有価証券報告書-第31期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境や企業収益の改善が見られ、個人消費も緩やかに回復している等回復基調が続いているものの、中国をはじめとするアジア新興国等の経済成長に対する減速懸念や米国の保護主義的な通商政策及びそれに対する報復措置等の懸念により不確実性も見られ、先行きは依然として不透明な状況で推移しております。
本県経済においても、個人消費や設備投資においては回復基調で推移し、雇用情勢も高水準で推移していますが、北陸新幹線金沢開業の効果の一巡、バス規制の強化等により、一部を除き入り込み客数は減少し、依然として厳しい状況となっております。
このような状況の中、当社は地域住民の生活や地域内外との交流・観光に不可欠な公共交通機関として、列車の安全運行を第一に、関係機関・団体等や地域の方々との協力や支援をいただきながら、イベント列車の企画・運行、県外からの団体利用の誘客など、全力で利用促進に取り組むとともに、観光列車「のと里山里海」号を軸とした県外からの団体誘客に努めてまいりました。
営業収益は、県外からの旅行客の減少、少子化や学校選択の変動等により利用客が減少したことに伴い、252,665千円(前年同期比3.8%減)となりました。営業費は、軽油単価の上昇に伴う動力費の増加や修繕費が増加したことにより、507,198千円(前年同期比1.2%増)となり、営業損失は254,532千円(前年同期比6.7%増)となりました。また、営業外収益として、補助金174,097千円を受け入れたこと等により、経常損失は78,495千円(前年同期比14.1%増)となりました。
また、当期純損益は、特別利益として、施設整備に対する補助金や運営費補助など72,168千円の計上、特別損失として、固定資産圧縮損等37,026千円の計上により、43,889千円の当期純損失(前年同期比22.8%増)の計上となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
鉄道事業
鉄道事業は、地域住民の生活の足を支え、また地域内外との交流を支える不可欠な公共交通機関として、安全・安定輸送を第一に、関係機関・団体等の協力・支援を得ながら、利用促進に取り組んでまいりました。利用者は、通勤定期利用者は増加したものの、県外からの団体旅行客の減少等により定期外利用者は減少し、少子化や学校選択の変動等により通学定期利用者も減少したことにより、輸送人員は621千人で前年同期比で5.5%減少となりました。これにより、営業収益は178,418千円(前年同期比7.3%減)となりました。
一方、営業費は、動力費や修繕費等が増加したことに伴い、437,279千円(前年同期比0.5%増)となりました。
これらの結果、営業損失は258,860千円(前年同期比6.7%増)となりました。
国内旅行業
国内旅行業は、JR券の売上や手配旅行が減少し、営業収益は8,348千円(前年同期比5.2%減)、営業費は6,983千円(前年同期比4.6%減)となりました。
結果として、営業利益は1,364千円(前年同期比8.2%減)となりました。
物品販売業
物品販売業は、平成27年3月より穴水町から委託を受け、穴水駅に隣接した穴水町物産館「四季彩々」の営業を行なっております。
営業収益は、切手類の販売の増加等により57,763千円(前年同期比7.1%増)と若干増加し、営業費は人件費や仕入等の増加に伴い、56,631千円(前年同期比7.1%増)となりました。結果として、営業利益は、1,132千円(前年同期比7.0%増)となりました。
その他
その他として、冬期間限定で能登地域の冬の名産である牡蠣を炉端焼き等にて提供する飲食業の営業を行いました。
当事業年度は、前半は大雪の影響により来客数は減少したものの、後半はテレビ放送等により増加し、営業収益は8,134千円(前年同期比8.6%増)、営業費は6,304千円(前年同期比6.4%増)となり、結果として営業利益は1,830千円(前年同期比16.7%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、補助金の受入があったものの、営業活動や設備投資において支出があり、前事業年度末に比べ23,187千円減少し、当事業年度末には26,714千円となりました。
また当事業年度中における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は237,935千円(前年同期は227,702千円の使用)となりました。
これは、主に減価償却費を除く営業損失244,591千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果獲得した資金は25千円(前年同期は38,248千円の使用)となりました。
これは、固定資産の取得により39,974千円を使用し、定期預金の解約により40,000千円獲得したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は214,723千円(前年同期は227,149千円の獲得)となりました。
これは、地方公共団体等補助金の受入によるものであります。
③財政状態の分析
財政状態の分析は前事業年度末との比較で記載しております。
(流動資産)
流動資産は前事業年度末に比べ36,744千円減少し、210,333千円となりました。これは、主に年度末における補助金等の未収計上額の増加や現金及び預金が減少したことによるものであります。
(固定資産)
固定資産は前事業年度末に比べ3,980千円増加し、63,307千円となりました。これは、主に設備投資など固定資産の取得による増加と地方公共団体等補助金の受入による固定資産の圧縮及び減価償却費の計上による減少によるものであります。
(流動負債)
流動負債は前事業年度末に比べ10,336千円増加し、68,837千円となりました。これは、主に未払金と預り金が増加したことによるものであります。
(固定負債)
固定負債は前事業年度末に比べ790千円増加し、8,997千円となりました。これは、主に退職給付引当金の増加によるものであります。
