,629 | 1.2 | ||
| 乗車効率 | % | 35.55 | - | ||
(注)乗車効率の算出は、延人キロ/(客車走行キロ×平均定員)×100によります。
c.営業成績
| 営業収益 | 営業利益 | |||||
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減率 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減率 | |
| 百万円 | 百万円 | % | 百万円 | 百万円 | % | |
| 鉄道事業 | 77,962 | 75,974 | △2.6 | 8,647 | 8,241 | △4.7 |
| バス事業 | 26,922 | 26,802 | △0.4 | 1,278 | 890 | △30.3 |
| 消 去 | △10,480 | △10,514 | - | 51 | 48 | - |
| 計 | 94,404 | 92,262 | △2.3 | 9,976 | 9,180 | △8.0 |
(不動産業)
a.概況
不動産販売業におきましては、「京阪東ローズタウン」「ローズプレイス瀬田唐橋」などの土地建物を販売いたしました。また、マンションでは、「ファインシティ千里津雲台」「ファインシティ枚方」「ザ・レジデンス東三国」などのほか、首都圏におきましても積極的な事業展開に努め、「ファインシティ王子神谷リバー&フォレスト」「ファインシティ東松戸モール&レジデンス」などを販売いたしました。さらに、建売住宅・注文建築事業などを展開する㈱ゼロ・コーポレーションの全株式を取得し、同社を連結子会社といたしました。
不動産賃貸業におきましては、更なる事業の拡大・強化を目指し、2017年6月30日に「JCB札幌東ビル」(札幌市中央区、地上7階・地下1階建)を取得いたしましたほか、同年8月9日には新たな賃貸ビル(横浜市中区、地上11階・地下2階建)を取得し、「京阪横浜ビル」として営業を開始いたしました。
これらの結果、不動産業全体の営業収益は1,131億3千2百万円(前期比191億1千8百万円、20.3%増)、営業利益は153億1千6百万円(前期比8億2千4百万円、5.7%増)となりました。
b.営業成績
| 営業収益 | 営業利益 | |||||
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減率 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減率 | |
| 百万円 | 百万円 | % | 百万円 | 百万円 | % | |
| 不動産事業 | 78,034 | 93,711 | 20.1 | 14,220 | 14,930 | 5.0 |
| 建設事業 | 20,844 | 23,966 | 15.0 | 272 | 604 | 121.7 |
| 消 去 | △4,864 | △4,545 | - | △1 | △218 | - |
| 計 | 94,014 | 113,132 | 20.3 | 14,491 | 15,316 | 5.7 |
※不動産事業内訳
| 営業収益 | 営業利益 | |||||
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減率 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減率 | |
| 百万円 | 百万円 | % | 百万円 | 百万円 | % | |
| 不動産販売業 | 53,956 | 69,150 | 28.2 | 4,576 | 5,171 | 13.0 |
| 不動産賃貸業 | 20,706 | 21,042 | 1.6 | 9,231 | 9,304 | 0.8 |
| その他 | 3,371 | 3,518 | 4.4 | 412 | 454 | 10.2 |
| 計 | 78,034 | 93,711 | 20.1 | 14,220 | 14,930 | 5.0 |
(流通業)
a.概況
ショッピングモールの経営におきましては、前期にリニューアルした「京阪モール」が好調に推移いたしましたほか、2017年4月14日、京都タワービルの商業ゾーンを全面的にリニューアルし、「KYOTO TOWER SANDO(京都タワー サンド)」を開業いたしました。世界有数の観光都市・京都の玄関口において、地元のお客さまのみならず、国内外から様々な観光客をお迎えするグローバル拠点としても相応しいフロア構成とするなど、施設の魅力向上及び収益力の強化を図りました。
百貨店業におきましては、2018年3月1日、京阪百貨店守口店2階フロアをリニューアルし、上質なベーシックを追求する女性のための直営セレクトショップ「ナナイロフルール」をオープンするなど、競争力強化を図りました。
ストア業におきましては、前期に開業した「フレスト長尾店」などが通期で寄与いたしましたほか、2017年4月26日に「SWEETS BOXシャポー船橋店」、同年7月28日に「DEAN & DELUCA カフェ 新大阪」を出店するなど、収益力の強化を図りました。
これらの結果、流通業全体の営業収益は1,007億9百万円(前期比22億1千6百万円、2.2%増)、営業利益は28億4千5百万円(前期比2億8百万円、7.9%増)となりました。
b.営業成績
| 営業収益 | 営業利益 | |||||
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減率 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減率 | |
| 百万円 | 百万円 | % | 百万円 | 百万円 | % | |
| 流通事業 | 101,851 | 105,191 | 3.3 | 2,847 | 2,833 | △0.5 |
| 消 去 | △3,358 | △4,482 | - | △210 | 11 | - |
| 計 | 98,493 | 100,709 | 2.2 | 2,636 | 2,845 | 7.9 |
※流通事業内訳
| 営業収益 | 営業利益 | |||||
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減率 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減率 | |
| 百万円 | 百万円 | % | 百万円 | 百万円 | % | |
| 百貨店業 | 49,455 | 49,151 | △0.6 | 104 | 157 | 50.7 |
| ストア業 | 29,599 | 32,440 | 9.6 | 976 | 1,038 | 6.4 |
| ショッピングモール の経営 | 13,977 | 14,909 | 6.7 | 1,828 | 1,758 | △3.9 |
| その他 | 8,819 | 8,689 | △1.5 | △63 | △121 | - |
| 計 | 101,851 | 105,191 | 3.3 | 2,847 | 2,833 | △0.5 |
