有価証券報告書-第110期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

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2019/06/28 11:58
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当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。
(1) 経営成績等の状況の概要
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、堅調な企業業績や雇用・所得環境の改善を背景として、緩やかな回復基調で推移しているものの、大規模な自然災害の影響や、中国経済の減速や米中貿易摩擦の懸念、原油価格の高騰など、景気の先行きは依然として不透明な状況で推移しました。
このような環境の中、広島市が事業主体である電車の広島駅前大橋ルートの整備や、広島県と廿日市市が事業主体である宮島口整備事業、広島大学本部跡地に建設中の分譲タワーマンション「hitoto広島TheTower」といった事業を関係機関と協力しながら推進し、活力ある街づくりに尽力するとともに、各事業とも積極的な営業活動を展開して収益の確保に努めましたが、当連結会計年度の営業収益は、不動産業を除くすべてのセグメントで減収となり、前連結会計年度と比較して9.2%、3,706百万円減少し、36,545百万円となりました。
利益につきましては、営業損益は、前連結会計年度の営業損失225百万円に対し、384百万円の営業損失となり、経常損益は、前連結会計年度の経常損失222百万円に対し、322百万円の経常損失となりました。マダムジョイ全店舗の営業終了による閉店、事業終了に伴う損失の発生やホテル建物をグループ内で売買したことによる固定資産売却損の発生により特別損益が悪化しました。自動車事業に係る運行補助金などの「工事負担金等受入額」を含めた特別利益および特別損失を加減算した親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度と比較して、25.6%、219百万円減少の636百万円となりました。
各セグメントの経営成績を示すと、次のとおりであります。
(運輸業)
運輸業におきましては、電車とバスで利用できるICカードの種類を拡大するなど、使いやすくわかりやすい公共交通の体系づくりを進めました。鉄軌道事業では、2018年5月から従来型「グリーンムーバーLEX」限定で、車内移動を短縮し中央扉からも降車できるように全扉降車サービスの運用を始め、利便性、速達性の向上を図ったほか、2019年3月には最新型の国産超低床型路面電車「グリーンムーバーAPEX」を導入し、従来型「グリーンムーバーLEX」の増備とともに、バリアフリー化の向上を図りました。また、2017年8月に実施した運賃改定の効果により、増収となりました。
自動車事業では、2018年5月から広島市都心循環バス「エキまちループ」の運行や、バス事業者の定期券を相互に利用できる「共通定期券制度」を開始したほか、2018年4月に新規オープンした大型商業施設「THE OUTLETS HIROSHIMA」への路線を新設するなど、利便性の向上を図りましたが、平成30年7月豪雨による道路の通行止めなどに伴い、一部路線において運休や臨時ダイヤによる減便などが約2ヶ月続いたことにより、減収となりました。 海上輸送業及び索道業では、平成30年7月豪雨の影響により、宮島来島者数が減少し、減収となりました。航空運送代理業では、2018年6月から新たな路線の業務の運営を開始したことにより、増収となりました。 この結果、当連結会計年度における営業収益は、前連結会計年度と比較して0.1%、25百万円減少して、22,203百万円となり、営業損益は、人件費の増加や原油価格の上昇に伴う燃料費の増加、船舶代替に伴う減価償却費の増加などの影響により、前連結会計年度の営業損失1,469百万円に対し、1,599百万円の営業損失となりました。
提出会社の運輸成績表
(鉄軌道事業)
種別単位当連結会計年度
(2018.4.1~2019.3.31)
対前期増減率(%)
営業日数365
営業キロキロ35.1
客車走行キロ千キロ12,195△1.35
輸送人員定期千人15,4003.49
定期外40,161△4.05
55,561△2.08
旅客運輸収入定期百万円1,1418.49
定期外5,2620.34
6,4041.70
運輸雑収56012.47
運輸収入合計6,9652.49
1日平均収入192.49
乗車効率%34.3△1.15

(注) 乗車効率の算出方法
乗車効率=延人キロ/延定員走行キロ×100
(自動車事業)
種別単位当連結会計年度
(2018.4.1~2019.3.31)
対前期増減率(%)
営業日数365
営業キロキロ1,378.9△2.41
客車走行キロ千キロ28,130△0.76
乗合旅客人員定期千人8,222△33.31
定期外33,297△0.41
41,519△9.27
乗合旅客
運送収入
定期百万円1,853△5.47
定期外8,332△0.35
10,186△1.32
貸切旅客運送収入1055.43
旅客運送雑収4041.32
運送収入合計10,696△1.16
1日平均収入29△1.16
乗車効率%15.3△4.38

(注) 乗車効率の算出方法
乗車効率=延人キロ/延定員走行キロ×100
業種別営業成績
業種別当連結会計年度
(2018.4.1~2019.3.31)
営業収益(百万円)対前期増減率(%)
鉄軌道事業6,9652.49
自動車事業13,404△1.14
その他2,35919.25
消去△525
22,203△0.11