(純資産)
純資産は前事業年度末に比べ43,889千円減少し、195,805千円となりました。これは、当期純損失43,889千円の計上によるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.鉄道事業の輸送実績
当事業年度における輸送実績は次のとおりであります。
| 区分 | 前事業年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) | 当事業年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | |||
| 営業日数 | 365日 | 365日 | |||
| 営業区間 | 七尾~穴水 | 七尾~穴水 | |||
| 営業キロ | 33.1㎞ | 33.1㎞ | |||
| 延日キロ | 12,081日キロ | 12,081日キロ | |||
| 輸送量 | 人 員 (人) | 金 額 (千円) | 人 員 (人) | 金 額 (千円) | 前年同期比 (%) |
| 定期外 | 236,337 | 101,358 | 227,544 | 94,570 | 93.3 |
| 定期 | 420,840 | 66,963 | 393,600 | 63,025 | 94.1 |
| 通勤 | 61,920 | 14,842 | 64,500 | 15,318 | 103.2 |
| 通学 | 358,920 | 52,121 | 329,100 | 47,706 | 91.5 |
| 運輸雑収 | - | 24,176 | - | 20,823 | 86.1 |
| 計 | 657,177 | 192,498 | 621,144 | 178,418 | 92.7 |
(注)前年同期比は、金額に対する比較であります。
b.販売実績
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 第31期 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 鉄道事業(千円) | 178,418 | 92.7 |
| 国内旅行業(千円) | 8,348 | 94.8 |
| 物品販売業(千円) | 57,763 | 107.1 |
| 報告セグメント計(千円) | 244,530 | 95.8 |
| その他(千円) | 8,134 | 108.6 |
| 合計(千円) | 252,665 | 96.2 |
(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。なお、個々の重要な会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載のとおりであります。
②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社は、基幹事業である鉄道事業において、地域住民の生活の足を支え、また地域内外との交流を支える不可欠な公共交通機関として、安全・安定輸送を第一に取り組むとともに、鉄道事業の損失を軽減すべく国内旅行業、物品販売業及び飲食業を営業してまいりました。
鉄道事業においては、沿線企業への通勤定期利用への営業により、通勤定期利用者については若干の増加が見られたものの、北陸新幹線の金沢開業の効果の一巡や大雪による影響等により、県外からの旅客が減少し、さらに少子化や学校選択の変動等に伴い通学定期利用者が減少したことにより、営業収益は前年同期に比べ7.3%減少の178,418千円となり、営業費は人件費や修繕費が増加したことにより、前年同期に比べ0.5%増加の437,279千円となりました。結果として、営業損失は前年同期に比べ6.7%増加の258,860千円となりました。
国内旅行業は、新幹線効果の落ち着きや大雪の影響等により、JR件の売上や手配旅行が減少し前年同期に比べ5.2%減少の8,348千円となり、営業費は前年同期に比べ4.6%減少の6,983千円となりました。結果として、営業利益は前年同期に比べ8.2%減少の1,364千円となりました。
物品販売業は、穴水町から委託を受けた物産館「四季彩々」を営業しており、当事業年度は切手類の販売の増加に伴い、営業収益は前年同期に比べ7.1%増加の57,763千円となり、営業費用は前年同期に比べ7.1%増加の56,631千円となりました。結果として、営業利益は前年同期に比べ7.0%増加の1,132千円となりました。
飲食業は、冬場に落ち込む鉄道の旅客対策として能登地域の冬の名産である牡蠣を炉端焼き等にて提供しており、当事業年度は、前半は大雪の影響により客足が遠のいたものの、後半に入ってからはテレビ放映等の影響もあり回復し、営業収益は前年同期に比べ8.6%増加の8,134千円、営業費用は前年同期に比べ6.4%増加の6,304千円となりました。結果として、営業利益は前年同期に比べ16.7%増加の1,830千円となりました。
当社全体としては、営業収益は252,665千円(前年同期比3.8%減)、営業費は507,198千円(前年同期比1.2%増)、営業損益は254,532千円の損失(前年同期比6.7%増)となっており、厳しい経営状況が続いております。
今後も、地域人口の減少や設備の老朽化に伴う対策など厳しい経営環境が続くと予想され、「1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等](3)対処すべき課題及び経営戦略」に記載した増収施策を行い、営業損失の削減・経営の安定化に努めてまいります。
③資本の調達及び資金の流動化について
当社の事業活動における運転資金需要の主なものは、鉄道事業に関する運送費や、その他事業における商品仕入、共通するものとして販売費及び一般管理費等の営業費用があります。また、設備資金需要としては主に鉄道事業における列車運行の安全確保を目的とした鉄道施設への設備投資であります。
資金調達の確保については、自己資金の他、国・県等の補助金を活用しております。