有価証券報告書-第18期(2022/04/01-2023/03/31)

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2023/06/21 14:15
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189項目
(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、ウィズコロナのもとで、経済活動の再開が進み、景気が持ち直していくことが期待されますが、ウクライナ情勢の長期化などが懸念される中での原材料価格の上昇や供給面での制約、金融資本市場の変動等による下振れリスクに十分注意が必要な状況であります。
このような状況の中、当社グループは、当連結会計年度において、2ヵ年目となる「西武グループ中期経営計画(2021~2023年度)」のもと、「「アフターコロナの社会における目指す姿」を見据え、コロナショックを乗り越え、飛躍への道筋をつける。」をテーマに、「経営改革」「デジタル経営」「サステナビリティ」の3点を骨子とした取り組みを進めてまいりました。
「経営改革」については「アセットライトな事業運営」「損益分岐点の引き下げ」「ニューノーマルに合わせたサービス変革」というテーマに加え、「都市交通・沿線事業の経営改革」に取り組んでまいりました。中でも「アセットライトな事業運営」に対しては、2022年2月10日付で締結したGIC Private Limitedの関係会社であるReco Pine Private Limitedとの基本協定書に基づき、2022年6月30日付で、当社連結子会社である株式会社西武リアルティソリューションズは、ホテル・レジャー事業に係る資産の一部をGIC Private Limitedの関係会社であるReco Sky Private Limitedが直接又は間接に出資する複数の会社へ譲渡する契約を締結し、当連結会計年度においてザ・プリンス パークタワー東京など26物件の譲渡が完了いたしました。
また、「バックオフィス業務の共通化」を企図し、柔軟な働き方、及び専門性の高い人財により最適なシェアード・サービスを提供する「株式会社西武プロセスイノベーション」を2022年12月1日付で設立し、2023年6月1日に運営を開始いたしました。
「都市交通・沿線事業の経営改革」については、組織・運営体制の見直しを進め、西武鉄道株式会社は、中核事業である鉄道業、ならびに沿線価値創造機能に特化することで、より専門性を高め、収益改善に注力することが必要であると判断し、2023年4月1日を効力発生日として、西武鉄道株式会社の鉄道業以外の不動産を会社分割により株式会社西武リアルティソリューションズへ移管いたしました。
「デジタル経営」については、「グループマーケティング基盤」の利活用を開始し、グループ顧客の拡充に向けたサービス構築に取り組んだほか、会計システムの更改を実施いたしました。
「サステナビリティ」については、引き続き安全、環境、社会、会社文化の4領域12項目のアジェンダにおいて持続可能な社会実現のため「サステナビリティアクション」に取り組んでまいりました。環境領域においては、2022年4月1日より、株式会社西武リアルティソリューションズが管理をおこなう大規模オフィスビル「ダイヤゲート池袋」で使用する電気の全てを、当社グループが運営する「西武武山ソーラーパワーステーション」による発電(環境価値が付いた電力)で賄い、実質CO₂排出ゼロでの運営を実現いたしました。また、気候変動への対応について、スピード感を持った対応が求められることから、より一層の削減を着実に進めるため、CO₂排出量削減目標について、変更・新設(長期目標:2050年度ネットゼロ 中期目標:2030年度までに2018年度比46%削減 短期目標:毎年度 前年度比5%削減)いたしました。
当連結会計年度における経営成績の概況は、西武建設株式会社の連結除外や前述のザ・プリンス パークタワー東京など26物件の譲渡による減収があるものの、新型コロナウイルス感染症に係る制限の解除にともなう需要の増加を着実に取り込み、営業収益は、4,284億87百万円と前期に比べ316億31百万円の増加(前期比8.0%増)となりました。増収に加え、車両運用の見直しや業務の内製化などの固定費削減につながる取り組みも寄与し、営業利益は、221億55百万円と前期に比べ353億71百万円の改善(前期は、営業損失132億16百万円)となり、償却前営業利益は、772億47百万円と前期に比べ348億32百万円の増加(同82.1%増)となりました。
経常利益は、201億33百万円と前期に比べ375億73百万円の改善(前期は、経常損失174億40百万円)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、減損損失の計上があったものの、上記26物件の譲渡にともなう損益の計上などにより567億53百万円と前期に比べ461億30百万円の増加(同434.2%増)となりました。
各セグメントにおける業績は以下のとおりであります。
なお、当連結会計年度よりセグメントの区分を変更しております。
(単位:百万円)
営業収益営業利益償却前営業利益
セグメントの名称当連結
会計年度
前期比
増減
前期比
増減率 (%)
当連結
会計年度
前期比
増減
前期比
増減率 (%)
当連結
会計年度
前期比
増減
前期比
増減率 (%)
都市交通・沿線事業143,70612,3759.42,2107,959-24,0097,25543.3
ホテル・レジャー事業191,16757,98743.54,90532,956-21,01432,142-
不動産事業74,839△1,799△2.312,679△7,900△38.424,265△8,277△25.4
建設事業-△62,290△100.0-△3,177△100.0-△3,386△100.0
その他39,2126,45119.75903,847-4,6153,777450.8
合計448,92712,7232.920,38633,684-73,90431,51174.3
調整額△20,43918,907-1,7681,686-3,3433,320-
連結数値428,48731,6318.022,15535,371-77,24734,83282.1

