有価証券報告書-第13期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続くなかで緩やかに回復しております。しかしながら、先行きについては、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響が懸念されるなど不透明な状況であります。
このような状況のなか、当連結会計年度においては、長期的な目標水準である「Challenge Target」に向けて持続的かつ力強い成長を達成するためのロードマップとして、3ヵ年の「西武グループ中期経営計画(2017~2019年度)」を策定し、「新たな視点でスピード感をもって、イノベーションに挑戦」と「長期的視点での成長基盤の確立」を基本方針として、「新規事業分野の創出」と「既存事業領域の強化」の2点を重点課題に取り組んでまいりました。
このうち、新規事業分野の創出については、自由な発想で新たな施策を推進する専門部署として当社内に設置した「西武ラボ」を中心として取り組んでまいりました。
また、株式会社プリンスホテルが、オーストラリアを中心にホテルを展開するStayWell Hospitality Group Pty Ltdの事業の取得をいたしました。これにより、今後ホテル・レジャー事業のグローバル展開を拡大してまいります。
当連結会計年度における経営成績の概況は、営業収益は、5,306億31百万円と前期に比べ186億22百万円の増加(前期比3.6%増)となりました。営業利益は、増収による増益に加え、前期に東京ガーデンテラス紀尾井町開業にかかる一時的な経費の計上があったことなどにより、642億59百万円と前期に比べ18億3百万円の増加(同2.9%増)となり、償却前営業利益は、1,155億80百万円と前期に比べ74億65百万円の増加(同6.9%増)となりました。しかしながら、経常利益は、前期に株式会社NWコーポレーションにかかる持分法による投資利益の計上があったことなどにより、554億90百万円と前期に比べ19億82百万円の減少(同3.4%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に土地の売却を実施したことなどにより、429億8百万円と前期に比べ46億56百万円の減少(同9.8%減)となりました。
各セグメントにおける業績は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
(注)1 調整額については、主に連結会社間取引消去等であります。
2 償却前営業利益は、営業利益に減価償却費及びのれん償却額を加えて算定しております。
①都市交通・沿線事業
都市交通・沿線事業の内訳は鉄道業、バス業、沿線レジャー業、その他であり、それぞれの営業収益は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
鉄道業で、雇用情勢の堅調な推移や、メットライフドームでのイベント開催、「西武秩父駅前温泉 祭の湯」の開業及び秩父エリアのプロモーション強化などにより、旅客輸送人員は前期比1.6%増(うち定期1.8%増、定期外1.3%増)、旅客運輸収入は平成28年7月の特急料金見直しや平成29年3月の有料座席指定列車「S-TRAIN」の導入などもあり、前期比1.7%増(うち定期1.8%増、定期外1.6%増)となりました。
そのほか、平成29年3月に連結子会社化した株式会社横浜アリーナが増収に寄与いたしました。
これらの結果、都市交通・沿線事業の営業収益は、1,620億56百万円と前期に比べ55億62百万円の増加(同3.6%増)となり、営業利益は、272億54百万円と前期に比べ4億50百万円の増加(同1.7%増)となり、償却前営業利益は、490億62百万円と前期に比べ15億72百万円の増加(同3.3%増)となりました。
都市交通・沿線事業の主要な会社である西武鉄道株式会社の鉄道業の運輸成績は以下のとおりであります。
(西武鉄道株式会社の鉄道業の運輸成績)
(注)1 乗車効率は 延人キロ/(客車走行キロ×平均定員)×100 により、算出しております。
2 千キロ未満、千人未満及び百万円未満を切り捨てて表示しております。
3 運輸雑収は鉄道業以外の収入を含んでおります。
②ホテル・レジャー事業
ホテル・レジャー事業の内訳はホテル業(シティ)、ホテル業(リゾート)、ゴルフ場業、その他であり、それぞれの営業収益は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
(注)1 ホテル業(シティ)には主に大都市圏の中心商業地域やターミナル及びその周辺地域に立地するホテルを含んでおります。ホテル業(リゾート)には主に観光地や避暑地に立地するホテルを含んでおります。
2 以降の項目において、ホテル業(シティ)に属するホテルを「シティ」、ホテル業(リゾート)に属するホテルを「リゾート」と称する場合があります。
ホテル業で、平成28年7月にザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町が開業したほか、前期に営業を休止していた東京プリンスホテルなどがリニューアルオープンいたしました。また、宿泊部門では、より高単価な客層へのマーケットチェンジをはかるとともに、レベニューマネジメント(注1)を継続して実施したことにより、シティ・リゾートともにRevPAR(注2)が前期比で上昇いたしました。宴会部門では、MICE(注3)が好調に推移いたしました。
(注)1 レベニューマネジメントとは、需要予測に基づき、適切な時期に適切な価格にてお客さまにサービスを提供し、利益を最大化する手法であります。
2 RevPARとは、Revenue Per Available Roomの略であり、宿泊に係る収入を客室総数で除したものであります。
3 MICEとは、企業などの会議(Meeting)、企業などがおこなう報奨・研修旅行(インセンティブ旅行)(Incentive Travel)、国際機関・団体、学会などがおこなう国際会議(Convention)、展示会・見本市、イベント(Exhibition/Event)の頭文字であり、多くの集客交流が見込まれるビジネスイベントなどの総称であります。
これらの結果、ホテル・レジャー事業の営業収益は、2,048億54百万円と前期に比べ163億9百万円の増加(同8.7%増)となり、営業利益は、172億99百万円と前期に比べ32億7百万円の増加(同22.8%増)となり、償却前営業利益は、327億39百万円と前期に比べ57億70百万円の増加(同21.4%増)となりました。
ホテル・レジャー事業の主要な会社である株式会社プリンスホテルのホテル業(シティ)及びホテル業(リゾート)の定量的な指標は以下のとおりであります。
(ホテル施設概要)
(注)1 面積1,000㎡以上の宴会場は20室であります。
2 シティの代表例として高輪・品川エリア、リゾートの代表例として軽井沢エリアを記載しております。
3 高輪・品川エリアに含まれるホテルはザ・プリンス さくらタワー東京、グランドプリンスホテル高輪、グランドプリンスホテル新高輪、品川プリンスホテルであります。
