有価証券報告書-第54期(2025/04/01-2026/03/31)
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末において判断したものであります。
(1)経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
2026年1月7日公表の「非連結決算への移行に関するお知らせ」に記載の通り、当社の連結子会社JAFCO
Investment (Asia Pacific) Ltd(現JIF Capital Ltd.、以下、「JIAP」)の全株式の譲渡が2025年10月31日に完了したことに伴い、JIAP及びその連結子会社は当社の連結範囲から除外されることとなりました。また、2026年1月6日(米国現地時間)に当社の米国における非連結子会社JAFCO America Ventures Inc.(投資業務は「Icon Ventures」名で運営。以下、「Icon」)の全株式を現地マネジメントが設立した法人に譲渡完了しました。
これにより、当社の連結子会社はジャフコ コンサルティング株式会社(以下、「JCC」)のみとなりましたが、JCCはその総資産、売上高、当期純損益及び利益剰余金等がいずれも小規模であり、重要性が乏しいため、2026年3月期第3四半期末をもって当社の連結範囲から除外することといたしました。
JIAP及びJCCの連結除外により、当社の連結子会社はなくなったため、当社は2026年3月期第3四半期より、これまでの連結決算から非連結(個別)決算へ移行しております。なお、前期比につきましては、個別業績との比較数値を記載しております。
そして、これまで、JIAP及びIconが運用するファンドへの当社出資持分は営業投資有価証券とし、その出資持分に係る損失見積額は投資損失引当金として、総額法にて会計処理しておりましたが、上記の株式譲渡に伴い、JIAPのファンドについては2026年3月期第3四半期首である2025年10月1日をもって、Iconのファンドについては2026年3月期第3四半期末である2025年12月31日をもって、それぞれのファンドへの当社出資持分からその引当金を除いた純額を、投資有価証券として純額法にて会計処理することに変更いたしました。
併せて、これまでは上記出資持分に係る損益は売上高、売上原価に計上し、その引当金に係る損益は投資損失引当金繰入額に計上しておりましたが、本変更以降に生じた出資持分及びその引当金に係る損益については、営業外損益として計上することといたしました。
また、上記の株式譲渡に伴い、当社財務諸表作成にあたり使用する、JIAP及びIconが運用するファンドの財務諸表は、これまで当社の決算日である3月31日現在で実施した仮決算に基づく財務諸表を使用しておりましたが、当事業年度より当該ファンドの決算日である12月31日の財務諸表を使用することといたしました。
この結果、当事業年度の当社財務諸表においては、当該ファンドの2025年4月1日から2025年12月31日までの期間に係る財務諸表を取り込んでおります。
当事業年度の当社の業績は、売上高21,619百万円(前期28,192百万円、増減率△23.3%)、営業利益5,607百万円(前期12,066百万円、増減率△53.5%)、経常利益5,905百万円(前期13,151百万円、増減率△55.1%)、当期純利益6,576百万円(前期9,632百万円、増減率△31.7%)となりました。
当事業年度における当社の投資先の新規IPOは2社であり、キャピタルゲインは対前期比で減少しました。
また、上記のJIAP及びIcon株式譲渡に際し、JIAP及びIconからの配当により営業外収益にて有価証券利息配当金2,429百万円の計上があったことに加え、特別利益にて投資有価証券売却益が106百万円、子会社株式売却益350百万円、子会社株式売却損163百万円が発生しております。
なお、当社はファンド運用事業の単一セグメントであります。
②キャッシュ・フローの状況
当社は、2026年3月期第3四半期より連結決算から非連結(個別)決算へ移行したことから、キャッシュ・フローの状況について、前事業年度との比較は行っておりません。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度の営業活動によるキャッシュ・フローは5,587百万円のキャッシュインフローとなりました。これは主に営業投資有価証券の売却収入によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度の投資活動によるキャッシュ・フローは3,846百万円のキャッシュインフローとなりました。これは主に投資有価証券の売却収入によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度の財務活動によるキャッシュ・フローは11,613百万円のキャッシュアウトフローとなりました。これは主に配当金の支払や自己株式の取得に伴う支出によるものであります。