(注)1 調整額については、主に連結会社間取引消去等であります。
2 償却前営業利益は、営業利益に減価償却費及びのれん償却額を加えて算定しております。
3 当連結会計年度より、西武建設株式会社の連結除外にともない、「建設事業」に含んでいた西武造園株式会社、横浜緑地株式会社、西武緑化管理株式会社、西武アグリ株式会社、株式会社ステップアウトについて、事業シナジーの創出を企図し、「不動産事業」へ移管しております。前期比較については、前期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えて比較しております。
①都市交通・沿線事業
都市交通・沿線事業の内訳は鉄道業、バス業、沿線生活サービス業、スポーツ業、その他であり、それぞれの営業収益は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
2022年3月期2023年3月期増減額
営業収益131,331143,70612,375
鉄道業83,42991,4308,001
バス業20,32022,1191,798
沿線生活サービス業21,36023,2241,864
スポーツ業2,9323,212279
その他3,2883,719430

鉄道業では、新型コロナウイルス感染症に関連する感染予防を徹底するとともに、「西武鉄道創立110周年×鉄道開業150周年」記念企画実施や乗車ポイントサービスの開始による需要喚起に加え、車両運用の見直しなどの固定費削減策を実施してまいりました。また、ホームドアの整備などバリアフリー設備の整備を着実に推進すべく「鉄道駅バリアフリー料金制度」を活用し、2023年3月18日より料金収受を開始いたしました。
沿線生活サービス業では2021年にリニューアルオープンした「西武園ゆうえんち」内に新施設「銭天堂 ザ・リアル」を導入し、近場のレジャー需要喚起に取り組みました。
都市交通・沿線事業の営業収益は、リモートワークの広がりなどにより定期利用の回復は限定的であるものの、新型コロナウイルス感染症に係る制限の解除にともなう需要の増加を着実に取り込み、定期外利用やレジャー施設の利用が進み、1,437億6百万円と前期に比べ123億75百万円の増加(同9.4%増)となりました。なお、鉄道業の旅客輸送人員は前期比10.0%増(うち定期7.4%増、定期外14.2%増)、旅客運輸収入は、前期比10.4%増(うち定期3.5%増、定期外16.1%増)となりました。営業利益は、22億10百万円と前期に比べ79億59百万円の改善(前期は、営業損失57億48百万円)となり、償却前営業利益は、240億9百万円と前期に比べ72億55百万円の増加(同43.3%増)となりました。
都市交通・沿線事業の主要な会社である西武鉄道株式会社の鉄道業の運輸成績は以下のとおりであります。
(西武鉄道株式会社の鉄道業の運輸成績)
種別単位2022年3月期2023年3月期
営業日数365365
営業キロキロ176.6176.6
客車走行キロ千キロ175,102169,269
輸送人員定期千人312,309335,521
定期外千人195,756223,539
千人508,066559,060
旅客運輸収入定期百万円34,86136,091
定期外百万円42,30849,121
百万円77,16985,212
運輸雑収百万円3,5943,743
収入合計百万円80,76488,956
一日平均収入百万円211233
乗車効率%29.333.7