4 軽井沢エリアに含まれるホテルはザ・プリンス 軽井沢、ザ・プリンス ヴィラ軽井沢、軽井沢プリンスホテルであります。
(ホテル業の営業指標)
(注)1 シティの代表例として高輪・品川エリア、リゾートの代表例として軽井沢エリアを記載しております。
2 高輪・品川エリアに含まれるホテルはザ・プリンス さくらタワー東京、グランドプリンスホテル高輪、グランドプリンスホテル新高輪、品川プリンスホテルであります。
3 軽井沢エリアに含まれるホテルはザ・プリンス 軽井沢、ザ・プリンス ヴィラ軽井沢、軽井沢プリンスホテルであります。
4 RevPARとは、Revenue Per Available Roomの略であり、宿泊に係る収入を客室総数で除したものであります。
5 ホテル業の営業指標については、工事等により営業休止中の施設・客室を含んでおりません。
(宿泊客の内訳)
(単位:名、%)
③不動産事業
不動産事業の内訳は不動産賃貸業、その他であり、それぞれの営業収益は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
不動産賃貸業で、平成28年7月にグランドオープンした東京ガーデンテラス紀尾井町において、オフィス・住宅、商業施設の賃料収入が増加いたしました。
そのほか、西武立川駅前において、住宅の販売を実施いたしました。
これらの結果、不動産事業の営業収益は、622億92百万円と前期に比べ85億21百万円の増加(同15.8%増)となりました。営業利益は、増収による増益に加え、前期に東京ガーデンテラス紀尾井町の開業にともなう一時的な経費の計上があったことなどにより、158億18百万円と前期に比べ79億29百万円の増加(同100.5%増)となり、償却前営業利益は、250億77百万円と前期に比べ88億76百万円の増加(同54.8%増)となりました。
不動産事業の定量的な指標は以下のとおりであります。
(建物賃貸物件の営業状況)
(注)土地の賃貸は含んでおりません。
④建設事業
建設事業の内訳は建設業、その他であり、それぞれの営業収益は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
(注)建設業には西武建設株式会社による兼業事業売上高を含んでおります。西武建設株式会社は、保有不
動産の一部を賃貸しており、当該売上高を建設業の営業収益に計上しております。
建設業で、鉄道工事や分譲住宅の建設、公共工事の施工を進めたほか、厳正な受注管理や継続的な与信管理に加え、原価管理についても強化に努めてまいりました。
しかしながら、建設事業の営業収益は、建設業で前期に大型工事があったことなどにより、1,000億2百万円と前期に比べ149億93百万円の減少(同13.0%減)となり、営業利益は、47億52百万円と前期に比べ50億73百万円の減少(同51.6%減)となり、償却前営業利益は、51億52百万円と前期に比べ50億54百万円の減少(同49.5%減)となりました。
建設事業の定量的な指標は以下のとおりであります。
(建設業の受注高の状況)
(単位:百万円)
⑤ハワイ事業
ハワイ事業では、ハワイ島2ホテルが、良好な市場環境を背景として、宿泊部門を中心に好調に推移したほか、ハワイプリンスホテルワイキキがプリンスワイキキとしてリニューアルオープンをいたしました。
ハワイ事業の営業収益は、前期にハプナビーチプリンスホテルの不動産の一部を売却したことにより、153億75百万円と前期に比べ77億92百万円の減少(同33.6%減)となりました。営業損失は、前期の不動産売却の反動による減益に加え、リニューアルにともなう経費の増加などもあり、20億2百万円(前期は、営業利益42億50百万円)となり、償却前営業利益は、97百万円と前期に比べ59億47百万円の減少(同98.4%減)となりました。
ハワイ事業の定量的な指標は以下のとおりであります。
(ホテルの営業指標)
(注)RevPARとは、Revenue Per Available Roomの略であり、宿泊に係る収入を客室総数で除したもの
であります。
⑥その他
伊豆箱根事業では、伊豆・三津シーパラダイスや介護施設が増収に寄与いたしました。近江事業では、守山駅前近江鉄道ビル「cocotto MORIYAMA」が開業したことや土山サービスエリアが好調に推移したことが増収に寄与いたしました。西武ライオンズでは、各種営業施策の実施やクライマックスシリーズへの進出などにより、観客動員数が前期比で増加いたしました。
これらの結果、営業収益は、394億27百万円と前期に比べ21億98百万円の増加(同5.9%増)となり、営業利益は、10億48百万円と前期に比べ3億27百万円の増加(同45.4%増)となり、償却前営業利益は、39億60百万円と前期に比べ5億93百万円の増加(同17.6%増)となりました。
(2) 生産、受注及び販売の実績
当社グループは役務提供を中心とした事業展開をおこなっており、生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。このため生産、受注及び販売の実績については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)業績」におけるセグメントの業績に関連付けて示しております。
(3) 財政状態、経営成績の分析
文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。
当社グループは、退職給付に係る負債及び退職給付に係る資産、税効果会計、貸倒引当金、棚卸資産の評価、投資その他の資産の評価などに関して、過去の実績や当該取引の状況に照らして、合理的と考えられる見積り及び判断をおこない、その結果を資産・負債の帳簿価額及び収益・費用の金額に反映して連結財務諸表を作成しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
② 財政状態の分析
1 資産
流動資産は、1,197億9百万円と前連結会計年度末に比べ69億92百万円減少いたしました。その主たる要因は、受取手形及び売掛金の減少(46億59百万円)であります。
固定資産は、1兆5,522億67百万円と前連結会計年度末に比べ511億1百万円増加いたしました。その主たる要因は、有形固定資産及び無形固定資産の増加(415億77百万円)であります。
以上の結果、総資産は1兆6,719億77百万円と前連結会計年度末に比べ441億8百万円増加いたしました。
2 負債
流動負債は、3,287億82百万円と前連結会計年度末に比べ378億7百万円減少いたしました。その主たる要因は、短期借入金の減少(471億7百万円)であります。
固定負債は、9,482億46百万円と前連結会計年度末に比べ471億1百万円増加いたしました。その主たる要因は、長期借入金の増加(404億9百万円)であります。
以上の結果、負債合計は1兆2,770億29百万円と前連結会計年度末に比べ92億93百万円増加いたしました。
3 純資産
純資産は、3,949億47百万円と前連結会計年度末に比べ348億14百万円増加いたしました。その主たる要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上(429億8百万円)であります。
