有価証券報告書-第146期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概況は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、設備投資が緩やかに増加し、個人消費は雇用・所得環境の改善が続くな
かで持ち直しの動きがみられたものの、米中を中心とした通商問題の影響による海外経済の減速に加え、新型コロ
ナウイルス感染症の世界的な感染拡大による外需の減少や生産停止に伴う国際的なサプライチェーンへの影響によ
り、わが国の輸出・生産も減少が続き、さらに政府による外出など多方面への自粛要請に呼応し、国内需要も大幅
に減退しており、先行きは極めて不透明な状況にあります。
このような状況のもと、当社グループ各社は、各部門において積極的な営業施策を図ってまいりましたが、一般
旅客自動車運送事業やレジャー・スポーツ事業をはじめ、多くの事業領域で新型コロナウイルス感染症拡大の影響
を受けたことなどから、当連結会計年度における売上高は、112,702百万円(前期比1.8%減)、営業利益は5,329
百万円(前期比19.3%減)、経常利益は5,470百万円(前期比19.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は
2,044百万円(前期比50.0%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(一般旅客自動車運送事業)
乗合事業においては、4月に慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスの学生数の増加に対応するため、湘南台駅~慶応大学間で輸送力の増強を行うとともに、神奈川中央交通東㈱にて川崎市交通局より新たに1系統の受託を開始するなどの増収策を実施しました。また、10月よりドライバー異常時対応システム(EDSS)を搭載した路線バスを順次導入したことに加え、神奈川中央交通西㈱にて運行する空港リムジンバスにおいて、車椅子のまま乗降可能なエレベーター付き車両を導入するなど、引き続き安全輸送の確保や利便性の向上に取り組みました。しかしながら、養護学校など一部の特定契約輸送が契約満了となったほか、10月に発生した台風19号の影響による計画運休の実施や、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う外出自粛や学校の臨時休校などの影響により利用客が減少し減収となりました。
貸切事業においては、神奈中観光㈱にて、新たな旅行エージェントとの取引を開始するなど積極的な営業活動に努めたことにより受注は好調に推移していましたが、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い2020年3月より貸切バスのキャンセルが相次いだ結果、稼動が減少したことにより減収となりました。
乗用事業においては、高齢の方や車椅子ご利用の方など、さまざまなお客さまが利用しやすいユニバーサルデザインの次世代型タクシー「JPN TAXI(ジャパンタクシー)」の導入を引き続き推進しました。また、9月には決済機能付きタブレット端末を全車両に設置したほか、12月にはタクシー共同配車アプリの配車対応エリアを順次拡大するとともに、事前確定運賃サービスを開始するなど、お客さまの利便性向上に努めました。さらに2020年2月の運賃改定に合わせ、初乗り運賃500円や迎車回送料金を均一定額とする改定を行い収益力の向上を図ったものの、乗務員不足による稼動の減少に加え、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う外出自粛の影響などにより利用客が減少し減収となりました。
以上の結果、一般旅客自動車運送事業全体の売上高は57,155百万円(前期比3.5%減)、営業利益は1,469百万円(前期比48.2%減)となりました。
(不動産事業)
分譲事業においては、神奈川県内のほか、東京都内の物件を手掛けるなど広く分譲開発を継続し、横浜市都筑区や茅ヶ崎市小和田などの戸建分譲ならびに茅ヶ崎市菱沼の宅地分譲を行いました。また、デベロッパーとの共同事業として実施している藤沢市羽鳥などのマンション分譲についても順調に推移しました。しかしながら、当期は販売計画戸数の減少により減収となりました。
賃貸事業においては、引き続き高稼働率の維持に努め、前期に新たに賃貸を開始した「平塚市浅間町貸店舗」および新規テナントが入居した「港南中央ビル」などの賃貸収入が通期寄与したことなどにより増収となりました。
以上の結果、不動産事業全体の売上高は6,577百万円(前期比1.4%減)、営業利益は2,619百万円(前期比7.9%増)となりました。
(自動車販売事業)
自動車販売事業においては、神奈中相模ヤナセ㈱にて、7月にフルモデルチェンジしたメルセデス・ベンツ「Aクラス」や「Bクラス」のほか、8月にマイナーチェンジした「CLAクラス」の新車販売が順調に推移しましたが、「Cクラス」の販売台数が減少したことなどにより減収となりました。また、神奈川三菱ふそう自動車販売㈱にて、大型バスの代替需要が増加したほか、小型トラック「キャンター」の販売が順調に推移したことなどにより増収となりました。
以上の結果、自動車販売事業全体の売上高は31,801百万円(前期比2.6%増)となりましたが、他社との競争激化により粗利益が減少し、営業利益は289百万円(前期比2.6%減)となりました。
(その他の事業)