(注)1 乗車効率は 延人キロ/(客車走行キロ×平均定員)×100 により、算出しております。
2 千キロ未満、千人未満及び百万円未満を切り捨てて表示しております。
3 運輸雑収は鉄道業以外の収入を含んでおります。
②ホテル・レジャー事業
ホテル・レジャー事業の内訳は国内ホテル業(保有・リース)、国内ホテル業(MC・FC)、海外ホテル業(保有・リース)、海外ホテル業(MC・FC)、スポーツ業(保有・リース)、スポーツ業(MC・FC)、その他であり、それぞれの営業収益は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
2022年3月期2023年3月期増減額
営業収益133,180191,16757,987
国内ホテル業(保有・リース)77,349119,03841,688
国内ホテル業(MC・FC)884,9814,893
海外ホテル業(保有・リース)23,25030,0506,800
海外ホテル業(MC・FC)118260142
スポーツ業(保有・リース)15,94016,772832
スポーツ業(MC・FC)-738738
その他16,43419,3252,890

(注)1 当連結会計年度より、「アセットライトな事業運営」という当社グループの方向性を踏まえ、ホテル・レジャー事業の内訳を変更しております。前期比較については、前期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えて比較しております。
2 国内ホテル業(保有・リース)には、主に株式会社西武リアルティソリューションズが保有し、株式会社西武・プリンスホテルズワールドワイドが運営するホテルや、グループ外よりリースを受け株式会社西武・プリンスホテルズワールドワイドが運営する国内のホテルを含んでおります。
3 国内ホテル業(MC・FC)には、グループ外から運営を受託する国内ホテルを含んでおります。
4 海外ホテル業(保有・リース)には、当社グループで保有し、運営するホテルや、グループ外よりリースを受け、ステイウェルホールディングス Pty Ltdの子会社が運営する海外のホテルを含んでおります。
5 海外ホテル業(MC・FC)には、グループ外から運営を受託する海外のホテルを含んでおります。
6 スポーツ業(保有・リース)には、主に株式会社西武リアルティソリューションズが保有し、株式会社西武・プリンスホテルズワールドワイドが運営する国内のゴルフ場、スキー場を含んでおります。
7 スポーツ業(MC・FC)には、グループ外から運営を受託するゴルフ場、スキー場を含んでおります。
国内ホテル業では、株式会社アルムと提携したPCR検査付き宿泊、宴会プランの販売など、お客さまに安全・安心を追求したサービスを引き続き提供してまいりました。また、行政機関からの要請により一部ホテルを宿泊療養施設として提供するなど、感染拡大防止策に貢献してまいりました。ホテルオペレーターである株式会社西武・プリンスホテルズワールドワイドにより、新規出店を進め、2022年4月4日には「プリンス スマート イン 京都三条」を、同12日にはプリンスホテルとしては沖縄初出店となる「沖縄プリンスホテル オーシャンビューぎのわん」を、10月13日には「プリンス スマート イン 博多」を、11月16日には「プリンスホテル」ブランド初の大阪出店となる「プリンス スマート イン 大阪淀屋橋」を、同22日には「プリンス スマート イン 那覇」を開業いたしました。
海外ホテル業では、株式会社西武・プリンスホテルズワールドワイドが北野合同建物株式会社の米国法人Kitano Arms Corporationと、ニューヨークのホテル「ザ・キタノホテル ニューヨーク」の運営受託(MC)に関する契約を2022年6月7日に締結いたしました。
ホテル・レジャー事業の営業収益は、ザ・プリンス パークタワー東京など26物件の譲渡による減収があるものの、軽井沢や箱根などのリゾートやハワイ、レジャー施設において回復に向かう需要に加え、足もとではインバウンドの需要を着実に取り込み、1,911億67百万円と前期に比べ579億87百万円の増加(同43.5%増)となりました。なお、国内ホテル業のRevPAR(注)については、8,778円と前期に比べ3,932円増となりました。営業利益は、増収により、49億5百万円と前期に比べ329億56百万円の改善(前期は、営業損失280億50百万円)となり、償却前営業利益は、210億14百万円と前期に比べ321億42百万円の改善(前期は、償却前営業損失111億28百万円)となりました。
(注)RevPARとは、Revenue Per Available Roomの略であり、宿泊に係る収入を客室総数で除したものであります。
ホテル・レジャー事業の国内ホテル業(保有・リース)、国内ホテル業(MC・FC)、海外ホテル業(保有・リース)、海外ホテル業(MC・FC)の定量的な指標は以下のとおりであります。
(国内ホテル業の運営形態別施設概要)
施設数
(か所)
客室数
(室)
宴会場数
(室)
宴会場面積
(㎡)
国内ホテル業5619,52829372,871
保有・リース4113,51623450,940
MC・FC156,0125921,931