なお、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ1.5ポイント上昇し23.3%となっております。
③ 経営成績の分析
1 営業収益及び営業利益
営業収益は、ホテル・レジャー事業において東京プリンスホテル、グランドプリンスホテル高輪の営業再開があったこと、不動産事業において東京ガーデンテラス紀尾井町における賃料収入の増加があったこと、都市交通・沿線事業において運輸収入の増加があったことなどにより、5,306億31百万円(前期比3.6%増)となり、営業利益は増収による増益に加え、前期に東京ガーデンテラス紀尾井町開業にともなう一時的な経費の計上があったことなどにより、642億59百万円(同2.9%増)となりました。
なお、各セグメントにおける業績につきましては、「(1) 業績」をご覧ください。
2 営業外損益及び経常利益
前期に計上した持分法による投資利益(37億29百万円)がなくなったことなどにより、営業外収益は32億90百万円(同52.1%減)となり、営業外費用は120億60百万円(同1.7%増)となりました。
以上の結果、経常利益は554億90百万円(同3.4%減)となりました。
3 特別損益及び親会社株主に帰属する当期純利益
固定資産売却益の減少(34億19百万円)などにより、特別利益は21億56百万円(同76.2%減)となりました。
工事負担金等圧縮額の減少(20億60百万円)などにより、特別損失は66億95百万円(同16.4%減)となりました。
以上の結果、税金等調整前当期純利益は509億51百万円(同13.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は429億8百万円(同9.8%減)となりました。
(4) キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ20億76百万円増加し、当連結会計年度末には296億28百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益509億51百万円に、減価償却費や法人税等の支払額などを調整した結果、1,037億72百万円の資金収入となりました。前連結会計年度に比べ113億54百万円の資金収入の増加となりましたが、その主たる要因は、40億10百万円の未収入金の減少(前連結会計年度は、42億4百万円の増加)であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、880億83百万円の資金支出となり、前連結会計年度に比べ458億48百万円の資金支出の減少となりました。その主たる要因は、有形及び無形固定資産の取得による支出の減少(437億93百万円)であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、財務体質の改善のため有利子負債の圧縮を進めた結果、135億49百万円の資金支出(前連結会計年度は、481億62百万円の資金収入)となりました。
(5) 資本の財源及び資金の流動性について
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、サービス提供及び安全・安心の維持に係る費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資によるものであります。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含むネット有利子負債の残高は8,751億47百万円となっております。
(6) 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。本項目においては、そのうち当社グループ全体の事業基盤に直ちに影響を及ぼす可能性のある重要なものに関して、その影響と可能な対策を記載いたします。
① 経済情勢
当社グループは、日本国内を主たるマーケットとして事業を展開しており、各種経済情勢の影響を受けております。消費の低迷や雇用状況の悪化、企業活動の停滞、需要の減少、民間工事及び公共工事の減少、不動産市況の低迷、海外経済の下振れ、地政学的リスク等が、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。そのため、グループの大きな強みである保有資産を有効活用して、「既存事業領域の強化」に取り組むとともに、既存事業領域を超えたダイナミズムをともなう成長のため、「新規事業分野の創出」にも取り組んでまいります。合わせて、効率的な経営を実現するため、ICTの利活用や省メンテナンス機器の導入、コスト管理の強化などローコストオペレーション体制を確立し、さらなる企業体質の強化をはかってまいります。
また、グループ内外との連携を積極的にはかることでお客さまの満足度向上に常に取り組み、収益力の強化を目指してまいります。
② 法的規制等
当社グループの各事業においては、それぞれ法的規制を受けております。
例えば、都市交通・沿線事業等においては鉄道事業法、道路運送法等の法的規制を受けております。具体的には鉄道業では国土交通大臣による事業経営の許可、上限運賃等の認可等、また、バス業やタクシー業においても事業経営の許可等があります。ホテル・レジャー事業では、旅館業法や食品衛生法等の法的規制を受けております。具体的にはホテル業における旅館業法による事業経営の許可等があります。不動産事業では、宅地建物取引業法、都市計画法、建築基準法、建設業法、土壌汚染対策法等の法的規制を受けております。
これら現在の規制に重要な変更や新たな規制が設けられた場合には、規制を遵守するために必要な費用が増加する可能性があり、また、規制に対応できなかった場合は、当社グループの活動が制限される等、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があるため、規制の変更・新設に関する情報やその影響等を事前に当社において調査・把握し、当社グループへの影響を最小限にとどめるよう努めております。
③ 自然災害・事故等
大規模な事故、地震や台風等の自然災害、テロ行為等が発生した場合、その対策費用の発生等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。この点、当社グループは、「安全・安心」を最重要課題と認識し、グループ事業運営に取り組んでまいりました。具体的には、運輸安全マネジメント体制をはじめとする都市交通・沿線事業における安全性向上の取り組みや、ホテル・レジャー事業における施設の安全対策等、グループ事業運営にあたり安全管理には万全の注意を払っております。
④ 少子高齢化
当社グループでは、都市交通・沿線事業やホテル・レジャー事業等お客さまの生活に密着した事業を展開しております。そのため、少子高齢化による就業・就学人口の減少や将来的な人口の減少により鉄道業やバス業等における輸送人員の減少、レジャー施設の利用人員の減少等が懸念され、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、人口構造の変化といったパラダイムシフトに対応すべく、「インバウンド(訪日外国人)」、「シニア」、「こども」といったマーケットへターゲットを拡大するなど、新たなビジネスモデルを育成しております。
