有価証券報告書-第16期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/22 13:20
【資料】
PDFをみる
【項目】
161項目
(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行の影響が長期化しており、個人消費などに一部持ち直しの動きがみられるものの依然として厳しい状況にあります。また、雇用情勢は感染症の影響により弱い動きとなっており、景気の先行きについては、感染拡大の防止策を講じつつ、社会経済活動のレベルを引き上げていく中で各種政策の効果や海外経済の改善などにより持ち直しの動きが続くことが期待されますが、感染症の再拡大による下振れリスクや、金融資本市場の変動の影響等、当面極めて厳しく不透明な状況が続くものと見込まれております。
このような状況の中、当社グループにおいても、2020年3月期末から2021年3月期第1四半期連結会計期間にかけて、外出自粛や緊急事態宣言発出にともなう施設の臨時休業などにより需要が激減するなど大きな影響を受けました。このような事業環境の変化を受け、2020年5月26日には、2020年度を初年度とする3ヵ年の新中期経営計画の策定見送り及び2019年度を初年度とする中期経営計画の取り下げ、また、この難局を乗り越えるための「2020年度における事業上の重要事項」を決定いたしました。加えて、2020年9月24日には、一進一退する感染状況や新たな生活様式の広がりにより需要の回復ペースは鈍く、今年度のみならず来年度以降も厳しい状況が続く可能性があることから、この厳しい環境に向き合い乗り越えていくための当社グループの経営の構えとして、上記「2020年度における事業上の重要事項」についてより踏み込み、「経営改革」を断行していくことを決定いたしました。
<2020年度における事業上の重要事項>〈1〉事態収束までは必要最低限の事業運営に特化
①必要運転資金の確保
②コロナ禍における西武グループ事業運営方針
〈2〉①②を優先したうえで事態収束後に向けた取り組みを推進
③策定を見送った2020年度を初年度とする中期経営計画で想定していた重点施策
④この事態収束後の人々の価値観を見据えた構造改革
「〈1〉事態収束までは必要最低限の事業運営に特化」については、主力金融機関からの借入やコミットメントラインの拡大などにより、当連結会計年度中に2,500億円超の流動性資金を確保することで、現預金と合わせて手元流動性の充実をはかりました。また、役員報酬や従業員賞与の削減、不要不急のコストや設備投資を抑制するとともに、施設・事業の休業や営業形態の見直しによる水道光熱費・動力費削減や雇用調整助成金の活用を視野に入れた休業の実施など、キャッシュ流出抑制に努めてまいりました。
また、「安全・安心」「お客さま目線」「“きれいな利益”を生み出すこと」をコロナ禍における行動指針として全従業員に徹底し、グループ一丸となって事業運営に取り組んでまいりました。2020年4月7日に緊急事態宣言発出を受け、ホテル、ゴルフ場、レジャー施設、商業施設など多くの施設で臨時休業を余儀なくされましたが、営業を継続した鉄道、バスなどの社会インフラにおいては、換気、消毒などにより従業員ならびにお客さまの感染予防策を徹底して運行を継続してまいりました。2020年5月25日の緊急事態宣言解除後は、臨時休業としていた施設において、行政の段階的緩和に対する方針に基づき、順次営業を再開させてまいりました。その中では、株式会社プリンスホテルにおける、安全・安心な空間を提供するためのサービススタンダード「プリンス セーフティー コミットメント」の導入など全事業における感染予防策徹底による従業員ならびにお客さまの安全・安心の確保や政府の「Go To キャンペーン事業」への取り組みなどを中心にしたお客さま目線によるスピード感を持ったサービス展開に取り組むとともに、需要の動向に応じて営業形態を見直すなど固定費の削減をはかることで、早期の収益回復に努めてまいりました。
さらに、グループの財務基盤強化を目的に、2020年11月26日に当社連結子会社において優先株式を発行いたしました。また、2021年3月26日には、横浜市金沢区において保有・運営していた杉田ゴルフ場(ゴルフ練習場・テニスコート)を売却いたしました。
「〈2〉①②を優先したうえで事態収束後に向けた取り組みを推進」については、上記のとおり事業継続を最優先としながらも、事態収束後の成長につながるような取り組みも可能な限りおこなってまいりました。たとえば、当社グループのロイヤルカスタマー醸成につながる取り組みとして、当社グループの会員サービス「SEIBU PRINCE CLUB」「SEIBU PRINCE CLUB emi」のスマートフォン向け公式アプリサービスを開始いたしました。また、持続可能な社会の実現に向けた取り組み「サステナビリティアクション」として、あらゆる「ロス」を「価値」に変えるプロジェクト「LOSS TO VALUE」を始動いたしました。さらには、東日本旅客鉄道株式会社との<新たなライフスタイルの創造×地方創生>に向けての包括的連携や株式会社アルムとのニューノーマルに対応したより高度な安全・安心対策の実施に向けた提携などグループ内外との連携を強化し、コロナ禍による人々の価値変容、行動変容に対するビジネスモデルの変革に取り組んでまいりました。
2021年5月13日に開示いたしました「西武グループ中期経営計画(2021~2023年度)」(以下、「新中期経営計画」)では、「「アフターコロナの社会における目指す姿」を見据え、コロナショックを乗り越え、飛躍への道筋をつける。」をテーマとしております。当社グループが直面している厳しい事業環境に対峙し、「経営改革」「デジタル経営」「サステナビリティ」の3点を骨子とした取り組みを進めることで、「最良、最強の生活応援企業グループ」の実現に挑戦してまいります。新中期経営計画の詳細につきましては、2021年5月13日に開示いたしました「「西武グループ中期経営計画(2021~2023年度)」策定に関するお知らせ」をご参照ください。
当連結会計年度における経営成績の概況は、秋口においては外出需要の回復や政府の「Go To キャンペーン事業」への取り組みなどによる持ち直しがあったものの、新型コロナウイルス感染症流行による利用客の減少や一部施設の臨時休業、新たな生活様式の広がりなどにより、営業収益は、3,370億61百万円と前期に比べ2,175億29百万円の減少(前期比39.2%減)となりました。不要不急のコスト削減に加え、休業期間中の一部施設の固定費の特別損失への振替計上はあるものの、減収により、営業損失は、515億87百万円(前期は、営業利益568億23百万円)となり、償却前営業利益は、18億82百万円と前期に比べ1,126億52百万円の減少(前期比98.4%減)となりました。
経常損失は、587億85百万円(前期は、経常利益487億70百万円)となりました。親会社株主に帰属する当期純損失は、固定資産売却益や雇用調整助成金の特別利益への計上はあるものの、経常損失の計上に加え、減損損失の計上や新型コロナウイルス感染症対応に起因する費用等を特別損失に計上したことなどにより、723億1百万円(前期は、親会社株主に帰属する当期純利益46億70百万円)となりました。
各セグメントにおける業績は以下のとおりであります。
なお、当連結会計年度よりセグメントの区分を変更しております。詳細は、「第1 企業の概況 3 事業の内容」に記載されているとおりであります。
(単位:百万円)
営業収益営業利益償却前営業利益
セグメントの名称当連結
会計年度
前期比
増減
前期比
増減率 (%)
当連結
会計年度
前期比
増減
前期比
増減率 (%)
当連結
会計年度
前期比
増減
前期比
増減率 (%)
都市交通・沿線事業122,597△45,965△27.3△9,817△32,646-12,392△32,216△72.2
ホテル・レジャー事業84,050△143,402△63.0△53,413△61,946-△38,145△66,832-
不動産事業55,395△5,068△8.415,422△2,024△11.627,442△1,750△6.0
建設事業96,134△15,636△14.04,058△1,578△28.04,552△1,535△25.2
その他26,760△17,455△39.5△7,562△9,437-△3,499△9,141-
合計384,939△227,529△37.1△51,311△107,633-2,743△111,476△97.6
調整額△47,87810,000-△275△777-△860△1,176-
連結数値337,061△217,529△39.2△51,587△108,410-1,882△112,652△98.4