上記の他に、当事業年度において、「投資有価証券への振替に伴う現金及び現金同等物の増減」として現金及び現金同等物が2,732百万円減少しております。これは、「①財政状態及び経営成績の状況」に記載の通り、これまでJIAP及びIconが運用するファンドへの当社出資持分に含まれる現金及び預金は、総額法により貸借対照表上「現金及び預金」として計上しておりましたが、純額法に変更したことにより「投資有価証券」に含まれることになるために生じた振替額であります。
これらの結果、現金及び現金同等物残高は当事業年度期首残高の66,095百万円から4,912百万円減少して、当事業年度末残高は61,183百万円となりました。そのうち2,573百万円はファンド出資持分であります。また、当社が組合契約を締結しているファンドに対して当社が出資金として今後支払を約束している金額は、当事業年度末で13,603百万円であります。なお、13,603百万円には、JIF Capital Ltd.運営ファンドに対する支払約束金額4,207百万円及びIcon Ventures運営ファンドに対する支払約束金額4,201百万円の合計8,409百万円が含まれております。また、JIF Capital Ltd.は2025年11月24日付でJAFCO Investment (Asia Pacific) Ltdより社名を変更しております。
(2)生産、受注及び販売の実績
営業投資活動の状況
当社は、下図のとおり、原則としてファンド(下図①)の資金により、有望未上場企業等への投資を行っております。
当社は、ファンドから契約に基づいて運用に対する管理報酬と投資成果に対する成功報酬を受領しております。また、ファンドにおける営業投資有価証券の売却損益等は、ファンドの出資持分に応じて、当社に直接帰属いたします。
貸借対照表の営業投資有価証券残高は、ファンドの当社出資持分(下図②)に応じた営業投資有価証券残高と当社(下図③)の営業投資有価証券残高の合計額であります。
次ページ以降の「投資実行額」「投資残高」につきましては、当社の営業投資活動(投資及びファンドの運用)を表すため、ファンド(下図①)と当社(下図③)を合算した投資活動の状況を記載しております。
なお、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載の通り、当社の連結子会社JIAPの全株式の譲渡が2025年10月31日に完了したことに伴い、JIAP及びその連結子会社は当社の連結範囲から除外されることとなりました。また、2026年1月6日(米国現地時間)に当社の米国における非連結子会社Iconの全株式を現地マネジメントが設立した法人に譲渡完了しました。そのため、「(2)生産、受注及び販売の実績」につきましては、当社が運用する国内ファンドの状況を記載しております。

(注)用語説明
①投資実行額
①-1 エクイティ投資実行額:業種別
①-2 エクイティ投資実行額
(注)「投資実行額」は、当社が運用するファンド全体の金額であります。
②投資残高
②-1 投資残高
②-2 未上場エクイティ投資残高:業種別
②-3 未上場エクイティ投資残高
(注)1.「投資残高」は、当社が運用するファンド全体の金額であります。
2.「投資残高」は取得原価で表示しております。
③ファンドの運用状況
(注)1.2025年12月にジャフコSV8シリーズを設立いたしました。2026年4月24日現在、ジャフコSV8シリーズ全体のファンド総額は約580億円であり、前回SV7シリーズの総額978億円を上回る金額を目標とし、募集を継続中であります。なお、上表の当事業年度のファンド数、コミットメント総額は、ジャフコSV8シリーズを含んでおりません。
2.「コミットメント総額」は、契約上出資が約束されている額の総額であります。
④主なEXIT実績
当事業年度における当社の投資先の新規IPOは2社でした。詳細は「④-1 IPO(新規上場)の状況」をご参照ください。
また、当事業年度におけるM&AによるEXITとしては、バイアウト投資先の㈱PAPABUBBLE JAPAN HDや㈱ウォーターフロント等の株式譲渡を実行しております。
④-1 IPO(新規上場)の状況
前事業年度(2024年4月1日~2025年3月31日)
当事業年度(2025年4月1日~2026年3月31日)
(3)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
①重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、資産、負債、収益及び費用の額に影響を与える仮定や見積りを必要とします。
これらの仮定や見積りは、過去の実績や現在の状況等を勘案し合理的に判断していますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる可能性があります。
当社の財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績