(7) 経営者の問題意識と今後の方針について
当社グループは、当社設立以降、「峻別と集中」と「企業価値の極大化」をコンセプトに資産の売却や経営基盤の整備などをおこない、グループ各社が主たる事業に集中できる事業運営体制を構築するなど、経営改革を着実に実行してまいりました。その後、平成26年の東京証券取引所市場第一部上場を契機として、基盤整備の時期から、東京ガーデンテラス紀尾井町をはじめとした、バリューアップ投資の増加による企業価値の極大化を企図した経営へとシフトチェンジをおこなっております。今後とも企業価値の極大化に向け、「グループビジョン」を実現していくための基本構想として当社グループが概ね10年間で目指していく方向性を示した「西武グループ長期戦略」に基づき、当社が保有する経営資源の有効活用をおこないながら、様々な事業・サービスを組み合わせて提供できる領域・付加価値を拡大し、あらゆる場面でお客さまの生活を応援していく企業グループとなることで、より一層の持続的かつ力強い成長を目指してまいります。
足もとの事業環境は、雇用・所得環境の改善が続くなかで緩やかに回復しておりますが、先行きについては、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響が懸念されるなど不透明な状況であります。このような事業環境下において、長期的な目標水準を目指すロードマップとして、前回計画(2017~2019年度)をベースに個別施策ならびに数値計画の見直しを実施し、3ヵ年の「西武グループ中期経営計画(2018~2020年度)」を策定いたしました。そのなかでは、持続的かつ力強い成長を実現していくために、引き続き「既存事業領域の強化」と「新規事業分野の創出」を重点的に対応すべき課題として掲げております。
「既存事業領域の強化」については、「西武グループ アセット戦略」に基づき、(仮称)西武鉄道池袋ビル計画やグランエミオ所沢Ⅱ期・所沢駅西口開発計画といった大規模開発を推進するとともに、都心エリア(高輪・品川エリア、芝公園エリア等)の開発についても検討してまいります。また、有料座席指定列車や新型特急車両の導入などによりお客さま満足度の向上をはかり、「選ばれる沿線」「選ばれる鉄道」を目指してまいります。「新規事業分野の創出」については、増加するインバウンドや多様化する宿泊需要に対応するため、新たに創設した次世代型の宿泊特化型ホテルブランド「プリンス スマート イン」を展開するとともに、アクティブシニア層を中心とする新規顧客の取り込みのため、会員制ホテル事業に参入し、「プリンス バケーション クラブ」を展開してまいります。
これらを実現し、グループ企業価値の極大化をはかるため、多様な能力と熱意を最大限に発揮できる職場風土を醸成する「ダイバーシティマネジメント」の推進やICTの利活用による生産性の向上、本社移転や事務所建て替えなど業務改革につながる設備投資に加え、スライド勤務の実施などにより新たな働き方を推進し、イノベーションを創出しやすい環境を生み出してまいります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続くなかで緩やかに回復しております。しかしながら、先行きについては、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響が懸念されるなど不透明な状況であります。
このような状況のなか、当連結会計年度においては、長期的な目標水準である「Challenge Target」に向けて持続的かつ力強い成長を達成するためのロードマップとして、3ヵ年の「西武グループ中期経営計画(2017~2019年度)」を策定し、「新たな視点でスピード感をもって、イノベーションに挑戦」と「長期的視点での成長基盤の確立」を基本方針として、「新規事業分野の創出」と「既存事業領域の強化」の2点を重点課題に取り組んでまいりました。
このうち、新規事業分野の創出については、自由な発想で新たな施策を推進する専門部署として当社内に設置した「西武ラボ」を中心として取り組んでまいりました。
また、株式会社プリンスホテルが、オーストラリアを中心にホテルを展開するStayWell Hospitality Group Pty Ltdの事業の取得をいたしました。これにより、今後ホテル・レジャー事業のグローバル展開を拡大してまいります。
当連結会計年度における経営成績の概況は、営業収益は、5,306億31百万円と前期に比べ186億22百万円の増加(前期比3.6%増)となりました。営業利益は、増収による増益に加え、前期に東京ガーデンテラス紀尾井町開業にかかる一時的な経費の計上があったことなどにより、642億59百万円と前期に比べ18億3百万円の増加(同2.9%増)となり、償却前営業利益は、1,155億80百万円と前期に比べ74億65百万円の増加(同6.9%増)となりました。しかしながら、経常利益は、前期に株式会社NWコーポレーションにかかる持分法による投資利益の計上があったことなどにより、554億90百万円と前期に比べ19億82百万円の減少(同3.4%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に土地の売却を実施したことなどにより、429億8百万円と前期に比べ46億56百万円の減少(同9.8%減)となりました。
各セグメントにおける業績は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
| セグメントの名称 | 営業収益 | 営業利益 | 償却前営業利益 | ||||||
| 当連結 会計年度 | 前期比 増減 | 前期比 増減率 (%) | 当連結 会計年度 | 前期比 増減 | 前期比 増減率 (%) | 当連結 会計年度 | 前期比 増減 | 前期比 増減率 (%) | |
| 都市交通・沿線事業 | 162,056 | 5,562 | 3.6 | 27,254 | 450 | 1.7 | 49,062 | 1,572 | 3.3 |
| ホテル・レジャー事業 | 204,854 | 16,309 | 8.7 | 17,299 | 3,207 | 22.8 | 32,739 | 5,770 | 21.4 |
| 不動産事業 | 62,292 | 8,521 | 15.8 | 15,818 | 7,929 | 100.5 | 25,077 | 8,876 | 54.8 |
| 建設事業 | 100,002 | △14,993 | △13.0 | 4,752 | △5,073 | △51.6 | 5,152 | △5,054 | △49.5 |
| ハワイ事業 | 15,375 | △7,792 | △33.6 | △2,002 | △6,252 | - | 97 | △5,947 | △98.4 |
| その他 | 39,427 | 2,198 | 5.9 | 1,048 | 327 | 45.4 | 3,960 | 593 | 17.6 |
| 合計 | 584,007 | 9,806 | 1.7 | 64,171 | 588 | 0.9 | 116,089 | 5,812 | 5.3 |
| 調整額 | △53,376 | 8,816 | - | 88 | 1,214 | - | △509 | 1,652 | - |
| 連結数値 | 530,631 | 18,622 | 3.6 | 64,259 | 1,803 | 2.9 | 115,580 | 7,465 | 6.9 |
(注)1 調整額については、主に連結会社間取引消去等であります。
2 償却前営業利益は、営業利益に減価償却費及びのれん償却額を加えて算定しております。
①都市交通・沿線事業
都市交通・沿線事業の内訳は鉄道業、バス業、沿線レジャー業、その他であり、それぞれの営業収益は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
| 平成29年3月期 | 平成30年3月期 | 増減額 | |||
| 営業収益 | 156,494 | 162,056 | 5,562 | ||
| 鉄道業 | 105,123 | 106,354 | 1,231 | ||
| バス業 | 25,531 | 25,937 | 406 | ||
| 沿線レジャー業 | 20,798 | 22,095 | 1,296 | ||
| その他 | 5,041 | 7,668 | 2,627 | ||
鉄道業で、雇用情勢の堅調な推移や、メットライフドームでのイベント開催、「西武秩父駅前温泉 祭の湯」の開業及び秩父エリアのプロモーション強化などにより、旅客輸送人員は前期比1.6%増(うち定期1.8%増、定期外1.3%増)、旅客運輸収入は平成28年7月の特急料金見直しや平成29年3月の有料座席指定列車「S-TRAIN」の導入などもあり、前期比1.7%増(うち定期1.8%増、定期外1.6%増)となりました。
そのほか、平成29年3月に連結子会社化した株式会社横浜アリーナが増収に寄与いたしました。
これらの結果、都市交通・沿線事業の営業収益は、1,620億56百万円と前期に比べ55億62百万円の増加(同3.6%増)となり、営業利益は、272億54百万円と前期に比べ4億50百万円の増加(同1.7%増)となり、償却前営業利益は、490億62百万円と前期に比べ15億72百万円の増加(同3.3%増)となりました。
都市交通・沿線事業の主要な会社である西武鉄道株式会社の鉄道業の運輸成績は以下のとおりであります。
(西武鉄道株式会社の鉄道業の運輸成績)
| 種別 | 単位 | 平成29年3月期 | 平成30年3月期 | |
| 営業日数 | 日 | 365 | 365 | |
| 営業キロ | キロ | 179.8 | 176.6 | |
| 客車走行キロ | 千キロ | 173,314 | 174,298 | |
| 輸送人員 | 定期 | 千人 | 405,526 | 412,680 |
| 定期外 | 千人 | 242,893 | 245,969 | |
| 計 | 千人 | 648,420 | 658,650 | |
| 旅客運輸収入 | 定期 | 百万円 | 44,333 | 45,137 |
| 定期外 | 百万円 | 53,356 | 54,211 | |
| 計 | 百万円 | 97,690 | 99,348 | |
| 運輸雑収 | 百万円 | 4,021 | 4,097 | |
| 収入合計 | 百万円 | 101,711 | 103,445 | |
| 一日平均収入 | 百万円 | 267 | 272 | |
| 乗車効率 | % | 38.7 | 39.8 | |
(注)1 乗車効率は 延人キロ/(客車走行キロ×平均定員)×100 により、算出しております。
2 千キロ未満、千人未満及び百万円未満を切り捨てて表示しております。
3 運輸雑収は鉄道業以外の収入を含んでおります。
②ホテル・レジャー事業
ホテル・レジャー事業の内訳はホテル業(シティ)、ホテル業(リゾート)、ゴルフ場業、その他であり、それぞれの営業収益は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
| 平成29年3月期 | 平成30年3月期 | 増減額 | |||
| 営業収益 | 188,544 | 204,854 | 16,309 | ||
| ホテル業(シティ) | 105,319 | 119,776 | 14,456 | ||
| ホテル業(リゾート) | 38,826 | 40,677 | 1,850 | ||
| ゴルフ場業 | 12,266 | 12,575 | 309 | ||
| その他 | 32,132 | 31,825 | △306 | ||
(注)1 ホテル業(シティ)には主に大都市圏の中心商業地域やターミナル及びその周辺地域に立地するホテルを含んでおります。ホテル業(リゾート)には主に観光地や避暑地に立地するホテルを含んでおります。
2 以降の項目において、ホテル業(シティ)に属するホテルを「シティ」、ホテル業(リゾート)に属するホテルを「リゾート」と称する場合があります。
ホテル業で、平成28年7月にザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町が開業したほか、前期に営業を休止していた東京プリンスホテルなどがリニューアルオープンいたしました。また、宿泊部門では、より高単価な客層へのマーケットチェンジをはかるとともに、レベニューマネジメント(注1)を継続して実施したことにより、シティ・リゾートともにRevPAR(注2)が前期比で上昇いたしました。宴会部門では、MICE(注3)が好調に推移いたしました。
(注)1 レベニューマネジメントとは、需要予測に基づき、適切な時期に適切な価格にてお客さまにサービスを提供し、利益を最大化する手法であります。
2 RevPARとは、Revenue Per Available Roomの略であり、宿泊に係る収入を客室総数で除したものであります。
3 MICEとは、企業などの会議(Meeting)、企業などがおこなう報奨・研修旅行(インセンティブ旅行)(Incentive Travel)、国際機関・団体、学会などがおこなう国際会議(Convention)、展示会・見本市、イベント(Exhibition/Event)の頭文字であり、多くの集客交流が見込まれるビジネスイベントなどの総称であります。
これらの結果、ホテル・レジャー事業の営業収益は、2,048億54百万円と前期に比べ163億9百万円の増加(同8.7%増)となり、営業利益は、172億99百万円と前期に比べ32億7百万円の増加(同22.8%増)となり、償却前営業利益は、327億39百万円と前期に比べ57億70百万円の増加(同21.4%増)となりました。
ホテル・レジャー事業の主要な会社である株式会社プリンスホテルのホテル業(シティ)及びホテル業(リゾート)の定量的な指標は以下のとおりであります。
(ホテル施設概要)
| 施設数 (か所) | 客室数 (室) | 宴会場数 (室) | 宴会場面積 (㎡) | |
| シティ | 15 | 10,636 | 215 | 51,312 |