(国内ホテル業のエリア別施設概要)
施設数
(か所)
客室数
(室)
宴会場数
(室)
宴会場面積
(㎡)
首都圏・中日本2510,94221747,553
高輪・品川エリア45,13810320,322
東日本195,6143814,252
軽井沢エリア3687113,670
西日本122,9723811,065

(注)1 面積1,000㎡以上の宴会場は20室であります。
2 首都圏・中日本の代表例として高輪・品川エリア、東日本の代表例として軽井沢エリアを記載しております。
3 高輪・品川エリアに含まれるホテルはザ・プリンス さくらタワー東京、グランドプリンスホテル高輪、グランドプリンスホテル新高輪、品川プリンスホテルであります。
4 軽井沢エリアに含まれるホテルはザ・プリンス 軽井沢、ザ・プリンス ヴィラ軽井沢、軽井沢プリンスホテルであります。
(海外ホテル業の施設概要)
施設数
(か所)
客室数
(室)
宴会場数
(室)
宴会場面積
(㎡)
海外ホテル業304,9278512,792
保有・リース121,518345,185
ハワイエリア31,064224,090
The Prince Akatoki1822115
MC・FC183,409517,607

(注)1 海外ホテル業(保有・リース)の代表例としてハワイエリア、ラグジュアリーブランドであるThe Prince Akatokiを記載しております。
2 ハワイエリアに含まれるホテルはプリンス ワイキキ、マウナ ケア ビーチ ホテル、ウェスティン ハプナ ビーチ リゾートの3ホテルであります。
(国内ホテル業の運営形態別営業指標)
2022年3月期2023年3月期
RevPAR(円)保有・リース4,8508,623
MC・FC4,7489,729
宿泊部門全体4,8468,778

平均販売室料(円)保有・リース15,92116,402
MC・FC17,66817,985
宿泊部門全体15,98216,630

客室稼働率(%)保有・リース30.552.6
MC・FC26.954.1
宿泊部門全体30.352.8

(注) 国内ホテル業のRevPAR及び客室稼働率の算出に用いる客室総数には、行政機関へのホテル客室全室貸出にともない一時営業休止しているホテル及び需要動向等を踏まえて臨時休業したホテルの客室を含んでおります。
(国内ホテル業のエリア別営業指標)
2022年3月期2023年3月期
RevPAR(円)首都圏・中日本4,5578,588
高輪・品川エリア3,3416,842
東日本5,6079,551
軽井沢エリア15,44022,882
西日本4,9628,418
宿泊部門全体4,8468,778

平均販売室料(円)首都圏・中日本15,44816,558
高輪・品川エリア14,52114,980
東日本17,39417,373
軽井沢エリア31,82032,614
西日本15,91415,769
宿泊部門全体15,98216,630

客室稼働率(%)首都圏・中日本29.551.9
高輪・品川エリア23.045.7
東日本32.255.0
軽井沢エリア48.570.2
西日本31.253.4
宿泊部門全体30.352.8