「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおり、当事業年度の当社の売上高は21,619百万円(前期比23.3%減)、営業利益は5,607百万円(前期比53.5%減)となりました。営業外収益は、有価証券利息配当金の増加等により、2,663百万円(前期比94.7%増)となりました。また、営業外費用は、他社ファンド運用損の発生等により、2,365百万円(前期比735.3%増)となりました。この結果、経常利益は5,905百万円(前期比55.1%減)となりました。特別利益は、投資有価証券売却益、子会社株式売却益により2,493百万円となり、特別損失は子会社株式売却損により163百万円となりました(前期の特別利益及び特別損失の計上はありません)。税効果会計適用後の法人税等は1,658百万円(前期比52.9%減)となりました。以上の結果、当期純利益は6,576百万円(前期比31.7%減)となりました。
b.財政状態
当事業年度末における当社の財政状態は、流動資産120,472百万円(前期比23.5%減)、固定資産37,384百万円(前期比485.7%増)、流動負債1,679百万円(前期比65.1%減)、固定負債22,064百万円(前期比2.7%増)、純資産は134,113百万円(前期比2.5%減)となり、総資産は157,856百万円(前期比3.6%減)となりました。
なお、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおり、当事業年度中に、JIAP及びIconが運用するファンドへの当社出資持分の会計処理を総額法から純額法に変更しております。その結果、これまで当該出資持分に含まれる現金及び預金や営業投資有価証券は、それぞれ貸借対照表上「現金及び預金」、「営業投資有価証券」として計上しておりましたが、当該変更により「投資有価証券」に振り替え、純額で計上しております。
そのため、流動資産については、現金及び預金が、上記の振替と、配当金の支払、自己株式の取得による支出等により前期末から4,912百万円減少しております。また、営業投資有価証券も、主に上記の振替により前期末から38,560百万円減少しています。一方で、固定資産については、投資有価証券が主に上記の振替により前期末から33,553百万円増加しています。
流動負債については、未払法人税等が前年度から3,339百万円減少し、固定負債については、繰延税金負債が前期末から720百万円増加しております。
c.キャッシュ・フローの状況
「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご覧ください。
d.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社の経営成績等に特に重要な影響を与える要因である、投資実行、キャピタルゲイン、投資損失引当金、営業投資有価証券の残高、ファンドの運用業務の各状況に関する認識及び分析・検討は次のとおりです。
(投資実行の状況)
「(2)生産、受注及び販売の実績 ①投資実行額」に記載のとおり、当事業年度の当社が運用するファンド全体の投資実行額は、19,371百万円(前期28,014百万円)、投資会社数は45社(前期52社)となりました。年間投資実行額は250~300億円前後の水準としていますが、バイアウト投資における投資実行のタイミングのずれによる影響等により、当事業年度は前期比で投資実行額が減少しました。
(キャピタルゲインの状況)
当事業年度における当社の投資先の新規IPOは2社であり、当社及び当社が運用する国内ファンドへの当社出資分(以下、「国内投資分」)に係るキャピタルゲインは前事業年度を下回りました。
なお、これまでJIAP及びIconが運用するファンドへの当社出資持分は営業投資有価証券として総額法にて会計処理しており、出資持分にかかる損益は売上高、売上原価に計上していましたが、株式譲渡に伴い、JIAPのファンドについては2026年3月期第3四半期首である2025年10月1日をもって、Iconのファンドについては2026年3月期第3四半期末である2025年12月31日をもって、それぞれ投資有価証券として純額法にて会計処理することに変更し、それ以降の出資持分にかかる損益については営業外損益として計上しております。
前事業年度及び当事業年度の売上高、売上原価には、上記のとおり、株式譲渡前に計上したJIAP及びIconが運用するファンドへの当社出資持分に係る金額が含まれておりますため、業績比較の参考数値として、以下の表では、国内投資分に係る金額を内数として記載しております。
(投資損失引当金の状況)
当事業年度の国内投資分に係る投資損失引当金は、投資損失引当金の繰入が取崩を上回り、対前期末比で投資損失引当金残高は増加しております。未上場営業投資有価証券残高に対する引当率も増加しました。