| 高輪・品川エリア | 4 | 5,136 | 108 | 20,711 |
| リゾート | 28 | 6,758 | 89 | 22,354 |
| 軽井沢エリア | 3 | 712 | 11 | 3,670 |
(注)1 面積1,000㎡以上の宴会場は20室であります。
2 シティの代表例として高輪・品川エリア、リゾートの代表例として軽井沢エリアを記載しております。
3 高輪・品川エリアに含まれるホテルはザ・プリンス さくらタワー東京、グランドプリンスホテル高輪、グランドプリンスホテル新高輪、品川プリンスホテルであります。
4 軽井沢エリアに含まれるホテルはザ・プリンス 軽井沢、ザ・プリンス ヴィラ軽井沢、軽井沢プリンスホテルであります。
(ホテル業の営業指標)
| 平成29年3月期 | 平成30年3月期 | ||
| RevPAR(円) | シティ | 11,911 | 12,732 |
| 高輪・品川エリア | 12,873 | 13,354 | |
| リゾート | 9,243 | 9,889 | |
| 軽井沢エリア | 19,376 | 20,980 | |
| 宿泊部門全体 | 10,980 | 11,786 | |
| 平均販売室料(円) | シティ | 14,873 | 15,196 |
| 高輪・品川エリア | 14,808 | 14,830 | |
| リゾート | 16,198 | 16,208 | |
| 軽井沢エリア | 30,894 | 31,713 | |
| 宿泊部門全体 | 15,239 | 15,466 |
| 客室稼働率(%) | シティ | 80.1 | 83.8 |
| 高輪・品川エリア | 86.9 | 90.0 | |
| リゾート | 57.1 | 61.0 | |
| 軽井沢エリア | 62.7 | 66.2 | |
| 宿泊部門全体 | 72.1 | 76.2 |
(注)1 シティの代表例として高輪・品川エリア、リゾートの代表例として軽井沢エリアを記載しております。
2 高輪・品川エリアに含まれるホテルはザ・プリンス さくらタワー東京、グランドプリンスホテル高輪、グランドプリンスホテル新高輪、品川プリンスホテルであります。
3 軽井沢エリアに含まれるホテルはザ・プリンス 軽井沢、ザ・プリンス ヴィラ軽井沢、軽井沢プリンスホテルであります。
4 RevPARとは、Revenue Per Available Roomの略であり、宿泊に係る収入を客室総数で除したものであります。
5 ホテル業の営業指標については、工事等により営業休止中の施設・客室を含んでおりません。
(宿泊客の内訳)
(単位:名、%)
| 平成29年3月期 | 比率 | 平成30年3月期 | 比率 | |
| 宿泊客 | 4,457,671 | 100.0 | 4,839,187 | 100.0 |
| 邦人客 | 3,401,013 | 76.3 | 3,652,410 | 75.5 |
| 外国人客 | 1,056,658 | 23.7 | 1,186,777 | 24.5 |
③不動産事業
不動産事業の内訳は不動産賃貸業、その他であり、それぞれの営業収益は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
| 平成29年3月期 | 平成30年3月期 | 増減額 | |||
| 営業収益 | 53,771 | 62,292 | 8,521 | ||
| 不動産賃貸業 | 35,447 | 42,506 | 7,059 | ||
| その他 | 18,323 | 19,785 | 1,462 | ||
不動産賃貸業で、平成28年7月にグランドオープンした東京ガーデンテラス紀尾井町において、オフィス・住宅、商業施設の賃料収入が増加いたしました。
そのほか、西武立川駅前において、住宅の販売を実施いたしました。
これらの結果、不動産事業の営業収益は、622億92百万円と前期に比べ85億21百万円の増加(同15.8%増)となりました。営業利益は、増収による増益に加え、前期に東京ガーデンテラス紀尾井町の開業にともなう一時的な経費の計上があったことなどにより、158億18百万円と前期に比べ79億29百万円の増加(同100.5%増)となり、償却前営業利益は、250億77百万円と前期に比べ88億76百万円の増加(同54.8%増)となりました。
不動産事業の定量的な指標は以下のとおりであります。
(建物賃貸物件の営業状況)
| 期末貸付面積 (千㎡) | 期末空室率 (%) | |||
| 平成29年3月期 | 平成30年3月期 | 平成29年3月期 | 平成30年3月期 | |
| 商業施設 | 239 | 244 | 0.7 | 1.1 |
| オフィス・住宅 | 166 | 172 | 3.1 | 1.9 |
(注)土地の賃貸は含んでおりません。
④建設事業
建設事業の内訳は建設業、その他であり、それぞれの営業収益は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
| 平成29年3月期 | 平成30年3月期 | 増減額 | |||
| 営業収益 | 114,996 | 100,002 | △14,993 | ||
| 建設業 | 88,578 | 74,054 | △14,524 | ||
| その他 | 26,417 | 25,947 | △469 | ||
(注)建設業には西武建設株式会社による兼業事業売上高を含んでおります。西武建設株式会社は、保有不
動産の一部を賃貸しており、当該売上高を建設業の営業収益に計上しております。
建設業で、鉄道工事や分譲住宅の建設、公共工事の施工を進めたほか、厳正な受注管理や継続的な与信管理に加え、原価管理についても強化に努めてまいりました。
しかしながら、建設事業の営業収益は、建設業で前期に大型工事があったことなどにより、1,000億2百万円と前期に比べ149億93百万円の減少(同13.0%減)となり、営業利益は、47億52百万円と前期に比べ50億73百万円の減少(同51.6%減)となり、償却前営業利益は、51億52百万円と前期に比べ50億54百万円の減少(同49.5%減)となりました。
建設事業の定量的な指標は以下のとおりであります。
(建設業の受注高の状況)
(単位:百万円)
| 平成29年3月期 | 平成30年3月期 | |||
| 期首繰越高 | 99,069 | 89,755 | ||
| 期中受注高 | 79,080 | 84,599 | ||
| 期末繰越高 | 89,755 | 100,542 | ||
⑤ハワイ事業
ハワイ事業では、ハワイ島2ホテルが、良好な市場環境を背景として、宿泊部門を中心に好調に推移したほか、ハワイプリンスホテルワイキキがプリンスワイキキとしてリニューアルオープンをいたしました。
ハワイ事業の営業収益は、前期にハプナビーチプリンスホテルの不動産の一部を売却したことにより、153億75百万円と前期に比べ77億92百万円の減少(同33.6%減)となりました。営業損失は、前期の不動産売却の反動による減益に加え、リニューアルにともなう経費の増加などもあり、20億2百万円(前期は、営業利益42億50百万円)となり、償却前営業利益は、97百万円と前期に比べ59億47百万円の減少(同98.4%減)となりました。
