有価証券報告書-第82期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
①経営成績の状況
当連結会計年度における日本経済は、前半は米中の貿易摩擦の煽りを受け輸出企業を中心に停滞気味に推移しました。個人消費は雇用・所得環境の改善や消費税増税前の駆け込み需要も見られ比較的堅調となりました。後半に入ってからは、昨年10月からの消費税増税に加え、年明け以降は新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化し、観光産業や飲食業界においては未曽有の事態となりました。
当社グループの主たる事業である曳船事業を取り巻く状況につきましては、昨年の年初から東京湾への入出港船舶数が弱含みに転じ、今年に入ってからも米中の貿易摩擦の影響に加え新型コロナウイルスの感染が拡大するなか、海上物流にも変化の兆しが見え始めております。
このような経済環境のなかで、当社グループは総力を挙げて業績向上に努め、売上高は前期に比べ888百万円減収の11,825百万円(前期比7.0%減)となりました。
利益面では、原油価格が第4四半期に入り急落したため燃料費は減少しましたが、大幅な減収に加え修繕費や用船料が増加し営業利益は170百万円(前期比80.7%減)となり、経常利益は503百万円(前期比60.0%減)となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、曳船の売却益(固定資産売却益)が前期に比べ80百万円減少し、さらに土地を中心とした減損損失や災害損失が発生し300百万円(前期比70.1%減)となりました。
セグメント別の業績を示すと、次のとおりです。
曳船事業
曳船事業は、横浜川崎地区では、作業対象船舶のうち自動車専用船やコンテナ船を中心にほぼすべての船種の入出港数が減少し減収となりました。東京地区では、コンテナ船の入出港数が減少し減収となりました。横須賀地区では、LNG船とコンテナ船の入出港数が減少しエスコート作業や危険物積載船の着桟中の警戒作業も減少し、さらに前年度は特殊海難救助作業の発生があったことの反動で大幅な減収となりました。また、千葉地区でも、大型タンカーやLNG船等の危険物積載船を中心にほとんどすべての船種の入出港数が減少し減収となりました。
また、その他部門では、前年度の期中に始まった北九州響灘沖洋上風力発電実証研究事業向けの交通船の運航が年間を通じて収益に貢献し増収となりました。
この結果、曳船事業セグメントの売上高は482百万円減少し8,901百万円(前期比5.1%減)となりました。
次に利益面では、原油価格が第4四半期に入り急落したため燃料費は減少しましたが、用船船舶の新造船への代替があり用船料が増加し、さらに全地区での大幅な減収が響き営業利益は394百万円減少し535百万円(前期比42.4%減)となりました。
旅客船事業
旅客船事業は、横浜港における観光船部門では、第1四半期はゴールデンウィーク期間が10連休となったことで利用客が増加しましたが、7月の天候不順の影響や9月に入り台風15号で水上バス2隻が被害を受け、さらに新型コロナウイルス感染症の拡がりを回避するため、3月からは運航を休止しており大幅な減収となりました。
久里浜・金谷間を結ぶカーフェリー部門でも同様に、ゴールデンウィーク期間中の利用客は増加しましたが、相次ぐ台風の到来や豪雨により千葉県全域にわたり甚大な被害となり、さらに新型コロナウイルスの感染懸念から利用客の自粛につながり、3月単月の売上高は前期に比べ70%減と大幅な減収となりました。
この結果、旅客船事業セグメントの売上高は277百万円減少し2,280百万円(前期比10.9%減)となりました。
一方利益面では、横浜港の観光船部門では修繕費が減少しましたが、交通船で用船料が増加いたしました。カーフェリー部門では、利用客の需要に合わせ次年度の定期修繕を閑散期に前倒しで実施したため修繕費が増加いたしました。
その結果、旅客船事業では325百万円の営業損失(前期は38百万円の営業損失)となりました。
また、台風や豪雨が千葉県全域にわたり及ぼした被害が、今後の観光需要に与える影響を見込むことが難しく、カーフェリー部門での収益性を判断することが困難となったことで、第2四半期に203百万円の減損損失を特別損失として計上いたしました。
売店・食堂事業
売店・食堂事業は、カーフェリー部門と同様に千葉県全域にわたる甚大な被害でバスの団体客の利用が大幅に落ち込み、売上高は128百万円減少し643百万円(前期比16.6%減)となり、39百万円の営業損失(前期は7百万円の営業損失)となりました。
また、カーフェリー部門と同様の理由により、第2四半期において11百万円の減損損失を特別損失として計上いたしました。
②財政状態の概況
資産、負債及び純資産の状況
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ1,106百万円減少し26,696百万円となりました。
流動資産の部では、現金及び預金が退職給付信託の設定を主因として370百万円減少し、さらに売掛金が390百万円減少し、その他流動資産が252百万円減少いたしました。固定資産の部では、船舶が54百万円増加し、設備更新により建設仮勘定が103百万円増加しましたが、土地は減損損失を計上したため178百万円減少いたしました。
負債は、前連結会計年度末に比べ839百万円減少し5,485百万円となりました。流動負債の部では、支払手形及び買掛金が104百万円減少し、未払法人税等が159百万円減少いたしました。固定負債の部では、長期借入金が128百万円減少しましたが、退職一時金制度に対し退職給付信託を設定し650百万円支出したことを受け退職給付に係る負債が577百万円減少いたしました。