(流通業)
流通業におきましては、2018年10月に㈱広電ストアのスーパー事業および移動販売事業を他社に事業譲渡することで不採算部門を整理し、同社を解散・清算いたしました。マダムジョイ店舗では、2018年3月末に己斐店を閉店し、その他5店舗および移動販売事業の営業を2018年9月に終了した影響により、減収となりました。また、平成30年7月豪雨の影響により、宮島口もみじ本陣においては、宮島来島者数が減少し、減収となりました。サービスエリアにおいても、一般車の高速道路交通量が大きく減少し、減収となりました。 この結果、当連結会計年度における営業収益は、前連結会計年度と比較して38.5%、3,848百万円減少し、6,157百万円となり、営業損益は、前連結会計年度の営業損失77百万円に対し、80百万円の営業損失となりました。 業種別営業成績
業種別当連結会計年度
(2018.4.1~2019.3.31)
営業収益(百万円)対前期増減率(%)
物品販売業6,157△38.46
消去△0
6,157△38.46

(不動産業)
不動産業におきましては、不動産賃貸業では、2017年11月に新ビル「スタートラム広島」が竣工したほか、㈱広電ストアの事業譲渡に伴い、同社が所有していたテナント店舗施設を引受けたことにより、増収となりました。
不動産販売業では、2016年1月から開始した「西風新都グリーンフォートそらの」の住宅用地の分譲販売は進みましたが、前期に商業用地の販売が終了したことや分譲マンション「アンヴェール庚午中」の販売が終了に近づいたことにより、減収となりました。
この結果、当連結会計年度における営業収益は、前連結会計年度と比較して1.7%、71百万円増加し、4,360百万円となり、営業利益は、前連結会計年度1,188百万円に対し、0.6%、7百万円減少し、1,180百万円となりました。
業種別営業成績
業種別当連結会計年度
(2018.4.1~2019.3.31)
営業収益(百万円)対前期増減率(%)
不動産販売業1,308△23.68
不動産賃貸業3,05418.57
消去△2
4,3601.68

(建設業)
建設業におきましては、前連結会計年度にはオフィスビル新築などの大型物件の工事などがありましたが、当連結会計年度ではそのような大型物件の工事が減少した影響により、減収となりました。 この結果、当連結会計年度における営業収益は、前連結会計年度と比較して21.8%、1,065百万円減少し、3,812百万円となり、営業利益は、前連結会計年度155百万円に対し、60.4%、93百万円減少し、61百万円となりました。 業種別営業成績
業種別当連結会計年度
(2018.4.1~2019.3.31)
営業収益(百万円)対前期増減率(%)
土木・建築業3,812△21.84
消去
3,812△21.84


(レジャー・サービス業)
レジャー・サービス業におきましては、ホテル業では、平成30年7月豪雨の影響により、宴会キャンセルなどの影響を受けたほか、2018年2月にゴルフ場でのレストラン受託営業を終了したため、減収となりました。ゴルフ業では、各種大会の開催を積極的に行ったものの、平成30年7月豪雨や台風襲来の影響をうけ、減収となりました。
ボウリング業では、健康ボウリング教室を継続開催したほか、プロボウラーを招いてのイベントや、人気がある自社主催大会を増やすなど集客に努めた結果、増収となりました。 この結果、当連結会計年度における営業収益は、前連結会計年度と比較して0.3%、5百万円減少し、1,901百万円となり、営業利益は、前連結会計年度41百万円に対し、11.1%、4百万円増加し、46百万円となりました。
業種別営業成績
業種別当連結会計年度
(2018.4.1~2019.3.31)
営業収益(百万円)対前期増減率(%)
ゴルフ業272△1.44
ホテル業1,080△1.46
その他5502.86
消去△1
1,901△0.29