(注)1 首都圏・中日本の代表例として高輪・品川エリア、東日本の代表例として軽井沢エリアを記載しております。
2 高輪・品川エリアに含まれるホテルはザ・プリンス さくらタワー東京、グランドプリンスホテル高輪、グランドプリンスホテル新高輪、品川プリンスホテルであります。
3 軽井沢エリアに含まれるホテルはザ・プリンス 軽井沢、ザ・プリンス ヴィラ軽井沢、軽井沢プリンスホテルであります。
4 国内ホテル業のRevPAR及び客室稼働率の算出に用いる客室総数には、行政機関へのホテル客室全室貸出にともない一時営業休止しているホテル及び需要動向等を踏まえて臨時休業したホテルの客室を含んでおります。
(海外ホテル業の営業指標)
・ハワイエリアの営業指標
2022年3月期2023年3月期
RevPAR (円)29,46638,112
RevPAR (米ドル)272.83352.89
平均販売室料 (円)40,21046,414
平均販売室料 (米ドル)372.32429.76
客室稼働率 (%)73.382.1

・The Prince Akatoki Londonの営業指標
2022年3月期2023年3月期
RevPAR (円)9,69728,141
RevPAR (ポンド)66.54200.38
平均販売室料 (円)42,76350,520
平均販売室料 (ポンド)293.43359.74
客室稼働率 (%)22.755.7

(注)1 海外ホテル業の代表例としてハワイエリア、ラグジュアリーブランドであるThe Prince Akatokiのうち、直営のThe Prince Akatoki Londonを記載しております。
2 ハワイエリアに含まれるホテルはプリンス ワイキキ、マウナ ケア ビーチ ホテル、ウェスティン ハプナ ビーチ リゾートの3ホテルであります。
(国内ホテル業における宿泊客の内訳)
(単位:名、%)
2022年3月期
邦人客外国人客
比率比率比率
宿泊客2,354,75098.829,2731.22,384,023100.0
保有・リース2,275,07223,9282,299,000
MC・FC79,6785,34585,023

2023年3月期
邦人客外国人客
比率比率比率
宿泊客3,767,01889.8426,67610.24,193,694100.0
保有・リース3,212,490347,7133,560,203
MC・FC554,52878,963633,491

③不動産事業
不動産事業の内訳は不動産賃貸業、その他であり、それぞれの営業収益は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
2022年3月期2023年3月期増減額
営業収益76,63974,839△1,799
不動産賃貸業46,94342,049△4,894
その他29,69532,7903,095

(注) 西武建設株式会社の連結除外にともない建設事業より移管した西武造園株式会社、横浜緑地株式会社、西武緑化管理株式会社、西武アグリ株式会社、株式会社ステップアウトについては、「その他」に含んでおります。前期比較については、前期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えて比較しております。
不動産賃貸業では、2022年4月に、商業施設「グランエミオ所沢」内にシェアオフィス「emiffice」の3号物件となる「エミフィス所沢」をオープンするなど、リモートワークの広がりに対応したサービス提供を進めてまいりました。
また、西武鉄道沿線の中心都市である所沢駅の「所沢駅西口開発計画」について、2024年秋の開業を目指し、2022年11月に着工いたしました。
そのほか、PM、BM業務の内製化など、固定費削減策に取り組んでまいりました。
不動産事業の営業収益は、グループ内組織再編にともなうセグメント間取引(グループ内への賃貸等)の減少や、東京ガーデンテラス紀尾井町におけるテナント入替の影響などにより748億39百万円と前期に比べ17億99百万円の減少(同2.3%減)となり、営業利益は、126億79百万円と前期に比べ79億円の減少(同38.4%減)となり、償却前営業利益は、242億65百万円と前期に比べ82億77百万円の減少(同25.4%減)となりました。
不動産事業の定量的な指標は以下のとおりであります。
(建物賃貸物件の営業状況)
期末貸付面積 (千㎡)期末空室率 (%)
2022年3月期2023年3月期2022年3月期2023年3月期
商業施設2452422.02.9
オフィス・住宅1952058.02.8