なお、これまで、JIAP及びIconが運用するファンドへの当社出資持分に係る損失見積額は投資損失引当金として総額法にて会計処理しており、引当金に係る損益は投資損失引当金繰入額に計上していましたが、株式譲渡に伴い、JIAPのファンド出資持分については2026年3月期第3四半期首である2025年10月1日をもって、Iconのファンド出資持分については2026年3月期第3四半期末である2025年12月31日をもって、それぞれのファンドへの当社出資持分からその引当金を除いた純額を、投資有価証券として純額法にて会計処理することに変更し、それ以降の出資持分に係る損益については営業外損益として計上しております。
前事業年度の投資損失引当金残高及び、前事業年度及び当事業年度の投資損失引当金繰入額、取崩額には、上記のとおり、株式譲渡前に計上したJIAP及びIconが運用するファンドへの当社出資持分に係る金額が含まれておりますため、業績比較の参考数値として、以下の表では、国内投資分に係る金額を内数として記載しております。
(営業投資有価証券残高の状況)
既存上場営業投資有価証券の売却等の影響により、当事業年度末の国内投資分に係る営業投資有価証券の残高は対前期末比で減少しております。
なお、これまで、JIAP及びIconが運用するファンドへの当社出資持分は営業投資有価証券として総額法にて会計処理しており、出資持分に係る損益は売上高、売上原価に計上していましたが、株式譲渡に伴い、JIAPのファンド出資持分については2026年3月期第3四半期首である2025年10月1日をもって、Iconのファンド出資持分については2026年3月期第3四半期末である2025年12月31日をもって、それぞれ投資有価証券として純額法にて会計処理することに変更しており、それ以降の出資持分に係る損益については営業外損益として計上しております。
また、前事業年度の営業投資有価証券残高には、上記のとおり、株式譲渡前に計上したJIAP及びIconが運用するファンドへの当社出資持分に係る金額が含まれておりますため、業績比較の参考数値として、以下の表では、国内投資分に係る金額を内訳として記載しております。
(ファンドの運用業務の状況)
SV4シリーズのEXIT進捗等により、当事業年度の国内投資に係る成功報酬は前事業年度の水準を下回りました。
なお、前事業年度及び当事業年度の投資事業組合管理収入には、株式譲渡前に計上したJIAP及びIconが運用するファンドに係る損益が含まれておりますため、業績比較の参考数値として、以下の表では、国内投資分に係る損益を内訳として記載しております。
(注)管理報酬及び成功報酬は、当社の出資持分相当額を相殺した後の金額となっております。
e.当社の資本の財源及び資金の流動性
当社の資金需要のうち主なものはファンドへの投資資金、販売費及び一般管理費等であり、販売費及び一般管理費等の主なものは、人件費及び不動産費等であります。ファンドの運用資産の大半は未上場企業であり、時価もなく流動性が極めて限定されます。従って、どのような環境にあっても、継続して投資を行うために強固な財務基盤が求められます。
当事業年度の純資産額は134,113百万円(前期末137,540百万円)、自己資本比率については85.0%(前期末84.0%)となりました。貸借対照表に計上されている61,183百万円の現金及び預金の中には、各ファンドに当社が既に出資した分も含まれています。
なお、当社は、後述の「株主還元についての方針」に基づき、投資継続のための必要資金を将来にわたり段階的に縮小させ、必要資金を超える現預金については自己株式の取得を検討することとしております。
株主還元についての方針
当社は、2026年3月期の配当から、年間配当金額をDOE(前期末株主資本に対する年間配当金額の割合)6%と配当性向50%のいずれか大きい金額とすることとしております。
なお、当社は、2026年3月期第3四半期より連結決算から非連結(個別)決算へ移行しております。2026年1月7日公表の「非連結決算への移行に関するお知らせ」に記載の通り、当事業年度の配当予想は、前期末連結株主資本に対する年間配当金額の割合(DOE)を6%として計算された132.88円を元に1株当たり133円を最低額として開示しておりました。非連結(個別)決算の移行に伴い、これを前期末単体株主資本を使用して計算すると132.18円となることから、配当予想は変更せず、前期末連結株主資本を基準としたDOE6%と個別決算における当期純利益の50%のいずれか大きい額を年間配当金額としております。
当事業年度の年間配当金額は、DOE6%(1株当たり133円)が配当性向50%(1株当たり62円)を上回るため、1株当たり133円といたしました。そのため、当事業年度の期末配当額は、本年間配当金額から中間配当額(1株当たり66.5円)を控除して、1株当たり66.5円といたしました。
翌事業年度以降の配当については、年間配当金額をDOE6%と配当性向50%のいずれか大きい金額とする方針に変更はなく、個別決算数値を基に決定してまいります。
また、必要資金を超える現預金は、自己株式の取得を検討することとしており、この方針に変更はありません。今後も、資本効率の向上と成長戦略の推進による企業価値向上を目指してまいります。