(注)1 調整額については、主に連結会社間取引消去等であります。
2 償却前営業利益は、営業利益に減価償却費及びのれん償却額を加えて算定しております。
①都市交通・沿線事業
都市交通・沿線事業の内訳は鉄道業、バス業、沿線生活サービス業、スポーツ業、その他であり、それぞれの営業収益は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
2020年3月期2021年3月期増減額
営業収益168,563122,597△45,965
鉄道業106,48877,330△29,158
バス業25,84718,081△7,765
沿線生活サービス業28,10021,516△6,583
スポーツ業3,5532,556△997
その他4,5733,112△1,460

(注)セグメント区分新設、変更にともない、事業の内訳についても新設、変更をおこなっており、前期比較について、前期の数値を変更後の内訳に組み替えて比較しております。
・これまで「沿線レジャー業」に含んでいた西武園ゆうえんちなどのレジャー施設に、不動産事業より移管した駅ナカコンビニ「トモニー」及び駅チカ保育所「Nicot」を加え、「沿線生活サービス業」を新設。
・これまで「沿線レジャー業」に含んでいた狭山スキー場やフィットネスクラブなどスポーツ施設を切り出し、「スポーツ業」を新設。
鉄道業、バス業では、緊急事態宣言期間中を中心に、特急電車や有料座席指定列車、高速バスなどの減便、運休などもおこないましたが、新型コロナウイルスに関連する感染予防のため、駅設備及び電車内の消毒、車両の換気の強化をしながら、基本的な営業を継続することにより、社会インフラとしての役割を果たしてまいりました。また、MaaSアプリ「SeMo」をサービスインし、川越エリアにおいて実証実験を開始するなど、事態収束後の成長につながる施策にも取り組んでまいりました。
しかしながら、鉄道業の旅客輸送人員は、前期比28.7%減(うち定期27.7%減、定期外30.4%減)、旅客運輸収入は、前期比28.8%減(うち定期24.3%減、定期外32.7%減)となりました。一進一退する感染状況の中で、お客さまのご利用状況の変化を踏まえ、鉄道業、バス業において路線・ダイヤを見直すなど、需要に見合ったオペレーション体制の構築に努めてまいりました。
沿線生活サービス業では、緊急事態宣言期間中を中心に、レジャー施設や駅ナカコンビニ「トモニー」の臨時休業などをおこなっておりましたが、緊急事態宣言解除後は、行政の段階的緩和に対する方針に基づき、三密回避やソーシャルディスタンスを意識し、一部で入場制限をおこなうなど感染予防策を講じながら、営業を再開することで、収益の回復に努めてまいりました。
さらに、西武園ゆうえんちにおいては、2021年のリニューアルを見据え工事を推進するなど、事態収束後の成長につながる施策に取り組んでまいりました。また、としまえんにつきましては、東京都の公園整備により2020年8月31日をもって閉園となりましたが、その跡地の一部敷地への「ワーナー ブラザース スタジオツアー東京 -メイキング・オブ ハリー・ポッター」施設の開発に関する契約を締結いたしました。
都市交通・沿線事業の営業収益は、新型コロナウイルス感染症流行による鉄道、バスの利用客減少に加え、レジャー施設などの臨時休業や入場制限などにより、1,225億97百万円と前期に比べ459億65百万円の減少(同27.3%減)となりました。不要不急のコスト削減に加え、需要動向を踏まえた営業形態の見直しによる固定費削減に努めるとともに、休業期間中の一部施設の固定費の特別損失への振替計上もありましたが、減収により、営業損失は、98億17百万円(前期は、営業利益228億29百万円)となり、償却前営業利益は、123億92百万円と前期に比べ322億16百万円の減少(同72.2%減)となりました。
都市交通・沿線事業の主要な会社である西武鉄道株式会社の鉄道業の運輸成績は以下のとおりであります。
(西武鉄道株式会社の鉄道業の運輸成績)
種別単位2020年3月期2021年3月期
営業日数366365
営業キロキロ176.6176.6
客車走行キロ千キロ177,016176,087
輸送人員定期千人419,719303,513
定期外千人242,268168,709
千人661,988472,222
旅客運輸収入定期百万円45,91234,755
定期外百万円53,66836,107
百万円99,58070,863
運輸雑収百万円4,0703,641
収入合計百万円103,65174,504
一日平均収入百万円272194
乗車効率%39.427.0

(注)1 乗車効率は 延人キロ/(客車走行キロ×平均定員)×100 により、算出しております。
2 千キロ未満、千人未満及び百万円未満を切り捨てて表示しております。
3 運輸雑収は鉄道業以外の収入を含んでおります。
②ホテル・レジャー事業
ホテル・レジャー事業の内訳はホテル業(シティ)、ホテル業(リゾート)、海外ホテル業、スポーツ業、その他であり、それぞれの営業収益は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
2020年3月期2021年3月期増減額
営業収益227,45284,050△143,402
ホテル業(シティ)118,46132,119△86,342
ホテル業(リゾート)40,14116,647△23,494
海外ホテル業27,0649,587△17,477
スポーツ業22,06912,760△9,308
その他19,71512,934△6,780

(注)1 ホテル業(シティ)には主に大都市圏の中心商業地域やターミナル及びその周辺地域に立地するホテルを含んでおります。ホテル業(リゾート)には主に観光地や避暑地に立地するホテルを含んでおります。
2 以降の項目において、ホテル業(シティ)に属するホテルを「シティ」、ホテル業(リゾート)に属するホテルを「リゾート」と称する場合があります。
3 セグメント区分新設、変更にともない、事業の内訳についても新設、変更をおこなっており、前期比較について、前期の数値を変更後の内訳に組み替えて比較しております。
・これまで「その他」に含んでいたステイウェル ホールディングス Pty Ltdなどが展開する海外のホテルに、従来ハワイ事業として報告していたハワイで展開するホテルを加え、「海外ホテル業」を新設。
・「ゴルフ場業」にこれまで「ホテル業(シティ)」「ホテル業(リゾート)」に含んでいたボウリング場など、「その他」に含んでいたスキー場などを加え、「スポーツ業」を新設。
ホテル業、スポーツ業では、緊急事態宣言期間中を中心に、一部を除き臨時休業を余儀なくされておりましたが、そのような中でも、品川プリンスホテルにおいて新型コロナウイルス感染症の軽症者の受入をおこなうなど、社会全体の感染拡大防止にも貢献してまいりました。緊急事態宣言解除後は、行政の段階的緩和に対する方針に基づき順次営業を再開してまいりましたが、その中では、前述のように、安全・安心な環境を提供するためのサービススタンダード「プリンス セーフティー コミットメント」を導入するとともに、政府の「Go To キャンペーン事業」への取り組みや「東京都民応援キャンペーン」~I LOVE TOKYO~といった宿泊プランを打ち出すなど、感染予防策徹底による従業員ならびにお客さまの安全・安心の確保、お客さま目線によるスピード感を持ったサービス展開に取り組み、早期の収益回復に努めてまいりました。また、リモートウエディングプランや東日本旅客鉄道株式会社と連携したワーケーション普及への取り組み、株式会社アルムと連携したPCR検査をオプションとした宴会場利用プランなど、コロナ禍の価値変容に対応した新たな商品造成に取り組んでまいりました。しかしながら、ホテル業のRevPAR(注)については、臨時休業及び営業再開後においても利用客が伸び悩んだことにより、3,029円と前期に比べ8,607円減と大きく落ち込みました。一進一退する感染状況の中で、従業員の配置の見直しや業務の内製化など、需要に合わせたオペレーション体制の構築に取り組んでまいりました。
海外ホテル業でも、各地域の感染状況に鑑み、ハワイで展開するホテルや2019年9月に英国・ロンドンでリブランドオープンした「The Prince Akatoki London」を含め、臨時休業などの対応をおこないました。営業可能なホテルにおいては、各国の基準に応じた感染防止策を実施することでお客さまに安全・安心な環境を提供してまいりました。
(注)RevPARとは、Revenue Per Available Roomの略であり、宿泊に係る収入を客室総数で除したものであります。
そのほか、横浜・八景島シーパラダイスなどのレジャー施設において、緊急事態宣言期間中を中心に、臨時休業を余儀なくされましたが、緊急事態宣言解除後は、行政の段階的緩和に対する方針に基づき、三密回避やソーシャルディスタンスを意識し、一部で入場制限をおこなうなど感染予防策を講じながら、営業を再開することで、収益の回復に努めてまいりました。また、2020年9月1日には運営受託方式(MC)により「東京ベイ潮見プリンスホテル」を開業、2020年10月8日には次世代型ホテルブランド1号店「プリンス スマート イン 恵比寿」を開業するとともに、2021年4月21日に開業した「プリンス スマート イン 熱海」についてもその開業準備を着実に進めるなど、事態収束後の成長につながる施策にも取り組んでまいりました。
ホテル・レジャー事業の営業収益は、ホテル、ゴルフ場、レジャー施設などの臨時休業や、営業再開後における利用客の減少などにより、840億50百万円と前期に比べ1,434億2百万円の減少(同63.0%減)となりました。不要不急のコスト削減に加え、需要の動向に応じて営業形態を見直すなど固定費の削減に努めるとともに、休業期間中の一部施設の固定費の特別損失への振替計上もありましたが、減収により、営業損失は、534億13百万円(前期は、営業利益85億33百万円)となり、償却前営業損失は、381億45百万円(前期は、償却前営業利益286億87百万円)となりました。
ホテル・レジャー事業のホテル業(シティ)、ホテル業(リゾート)及び海外ホテル業の定量的な指標は以下のとおりであります。
(ホテル業の施設概要)
施設数
(か所)
客室数
(室)
宴会場数
(室)
宴会場面積
(㎡)
シティ1510,61921051,047
高輪・品川エリア45,13810320,322
リゾート316,7398321,824
軽井沢エリア3687113,670