(注)土地の賃貸は含んでおりません。
④建設事業
建設事業については、西武建設株式会社の連結除外にともない、当連結会計年度より、建設事業セグメントは廃止いたしました。
⑤その他
スポーツ事業においては、2021年にリニューアルしたベルーナドームを最大限活用したサービスや演出、イベント開催などにより、楽しんでいただけるスポーツ・エンターテインメント体験の提供に努めてまいりました。伊豆箱根事業では伊豆・三津シーパラダイスを中心に回復に向かう観光需要の取り込みに努めたほか、近江事業においては、鉄道事業の公有民営方式による上下分離移行に向けた準備などを進めてまいりました。
営業収益は、新型コロナウイルス感染症に係る制限解除にともなう埼玉西武ライオンズの観客動員数の増加や、グッズ販売の好調などにより、392億12百万円と前期に比べ64億51百万円の増加(同19.7%増)となり、営業利益は、5億90百万円と前期に比べ38億47百万円の改善(前期は、営業損失32億56百万円)となり、償却前営業利益は、46億15百万円と前期に比べ37億77百万円の増加(同450.8%増)となりました。
また、都市交通・沿線事業及びホテル・レジャー事業におけるスポーツ業、ならびにその他に含まれるスポーツ事業の営業収益の合計は、400億23百万円であり、前期に比べ51億36百万円の増加(同14.7%増)となりました。
(2) 生産、受注及び販売の実績
当社グループは役務提供を中心とした事業展開をおこなっており、生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。このため生産、受注及び販売の実績については、「(1)業績」におけるセグメントの業績に関連付けて示しております。
(3) 財政状態、経営成績の分析
文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載されているとおりであります。
② 財政状態の分析
1 資産
流動資産は、943億73百万円と前連結会計年度末に比べ413億39百万円減少いたしました。その主たる要因は、現金及び預金の減少(614億99百万円)であります。
固定資産は、1兆4,934億60百万円と前連結会計年度末に比べ742億68百万円減少いたしました。その主たる要因は、有形固定資産の減少(747億93百万円)であります。
以上の結果、総資産は1兆5,878億34百万円と前連結会計年度末に比べ1,156億7百万円減少いたしました。
2 負債
流動負債は、3,678億67百万円と前連結会計年度末に比べ833億19百万円減少いたしました。その主たる要因は、短期借入金の減少(1,246億25百万円)であります。
固定負債は、8,423億33百万円と前連結会計年度末に比べ227億4百万円減少いたしました。その主たる要因は、長期借入金の減少(116億23百万円)であります。
以上の結果、負債合計は1兆2,102億1百万円と前連結会計年度末に比べ1,060億23百万円減少いたしました。
3 純資産
純資産は、3,776億33百万円と前連結会計年度末に比べ95億84百万円減少いたしました。その主たる要因は、当社連結子会社における優先株式の取得及び消却などによる非支配株主持分の減少(707億88百万円)及び親会社株主に帰属する当期純利益の計上(567億53百万円)であります。
なお、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ5.2ポイント上昇し23.5%となっております。
③ 経営成績の分析
1 営業収益及び営業利益
営業収益は、西武建設株式会社の連結除外による減収があったものの、行動制限の解除などを受けて回復した需要を取り込み、4,284億87百万円(前期比8.0%増)となり、営業利益は増収による増益により、221億55百万円(前期は、営業損失132億16百万円)となりました。
なお、各セグメントにおける業績につきましては、「(1) 業績」をご覧ください。
2 営業外損益及び経常利益
営業外収益は69億77百万円(同4.9%増)となり、営業外費用は、支払利息の減少(14億1百万円)などにより、89億99百万円(同17.3%減)となりました。
以上の結果、経常利益は201億33百万円(前期は、経常損失174億40百万円)となりました。
3 特別損益及び親会社株主に帰属する当期純利益
特別利益は、固定資産売却益の増加(666億15百万円)などにより、832億61百万円(同33.7%増)となりました。
特別損失は、減損損失の増加(342億84百万円)などにより、413億84百万円(同161.0%増)となりました。
以上の結果、税金等調整前当期純利益は620億11百万円(同114.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は567億53百万円(同434.2%増)となりました。