ビル管理事業においては、横浜ビルシステム㈱にて、4月より新たに金融機関の事務処理業務の一部や公営駐車場の指定管理業務を受託したことに加え、10月より宿泊施設の設備管理業務を受注したことなどにより増収となりました。
情報サービス事業においては、㈱神奈中情報システムにて、ドライブレコーダーなどバス車載器の代替やWindows7のサポート終了に伴うパソコンの代替需要の増加などにより増収となりました。
商用車架装事業においては、横浜車輌工業㈱にて、積極的な営業活動により新規顧客獲得に努めた結果、トラクタ架装の受注が増加したことなどにより増収となりました。
流通事業においては、㈱神奈中商事にて、バスICカードシステム機器の代替を受注し、部品販売が増加したほか、バス営業所の建替に伴う空調や厨房などの設備工事を受注したことにより増収となりました。
レジャー・スポーツ事業においては、㈱神奈中スポーツデザインにて、4月より子ども向けスポーツスクールを核とした小規模運動施設「神奈中スポーツコンボBB茅ヶ崎」を開業したほか、9月に「フィットネスクラブライフティック平塚」にて、コラーゲン岩盤浴施設を導入するなど施設をリニューアルし、会員獲得に向けた施策を推進しましたが、新たな競合施設の出店に伴う競争激化のほか、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う営業自粛の要請を踏まえた施設の休業などにより減収となりました。
飲食・娯楽事業においては、前期に新たなブランド展開を始めたラーメン店の2号店として7月にオープンした「北海道らーめん麺処うたり相模大野店」や、10月にオープンした「ドトールコーヒーショップ日本橋馬喰町店」が順調に推移したものの、TSUTAYA3店舗の閉店影響に加え、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い商業施設の休館や営業時間短縮の影響により減収となりました。
ホテル事業においては、宿泊部門にて旅行エージェントへ積極的な営業活動を行い、訪日外国人旅行者など宿泊客が増加しました。また、10月に宴会場を拡張し収容力の強化を図りましたが、前期にケーキショップを閉店したほか、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い宴会および宿泊のキャンセルが相次ぎ利用客が減少した影響などにより減収となりました。
以上の結果、その他の事業全体の売上高は31,226百万円(前期比0.1%増)となりましたが、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う売上の減少に対して固定費の削減が図られなかったことなどにより、営業利益は1,214百万円(前期比5.4%減)となりました。
②財政状態
(資産の部)
流動資産は、現金および預金の減少や、分譲土地建物の販売による商品および製品の減少により前連結会計年度末に比べて1,071百万円減少し、21,185百万円となりました。
また、固定資産は、投資有価証券の時価評価額が減少しましたが、神奈川中央交通西㈱秦野営業所および研修センター建替工事に伴い建物および構築物が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べて4,049百万円増加し、134,969百万円となりました。
この結果、当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて2,978百万円増加し、156,154百万円となりました。
(負債・純資産の部)
負債は、リース債務の増加などにより、前連結会計年度末に比べて2,485百万円増加し、95,597百万円となりました。なお、借入金および社債残高は、前連結会計年度末に比べて170百万円減少し、46,808百万円となりました。
また、純資産は、利益剰余金が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べて492百万円増加し、60,556百万円となりました。
なお、自己資本比率は、前連結会計年度末と比べて0.5ポイント減少し、35.8%となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金および現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べて604百万円減少し、2,191百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益4,526百万円に、減価償却費6,758百万円などを加減した結果、9,632百万円の資金収入となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出8,268百万円などにより、8,146百万円の資金支出となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、リース債務の返済による支出1,370百万円などにより、2,091百万円の資金支出となりました。
④生産、受注及び販売の実績
当社グループは、その主要な事業である一般旅客自動車運送事業をはじめ、受注生産の形態をとらないものが多く、セグメントごとに生産規模および受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
なお、販売の状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要」におけるセグメントの経営成績に関連付けて示しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
