有価証券報告書-第34期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの感染症拡大に伴う緊急事態宣言が発出されるなど、国内外の経済活動が大きく制限を受け、特に対面型のサービス業は外出自粛等により、厳しい状況が続きました。
本県経済も、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う緊急事態宣言等により、個人消費の落ち込み等による企業収益の悪化、雇用環境の悪化など、厳しい状況で推移しました。
このような状況の中、当社は、国等の要請を踏まえ、公共交通機関としての役割を果たすため、各駅における手指消毒液の設置や車両・待合室の抗ウイルス・抗菌処理など、感染対策を講じながら運行維持を図ってまいりましたが、学校の休校、移動自粛に伴う県外客や地元客の減少などにより、当事業年度の営業収益は141,020千円(前年同期比41.1%減)となりました。営業費は、経費の抑制等を図るべく、車両編成の見直しによる動力費の削減や業務費の削減に努めた結果、476,818千円(前年同期比12.3%減)となり、営業損失は335,797千円(前年同期比10.4%増)となりました。また、営業外収益として、補助金等296,233千円を計上したことにより、経常損失は39,563千円(前年同期比69.7%増)となりました。
なお、当期純損益は特別利益として、施設整備に対する補助金、運営費補助や持続化給付金等のコロナ関係の支援事業を積極的に活用し116,319千円の計上、特別損失として、固定資産圧縮損等77,079千円の計上により、800千円の当期純損失(前年同期比17.5%増)の計上となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
鉄道事業
鉄道事業は、地域住民の生活の足を支え、また地域内外との交流を支える不可欠な公共交通機関として、安全・安定輸送を第一に、関係機関・団体等の協力・支援を得えて、新型コロナウイルス感染対策をとりながら取り組んでまいりました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症拡大の影響などにより、県外からの利用客、地元利用客は減少し、定期利用者も学校の休校やテレワーク等により減少となりました。輸送人員は421千人で前年同期比で31.8%減少となりました。これにより、営業収益は101,693千円(前年同期比40.4%減)となりました。
一方、営業費は、車両編成の見直し等による動力費や業務費の抑制に努め、436,267千円(前年同期比9.5%減)となりました。
これらの結果、営業損失は334,573千円(前年同期比7.5%増)となりました。
国内旅行業
国内旅行業は、石川県の県民宿泊割等により一時的には宿泊手配は増加しましたが、新型コロナウイルスの拡大の影響による移動自粛により、手配旅行や主催旅行の減少、JR券の取扱の減少により、営業収益は4,130千円(前年同期比46.7%減)、営業費は費用の抑制に努め5,310千円(前年同期比19.1%減)となりました。
結果として、営業損失は1,179千円(前年同期は1,183千円の営業利益)となりました。
物品販売業
物品販売業は、穴水町から委託を受け、穴水町物産館「四季彩々」の営業を行なっております。
営業収益は、新型コロナウイルス感染拡大防止による往来自粛や石川県の要請に基づく一時的な営業休止等により来店者数が減少し、35,196千円(前年同期比33.4%減)となりました。一方、営業費は、シフトの見直しや仕入等の調整などによる経費の圧縮に努め、35,240千円(前年同期比29.3%減)となりました。
結果として、営業損失は44千円(前年同期は3,024千円の営業利益)となりました。
その他事業
その他事業として、例年であれば、冬期間限定で能登地域の冬の名産である牡蠣を炉端焼き等にて提供する飲食業の営業を行ってまいりましたが、当事業年度は新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点より、営業を中止しております。
なお、前事業年度の営業収益は8,252千円、営業費は5,362千円、営業利益は2,890千円です。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、補助金等の受入による収入、営業活動や設備投資における支出があり、前事業年度末に比べ1,830千円増加し、当事業年度末には66,938千円となりました。
また当事業年度中における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は312,343千円(前年同期は295,288千円の使用)となりました。
これは、主に減価償却費を除く営業損失325,394千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は76,294千円(前年同期は79,358千円の使用)となりました。
これは、鉄道事業の安全対策のため、PC枕木等の整備により79,336千円を使用し、土地等の売却により3,042千円獲得したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は390,467千円(前年同期は403,866千円の獲得)となりました。
これは、地方公共団体等補助金の受入によるものであります。
③財政状態の分析
財政状態の分析は前事業年度末との比較で記載しております。
(流動資産)
流動資産は前事業年度末に比べ7,192千円増加し、182,577千円となりました。これは、主に未収消費税等が増加したことによるものであります。
(固定資産)
固定資産は前事業年度末に比べ6,997千円減少し、52,015千円となりました。これは、主に設備投資など固定資産の取得による増加と地方公共団体等補助金の受入による固定資産の圧縮、減価償却費の計上による減少によるものであります。
(流動負債)
流動負債は前事業年度末に比べ434千円増加し、58,587千円となりました。これは、主に未払金が減少し、定期運賃にかかる前受運賃が増加したことによるものであります。
(固定負債)
固定負債は前事業年度末に比べ560千円増加し、9,937千円となりました。これは、主に退職給付引当金の増加によるものであります。
(純資産)
純資産は前事業年度末に比べ800千円減少し、166,067千円となりました。これは、当期純損失800千円の計上によるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.鉄道事業の輸送実績
当事業年度における輸送実績は次のとおりであります。