純資産は、前連結会計年度末に比べ、266百万円減少し21,211百万円となりました。これは主にその他有価証券評価差額金が149百万円減少し、非支配株主持分が99百万円減少したことによるものです。
この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の73.7%から76.1%と2.4ポイント増加いたしました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ179百万円増加し2,754百万円となりました。
当連結会計年度に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況は以下のとおりとなりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、資金取得は前連結会計年度に比べ462百万円減少し1,067百万円となりました。資金収支の主な内訳は、税金等調整前当期純利益が497百万円、減価償却費が1,124百万円となり、退職給付信託を650百万円設定したことです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、資金支出は前連結会計年度に比べ1,747百万円減少し487百万円となりました。資金収支の主な内訳は、設備更新(船舶の代替)により有形固定資産売却による収入が323百万円となったものの有形固定資産取得による支出が1,303百万円発生したこと、預入期間が3カ月を超える定期預金が純額で550百万円減少したことです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、資金支出は前連結会計年度に比べ51百万円増加し399百万円となりました。資金収支の主な内訳は、長期借入金を133百万円返済したこと、配当金の支払額が248百万円発生したことです。
④生産、受注及び販売の実績
当社グループの報告セグメントは、曳船事業、旅客船事業、売店・食堂事業であり、生産及び受注を伴う事業ではないため生産及び受注の実績については記載を省略し、販売の実績については「①経営成績の状況」におけるセグメント別の経営成績に関連付けて記載しております。
最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点における当社グループの経営成績等に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
A.経営成績
(売上高)
曳船事業は、横浜川崎地区では、米中貿易摩擦の影響で、特に自動車専用船、コンテナ船、雑貨船の入出港数が減少し減収となりました。東京地区では、ゴールデンウィークが10連休であったことで、港湾荷役や陸上物流の混乱を回避するためコンテナ船の入出港数が減少した模様で減収となりました。横須賀地区では、LNG船とコンテナ船の入出港数が減少し、エスコート作業や着桟中の警戒作業も減少し、さらに前年度に大型タンカーの特殊海難救助作業の発生があったことの反動減で大幅な減収要因となりました。また、千葉地区では、LNG船の特殊警戒作業がありましたが、大型タンカー等の危険物積載船を中心にほとんどすべての船種の入出港数が減少し減収となりました。
旅客船事業は、横浜港における観光船部門では、昨年9月の台風15号により旅客船シーバス一隻が沈没し、さらにもう一隻も船体が損傷し、復帰までに2カ月を要しました。また、今年に入り新型コロナウイルス感染症の拡がりを回避するため3月に入り観光船の運航を休止したこともあり大幅な減収となりました。
久里浜・金谷間を結ぶカーフェリー部門では、相次ぐ台風の到来や豪雨被害が発生し、千葉県全域にわたり観光資源が甚大な被害を受け、2月以降は新型コロナウイルスの感染拡大を受け一隻での運航にいたしました。また、3月に入ってからは、自粛ムードからゴルファーの利用客も減少し、3月単月の売上高は前年度に比べ70%減と大幅な減収となりました。
この結果、当社グループ全体の売上高は前期に比べ888百万円の大幅な減収となり11,825百万円(前期比7.0%減)となりました。
(営業利益)
営業利益は、前期に比べ713百万円減益の170百万円(前期比80.7%減)となりました。
曳船事業で裸用船船舶の新造船への入れ替えで用船料が増加し、旅客船事業ではカーフェリーの次年度の定期修繕を閑散期に前倒しで実施したため修繕費が膨らみました。
燃料油価格に関しては、各産油国間での協調減産が合意まで至らず、第4四半期に入ってからはサウジアラビアの増産により原油価格は急落したことで、燃料費は連結グループ全体で87百万円減少し、売上原価が73百万円減少いたしましたが、全セグメントの減収が響き大幅な減益となりました。
(経常利益)
経常利益は、持分法投資利益が253百万円となりましたが、大幅な減収が響き前期に比べ752百万円減益の503百万円(前期比60.0%減)となりました
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は、設備更新により曳船2隻を売却し固定資産売却益が242百万円計上されましたが、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」で記載したとおりカーフェリー部門で台風や豪雨被害による経営環境の悪化で収益性が著しく低下したことから土地を中心に減損損失214百万円を計上した結果、300百万円(前期比70.1%減)となりました。