この連結財務諸表の作成にあたって、過去の実績や状況を勘案し合理的と考えられるさまざまな要因に基づき、決算日における資産・負債の報告数値および報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積り、判断および仮定設定を行っておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性により、これらの見積りと異なる場合があります。
当社の重要な会計方針のうち、連結財務諸表の作成において当社の重要な見積り、判断および仮定設定に大きな影響を及ぼすものは以下のとおりです。
なお、当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症が当社グループの業績へ及ぼす影響を勘案したうえで、固定資産の減損判定における将来キャッシュ・フローや繰延税金資産の回収可能性の判断における将来年度の課税所得の見積りを行っております。
(投資の減損)
当社グループでは、時価のある有価証券について個々の銘柄ごとに有価証券の期末時価が取得価額に比べ50%以上下落し、かつ、その下落が一時的でない場合は回復可能性がないと判断して減損処理を行っております。また、期末時価が取得価額に比べ30%以上50%未満下落した場合につきましては、対象銘柄の過去3年間の毎月末の時価の平均値が、30%以上の下落率の場合は回復可能性がないと判断して減損処理を行っております。
(固定資産の減損)
当社グループは、一般旅客自動車運送事業および不動産事業を中心に多くの固定資産を保有しております。これらの固定資産の回収可能価額については、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額など多くの前提条件に基づき算出しているため、当初見込んだ収益が得られなかった場合、または算出の前提条件が変更された場合には、損失が発生する可能性があります。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産について実現可能性が高いと考えられる金額へ減額するために評価性引当額を計上しております。評価性引当額は将来年度の課税所得の見込額等を考慮して計上しますが、将来の業績変動により課税所得の見込額が減少又は増加した場合には、評価性引当額の追加計上又は取崩が必要となる場合があります。
(退職給付費用)
従業員の退職給付に備えるため、当連結会計年度末における退職給付債務および年金資産の見込額に基づき計上しております。当社グループの採用した見込額は妥当なものと考えておりますが、実績との差異または見込額自体の変更により、退職給付の費用および債務に影響を与える可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容
(売上高および営業利益)
売上高は、前連結会計年度に比べ2,106百万円減少し、112,702百万円(前期比1.8%減)となりました。減収の主な要因は、新型コロナウイルス感染症拡大によるもので、当社グループにおいても、2020年2月以降、多くの事業領域において影響が生じました。
一般旅客自動車運送事業においては、外出自粛や学校の臨時休校、テレワークの拡大などにより利用客数が減少し減収となりました。
また、営業自粛要請を受け、レジャー・スポーツ事業においては、スポーツ施設の休業などにより、飲食・娯楽事業においては、商業施設の休館や営業時間短縮の影響によりそれぞれ減収となりました。
営業利益は、上記の減収に加え、投資計画に基づいたノンステップバスへの車両代替やバスICカードシステム機器の代替により減価償却費が増加したため、前連結会計年度に比べ1,276百万円減少し、5,329百万円(前期比19.3%減)となりました。
なお、セグメントごとの売上高および営業利益については、前掲の「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(営業外損益および経常利益)
営業外収益は、受取補償金や台風被害に伴う受取保険金を受領したものの、前期に計上した事故賠償費精算差益がなくなったことなどにより、前連結会計年度に比べ22百万円減少し、573百万円となりました。
営業外費用は、2019年12月に発行した第4回無担保社債の発行費用の計上などにより、前連結会計年度に比べ20百万円増加し、433百万円となりました。
この結果、経常利益は、前連結会計年度に比べ1,319百万円減少し、5,470百万円(前期比19.4%減)となりました。
(特別損益および親会社株主に帰属する当期純利益)
特別利益は、乗合バス車両の購入補助金が減少しましたが、廃車車両の売却益などにより、前連結会計年度に比べ13百万円増加し、209百万円となりました。
特別損失は、店舗の閉店の決定のほか、商業施設の将来キャッシュ・フローを保守的に見積もったことなどによる減損損失やバス営業所の建替え、自動車整備事業の整備工場移転に伴う解体撤去費用を計上したことなどにより、前連結会計年度に比べ522百万円増加し、1,153百万円となりました。なお、新型コロナウイルス感染症に起因する減損損失の計上はございません。
また、同感染症が今後の業績に及ぼす影響を勘案し、将来年度の課税所得を慎重に見積もった結果、一部連結子会社における繰延税金資産の取崩をいたしました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ2,045百万円減少し、2,044百万円(前期比50.0%減)となりました。