(レジャー・サービス業)
a.概況
ホテル事業におきましては、2017年7月28日、「ホテル京阪淀屋橋」を開業いたしましたほか、その他の各ホテルにおいても積極的な営業活動を展開し、ビジネス需要及び国内外からの観光需要の取り込みを図るなど、稼働率の向上及び収益力の強化に努めました。
これらの結果、レジャー・サービス業全体の営業収益は312億9千8百万円(前期比4億9千7百万円、1.6%増)、営業利益は48億7千7百万円(前期比1億2千2百万円、2.6%増)となりました。
b.営業成績
| 営業収益 | 営業利益 | |||||
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減率 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減率 | |
| 百万円 | 百万円 | % | 百万円 | 百万円 | % | |
| ホテル事業 | 26,874 | 27,379 | 1.9 | 4,683 | 4,646 | △0.8 |
| レジャー事業 | 4,108 | 4,097 | △0.3 | 107 | 207 | 93.6 |
| 消 去 | △180 | △177 | - | △35 | 23 | - |
| 計 | 30,801 | 31,298 | 1.6 | 4,755 | 4,877 | 2.6 |
(その他の事業)
概況
その他の事業全体の営業収益は18億2千4百万円(前期比3千2百万円、1.8%増)、営業利益は3千4百万円(前期比4千万円、54.0%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比較して19億7千6百万円増加し、当連結会計年度末には203億円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権の回収による収入が減少したものの、たな卸資産の減少による収入が増加したことなどにより、前連結会計年度に比較して58億6千9百万円の収入増となり、444億3千8百万円の収入となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の売却による収入が増加したものの、固定資産の取得による支出が増加したことなどにより、前連結会計年度に比較して30億6百万円の支出増となり、326億3百万円の支出となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、有利子負債の返済による支出が減少したほか、自己株式の取得による支出が減少したことなどにより、前連結会計年度に比較して101億6千1百万円の支出減となり、98億5千8百万円の支出となりました。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループは、交通用役を提供する運輸業から、販売商品が一様でない不動産販売業、空間を提供する不動産賃貸業やホテル業、そして日用品などを販売する流通業などまで多様な事業を営んでおります。提供品目は広範囲かつ多種多様であり、同種のサービス、製品であっても、その内容、容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
そのため生産、受注及び販売の実績については、「①財政状態及び経営成績の状況」におけるセグメントごとに業績に関連付けて示しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
①財政状態の分析
当連結会計年度の財政状態の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。
②経営成績の分析
(営業収益及び営業利益)
当連結会計年度は、不動産業において㈱ゼロ・コーポレーションの連結子会社化が寄与したことなどにより、営業収益は3,222億7千6百万円と、前連結会計年度に比べ193億5千9百万円の増収(6.4%増)となりました。しかしながら、運輸業において京阪電気鉄道㈱の減価償却費の増加などがあり、営業利益は314億5千8百万円と、前連結会計年度に比べ8億8千5百万円の減益(2.7%減)となりました。
(営業外損益及び経常利益)
支払利息の減少などにより営業外損益が改善したものの、営業利益が減少したことなどにより、経常利益は296億3千万円と、前連結会計年度に比べ7億5百万円の減益(2.3%減)となりました。
(特別損益及び親会社株主に帰属する当期純利益)
京阪ライフサポート株式売却益の計上などにより、特別損益は前連結会計年度に比べ26億8千6百万円の改善となりました。
これらの結果、税金等調整前当期純利益は336億8千4百万円と、前連結会計年度に比べ19億8千1百万円の増益(6.3%増)となり、これから法人税等及び非支配株主に帰属する当期純利益を控除した親会社株主に帰属する当期純利益は227億1千2百万円と、前連結会計年度に比べ7千5百万円の増益(0.3%増)となりました。
③キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
④資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、運転資金及び設備投資資金につきましては、自己資金または借入により資金調達することとしております。このうち、借入による資金調達に関しましては、運転資金については短期借入金で、設備投資などの長期資金については、社債及び長期借入金での調達を基本としております。また、運転資金の効率的な調達を行うため、複数の金融機関との間で当座貸越契約及び貸出コミットメント契約を締結しております。
なお、重要な設備投資の計画につきましては、「第3 設備の状況 3.設備の新設、除却等の計画 (1)重要な設備の新設等」に記載のとおりです。
⑤経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、「EBITDA」、「ネット有利子負債/EBITDA倍率」、「ROE」及び「営業利益」を重要な指標として位置付けております。当連結会計年度における各指標は、以下のとおりであります。
| 経営指標 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 |
| EBITDA ※ | 50,418百万円 | 50,571百万円 |
| ネット有利子負債/EBITDA倍率 | 5.87倍 | 5.85倍 |
| ROE | 11.6% | 10.8% |
| 営業利益 | 32,343百万円 | 31,458百万円 |
※営業利益+減価償却費
なお、2019年3月期よりスタートする3ヵ年の中期経営計画における各指標の数値目標につきましては、「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 3.経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおりです。