有価証券報告書-第33期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用・所得環境の改善が見られ、個人消費も持ち直すなど緩やかな回復基調が見られましたが、事業年度末に入り新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、内外経済は先行き不透明な状況となりました。
このような状況の中、当社は地域住民の生活の足としての役割を果たすとともに、新幹線の二次交通機関としての役割も果たしており、列車の安全・安定輸送を第一に、イベント列車の企画・運行、県外からの団体利用の誘客など、全力で利用促進に取り組んでまいりましたが、秋口の首都圏直撃の台風、大雨による北陸新幹線の運休やコロナウイルス感染拡大の影響による往来自粛などによる県外団体客のキャンセル、学校の休校、主催旅行等の中止や冬季間限定で行っている飲食業の営業期間の短縮により、当事業年度の営業収益は239,468千円(前年同期比7.1%減)となりました。営業費は、車両の法定検査である全般検査を2両実施したことによる修繕費が増加し、543,723千円(前年同期比4.1%増)となり、営業損失は304,255千円(前年同期比14.9%増)となりました。また、営業外収益として、補助金等280,947千円を計上したことにより、経常損失は23,307千円(前年同期比58.6%減)となりました。
なお、当期純損益は特別利益として、施設整備に対する補助金や運営費補助など98,319千円の計上、特別損失として、固定資産圧縮損等75,156千円の計上により、681千円の当期純損失(前年同期比97.6%減)の計上となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
鉄道事業
鉄道事業は、地域住民の生活の足を支え、また地域内外との交流を支える不可欠な公共交通機関として、安全・安定輸送を第一に、関係機関・団体等の協力・支援を得ながら、利用促進に取り組んでまいりました。利用者は、北陸新幹線の運休や新型コロナウイルス感染拡大の影響などにより、県外からの利用客は減少し、定期利用者も学校選択により通学定期利用者は増加したものの、異動等により通学定期利用は減少し、輸送人員は617千人で前年同期比で1.4%減少となりました。これにより、営業収益は170,585千円(前年同期比5.5%減)となりました。
一方、営業費は、車両の法定検査である重要部検査1両と全般検査2両の実施により、修繕費等が増加したことに伴い、481,938千円(前年同期比6.5%増)となりました。
これらの結果、営業損失は311,353千円(前年同期比14.6%増)となりました。
国内旅行業
国内旅行業は、12月頃までは、北陸新幹線の運休によりJR券の取り扱いは減少していたものの、手配旅行は好調で、旅行業全体としては前期を上回る状況でしたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響による往来自粛などにより減少となり、営業収益は7,749千円(前年同期比6.1%減)、営業費は6,566千円(前年同期比0.4%減)となりました。
結果として、営業利益は1,183千円(前年同期比28.8%減)となりました。
物品販売業
物品販売業は、穴水町から委託を受け、穴水町物産館「四季彩々」の営業を行なっております。
営業収益は、鉄道利用者の減少、新型コロナウイルス感染拡大防止による往来自粛などにより来店者数が減少し、52,880千円(前年同期比9.5%減)となりました。一方、営業費は、アルバイトのシフトの見直しなどにより、49,856千円(前年同期比12.0%減)となりました。
結果として、営業利益は、3,024千円(前年同期比70.4%増)となりました。
その他事業
その他事業として、冬期間限定で能登地域の冬の名産である牡蠣を炉端焼き等にて提供する飲食業の営業を行いました。
当事業年度は、新型コロナウイルスの感染拡大防止を受けた営業日数の短縮により、営業収益は8,252千円(前年同期比20.9%減)、営業費は5,362千円(前年同期比22.9%減)となり、結果として、営業利益は2,890千円(前年同期比16.9%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、補助金の受入、営業活動や設備投資において支出があり、前事業年度末に比べ29,220千円増加し、当事業年度末には65,107千円となりました。
また当事業年度中における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は295,288千円(前年同期は260,802千円の使用)となりました。
これは、主に減価償却費を除く営業損失293,484千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は79,358千円(前年同期は37,582千円の使用)となりました。
これは、鉄道事業の安全対策のため、PC枕木等の整備により79,667千円を使用し、土地等の売却により309千円獲得したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は403,866千円(前年同期は307,558千円の獲得)となりました。
これは、地方公共団体等補助金の受入によるものであります。
③財政状態の分析
財政状態の分析は前事業年度末との比較で記載しております。
(流動資産)
流動資産は前事業年度末に比べ6,517千円減少し、175,384千円となりました。これは、主に年度末における補助金等の未収計上額が減少し、現金及び預金が増加したことによるものであります。
(固定資産)
固定資産は前事業年度末に比べ7,299千円減少し、59,013千円となりました。これは、主に設備投資など固定資産の取得による増加と地方公共団体等補助金の受入による固定資産の圧縮、減価償却費の計上による減少によるものであります。
(流動負債)
流動負債は前事業年度末に比べ13,298千円減少し、58,153千円となりました。これは、主に未払金と預り金が減少したことによるものであります。
(固定負債)
固定負債は前事業年度末に比べ162千円増加し、9,376千円となりました。これは、主に退職給付引当金の増加によるものであります。
(純資産)
純資産は前事業年度末に比べ681千円減少し、166,868千円となりました。これは、当期純損失681千円の計上によるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.鉄道事業の輸送実績