③資本の財源及び資金の流動性についての分析
(資金調達)
当社グループの資金調達は、社債および市中金融機関からの借入金のほか、㈱日本政策投資銀行からの借入金など、市場環境や金利動向を総合的に勘案しながら決定しております。
なお、当社グループでは資金効率向上のため、キャッシュ・マネジメント・システム(CMS)を導入しております。
(資金の流動性)
当社グループは一般旅客自動車運送事業を中心に日々の収入金があることから、必要な流動性資金は十分に確保しており、これらの資金をCMSにより集中管理することでグループ内において有効に活用しております。
また、現時点では、新型コロナウイルス感染症の影響により、一般旅客自動車運送事業をはじめとして、日々の収入金が減少しておりますが、当座の資金繰りの問題は生じておりません。
なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、前掲の「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(3)目標とする指標の進捗状況
当社グループでは2018年に策定いたしました「神奈中グループ中期経営計画(2018年度~2020年度)」において、
2021年に迎える当社創立100周年に向けて更なる成長を目指すため、売上高、EBITDAおよび売上高営業利益率を目標
とする経営指標を定めております。
当連結会計年度においては、第3四半期までは概ね計画通り推移しておりました。しかしながら、第4四半期にお
いて新型コロナウイルス感染症の流行に伴う外出自粛や施設に対する休業要請などの影響を受け、一般旅客自動車
運送事業やレジャー・スポーツ事業をはじめ、多くの事業において売上高が減少したことにより、各指標とも計画
を下回りました。その結果、当連結会計年度における売上高は1,127億円、EBITDAは120億円、売上高営業利益率
は4.7%となりました。
当連結会計年度における実績と当初計画、ならびにその差については以下のとおりであります。
(単位:百万円)
(参考)前連結会計年度における実績と当初計画、ならびにその差 (単位:百万円)
引き続き中期経営計画で掲げた施策を確実に推進していくことで、新たな顧客の開拓や経営の効率化を図り、経
営指標の達成に向けて取り組んでまいります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概況は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、設備投資が緩やかに増加し、個人消費は雇用・所得環境の改善が続くな
かで持ち直しの動きがみられたものの、米中を中心とした通商問題の影響による海外経済の減速に加え、新型コロ
ナウイルス感染症の世界的な感染拡大による外需の減少や生産停止に伴う国際的なサプライチェーンへの影響によ
り、わが国の輸出・生産も減少が続き、さらに政府による外出など多方面への自粛要請に呼応し、国内需要も大幅
に減退しており、先行きは極めて不透明な状況にあります。
このような状況のもと、当社グループ各社は、各部門において積極的な営業施策を図ってまいりましたが、一般
旅客自動車運送事業やレジャー・スポーツ事業をはじめ、多くの事業領域で新型コロナウイルス感染症拡大の影響
を受けたことなどから、当連結会計年度における売上高は、112,702百万円(前期比1.8%減)、営業利益は5,329
百万円(前期比19.3%減)、経常利益は5,470百万円(前期比19.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は
2,044百万円(前期比50.0%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(一般旅客自動車運送事業)
乗合事業においては、4月に慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスの学生数の増加に対応するため、湘南台駅~慶応大学間で輸送力の増強を行うとともに、神奈川中央交通東㈱にて川崎市交通局より新たに1系統の受託を開始するなどの増収策を実施しました。また、10月よりドライバー異常時対応システム(EDSS)を搭載した路線バスを順次導入したことに加え、神奈川中央交通西㈱にて運行する空港リムジンバスにおいて、車椅子のまま乗降可能なエレベーター付き車両を導入するなど、引き続き安全輸送の確保や利便性の向上に取り組みました。しかしながら、養護学校など一部の特定契約輸送が契約満了となったほか、10月に発生した台風19号の影響による計画運休の実施や、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う外出自粛や学校の臨時休校などの影響により利用客が減少し減収となりました。
貸切事業においては、神奈中観光㈱にて、新たな旅行エージェントとの取引を開始するなど積極的な営業活動に努めたことにより受注は好調に推移していましたが、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い2020年3月より貸切バスのキャンセルが相次いだ結果、稼動が減少したことにより減収となりました。