(注)1 面積1,000㎡以上の宴会場は20室であります。
2 シティの代表例として高輪・品川エリア、リゾートの代表例として軽井沢エリアを記載しております。
3 高輪・品川エリアに含まれるホテルはザ・プリンス さくらタワー東京、グランドプリンスホテル高輪、グランドプリンスホテル新高輪、品川プリンスホテルであります。
4 軽井沢エリアに含まれるホテルはザ・プリンス 軽井沢、ザ・プリンス ヴィラ軽井沢、軽井沢プリンスホテルであります。
5 リゾートの施設数、客室数に会員制ホテル事業「プリンス バケーション クラブ」の3施設71部屋を含んでおります。
(海外ホテル業の施設概要)
施設数(か所)客室数(室)
うち直営・リースうち直営・リース
海外ホテル業3565,6781,611
ハワイエリア331,0641,064
The Prince Akatoki118282

(注)1 海外ホテル業の代表例としてハワイエリア、ラグジュアリーブランドであるThe Prince Akatokiを記載しております。
2 ハワイエリアに含まれるホテルとはプリンス ワイキキ、マウナ ケア ビーチ ホテル、ウェスティン ハプナ ビーチ リゾートの3ホテルを指します。
(ホテル業の営業指標)
2020年3月期2021年3月期
RevPAR(円)シティ12,5662,540
高輪・品川エリア12,4741,622
リゾート9,7574,021
軽井沢エリア20,58510,674
宿泊部門全体11,6363,029

平均販売室料(円)シティ16,08915,267
高輪・品川エリア15,48714,031
リゾート16,40118,980
軽井沢エリア29,81133,095
宿泊部門全体16,17416,699

客室稼働率(%)シティ78.116.6
高輪・品川エリア80.511.6
リゾート59.521.2
軽井沢エリア69.132.3
宿泊部門全体71.918.1

(注)1 シティの代表例として高輪・品川エリア、リゾートの代表例として軽井沢エリアを記載しております。
2 高輪・品川エリアに含まれるホテルはザ・プリンス さくらタワー東京、グランドプリンスホテル高輪、グランドプリンスホテル新高輪、品川プリンスホテルであります。
3 軽井沢エリアに含まれるホテルはザ・プリンス 軽井沢、ザ・プリンス ヴィラ軽井沢、軽井沢プリンスホテルであります。
4 RevPARとは、Revenue Per Available Roomの略であり、宿泊に係る収入を客室総数で除したものであります。
5 ホテル業の営業指標については、工事等により営業休止中の施設・客室を含んでおりません。
なお、当連結会計年度における営業指標には、新型コロナウイルス感染症流行による臨時休業中の施設・客室を含んでおります。
6 会員制ホテル事業「プリンス バケーション クラブ」はリゾートに含んでおります。
(海外ホテル業の営業指標)
・ハワイエリアの営業指標
2020年3月期2021年3月期
RevPAR (円)32,1239,184
RevPAR (米ドル)279.3386.64
平均販売室料 (円)38,78236,368
平均販売室料 (米ドル)337.23343.10
客室稼働率 (%)82.825.3


・The Prince Akatoki Londonの営業指標
2020年3月期2021年3月期
RevPAR (円)35,2606,143
RevPAR (ポンド)219.4545.51
平均販売室料 (円)41,44029,772
平均販売室料 (ポンド)257.91220.57
客室稼働率 (%)85.120.6

(注)1 海外ホテル業の代表例としてハワイエリア、ラグジュアリーブランドであるThe Prince Akatokiのうち、2019年9月にリブランドオープンした直営のThe Prince Akatoki Londonを記載しております。
2 ハワイエリアに含まれるホテルとはプリンス ワイキキ、マウナ ケア ビーチ ホテル、ウェスティン ハプナ ビーチ リゾートの3ホテルを指します。
3 RevPARとはRevenue Per Available Roomの略であり、宿泊に係る収入を客室総数で除したものであります。
(ホテル業における宿泊客の内訳)
(単位:名、%)
2020年3月期比率2021年3月期比率
宿泊客4,649,850100.01,510,082100.0
邦人客3,481,01174.91,506,31099.8
外国人客1,168,83925.13,7720.2

③不動産事業
不動産事業の内訳は不動産賃貸業、その他であり、それぞれの営業収益は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
2020年3月期2021年3月期増減額
営業収益60,46455,395△5,068
不動産賃貸業48,39846,527△1,870
その他12,0658,867△3,197