当事業年度における輸送実績は次のとおりであります。
| 区分 | 前事業年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当事業年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | |||
| 営業日数 | 365日 | 366日 | |||
| 営業区間 | 七尾~穴水 | 七尾~穴水 | |||
| 営業キロ | 33.1㎞ | 33.1㎞ | |||
| 延日キロ | 12,081日キロ | 12,114日キロ | |||
| 輸送量 | 人 員 (人) | 金 額 (千円) | 人 員 (人) | 金 額 (千円) | 前年同期比 (%) |
| 定期外 | 224,684 | 94,645 | 208,659 | 86,948 | 91.9 |
| 定期 | 401,400 | 64,320 | 408,660 | 64,186 | 99.8 |
| 通勤 | 65,640 | 15,520 | 63,540 | 14,550 | 93.7 |
| 通学 | 335,760 | 48,799 | 345,120 | 49,636 | 101.7 |
| 運輸雑収 | - | 21,604 | - | 19,450 | 90.0 |
| 計 | 626,084 | 180,569 | 617,319 | 170,585 | 94.5 |
(注)前年同期比は、金額に対する比較であります。
b.販売実績
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 第33期 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 鉄道事業(千円) | 170,585 | 94.5 |
| 国内旅行業(千円) | 7,749 | 93.9 |
| 物品販売業(千円) | 52,880 | 90.5 |
| 報告セグメント計(千円) | 231,216 | 93.5 |
| その他(千円) | 8,252 | 79.1 |
| 合計(千円) | 239,468 | 92.9 |
(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。なお、個々の重要な会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載のとおりであります。
なお、当社の財政状態及び経営成績に重要な影響を与える可能性がある事象につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社は、基幹事業である鉄道事業において、地域住民の生活の足を支え、また地域内外との交流を支える不可欠な公共交通機関として、安全・安定輸送を第一に取り組むとともに、鉄道事業の損失を軽減すべく国内旅行業、物品販売業及び飲食業を営業しております。
鉄道事業においては、秋ごろの大雨による北陸新幹線の運休による減少から回復傾向にあった中、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、県外からの団体・個人客の減少、地元利用者の減少などにより、営業収益は前年同期に比べ5.5%減少の170,585千円となり、営業費は車両の法定検査である重要部検査や全般検査の実施により、前年同期に比べ6.5%増加の481,938千円となりました。結果として、営業損失は前年同期に比べ14.6%増加の311,353千円となりました。
国内旅行業においても、北陸新幹線の運休や新型コロナウイルス影響による外出・往来自粛により、JR券の売上の減少、手配・主催旅行の中止があり、前年同期に比べ6.1%減少の7,749千円となり、営業費は前年同期に比べ0.4%減少の6,566千円となりました。結果として、営業利益は前年同期に比べ28.8%減少の1,183千円となりました。
物品販売業は、穴水町から委託を受けた物産館「四季彩々」を営業しており、鉄道利用者の減少に伴い来店者数が減少し、営業収益は前年同期に比べ9.5%減少の52,880千円となりましたが、営業費はアルバイトのシフトの見直し等により、前年同期に比べ12.0%減少し49,856千円となりました。結果として、営業利益は前年同期に比べ70.4%増加の3,024千円となりました。
その他事業としては、冬場に落ち込む鉄道の旅客対策として能登地域の冬の名産である牡蠣を炉端焼き等にて提供する飲食業を営業しております。当事業年度は、新型コロナウイルスの影響による営業日数の短縮を行ったため、営業収益は前年同期に比べ20.9%減少の8,252千円、営業費用は前年同期に比べ22.9%減少の5,362千円となりました。結果として、営業利益は前年同期に比べ16.9%減少の2,890千円となりました。
当社全体としては、営業収益は239,468千円(前年同期比7.1%減)、営業費は543,723千円(前年同期比4.1%増)、営業損益は304,255千円の損失(前年同期比14.9%増)となっており、厳しい経営状況が続いております。
今後も、地域人口の減少や設備の老朽化に伴う対策、また、終息が見えない新型コロナウイルスの影響など厳しい経営環境が続くと予想され、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)対処すべき課題及び経営戦略」に記載した増収施策を今後も続けるとともに、引き続き、営業損失の削減・経営の安定化に努めてまいります。
③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社のキャッシュ・フロー状況は、基幹事業である鉄道事業において、継続的に多額の営業損失を計上しており、営業キャッシュ・フローはマイナスの状況が続いており、日々の売上のほか、関係自治体からの補助金等による支援により資金繰りが成り立っている状況です。
当事業年度においては、403,866千円を受け入れており、財務活動によるキャッシュ・フローとして計上しております。
また、事業活動における運転資金需要の主なものは、鉄道事業に係る動力費や修繕費等、その他事業における商品仕入、共通するものとして販売費及び一般管理費等の営業費用があります。また、設備資金需要としては主に鉄道事業における列車運行の安全確保を目的とした鉄道施設への設備投資であります。