| 区分 | 前事業年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 当事業年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | |||
| 営業日数 | 366日 | 365日 | |||
| 営業区間 | 七尾~穴水 | 七尾~穴水 | |||
| 営業キロ | 33.1㎞ | 33.1㎞ | |||
| 延日キロ | 12,114日キロ | 12,081日キロ | |||
| 輸送量 | 人 員 (人) | 金 額 (千円) | 人 員 (人) | 金 額 (千円) | 前年同期比 (%) |
| 定期外 | 208,659 | 86,948 | 101,839 | 37,932 | 43.6 |
| 定期 | 408,660 | 64,186 | 319,200 | 52,988 | 82.6 |
| 通勤 | 63,540 | 14,550 | 58,440 | 13,978 | 96.1 |
| 通学 | 345,120 | 49,636 | 260,760 | 39,010 | 78.6 |
| 運輸雑収 | - | 19,450 | - | 10,772 | 55.4 |
| 計 | 617,319 | 170,585 | 421,039 | 101,693 | 59.6 |
(注)前年同期比は、金額に対する比較であります。
b.販売実績
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 第34期 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 鉄道事業(千円) | 101,693 | 59.6 |
| 国内旅行業(千円) | 4,130 | 53.3 |
| 物品販売業(千円) | 35,196 | 66.6 |
| 報告セグメント計(千円) | 141,020 | 58.9 |
| その他(千円) | - | - |
| 合計(千円) | 141,020 | 58.9 |
(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.その他は、飲食業であり、当事業年度は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、営業を中止しております。なお、前事業年度の販売実績は8,252千円です。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。なお、個々の重要な会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載のとおりであります。
なお、当社の財政状態及び経営成績に重要な影響を与える可能性がある事象につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社は、基幹事業である鉄道事業において、地域住民の生活の足を支え、また地域内外との交流を支える不可欠な公共交通機関として、安全・安定輸送を第一に取り組むとともに、鉄道事業の損失を軽減すべく国内旅行業、物品販売業及び飲食業(※)を営業しております。
(※飲食業については、当事業年度は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点より、営業を中止しております。)
鉄道事業においては、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、県外からの団体・個人客の減少、地元利用者の減少などにより、営業収益は前年同期に比べ40.4%減少の101,693千円となり、営業費は車両編成の見直し等による動力費の削減や業務費の削減等に努め、前年同期に比べ9.5%減少の436,267千円となりました。結果として、営業損失は前年同期に比べ7.5%増加の334,573千円となりました。
国内旅行業においても、新型コロナウイルスの影響による移動自粛により、JR券の売上の減少、手配・主催旅行の中止があり、営業収益は前年同期に比べ46.7%減少の4,130千円となり、営業費は前年同期に比べ19.1%減少の5,310千円となりました。結果として、営業損益は1,179千円の損失計上(前年同期は1,183千円の営業利益)となりました。
物品販売業は、穴水町から委託を受けた物産館「四季彩々」を営業しており、新型コロナウイルスの影響による移動自粛、鉄道利用者の減少に伴い来店者数が減少し、営業収益は前年同期に比べ33.4%減少の35,196千円となり、営業費はシフトの見直しや仕入等の調整などによる経費の削減に努め、前年同期に比べ29.3%減少し35,240千円となりました。結果として、営業損益は、44千円の損失計上(前年同期は3,024千円の営業利益)となりました。
その他事業としては、例年、冬場に落ち込む鉄道の旅客対策として能登地域の冬の名産である牡蠣を炉端焼き等にて提供する飲食業を営業しておりましたが、当事業年度は、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点より、営業を中止しております。なお、前事業年度の営業収益は8,252千円、営業費は5,362千円、営業利益は2,890千円となっております。
当社全体としては、営業収益は141,020千円(前年同期比41.1%減)、営業費は476,818千円(前年同期比12.3%減)、営業損益は335,797千円の損失(前年同期比10.4%増)となっており、厳しい経営状況が続いております。
今後も、地域人口の減少や設備の老朽化に伴う対策、また、終息が見えない新型コロナウイルスの影響など厳しい経営環境が続くと予想され、感染対策を講じながら、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)対処すべき課題及び経営戦略」に記載した増収施策を今後も続けるとともに、引き続き、営業損失の削減・経営の安定化に努めてまいります。
③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社のキャッシュ・フロー状況は、基幹事業である鉄道事業において、継続的に多額の営業損失を計上しており、営業キャッシュ・フローはマイナスの状況が続いており、日々の売上のほか、関係自治体からの補助金等による支援により資金繰りが成り立っている状況です。
当事業年度においては、390,467千円を受け入れており、財務活動によるキャッシュ・フローとして計上しております。
また、事業活動における運転資金需要の主なものは、鉄道事業に係る動力費や修繕費等、その他事業における商品仕入、共通するものとして販売費及び一般管理費等の営業費があります。また、設備資金需要としては主に鉄道事業における列車運行の安全確保を目的とした鉄道施設への設備投資であります。