乗用事業においては、高齢の方や車椅子ご利用の方など、さまざまなお客さまが利用しやすいユニバーサルデザインの次世代型タクシー「JPN TAXI(ジャパンタクシー)」の導入を引き続き推進しました。また、9月には決済機能付きタブレット端末を全車両に設置したほか、12月にはタクシー共同配車アプリの配車対応エリアを順次拡大するとともに、事前確定運賃サービスを開始するなど、お客さまの利便性向上に努めました。さらに2020年2月の運賃改定に合わせ、初乗り運賃500円や迎車回送料金を均一定額とする改定を行い収益力の向上を図ったものの、乗務員不足による稼動の減少に加え、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う外出自粛の影響などにより利用客が減少し減収となりました。
以上の結果、一般旅客自動車運送事業全体の売上高は57,155百万円(前期比3.5%減)、営業利益は1,469百万円(前期比48.2%減)となりました。
(不動産事業)
分譲事業においては、神奈川県内のほか、東京都内の物件を手掛けるなど広く分譲開発を継続し、横浜市都筑区や茅ヶ崎市小和田などの戸建分譲ならびに茅ヶ崎市菱沼の宅地分譲を行いました。また、デベロッパーとの共同事業として実施している藤沢市羽鳥などのマンション分譲についても順調に推移しました。しかしながら、当期は販売計画戸数の減少により減収となりました。
賃貸事業においては、引き続き高稼働率の維持に努め、前期に新たに賃貸を開始した「平塚市浅間町貸店舗」および新規テナントが入居した「港南中央ビル」などの賃貸収入が通期寄与したことなどにより増収となりました。
以上の結果、不動産事業全体の売上高は6,577百万円(前期比1.4%減)、営業利益は2,619百万円(前期比7.9%増)となりました。
(自動車販売事業)
自動車販売事業においては、神奈中相模ヤナセ㈱にて、7月にフルモデルチェンジしたメルセデス・ベンツ「Aクラス」や「Bクラス」のほか、8月にマイナーチェンジした「CLAクラス」の新車販売が順調に推移しましたが、「Cクラス」の販売台数が減少したことなどにより減収となりました。また、神奈川三菱ふそう自動車販売㈱にて、大型バスの代替需要が増加したほか、小型トラック「キャンター」の販売が順調に推移したことなどにより増収となりました。
以上の結果、自動車販売事業全体の売上高は31,801百万円(前期比2.6%増)となりましたが、他社との競争激化により粗利益が減少し、営業利益は289百万円(前期比2.6%減)となりました。
(その他の事業)
ビル管理事業においては、横浜ビルシステム㈱にて、4月より新たに金融機関の事務処理業務の一部や公営駐車場の指定管理業務を受託したことに加え、10月より宿泊施設の設備管理業務を受注したことなどにより増収となりました。
情報サービス事業においては、㈱神奈中情報システムにて、ドライブレコーダーなどバス車載器の代替やWindows7のサポート終了に伴うパソコンの代替需要の増加などにより増収となりました。
商用車架装事業においては、横浜車輌工業㈱にて、積極的な営業活動により新規顧客獲得に努めた結果、トラクタ架装の受注が増加したことなどにより増収となりました。
流通事業においては、㈱神奈中商事にて、バスICカードシステム機器の代替を受注し、部品販売が増加したほか、バス営業所の建替に伴う空調や厨房などの設備工事を受注したことにより増収となりました。
レジャー・スポーツ事業においては、㈱神奈中スポーツデザインにて、4月より子ども向けスポーツスクールを核とした小規模運動施設「神奈中スポーツコンボBB茅ヶ崎」を開業したほか、9月に「フィットネスクラブライフティック平塚」にて、コラーゲン岩盤浴施設を導入するなど施設をリニューアルし、会員獲得に向けた施策を推進しましたが、新たな競合施設の出店に伴う競争激化のほか、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う営業自粛の要請を踏まえた施設の休業などにより減収となりました。
飲食・娯楽事業においては、前期に新たなブランド展開を始めたラーメン店の2号店として7月にオープンした「北海道らーめん麺処うたり相模大野店」や、10月にオープンした「ドトールコーヒーショップ日本橋馬喰町店」が順調に推移したものの、TSUTAYA3店舗の閉店影響に加え、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い商業施設の休館や営業時間短縮の影響により減収となりました。
ホテル事業においては、宿泊部門にて旅行エージェントへ積極的な営業活動を行い、訪日外国人旅行者など宿泊客が増加しました。また、10月に宴会場を拡張し収容力の強化を図りましたが、前期にケーキショップを閉店したほか、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い宴会および宿泊のキャンセルが相次ぎ利用客が減少した影響などにより減収となりました。
以上の結果、その他の事業全体の売上高は31,226百万円(前期比0.1%増)となりましたが、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う売上の減少に対して固定費の削減が図られなかったことなどにより、営業利益は1,214百万円(前期比5.4%減)となりました。
②財政状態
(資産の部)
流動資産は、現金および預金の減少や、分譲土地建物の販売による商品および製品の減少により前連結会計年度末に比べて1,071百万円減少し、21,185百万円となりました。