(注)ホテル・レジャー事業より移管した株式会社西武SCCATについては、2021年3月期、2020年3月期ともに「その他」に含めております。
不動産賃貸業では、緊急事態宣言期間中を中心に、軽井沢・プリンスショッピングプラザなどの商業施設を、一部を除き臨時休業としておりましたが、緊急事態宣言解除後は行政の段階的緩和に対する方針に基づき、三密回避やソーシャルディスタンスを意識し、一部で入場制限をおこなうなど感染予防策を講じながら、営業を再開してまいりました。また、賃貸施設における賃料減免など、取引先とともにこの難局を乗り越えていけるように対応してまいりました。さらに、所沢駅東口駅ビル計画「グランエミオ所沢」第Ⅱ期について、2020年9月2日に開業するとともに、コロナ禍で進む価値変容・行動変容に対応した賃貸ユニットハウスの展開やシェアオフィスの拡大など、事態収束後の成長を見据えた施策にも取り組んでまいりました。
不動産事業の営業収益は、2019年4月に開業したダイヤゲート池袋の賃料増があったものの、前期におこなったマンション引渡しの反動減に加え、商業施設の臨時休業や利用客の減少などにより、553億95百万円と前期に比べ50億68百万円の減少(同8.4%減)となりました。営業利益は、不要不急のコスト削減に加え、休業期間中の一部施設の固定費を特別損失として振替計上したこともありましたが、減収により、154億22百万円と前期に比べ20億24百万円の減少(同11.6%減)となりました。償却前営業利益は、274億42百万円と前期に比べ17億50百万円の減少(同6.0%減)となりました。
不動産事業の定量的な指標は以下のとおりであります。
(建物賃貸物件の営業状況)
期末貸付面積 (千㎡)期末空室率 (%)
2020年3月期2021年3月期2020年3月期2021年3月期
商業施設2462461.02.7
オフィス・住宅2082052.03.5

(注)土地の賃貸は含んでおりません。
④建設事業
建設事業の内訳は建設業、その他であり、それぞれの営業収益は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
2020年3月期2021年3月期増減額
営業収益111,77196,134△15,636
建設業80,25268,644△11,607
その他31,51927,489△4,029

(注)1 建設業には西武建設株式会社による兼業事業売上高を含んでおります。西武建設株式会社は、保有不動産の一部を賃貸しており、当該売上高を建設業の営業収益に計上しております。
2 2020年4月1日に設立した西武アグリ株式会社は「その他」に含んでおります。
建設業では、新型コロナウイルス感染症対策として各工事現場で休工などの対応もおこないましたが、感染予防策を徹底しながら、公共工事や民間住宅工事などの施工を進めるとともに、グループ外工事の受注強化や原価管理の徹底などに取り組みました。
建設事業の営業収益は、新型コロナウイルス感染症流行にともなう工事進捗の減少などにより、961億34百万円と前期に比べ156億36百万円の減少(同14.0%減)となり、営業利益は、40億58百万円と前期に比べ15億78百万円の減少(同28.0%減)となり、償却前営業利益は、45億52百万円と前期に比べ15億35百万円の減少(同25.2%減)となりました。
建設事業の定量的な指標は以下のとおりであります。
(建設業の受注高の状況)
(単位:百万円)
2020年3月期2021年3月期
期首繰越高88,97577,871
期中受注高68,79358,890
期末繰越高77,87168,454