B.財政状態
財政状態につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に記載しております。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、営業原価、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、投資を目的とした資金需要は、主要な設備であります曳船の設備更新によるものです。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入金を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては自己資金及び金融機関からの長期借入金を基本としております。
今期は旅客船事業のうち横浜港の観光船部門では、台風被害や新型コロナウイルスの感染拡大による経営環境の悪化で大幅な減収を余儀なくされ運転資金に支障をきたし、今後の資金繰りが逼迫することが予想されます。
カーフェリー部門では、経営合理化のために定期修繕を前倒しで実施したことや相次ぐ台風の到来や豪雨による千葉県全域にわたる甚大な被害と2月以降は新型コロナウイルス禍が重なり、期末に子会社の運転資金が逼迫したため、当社から緊急融資として200百万円の長期貸付を行いました。
重要な設備投資等の予定及びその資金調達方法については、「第3 設備の状況 3.設備の新設、除却等の計画」に記載しております。
今後は、旅客船部門では老朽化した船舶や設備の見直しを総合的に検討していく予定です。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に係る会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。なお、新型コロナウイルス感染症に伴う会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項 追加情報」に記載しております。
④次期の見通しについて
今後の見通しにつきましては、曳船事業において、米中の貿易摩擦の行方と新型コロナウイルスの感染拡大が世界経済に与える悪影響が懸念され、今後も入出港船舶数の減少が予想され予断を許さない状況となっております。
また、旅客船事業においては、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により観光需要は壊滅的な打撃を受けており、その収束と本格的な業績回復がいつになるのか不透明な状況で、この感染禍が国内外の経済に及ぼす影響は計り知れません。
①経営成績の状況
当連結会計年度における日本経済は、前半は米中の貿易摩擦の煽りを受け輸出企業を中心に停滞気味に推移しました。個人消費は雇用・所得環境の改善や消費税増税前の駆け込み需要も見られ比較的堅調となりました。後半に入ってからは、昨年10月からの消費税増税に加え、年明け以降は新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化し、観光産業や飲食業界においては未曽有の事態となりました。
当社グループの主たる事業である曳船事業を取り巻く状況につきましては、昨年の年初から東京湾への入出港船舶数が弱含みに転じ、今年に入ってからも米中の貿易摩擦の影響に加え新型コロナウイルスの感染が拡大するなか、海上物流にも変化の兆しが見え始めております。
このような経済環境のなかで、当社グループは総力を挙げて業績向上に努め、売上高は前期に比べ888百万円減収の11,825百万円(前期比7.0%減)となりました。
利益面では、原油価格が第4四半期に入り急落したため燃料費は減少しましたが、大幅な減収に加え修繕費や用船料が増加し営業利益は170百万円(前期比80.7%減)となり、経常利益は503百万円(前期比60.0%減)となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、曳船の売却益(固定資産売却益)が前期に比べ80百万円減少し、さらに土地を中心とした減損損失や災害損失が発生し300百万円(前期比70.1%減)となりました。
セグメント別の業績を示すと、次のとおりです。
曳船事業
曳船事業は、横浜川崎地区では、作業対象船舶のうち自動車専用船やコンテナ船を中心にほぼすべての船種の入出港数が減少し減収となりました。東京地区では、コンテナ船の入出港数が減少し減収となりました。横須賀地区では、LNG船とコンテナ船の入出港数が減少しエスコート作業や危険物積載船の着桟中の警戒作業も減少し、さらに前年度は特殊海難救助作業の発生があったことの反動で大幅な減収となりました。また、千葉地区でも、大型タンカーやLNG船等の危険物積載船を中心にほとんどすべての船種の入出港数が減少し減収となりました。
また、その他部門では、前年度の期中に始まった北九州響灘沖洋上風力発電実証研究事業向けの交通船の運航が年間を通じて収益に貢献し増収となりました。
この結果、曳船事業セグメントの売上高は482百万円減少し8,901百万円(前期比5.1%減)となりました。
次に利益面では、原油価格が第4四半期に入り急落したため燃料費は減少しましたが、用船船舶の新造船への代替があり用船料が増加し、さらに全地区での大幅な減収が響き営業利益は394百万円減少し535百万円(前期比42.4%減)となりました。
旅客船事業