ハワイ事業の定量的な指標は以下のとおりであります。
(ホテルの営業指標)
| 平成29年3月期 | 平成30年3月期 | |
| RevPAR (円) | 19,247 | 18,465 |
| RevPAR (米ドル) | 174.97 | 175.86 |
| 平均販売室料 (円) | 27,815 | 30,539 |
| 平均販売室料 (米ドル) | 252.86 | 290.85 |
| 客室稼働率 (%) | 69.2 | 60.5 |
(注)RevPARとは、Revenue Per Available Roomの略であり、宿泊に係る収入を客室総数で除したもの
であります。
⑥その他
伊豆箱根事業では、伊豆・三津シーパラダイスや介護施設が増収に寄与いたしました。近江事業では、守山駅前近江鉄道ビル「cocotto MORIYAMA」が開業したことや土山サービスエリアが好調に推移したことが増収に寄与いたしました。西武ライオンズでは、各種営業施策の実施やクライマックスシリーズへの進出などにより、観客動員数が前期比で増加いたしました。
これらの結果、営業収益は、394億27百万円と前期に比べ21億98百万円の増加(同5.9%増)となり、営業利益は、10億48百万円と前期に比べ3億27百万円の増加(同45.4%増)となり、償却前営業利益は、39億60百万円と前期に比べ5億93百万円の増加(同17.6%増)となりました。
(2) 生産、受注及び販売の実績
当社グループは役務提供を中心とした事業展開をおこなっており、生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。このため生産、受注及び販売の実績については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)業績」におけるセグメントの業績に関連付けて示しております。
(3) 財政状態、経営成績の分析
文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。
当社グループは、退職給付に係る負債及び退職給付に係る資産、税効果会計、貸倒引当金、棚卸資産の評価、投資その他の資産の評価などに関して、過去の実績や当該取引の状況に照らして、合理的と考えられる見積り及び判断をおこない、その結果を資産・負債の帳簿価額及び収益・費用の金額に反映して連結財務諸表を作成しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
② 財政状態の分析
1 資産
流動資産は、1,197億9百万円と前連結会計年度末に比べ69億92百万円減少いたしました。その主たる要因は、受取手形及び売掛金の減少(46億59百万円)であります。
固定資産は、1兆5,522億67百万円と前連結会計年度末に比べ511億1百万円増加いたしました。その主たる要因は、有形固定資産及び無形固定資産の増加(415億77百万円)であります。
以上の結果、総資産は1兆6,719億77百万円と前連結会計年度末に比べ441億8百万円増加いたしました。
2 負債
流動負債は、3,287億82百万円と前連結会計年度末に比べ378億7百万円減少いたしました。その主たる要因は、短期借入金の減少(471億7百万円)であります。
固定負債は、9,482億46百万円と前連結会計年度末に比べ471億1百万円増加いたしました。その主たる要因は、長期借入金の増加(404億9百万円)であります。
以上の結果、負債合計は1兆2,770億29百万円と前連結会計年度末に比べ92億93百万円増加いたしました。
3 純資産
純資産は、3,949億47百万円と前連結会計年度末に比べ348億14百万円増加いたしました。その主たる要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上(429億8百万円)であります。
なお、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ1.5ポイント上昇し23.3%となっております。
③ 経営成績の分析
1 営業収益及び営業利益
営業収益は、ホテル・レジャー事業において東京プリンスホテル、グランドプリンスホテル高輪の営業再開があったこと、不動産事業において東京ガーデンテラス紀尾井町における賃料収入の増加があったこと、都市交通・沿線事業において運輸収入の増加があったことなどにより、5,306億31百万円(前期比3.6%増)となり、営業利益は増収による増益に加え、前期に東京ガーデンテラス紀尾井町開業にともなう一時的な経費の計上があったことなどにより、642億59百万円(同2.9%増)となりました。
なお、各セグメントにおける業績につきましては、「(1) 業績」をご覧ください。
2 営業外損益及び経常利益
前期に計上した持分法による投資利益(37億29百万円)がなくなったことなどにより、営業外収益は32億90百万円(同52.1%減)となり、営業外費用は120億60百万円(同1.7%増)となりました。
以上の結果、経常利益は554億90百万円(同3.4%減)となりました。
3 特別損益及び親会社株主に帰属する当期純利益
固定資産売却益の減少(34億19百万円)などにより、特別利益は21億56百万円(同76.2%減)となりました。
工事負担金等圧縮額の減少(20億60百万円)などにより、特別損失は66億95百万円(同16.4%減)となりました。
以上の結果、税金等調整前当期純利益は509億51百万円(同13.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は429億8百万円(同9.8%減)となりました。
(4) キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ20億76百万円増加し、当連結会計年度末には296億28百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益509億51百万円に、減価償却費や法人税等の支払額などを調整した結果、1,037億72百万円の資金収入となりました。前連結会計年度に比べ113億54百万円の資金収入の増加となりましたが、その主たる要因は、40億10百万円の未収入金の減少(前連結会計年度は、42億4百万円の増加)であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、880億83百万円の資金支出となり、前連結会計年度に比べ458億48百万円の資金支出の減少となりました。その主たる要因は、有形及び無形固定資産の取得による支出の減少(437億93百万円)であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、財務体質の改善のため有利子負債の圧縮を進めた結果、135億49百万円の資金支出(前連結会計年度は、481億62百万円の資金収入)となりました。
(5) 資本の財源及び資金の流動性について