⑤その他
伊豆箱根事業や近江事業においては、鉄道、バスについて基本的な営業を継続することで社会インフラとしての役割を果たすなど、地域社会とともにこの事態を乗り越えていけるように取り組んでまいりました。
今般新設したスポーツ事業においては、埼玉西武ライオンズではシーズン開幕が延期となる中で、選手や球団関係者の感染防止策を徹底しながらチーム強化に努めるとともに、ステイホームを応援すべく積極的な情報発信に努めてまいりました。シーズンは2020年6月19日に無観客試合で開幕いたしましたが、行政の方針に基づき、入場制限を段階的に緩和して開催してまいりました。また、メットライフドームエリアの改修について、2021年3月26日にリニューアルオープンを迎えるなど、将来の成長につながる施策にも取り組んでまいりました。株式会社横浜アリーナではイベントの延期や無観客でのライブ開催受け入れ、また行政の方針に基づき、入場制限が緩和される中で、徐々に観客を入れたイベント開催を受け入れるなど、主催者側と一体となってこの難局を乗り越えていけるように対応してまいりました。
そのほか、事態収束後を見据え、新規事業分野創出に向けた取り組みとして、2020年5月1日に新規事業分野への投資及び管理をおこなう株式会社ブルーインキュベーションを、さらに2020年6月1日に事業運営会社として株式会社ブルーミューズを設立いたしました。
営業収益は、埼玉西武ライオンズのシーズン開幕延期や開幕後の入場制限、横浜アリーナでのイベント中止などに加え、伊豆箱根事業及び近江事業で外出自粛などの影響を受けたことにより、267億60百万円と前期に比べ174億55百万円の減少(同39.5%減)となりました。不要不急のコスト削減に加え、休業期間中の一部施設の固定費の特別損失への振替計上もありましたが、減収により、営業損失は、75億62百万円(前期は、営業利益18億74百万円)となり、償却前営業損失は、34億99百万円(前期は、償却前営業利益56億42百万円)となりました。
なお、都市交通・沿線事業及びホテル・レジャー事業におけるスポーツ業、ならびにその他に含まれるスポーツ事業の営業収益の合計は、266億59百万円であり、前期に比べ183億82百万円の減少(同40.8%減)となりました。
(2) 生産、受注及び販売の実績
当社グループは役務提供を中心とした事業展開をおこなっており、生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。このため生産、受注及び販売の実績については、「(1)業績」におけるセグメントの業績に関連付けて示しております。
(3) 財政状態、経営成績の分析
文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載されているとおりであります。
② 財政状態の分析
1 資産
流動資産は、1,240億86百万円と前連結会計年度末に比べ21億18百万円増加いたしました。その主たる要因は、株式会社プリンスホテル等の未収還付消費税が増加したことなどによる流動資産「その他」の増加(87億49百万円)であります。
固定資産は、1兆5,744億10百万円と前連結会計年度末に比べ114億5百万円減少いたしました。その主たる要因は、有形固定資産及び無形固定資産の減少(145億80百万円)であります。
以上の結果、総資産は1兆6,984億97百万円と前連結会計年度末に比べ92億87百万円減少いたしました。
2 負債
流動負債は、3,788億83百万円と前連結会計年度末に比べ174億52百万円減少いたしました。その主たる要因は、株式会社プリンスホテル等の工事未払金が減少したことなどによる流動負債「その他」の減少(115億57百万円)であります。
固定負債は、9,339億26百万円と前連結会計年度末に比べ40億94百万円減少いたしました。その主たる要因は、退職給付に係る負債の減少(79億84百万円)であります。
以上の結果、負債合計は1兆3,128億9百万円と前連結会計年度末に比べ215億47百万円減少いたしました。
3 純資産
純資産は、3,856億87百万円と前連結会計年度末に比べ122億59百万円増加いたしました。その主たる要因は、当社連結子会社の優先株式発行などによる非支配株主持分の増加(798億55百万円)であります。
なお、総資産の減少(92億87百万円)及び利益剰余金の減少(755億15百万円)などにより、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ3.9ポイント低下し17.6%となっております。
③ 経営成績の分析
1 営業収益及び営業利益
営業収益は、新型コロナウイルス感染症の流行及び新たな生活様式の広がりを受けた需要減少、施設の営業休止などにより、3,370億61百万円(前期比39.2%減)となり、減収により、営業損失は515億87百万円(前期は、営業利益568億23百万円)となりました。
なお、各セグメントにおける業績につきましては、「(1) 業績」をご覧ください。
2 営業外損益及び経常利益
営業外収益は、受取保険金の増加(8億29百万円)などにより、54億70百万円(前期比61.7%増)となり、営業外費用は、株式交付費(14億8百万円)などにより、126億68百万円(前期比10.8%増)となりました。
以上の結果、経常損失は587億85百万円(前期は、経常利益487億70百万円)となりました。
3 特別損益及び親会社株主に帰属する当期純利益
特別利益は、固定資産売却益の増加(152億81百万円)、雇用調整助成金等受入額(114億89百万円)などにより、334億47百万円(前期は、特別利益19億40百万円)となりました。
特別損失は、臨時休業等による損失(189億4百万円)などにより、466億32百万円(前期比46.0%増)となりました。
以上の結果、税金等調整前当期純損失は719億70百万円(前期は、税金等調整前当期純利益187億73百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失は723億1百万円(前期は、親会社株主に帰属する当期純利益46億70百万円)となりました。
(4) キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ4億82百万円増加し、当連結会計年度末には285億38百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純損失719億70百万円に、減価償却費や法人税等の支払額などを調整した結果、242億64百万円の資金支出(前連結会計年度は、1,014億58百万円の資金収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、475億37百万円の資金支出となり、前連結会計年度に比べ491億18百万円の資金支出の減少となりました。その主たる要因は、有形及び無形固定資産の取得による支出の減少(290億64百万円)であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、当社連結子会社の優先株式発行などにより、723億94百万円の資金収入(前連結会計年度は、30億25百万円の資金支出)となりました。
(5) 資本の財源及び資金の流動性について
「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載のとおり、「西武グループ長期戦略」における財務戦略では、ステークホルダーへの還元と、成長に資する投資の実施を最適なバランスでおこなっていくことを方針として定めております。また、当社グループの資金調達は、金融機関からの借入や社債の発行など、市場環境や金利動向などを総合的に勘案しながら決定しており、鉄道業・ホテル業を中心とした日々の収入金により必要な流動性資金を確保するとともに、キャッシュマネジメントシステム(CMS)などによりグループ内余剰資金の有効活用に努めております。
新型コロナウイルス感染症が猛威を振るう中、当連結会計年度は、主力金融機関からの借入やコミットメントラインの拡大などにより、2,500億円超の資金手当てをおこなうことで、営業収益の減少に対して充分な備えをいたしました。また、役員報酬や従業員賞与の削減、不要不急のコストや設備投資を抑制するとともに、施設・事業の休業や営業形態の見直しによる水道光熱費・動力費削減や雇用調整助成金の活用を視野に入れた休業の実施など、キャッシュ流出抑制に努めてまいりました。さらには、財務基盤の強化を企図し、連結子会社による優先株式発行や杉田ゴルフ場の売却を実施いたしました。
これらに加えて、純資産の棄損を最小限にとどめるため、当連結会計年度の配当につきましては誠に遺憾ながら無配といたしました。結果として、当連結会計年度末の手元現預金は288億16百万円と過年度と同水準を維持しましたが、大幅な減収により、自己資本の残高は2,997億42百万円、自己資本比率は17.6%、借入金及びリース債務を含むネット有利子負債の残高は9,083億40百万円、ネット有利子負債/EBITDA倍率は482.4倍と、当社グループの財務体質は大幅に悪化いたしました。
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、新中期経営計画におきましては、「アセットライト」や「損益分岐点の引き下げ」などをテーマに「経営改革」を断行いたしますが、その中では、資本効率や最適資本構成について「中長期的に目指す水準」を設定し、その改善に向けて進捗状況を管理してまいります。
新中期経営計画では、「ニューノーマルに合わせたサービス変革」や「損益分岐点の引き下げ」などの「経営改革」断行により営業キャッシュ・フローを改善させてまいります。また、投資キャッシュ・フローにつきましては、新宿線連続立体交差事業や軽井沢プリンスホテル ウエスト改装、所沢駅西口開発計画などの将来の成長に資する案件について資本コスト3.71%を意識し事業別ハードルレート運用により厳選のうえ実行することや「アセットライト」をテーマに資産・事業の売却や流動化を実行することなどにより改善させてまいります。以上によりフリーキャッシュ・フローを拡大することで得られた資金については、当面はコロナ禍で悪化した財務体質の改善が最優先であるとの考えのもと、社債(SDGs債)やサステナビリティ・リンク・ローンなどにより調達手段・手法の多様化をはかりつつ、まずは有利子負債の圧縮に活用してまいります。それと同時に、株主のみなさまへの還元も重視し、利益配分に努めてまいります。
また、一部借入金、貸出コミットメントラインに係る財務制限条項抵触リスクに対しては、金融機関と適時適切な情報共有をはかりながら必要に応じて協議を進めてまいります。
(6) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループ全体の事業基盤に一層影響を及ぼす可能性のある新型コロナウイルス感染症に関する影響等の現在の状況は以下のとおりです。
・新型コロナウイルス感染症に関する影響等
感染状況の一進一退が続く中、当社グループの各事業においては、消毒や換気の徹底、終電車の繰り上げ、一部列車の運休、営業時間・営業形態の変更等、感染予防・感染拡大の防止に努め、事業活動をおこなっております。今後もさらなる新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、国内外の各種経済情勢への影響が長期化した場合や、国内外からの観光客の減少が継続した場合、都市交通・沿線事業やホテル・レジャー事業等における一部施設の休業やお客さまの出控えの継続、及びソーシャルディスタンスを意識した営業形態を余儀なくされ、お客さまが減少する場合、ならびにアフターコロナの社会において、リモートワークの普及による通勤の減少や、オンライン上での交流の活発化による外出の減少等の価値変容が生じた場合に、営業収益の減少や対策費用が発生し、当社グループの業績及び財務状況に一層影響を与える可能性があります。
当社グループの従業員については、グループ各社の情報通信インフラの状況に応じたリモートワークを活用した在宅勤務の実施、オフィス在社人員の削減や、業務上の必要により出勤する場合における、通勤電車の混雑時間帯を明確に避けた出退勤(時差出退勤)の徹底、一定の場合におけるPCR検査等の実施の義務化、罹患又は濃厚接触者の発生に備えた「新型コロナウイルス対応基準」の設定等、万全の注意を払っておりますが、従業員への感染が拡大した際、通常営業に支障が出ることが懸念されます。この場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、減収にともなう営業キャッシュ・フローの低下が見込まれるものの、不要不急のコスト、設備投資を繰り延べ、収益構造を改善し、キャッシュ・フローのコントロールに努めるとともに、借入やコミットメントラインの拡大などにより、足もとの必要運転資金を確保したほか、当社グループの財務基盤強化を目的とし、「当社株式の希薄化を伴わないグループとしての資本性資金の調達」として、当社連結子会社における優先株式の発行を実施いたしました。さらに、アセットライトな事業運営をすべく、経営改革を実行し、資産・事業の売却・流動化を検討しております。しかし、新型コロナウイルス感染症の長期化により資金需要がさらに拡大した場合、当社グループの業績及び財務状況に一層影響を与える可能性があります。
さらに、与信管理については、取引先に対する賃料の減額、支払いサイトの見直しなど柔軟に対応しながら、与信管理に関するリスクの対応策として取引先の財務状況の把握、債権残高の把握、与信チェックにより与信管理体制の強化に努めております。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の長期化により、各種取引先の資金繰りの一斉悪化や、デフォルト等により、多額の代金の回収に支障を来した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
新型コロナウイルス感染拡大による当社グループの業績に与える影響に関しては、「(1) 業績」に記載のとおり、2020年4月7日に発出された緊急事態宣言や外出自粛にともない、施設の臨時休業などにより需要が激減するなど大きな影響を受けました。緊急事態宣言解除後、一進一退する感染状況や新たな生活様式の広がりによりお客さまの利用の回復ペースは鈍く、今年度のみならず来年度以降も厳しい状況が続く可能性があることから、2020年9月24日に、この厳しい環境に向き合い乗り越えていくための当社グループの経営の構えを公表し、「経営改革」を断行していくことを決定いたしました。今後についても、緊急事態宣言の再発出などもあり先行きの不透明感が増しておりますが、2021年5月13日に開示いたしました「西武グループ中期経営計画(2021~2023年度)」では、「「アフターコロナの社会における目指す姿」を見据え、コロナショックを乗り越え、飛躍への道筋をつける。」をテーマとしております。当社グループが直面している厳しい事業環境に対峙し、「経営改革」「デジタル経営」「サステナビリティ」の3点を骨子とした取り組みを進めることで、「最良、最強の生活応援企業グループ」の実現に挑戦してまいります。
(7) 経営者の問題意識と今後の方針について
0102010_010.jpg新型コロナウイルス感染症が猛威をふるい、経済活動に大きな影響が出ている中、当社グループにおきましても、出控えによる需要の減少などに直面し、非常に厳しい事業環境下にあります。当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失は723億円と、当社設立以来最大の赤字決算となりました。
当連結会計年度におきましては、この難局を乗り越えることに注力し、安全・安心を最優先に事業運営をおこなうとともに、キャッシュ流出抑制のため、取締役報酬の減額や、従業員賞与の減額、不要不急のコスト・設備投資の削減などの緊急対応策に対しスピード感を持って取り組んでまいりました。また、財務基盤の強化を企図し、連結子会社による優先株式発行や杉田ゴルフ場の売却などもおこないました。一方で、純資産の棄損を最小限にとどめるため、誠に遺憾ながら、当連結会計年度の配当金は無配といたしました。
感染状況の一進一退や新たな生活様式の広がりを踏