旅客船事業は、横浜港における観光船部門では、第1四半期はゴールデンウィーク期間が10連休となったことで利用客が増加しましたが、7月の天候不順の影響や9月に入り台風15号で水上バス2隻が被害を受け、さらに新型コロナウイルス感染症の拡がりを回避するため、3月からは運航を休止しており大幅な減収となりました。
久里浜・金谷間を結ぶカーフェリー部門でも同様に、ゴールデンウィーク期間中の利用客は増加しましたが、相次ぐ台風の到来や豪雨により千葉県全域にわたり甚大な被害となり、さらに新型コロナウイルスの感染懸念から利用客の自粛につながり、3月単月の売上高は前期に比べ70%減と大幅な減収となりました。
この結果、旅客船事業セグメントの売上高は277百万円減少し2,280百万円(前期比10.9%減)となりました。
一方利益面では、横浜港の観光船部門では修繕費が減少しましたが、交通船で用船料が増加いたしました。カーフェリー部門では、利用客の需要に合わせ次年度の定期修繕を閑散期に前倒しで実施したため修繕費が増加いたしました。
その結果、旅客船事業では325百万円の営業損失(前期は38百万円の営業損失)となりました。
また、台風や豪雨が千葉県全域にわたり及ぼした被害が、今後の観光需要に与える影響を見込むことが難しく、カーフェリー部門での収益性を判断することが困難となったことで、第2四半期に203百万円の減損損失を特別損失として計上いたしました。
売店・食堂事業
売店・食堂事業は、カーフェリー部門と同様に千葉県全域にわたる甚大な被害でバスの団体客の利用が大幅に落ち込み、売上高は128百万円減少し643百万円(前期比16.6%減)となり、39百万円の営業損失(前期は7百万円の営業損失)となりました。
また、カーフェリー部門と同様の理由により、第2四半期において11百万円の減損損失を特別損失として計上いたしました。
②財政状態の概況
資産、負債及び純資産の状況
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ1,106百万円減少し26,696百万円となりました。
流動資産の部では、現金及び預金が退職給付信託の設定を主因として370百万円減少し、さらに売掛金が390百万円減少し、その他流動資産が252百万円減少いたしました。固定資産の部では、船舶が54百万円増加し、設備更新により建設仮勘定が103百万円増加しましたが、土地は減損損失を計上したため178百万円減少いたしました。
負債は、前連結会計年度末に比べ839百万円減少し5,485百万円となりました。流動負債の部では、支払手形及び買掛金が104百万円減少し、未払法人税等が159百万円減少いたしました。固定負債の部では、長期借入金が128百万円減少しましたが、退職一時金制度に対し退職給付信託を設定し650百万円支出したことを受け退職給付に係る負債が577百万円減少いたしました。
純資産は、前連結会計年度末に比べ、266百万円減少し21,211百万円となりました。これは主にその他有価証券評価差額金が149百万円減少し、非支配株主持分が99百万円減少したことによるものです。
この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の73.7%から76.1%と2.4ポイント増加いたしました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ179百万円増加し2,754百万円となりました。
当連結会計年度に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況は以下のとおりとなりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、資金取得は前連結会計年度に比べ462百万円減少し1,067百万円となりました。資金収支の主な内訳は、税金等調整前当期純利益が497百万円、減価償却費が1,124百万円となり、退職給付信託を650百万円設定したことです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、資金支出は前連結会計年度に比べ1,747百万円減少し487百万円となりました。資金収支の主な内訳は、設備更新(船舶の代替)により有形固定資産売却による収入が323百万円となったものの有形固定資産取得による支出が1,303百万円発生したこと、預入期間が3カ月を超える定期預金が純額で550百万円減少したことです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、資金支出は前連結会計年度に比べ51百万円増加し399百万円となりました。資金収支の主な内訳は、長期借入金を133百万円返済したこと、配当金の支払額が248百万円発生したことです。
④生産、受注及び販売の実績
当社グループの報告セグメントは、曳船事業、旅客船事業、売店・食堂事業であり、生産及び受注を伴う事業ではないため生産及び受注の実績については記載を省略し、販売の実績については「①経営成績の状況」におけるセグメント別の経営成績に関連付けて記載しております。
最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| 東京湾海事事業協同組合 | 1,319,700 | 10.38 | 1,338,353 | 11.32 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点における当社グループの経営成績等に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
A.経営成績
(売上高)