(4) キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ614億69百万円減少し、当連結会計年度末には257億41百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益620億11百万円に、減価償却費や法人税等の支払額などを調整した結果、671億67百万円の資金収入となり、前連結会計年度に比べ86億3百万円の資金収入の増加となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形及び無形固定資産の売却による収入などにより、878億54百万円の資金収入となり、前連結会計年度に比べ692億7百万円の資金収入の増加となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の返済及び当社連結子会社における優先株式の取得などにより、2,172億21百万円の資金支出となり、前連結会計年度に比べ1,981億50百万円の資金支出の増加となりました。
(5) 資本の財源及び資金の流動性について
「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載のとおり、「西武グループ長期戦略」における財務戦略では、ステークホルダーへの還元と、成長に資する投資の実施を最適なバランスでおこなっていくことを方針として定めております。また、当社グループの資金調達は、金融機関からの借入や社債の発行など、市場環境や金利動向などを総合的に勘案しながら決定しており、鉄道業・ホテル業を中心とした日々の収入金により必要な流動性資金を確保するとともに、キャッシュマネジメントシステム(CMS)などによりグループ内余剰資金の有効活用に努めております。
当連結会計年度は、「(1) 業績」に記載のとおり、西武建設株式会社の連結除外やザ・プリンス パークタワー東京など26物件の譲渡による減収があるものの、新型コロナウイルス感染症に係る制限の解除にともなう需要の増加を着実に取り込み、営業キャッシュ・フローが改善してまいりました。
また、「西武グループ中期経営計画(2021~2023年度)」における骨子の一つである「経営改革」を進め、財務基盤の強化を企図し、当連結会計年度において前述の26物件の譲渡や2023年4月1日の西武鉄道株式会社と株式会社西武リアルティソリューションズの組織再編などグループ内の企業体質強化に努めました。その進捗を踏まえ、当連結会計年度において西武鉄道株式会社が発行するA種優先株式の全部を取得し、消却いたしました。結果として、当連結会計年度末の手元現預金は259億88百万円となり、自己資本の残高は3,724億51百万円、自己資本比率は23.5%、借入金及びリース債務を含むネット有利子負債の残高は7,673億12百万円、ネット有利子負債/EBITDA倍率は9.9倍となりました。
前述及び「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、「アセットライト」や「損益分岐点の引き下げ」などをテーマに「経営改革」を断行してまいりましたが、今後も資本効率や最適資本構成について2021年5月の中期経営計画策定時に設定した「中長期的に目指す水準」に近づくよう努めてまいります。
中期経営計画の3ヵ年目となる翌連結会計年度においては、西武グループ長期戦略における財務戦略に基づき、ステークホルダーへの還元も重視し、利益配分に努めてまいります。投資キャッシュ・フローにつきましては、引き続き新宿線連続立体交差事業や所沢駅西口開発計画などの将来の成長に資する案件について、資本コスト3.71%を意識し事業別ハードルレート運用により厳選のうえ実行してまいります。なお、当事業年度の配当金につきましては、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載のとおり、1株当たりの普通配当を25円としております。
(6) 経営者の問題意識と今後の方針について
0102010_013.png西武グループは2014年4月23日の東証一部への株式上場後、2016年の東京ガーデンテラス紀尾井町開業、2017年のステイウェル社の子会社化、2019年の新型特急車両「Laview」の運行開始など、様々な施策を展開し、収益基盤を拡大しながら着実に成長を遂げてまいりました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、当社グループを取り巻く事業環境はここ数年で大きく変化しております。そうした中で、私たちはスピード感を持って2023年度を最終年度とする3ヵ年の「西武グループ中期経営計画(2021~2023年度)」で掲げております、「経営改革」「デジタル経営」「サステナビリティ」の3点を骨子とした取り組みを推進してまいりました。