② 生産、受注及び販売の実績
当社グループが扱うサービス・商品は多種、多様にわたり、その内容が一様でないため、生産能力の画一的表示が困難であり、セグメントごとに生産規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
そのため生産、受注及び販売の状況については、「(1)① 経営成績の状況」における各セグメントごとに業績に関連付けて示しております
③財政状態の状況
当連結会計年度末の財政状態は、総資産は、保有する上場株式の時価下落に伴い「投資有価証券」が720百万円減少したものの、2021年度以降の販売に向けて広島県安芸郡府中町での分譲マンション事業に係る造成を進めていることによる「販売土地及び建物」の増加233百万円、2019年度で解体が完了する旧「ひろでん会館」建物の解体費の前払いなどによる流動資産「その他」の増加568百万円により、前連結会計年度末と比較して44百万円の増加となりました。負債は、前連結会計年度に比べ2編成多く国産超低床型路面電車を購入したことにより「未払金」が392百万円増加したことなどにより、前連結会計年度末と比較して221百万円の増加となりました。純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益を計上したものの、保有する上場株式の時価下落に伴い「その他有価証券評価差額金」が516百万円減少したことにより、前連結会計年度末と比較して176百万円の減少となり、自己資本比率は0.2ポイント下落の46.3%となりました。
④キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の「営業活動によるキャッシュ・フロー」は、税金等調整前当期純利益が423百万円減少したほか、広島県安芸郡府中町での分譲マンションの造成による支出により、前連結会計年度と比較して、1,969百万円減少の2,030百万円の資金収入となりました。 「投資活動によるキャッシュ・フロー」は、「スタートラム広島」新築に係る支出を行った前連結会計年度と比較して、2,476百万円少ない1,410百万円の資金支出となりました。 「財務活動によるキャッシュ・フロー」は、将来の収益獲得を目的とした事業への支出が増加し、有利子負債がわずかに増加に転じたため、前連結会計年度と比較して314百万円少ない467百万円の資金支出となりました。 以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末と比較して153百万円増加の4,316百万円となりました。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当報告書提出日現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4.会計方針に関する事項」に記載のとおり、棚卸資産の評価、投資の減損および退職給付債務などを、過去の実績や現在の状況ならびに今後の見通しに応じて合理的な方法で処理しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる場合があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
ア 経営成績に対する認識及び分析・検討
当社グループは、公共性の高い運輸業を中心とした事業展開により、安全性の確保を最優先としつつ、地域社会の発展とともに持続的な成長の実現を目指しておりますが、近年においては、新たな時代に対応すべく、安定した人材確保に向けた諸施策や、高齢者やインバウンド顧客にもわかりやすく使いやすい公共交通の体系づくりに向けた電車・バス車両や電停施設等の充実や新たな乗車サービスの導入を進める一方で、グループ再編を伴った経営基盤の安定化に努めている過程にあります。
当連結会計年度においては、平成30年7月豪雨の発生に伴う一部バス路線の長期運休による減収や、宮島来島者数の減少による宮島観光関連事業の減収のほかに、当初計画には織り込んでいなかったスーパー事業の事業譲渡を2018年10月に実施したことにより、売上高が当初の計画を3,444百万円下回りました。スーパー事業の事業譲渡は、自主再建が進まない状況にあった不採算部門の整理であり、営業損失の削減効果があったものの、平成30年7月豪雨による運輸業を中心とする減収が響き、営業利益は当初の計画を224百万円下回りました。また、今後のグループ内で所有する不動産の有効性を高める目的で、親会社側で不動産を一括管理する体制作りを進めるにあたり、当初の計画外で子会社である㈱ホテルニューヒロデン所有のホテル建物を当社で買い取った際に発生した固定資産売却損などにより特別損益が当初計画を下回ったことも影響し、親会社株主に帰属する当期純利益についても、当初計画を243百万円下回る結果となりました。
豪雨災害といった想定外の事象などにより、当初計画した利益を下回りましたが、安定経営を進めるうえで最低限必要となる利益を確保しつつ、不採算部門の整理、今後の土地有効活用を想定した「ひろでん会館」周辺施設の解体、バリアフリーに対応した電車・バス車両の更新や広島県や廿日市市が主体となって進める宮島口整備事業に合わせた、宮島口での当社グループの新たな事業展開の検討など、将来の安定経営に向けた先行投資的な施策を計画通り進めることができたと分析しております。
次期業績につきましては、スーパー事業の事業譲渡の影響により、3,505百万円の減収を見込んでおります。不採算部門の整理による効果や、「スタートラム広島」ビルのフリーレント期間が終了したことによる不動産賃貸収入の増加、平成30年7月豪雨からの復興による運輸業の増収などが見込まれるものの、特に過疎地域における持続可能な公共交通サービスの提供を目的としたバス路線の再編を実施することによる減収や、主として運輸業乗務員の人員確保のための人件費増加等により、営業利益、経常利益ともに減益となり、旧「ひろでん会館」建物本体の解体に伴う除却損の発生により親会社株主に帰属する当期純利益も減益となる見通しであります。引き続き厳しい状況が続きますが、2020年度以降に販売を予定する分譲マンションの造成及び販促活動、宮島口における新たな事業展開や、広島市が主体となって2020年代半ばに向けて進める電車の広島駅前大橋ルートの整備に対応するための準備など、引き続き将来の安定経営に向けた先行投資的な施策を計画どおり進め、経営基盤の強化に努めてまいります。
当連結会計年度の連結業績(当初の計画、実績及び計画比)と次期業績予想
(単位:百万円、百万円未満切捨表示)
2019年3月期2020年3月期
当初計画実績対計画計画対前年
営業収益39,99036,545△3,44433,040△3,505
営業利益△160△384△224△480△95
経常利益△210△322△112△500△177
親会社株主に帰属する当期純利益880636△243560△76

イ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの主要な資金需要は、運輸業を中心とする車両や各種施設に対する設備投資、改修及び安定した人材確保のための労務費、また、沿線地域の活性化を目的とした収益不動産物件への投資であります。手許の運転資金については、2015年度より当社及び連結子会社においてCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入し、各社における余剰資金を当社へ集中させ、一元管理を行うことで資金効率の向上を図っております。また、突発的な資金需要に対しては、迅速かつ確実に資金を調達できるように当座貸越契約を締結し、流動性リスクに備えております。

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