まえ、このような厳しい事業環境が当面続く可能性があると考えたため、2020年9月24日にはコロナショックを乗り越えるため「経営改革」を断行していくことを決定のうえ、当社が中心となり、その具体的な検討を進めてまいりました。そして、2021年5月13日には、「「アフターコロナの社会における目指す姿」を見据え、コロナショックを乗り越え、飛躍への道筋をつける。」をテーマに、下記3点を骨子とした新中期経営計画を決定いたしました。
第一に、「経営改革」です。コロナ禍で浮き彫りになった経営課題へまっすぐ挑み、「アセットライトな事業運営」「損益分岐点の引き下げ」「ニューノーマルに合わせたサービス変革」の3点をテーマとし、聖域なく断行いたします。特に、繰り返し起こるものと想定される危機に対応し、いかなる状況下でも企業価値・株主価値の極大化を果たしていけるように、企業体質を強化すべく、下記2点をポイントに、これまでのビジネスモデルを大きく刷新することを決定いたしました。
1つ目は、「アセットライト」をテーマとしたビジネスモデルの変革です。
これまでの当社グループは、資産保有を前提としたビジネスモデルで成長を果たしてまいりましたが、今般のような危機に対しては、柔軟かつ機動的な対応が困難であることから、将来へ向けては、いかなる事業環境下においても持続的成長を果たせる企業体質へ進化すべく、資産・事業の売却・流動化を進めてまいります。その中では、単純に資産売却をするのではなく、例えばホテルについては、運営受託という形でオペレーターとして継続関与していくことを前提として考えています。
2つ目は、グループ内資産の保有と運営の完全な分離による、「オペレーター」と「アセットホルダー」それぞれの競争力向上です。
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、株式会社プリンスホテルと株式会社西武プロパティーズのグループ内組織再編は、まさにこのポイントを実現するために決断した内容です。このグループ内組織再編実行にともない、新たな株式会社プリンスホテルは「ホテルオペレーター」専業となり、アセットライトに事業を展開し、業界No.1クオリティのホテルチェーンを構築すること、新たな株式会社西武プロパティーズは「アセットホルダー」として、株式会社プリンスホテルが保有していた資産を受け入れ、それらを含めたグループ全体の不動産価値最大化をはかるべく、不動産事業会社として、業容を拡大し、総合不動産会社へ飛躍することを、それぞれ目指します。
上記2つのポイントを中心に、「アフターコロナの社会における目指す姿」に向けて、聖域なくスピード感を持って取り組んでまいります。
第二に「デジタル経営」です。デジタル技術の発達やコロナショックにより、お客さまのニーズの多様化や価値変容・行動変容が急速に進む中で、あらゆる業種においてデジタルプラットフォーマーによる異業種競争に拍車がかかっております。当社グループにおきましても、この変化を機会ととらえ、デジタル活用により、豊富なアセットを最大限活用したリアルビジネスに付加価値を加え、「西武グループのファン」を拡大してまいります。
第三に「サステナビリティ」です。当社グループは「安全」「環境」「社会」「会社文化」の4領域12項目のアジェンダにおいて、持続可能な社会実現のため「サステナビリティアクション」に取り組んでおります。新中期経営計画においては、特に「環境」についてより踏み込んだ「グリーン経営」を実践してまいります。また、TCFD提言に賛同する旨を決定いたしました。気候変動リスク・ビジネス機会双方の影響を適切に認識しつつ、西武グループ環境負荷低減目標に向けて積極的な取り組みを進めるとともに、その取り組み状況を積極的に開示してまいります。
以上の3点に全力で取り組むことで長期的な成長への足がかりとし、持続的な企業価値・株主価値の向上、さらには、経済的価値と社会的価値の両立を目指してまいります。
なお、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載のとおり、新中期経営計画3ヵ年において収益回復をはかること等を前提に、翌連結会計年度の期末配当予想を「5円」とし、まずは復配することを計画しております。当連結会計年度の年間「無配」という決断にご理解いただいた株主の皆さまには感謝申し上げますとともに、一刻も早く株主の皆さまのご支援に応えてまいりたいと思います。
当社グループは、これまでもリーマンショックや東日本大震災などの難局に力強く対処し、乗り越えてまいりました。この度のコロナショックも、これまでに培ったグループの団結力、挑戦心により、必ずや打ち勝ってまいります。