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、サービス提供及び安全・安心の維持に係る費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資によるものであります。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含むネット有利子負債の残高は8,751億47百万円となっております。
(6) 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。本項目においては、そのうち当社グループ全体の事業基盤に直ちに影響を及ぼす可能性のある重要なものに関して、その影響と可能な対策を記載いたします。
① 経済情勢
当社グループは、日本国内を主たるマーケットとして事業を展開しており、各種経済情勢の影響を受けております。消費の低迷や雇用状況の悪化、企業活動の停滞、需要の減少、民間工事及び公共工事の減少、不動産市況の低迷、海外経済の下振れ、地政学的リスク等が、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。そのため、グループの大きな強みである保有資産を有効活用して、「既存事業領域の強化」に取り組むとともに、既存事業領域を超えたダイナミズムをともなう成長のため、「新規事業分野の創出」にも取り組んでまいります。合わせて、効率的な経営を実現するため、ICTの利活用や省メンテナンス機器の導入、コスト管理の強化などローコストオペレーション体制を確立し、さらなる企業体質の強化をはかってまいります。
また、グループ内外との連携を積極的にはかることでお客さまの満足度向上に常に取り組み、収益力の強化を目指してまいります。
② 法的規制等
当社グループの各事業においては、それぞれ法的規制を受けております。
例えば、都市交通・沿線事業等においては鉄道事業法、道路運送法等の法的規制を受けております。具体的には鉄道業では国土交通大臣による事業経営の許可、上限運賃等の認可等、また、バス業やタクシー業においても事業経営の許可等があります。ホテル・レジャー事業では、旅館業法や食品衛生法等の法的規制を受けております。具体的にはホテル業における旅館業法による事業経営の許可等があります。不動産事業では、宅地建物取引業法、都市計画法、建築基準法、建設業法、土壌汚染対策法等の法的規制を受けております。
これら現在の規制に重要な変更や新たな規制が設けられた場合には、規制を遵守するために必要な費用が増加する可能性があり、また、規制に対応できなかった場合は、当社グループの活動が制限される等、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があるため、規制の変更・新設に関する情報やその影響等を事前に当社において調査・把握し、当社グループへの影響を最小限にとどめるよう努めております。
③ 自然災害・事故等
大規模な事故、地震や台風等の自然災害、テロ行為等が発生した場合、その対策費用の発生等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。この点、当社グループは、「安全・安心」を最重要課題と認識し、グループ事業運営に取り組んでまいりました。具体的には、運輸安全マネジメント体制をはじめとする都市交通・沿線事業における安全性向上の取り組みや、ホテル・レジャー事業における施設の安全対策等、グループ事業運営にあたり安全管理には万全の注意を払っております。
④ 少子高齢化
当社グループでは、都市交通・沿線事業やホテル・レジャー事業等お客さまの生活に密着した事業を展開しております。そのため、少子高齢化による就業・就学人口の減少や将来的な人口の減少により鉄道業やバス業等における輸送人員の減少、レジャー施設の利用人員の減少等が懸念され、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、人口構造の変化といったパラダイムシフトに対応すべく、「インバウンド(訪日外国人)」、「シニア」、「こども」といったマーケットへターゲットを拡大するなど、新たなビジネスモデルを育成しております。
(7) 経営者の問題意識と今後の方針について
当社グループは、当社設立以降、「峻別と集中」と「企業価値の極大化」をコンセプトに資産の売却や経営基盤の整備などをおこない、グループ各社が主たる事業に集中できる事業運営体制を構築するなど、経営改革を着実に実行してまいりました。その後、平成26年の東京証券取引所市場第一部上場を契機として、基盤整備の時期から、東京ガーデンテラス紀尾井町をはじめとした、バリューアップ投資の増加による企業価値の極大化を企図した経営へとシフトチェンジをおこなっております。今後とも企業価値の極大化に向け、「グループビジョン」を実現していくための基本構想として当社グループが概ね10年間で目指していく方向性を示した「西武グループ長期戦略」に基づき、当社が保有する経営資源の有効活用をおこないながら、様々な事業・サービスを組み合わせて提供できる領域・付加価値を拡大し、あらゆる場面でお客さまの生活を応援していく企業グループとなることで、より一層の持続的かつ力強い成長を目指してまいります。
足もとの事業環境は、雇用・所得環境の改善が続くなかで緩やかに回復しておりますが、先行きについては、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響が懸念されるなど不透明な状況であります。このような事業環境下において、長期的な目標水準を目指すロードマップとして、前回計画(2017~2019年度)をベースに個別施策ならびに数値計画の見直しを実施し、3ヵ年の「西武グループ中期経営計画(2018~2020年度)」を策定いたしました。そのなかでは、持続的かつ力強い成長を実現していくために、引き続き「既存事業領域の強化」と「新規事業分野の創出」を重点的に対応すべき課題として掲げております。
「既存事業領域の強化」については、「西武グループ アセット戦略」に基づき、(仮称)西武鉄道池袋ビル計画やグランエミオ所沢Ⅱ期・所沢駅西口開発計画といった大規模開発を推進するとともに、都心エリア(高輪・品川エリア、芝公園エリア等)の開発についても検討してまいります。また、有料座席指定列車や新型特急車両の導入などによりお客さま満足度の向上をはかり、「選ばれる沿線」「選ばれる鉄道」を目指してまいります。「新規事業分野の創出」については、増加するインバウンドや多様化する宿泊需要に対応するため、新たに創設した次世代型の宿泊特化型ホテルブランド「プリンス スマート イン」を展開するとともに、アクティブシニア層を中心とする新規顧客の取り込みのため、会員制ホテル事業に参入し、「プリンス バケーション クラブ」を展開してまいります。
これらを実現し、グループ企業価値の極大化をはかるため、多様な能力と熱意を最大限に発揮できる職場風土を醸成する「ダイバーシティマネジメント」の推進やICTの利活用による生産性の向上、本社移転や事務所建て替えなど業務改革につながる設備投資に加え、スライド勤務の実施などにより新たな働き方を推進し、イノベーションを創出しやすい環境を生み出してまいります。