これらを推進する中で目指すものは「最良、最強の生活応援企業グループ」の実現であります。
「最良」とは、お客さま一人ひとりの価値観に寄り添い、良質なほほえみあふれる日常を創造すること、地域社会の発展、環境の保全への貢献を果たすことを指し、「最強」とは、全ての事業運営の基礎である揺るぎない安全・安心、グループの団結力・総合力、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の「経営改革」の断行による強い収支構造、財務基盤の実現を指します。
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有価証券報告書提出日現在、コロナ禍で生じた価値変容・行動変容の定着に加え、ウクライナ問題のような地政学リスク、技術革新や日本国内の少子高齢化の加速、SDGs(持続可能な開発目標)・カーボンニュートラル(脱炭素社会)への意識が高まるなど、社会経済環境や事業環境は急速に変化しております。
これらに対応すべく、「西武グループ中期経営計画(2021~2023年度)」では「経営改革」「デジタル経営」「サステナビリティ」の3点を骨子とした取り組みを進めております。
「経営改革」については、「各社の機能高度化(専門性強化)」をコンセプトとしたグループ全体の組織再編やアセットライトな事業運営を推進しており、喫緊の課題であった財務基盤は改善し、着実に企業体質は強くなっております。
「デジタル経営」については2022年4月にDX・マーケティング戦略部を設立、デジタル経営を着実に遂行する体制を構築し、グループマーケティング基盤の構築などを進めました。2023年度については、各事業会社サービスのDX化を推し進めるなど、さらなるデータ分析・マーケティング強化に向けて取り組みを推進してまいります。
「サステナビリティ」については喫緊の課題であるCO₂削減に向け、環境負荷削減目標を変更・新設、CO₂排出量は2050年度ネットゼロを目標としたほか、太陽光発電に加え、バイナリー発電など再生可能エネルギーの導入など脱炭素施策を進めております。
2023年度も引き続きお客さま一人ひとりの価値観に寄り添い良質なほほえみあふれる日常を創造すること、地域社会の発展、環境の保全への貢献を果たすことを目指してまいります。
また、昨今は将来予想が非常に困難な時代、いわゆる「VUCAの時代」に突入しております。
そのような時代を力強く生き抜き、さらなる成長を遂げる西武グループにしていくためには「レジリエンスとサステナビリティ」をテーマに、それに対応した体制づくり及びその体制による積極的な取り組みが必要であると考えております。
体制については、このような先行き不透明・不安定な外部環境・経営環境の変化に適切に適応し、現在の中期経営計画の遂行、さらに持続的成長に向けた新たな戦略を進めるため、また、グループ全体の経営体制の若返りと専門性の強化のため、4月より代表取締役を2名とし、私が代表取締役会長 会長執行役員兼CEOに、西山が代表取締役社長 社長執行役員兼COOに就任いたしました。私はCEOとして将来へ向けて長期的かつ大局的な視点で将来を見据え、当社グループの長期戦略や観光振興、環境問題に取り組み、グループの持続的な成長へ向け、先導してまいります。
また、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、グループ内組織再編を進め、主要3事業の専門性を高めてまいりました。今後はその専門性強化と連動した「西武グループ人財戦略 基本コンセプト」を策定し、当社グループならではのサービスを提供するため「人財育成」に今まで以上に取り組んでいきたいと考えております。企業の成長の源泉、それは「人の力」であり、それはまさに会社にとって「財」であると考えております。その力を着実に高める、そしてその力が100%発揮できる環境づくりを進めてまいります。
また、各事業については、当社グループの強みは豊富なリアルアセット、その「量と質」であり、この強みを生かすことが、当社グループの今後の成長の鍵になると考えております。量に関しては1億㎡を超える土地を所有しており、これは同業他社と比べ圧倒的な量です。質に関しては、品川・高輪、芝公園、その他都内主要エリア、西武鉄道沿線に加え、軽井沢、箱根、富良野など、人気リゾートエリアにおいてもまとまった土地を所有しております。
2020年代後半から都心エリアの大規模開発やリゾートエリアの開発を段階的におこなうことで、保有資産の価値向上、グループとしての成長を遂げていきます。また、「不動産回転型ビジネス」の活用も検討を開始し、大規模開発と合わせて不動産事業として総合的に取り組みを進めることで、当社グループとして最適な不動産開発、運営方法を探っていきたいと考えております。
ホテル・レジャー事業については、引き続き業界No.1クオリティのホテルチェーンを目指し、CSの向上に加え、OS(注)の向上にも努めることで、250ホテルへの拡大を目指し、都市交通・沿線事業についても引き続き沿線価値向上に努めてまいります。
(注)OSとは、Owner Satisfactionを指します。
中期経営計画は着実に進捗し、外部環境としても当社グループには明るい兆しが見えはじめております。朝の来ない夜はありません。「西武グループ中期経営計画(2021~2023年度)」の最終年度、着実に計画を進めることで今後の成長に繋げ、企業価値、株主価値の向上に努めてまいります。

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