また、固定資産は、投資有価証券の時価評価額が減少しましたが、神奈川中央交通西㈱秦野営業所および研修センター建替工事に伴い建物および構築物が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べて4,049百万円増加し、134,969百万円となりました。
この結果、当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて2,978百万円増加し、156,154百万円となりました。
(負債・純資産の部)
負債は、リース債務の増加などにより、前連結会計年度末に比べて2,485百万円増加し、95,597百万円となりました。なお、借入金および社債残高は、前連結会計年度末に比べて170百万円減少し、46,808百万円となりました。
また、純資産は、利益剰余金が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べて492百万円増加し、60,556百万円となりました。
なお、自己資本比率は、前連結会計年度末と比べて0.5ポイント減少し、35.8%となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金および現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べて604百万円減少し、2,191百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益4,526百万円に、減価償却費6,758百万円などを加減した結果、9,632百万円の資金収入となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出8,268百万円などにより、8,146百万円の資金支出となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、リース債務の返済による支出1,370百万円などにより、2,091百万円の資金支出となりました。
④生産、受注及び販売の実績
当社グループは、その主要な事業である一般旅客自動車運送事業をはじめ、受注生産の形態をとらないものが多く、セグメントごとに生産規模および受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
なお、販売の状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要」におけるセグメントの経営成績に関連付けて示しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
この連結財務諸表の作成にあたって、過去の実績や状況を勘案し合理的と考えられるさまざまな要因に基づき、決算日における資産・負債の報告数値および報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積り、判断および仮定設定を行っておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性により、これらの見積りと異なる場合があります。
当社の重要な会計方針のうち、連結財務諸表の作成において当社の重要な見積り、判断および仮定設定に大きな影響を及ぼすものは以下のとおりです。
なお、当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症が当社グループの業績へ及ぼす影響を勘案したうえで、固定資産の減損判定における将来キャッシュ・フローや繰延税金資産の回収可能性の判断における将来年度の課税所得の見積りを行っております。
(投資の減損)
当社グループでは、時価のある有価証券について個々の銘柄ごとに有価証券の期末時価が取得価額に比べ50%以上下落し、かつ、その下落が一時的でない場合は回復可能性がないと判断して減損処理を行っております。また、期末時価が取得価額に比べ30%以上50%未満下落した場合につきましては、対象銘柄の過去3年間の毎月末の時価の平均値が、30%以上の下落率の場合は回復可能性がないと判断して減損処理を行っております。
(固定資産の減損)
当社グループは、一般旅客自動車運送事業および不動産事業を中心に多くの固定資産を保有しております。これらの固定資産の回収可能価額については、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額など多くの前提条件に基づき算出しているため、当初見込んだ収益が得られなかった場合、または算出の前提条件が変更された場合には、損失が発生する可能性があります。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産について実現可能性が高いと考えられる金額へ減額するために評価性引当額を計上しております。評価性引当額は将来年度の課税所得の見込額等を考慮して計上しますが、将来の業績変動により課税所得の見込額が減少又は増加した場合には、評価性引当額の追加計上又は取崩が必要となる場合があります。
(退職給付費用)
従業員の退職給付に備えるため、当連結会計年度末における退職給付債務および年金資産の見込額に基づき計上しております。当社グループの採用した見込額は妥当なものと考えておりますが、実績との差異または見込額自体の変更により、退職給付の費用および債務に影響を与える可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容
(売上高および営業利益)