曳船事業は、横浜川崎地区では、米中貿易摩擦の影響で、特に自動車専用船、コンテナ船、雑貨船の入出港数が減少し減収となりました。東京地区では、ゴールデンウィークが10連休であったことで、港湾荷役や陸上物流の混乱を回避するためコンテナ船の入出港数が減少した模様で減収となりました。横須賀地区では、LNG船とコンテナ船の入出港数が減少し、エスコート作業や着桟中の警戒作業も減少し、さらに前年度に大型タンカーの特殊海難救助作業の発生があったことの反動減で大幅な減収要因となりました。また、千葉地区では、LNG船の特殊警戒作業がありましたが、大型タンカー等の危険物積載船を中心にほとんどすべての船種の入出港数が減少し減収となりました。
旅客船事業は、横浜港における観光船部門では、昨年9月の台風15号により旅客船シーバス一隻が沈没し、さらにもう一隻も船体が損傷し、復帰までに2カ月を要しました。また、今年に入り新型コロナウイルス感染症の拡がりを回避するため3月に入り観光船の運航を休止したこともあり大幅な減収となりました。
久里浜・金谷間を結ぶカーフェリー部門では、相次ぐ台風の到来や豪雨被害が発生し、千葉県全域にわたり観光資源が甚大な被害を受け、2月以降は新型コロナウイルスの感染拡大を受け一隻での運航にいたしました。また、3月に入ってからは、自粛ムードからゴルファーの利用客も減少し、3月単月の売上高は前年度に比べ70%減と大幅な減収となりました。
この結果、当社グループ全体の売上高は前期に比べ888百万円の大幅な減収となり11,825百万円(前期比7.0%減)となりました。
(営業利益)
営業利益は、前期に比べ713百万円減益の170百万円(前期比80.7%減)となりました。
曳船事業で裸用船船舶の新造船への入れ替えで用船料が増加し、旅客船事業ではカーフェリーの次年度の定期修繕を閑散期に前倒しで実施したため修繕費が膨らみました。
燃料油価格に関しては、各産油国間での協調減産が合意まで至らず、第4四半期に入ってからはサウジアラビアの増産により原油価格は急落したことで、燃料費は連結グループ全体で87百万円減少し、売上原価が73百万円減少いたしましたが、全セグメントの減収が響き大幅な減益となりました。
(経常利益)
経常利益は、持分法投資利益が253百万円となりましたが、大幅な減収が響き前期に比べ752百万円減益の503百万円(前期比60.0%減)となりました
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は、設備更新により曳船2隻を売却し固定資産売却益が242百万円計上されましたが、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」で記載したとおりカーフェリー部門で台風や豪雨被害による経営環境の悪化で収益性が著しく低下したことから土地を中心に減損損失214百万円を計上した結果、300百万円(前期比70.1%減)となりました。
B.財政状態
財政状態につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に記載しております。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、営業原価、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、投資を目的とした資金需要は、主要な設備であります曳船の設備更新によるものです。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入金を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては自己資金及び金融機関からの長期借入金を基本としております。
今期は旅客船事業のうち横浜港の観光船部門では、台風被害や新型コロナウイルスの感染拡大による経営環境の悪化で大幅な減収を余儀なくされ運転資金に支障をきたし、今後の資金繰りが逼迫することが予想されます。
カーフェリー部門では、経営合理化のために定期修繕を前倒しで実施したことや相次ぐ台風の到来や豪雨による千葉県全域にわたる甚大な被害と2月以降は新型コロナウイルス禍が重なり、期末に子会社の運転資金が逼迫したため、当社から緊急融資として200百万円の長期貸付を行いました。
重要な設備投資等の予定及びその資金調達方法については、「第3 設備の状況 3.設備の新設、除却等の計画」に記載しております。
今後は、旅客船部門では老朽化した船舶や設備の見直しを総合的に検討していく予定です。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に係る会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。なお、新型コロナウイルス感染症に伴う会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項 追加情報」に記載しております。
④次期の見通しについて
今後の見通しにつきましては、曳船事業において、米中の貿易摩擦の行方と新型コロナウイルスの感染拡大が世界経済に与える悪影響が懸念され、今後も入出港船舶数の減少が予想され予断を許さない状況となっております。
また、旅客船事業においては、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により観光需要は壊滅的な打撃を受けており、その収束と本格的な業績回復がいつになるのか不透明な状況で、この感染禍が国内外の経済に及ぼす影響は計り知れません。