IRBANK 採用情報

フルスタックエンジニア

  • 10年以上蓄積したファイナンスデータとAIを掛け合わせて、投資の意思決定を加速させるポジションです。
  • UI からデータベースまで一貫して関われるポジションです。

プロダクトMLエンジニア

  • MLとLLMを掛け合わせ、分析から予測までをスピーディかつ正確な投資体験に落とし込むポジションです。

AI Agent エンジニア

  • 開示資料・決算・企業データを横断し、投資家の意思決定を支援するAI Agent機能を設計・実装するポジションです。
  • RAG・検索・ランキングを含む情報取得/推論パイプラインの設計から運用まで一気通貫で担います。

UI/UXデザイナー

  • IRBANK初の一人目デザイナーとして、複雑な金融情報を美しく直感的に届ける体験をつくるポジションです。

Webメディアディレクター

  • 月間500万PVを超える、大規模DBサイトを運営できます。
  • これから勢いよく伸びるであろうサービスの根幹部分を支えるポジションです。

クラウドインフラ & セキュリティエンジニア

  • Google Cloud 上でマイクロサービス基盤の信頼性・可用性・セキュリティを担うポジションです。
  • 大規模金融データを安全かつ高速に処理するインフラを設計・構築できます。

学生インターン

  • 月間500万PVを超える日本最大級のIRデータプラットフォームの運営に携わり、金融・データ・プロダクトの現場を学生のうちから体験できます。

マーケティングマネージャー

  • IRBANKのブランドと文化の構築。
  • 百万人の現IRBANKユーザーとまだIRBANKを知らない数千万人に対してマーケティングをしてみたい方。