売上高は、前連結会計年度に比べ2,106百万円減少し、112,702百万円(前期比1.8%減)となりました。減収の主な要因は、新型コロナウイルス感染症拡大によるもので、当社グループにおいても、2020年2月以降、多くの事業領域において影響が生じました。
一般旅客自動車運送事業においては、外出自粛や学校の臨時休校、テレワークの拡大などにより利用客数が減少し減収となりました。
また、営業自粛要請を受け、レジャー・スポーツ事業においては、スポーツ施設の休業などにより、飲食・娯楽事業においては、商業施設の休館や営業時間短縮の影響によりそれぞれ減収となりました。
営業利益は、上記の減収に加え、投資計画に基づいたノンステップバスへの車両代替やバスICカードシステム機器の代替により減価償却費が増加したため、前連結会計年度に比べ1,276百万円減少し、5,329百万円(前期比19.3%減)となりました。
なお、セグメントごとの売上高および営業利益については、前掲の「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(営業外損益および経常利益)
営業外収益は、受取補償金や台風被害に伴う受取保険金を受領したものの、前期に計上した事故賠償費精算差益がなくなったことなどにより、前連結会計年度に比べ22百万円減少し、573百万円となりました。
営業外費用は、2019年12月に発行した第4回無担保社債の発行費用の計上などにより、前連結会計年度に比べ20百万円増加し、433百万円となりました。
この結果、経常利益は、前連結会計年度に比べ1,319百万円減少し、5,470百万円(前期比19.4%減)となりました。
(特別損益および親会社株主に帰属する当期純利益)
特別利益は、乗合バス車両の購入補助金が減少しましたが、廃車車両の売却益などにより、前連結会計年度に比べ13百万円増加し、209百万円となりました。
特別損失は、店舗の閉店の決定のほか、商業施設の将来キャッシュ・フローを保守的に見積もったことなどによる減損損失やバス営業所の建替え、自動車整備事業の整備工場移転に伴う解体撤去費用を計上したことなどにより、前連結会計年度に比べ522百万円増加し、1,153百万円となりました。なお、新型コロナウイルス感染症に起因する減損損失の計上はございません。
また、同感染症が今後の業績に及ぼす影響を勘案し、将来年度の課税所得を慎重に見積もった結果、一部連結子会社における繰延税金資産の取崩をいたしました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ2,045百万円減少し、2,044百万円(前期比50.0%減)となりました。
③資本の財源及び資金の流動性についての分析
(資金調達)
当社グループの資金調達は、社債および市中金融機関からの借入金のほか、㈱日本政策投資銀行からの借入金など、市場環境や金利動向を総合的に勘案しながら決定しております。
なお、当社グループでは資金効率向上のため、キャッシュ・マネジメント・システム(CMS)を導入しております。
(資金の流動性)
当社グループは一般旅客自動車運送事業を中心に日々の収入金があることから、必要な流動性資金は十分に確保しており、これらの資金をCMSにより集中管理することでグループ内において有効に活用しております。
また、現時点では、新型コロナウイルス感染症の影響により、一般旅客自動車運送事業をはじめとして、日々の収入金が減少しておりますが、当座の資金繰りの問題は生じておりません。
なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、前掲の「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(3)目標とする指標の進捗状況
当社グループでは2018年に策定いたしました「神奈中グループ中期経営計画(2018年度~2020年度)」において、
2021年に迎える当社創立100周年に向けて更なる成長を目指すため、売上高、EBITDAおよび売上高営業利益率を目標
とする経営指標を定めております。
当連結会計年度においては、第3四半期までは概ね計画通り推移しておりました。しかしながら、第4四半期にお
いて新型コロナウイルス感染症の流行に伴う外出自粛や施設に対する休業要請などの影響を受け、一般旅客自動車
運送事業やレジャー・スポーツ事業をはじめ、多くの事業において売上高が減少したことにより、各指標とも計画
を下回りました。その結果、当連結会計年度における売上高は1,127億円、EBITDAは120億円、売上高営業利益率
は4.7%となりました。
当連結会計年度における実績と当初計画、ならびにその差については以下のとおりであります。
(単位:百万円)
| 経営指標 | 2019年度実績 | 2019年度計画 | 差 |
| 売上高 | 112,702 | 115,200 | △2,498 |
| EBITDA | 12,087 | 13,620 | △1,533 |
| 売上高営業利益率 | 4.7% | 5.3% | △0.6P |
(参考)前連結会計年度における実績と当初計画、ならびにその差 (単位:百万円)
| 経営指標 | 2018年度実績 | 2018年度計画 | 差 |
| 売上高 | 114,809 | 116,200 | △1,391 |
| EBITDA | 12,986 | 12,670 | 316 |
| 売上高営業利益率 | 5.8% | 5.2% | 0.6P |
引き続き中期経営計画で掲げた施策を確実に推進していくことで、新たな顧客の開拓や経営の効率化を図り、経
営指標の達成に向けて取り組んでまいります。