f.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社における最大の経営テーマは、ファンドパフォーマンスを持続的に向上させることです。当社は、ファンド運用事業の単一セグメントであり、収益の源泉はファンドからの管理収入(管理報酬・成功報酬)とファンドへの直接出資持分からのキャピタルゲインであることから、運用中の各ファンドのパフォーマンスを高めていくことが、中長期的な好業績の継続につながっていきます。
なお、当社の中長期的目標として掲げた指標は、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(2)会社の対処すべき課題 3)中長期的目標」に記載のとおりです。
(ご参考)運用中(延長中を含む)の主な国内ファンドのパフォーマンスは次のとおりです。
(注)1.グロス倍率とネット倍率の算出方法は次のとおりです。
グロス倍率(売却金額(未売却投資先の評価金額を含む)÷投資金額)
ネット倍率((分配金累計額+純資産額)÷払込済出資金額)
2.純資産額において、未売却投資先の評価については、上場株式は期末日の時価で評価しており、外貨建の上場株式は期末日の為替レートで換算しております。未上場投資先については、時価算定会計基準の適用に伴い、新株予約権付社債、新株予約権等の株式以外の投資等は時価で評価し、未上場株式は、マークアップ(未実現評価益の計上)せず、マークダウン(未実現評価損の計上)のみを行っています。なお、外貨建の未上場株式についても期末日の為替レートで換算しております。
g.セグメントごとの財政状態及び経営成績に関する認識及び分析・検討内容
当社は、ファンド運用事業の単一セグメントであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末において判断したものであります。
(1)経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
2026年1月7日公表の「非連結決算への移行に関するお知らせ」に記載の通り、当社の連結子会社JAFCO
Investment (Asia Pacific) Ltd(現JIF Capital Ltd.、以下、「JIAP」)の全株式の譲渡が2025年10月31日に完了したことに伴い、JIAP及びその連結子会社は当社の連結範囲から除外されることとなりました。また、2026年1月6日(米国現地時間)に当社の米国における非連結子会社JAFCO America Ventures Inc.(投資業務は「Icon Ventures」名で運営。以下、「Icon」)の全株式を現地マネジメントが設立した法人に譲渡完了しました。
これにより、当社の連結子会社はジャフコ コンサルティング株式会社(以下、「JCC」)のみとなりましたが、JCCはその総資産、売上高、当期純損益及び利益剰余金等がいずれも小規模であり、重要性が乏しいため、2026年3月期第3四半期末をもって当社の連結範囲から除外することといたしました。
JIAP及びJCCの連結除外により、当社の連結子会社はなくなったため、当社は2026年3月期第3四半期より、これまでの連結決算から非連結(個別)決算へ移行しております。なお、前期比につきましては、個別業績との比較数値を記載しております。
そして、これまで、JIAP及びIconが運用するファンドへの当社出資持分は営業投資有価証券とし、その出資持分に係る損失見積額は投資損失引当金として、総額法にて会計処理しておりましたが、上記の株式譲渡に伴い、JIAPのファンドについては2026年3月期第3四半期首である2025年10月1日をもって、Iconのファンドについては2026年3月期第3四半期末である2025年12月31日をもって、それぞれのファンドへの当社出資持分からその引当金を除いた純額を、投資有価証券として純額法にて会計処理することに変更いたしました。
併せて、これまでは上記出資持分に係る損益は売上高、売上原価に計上し、その引当金に係る損益は投資損失引当金繰入額に計上しておりましたが、本変更以降に生じた出資持分及びその引当金に係る損益については、営業外損益として計上することといたしました。
また、上記の株式譲渡に伴い、当社財務諸表作成にあたり使用する、JIAP及びIconが運用するファンドの財務諸表は、これまで当社の決算日である3月31日現在で実施した仮決算に基づく財務諸表を使用しておりましたが、当事業年度より当該ファンドの決算日である12月31日の財務諸表を使用することといたしました。
この結果、当事業年度の当社財務諸表においては、当該ファンドの2025年4月1日から2025年12月31日までの期間に係る財務諸表を取り込んでおります。
当事業年度の当社の業績は、売上高21,619百万円(前期28,192百万円、増減率△23.3%)、営業利益5,607百万円(前期12,066百万円、増減率△53.5%)、経常利益5,905百万円(前期13,151百万円、増減率△55.1%)、当期純利益6,576百万円(前期9,632百万円、増減率△31.7%)となりました。
当事業年度における当社の投資先の新規IPOは2社であり、キャピタルゲインは対前期比で減少しました。
また、上記のJIAP及びIcon株式譲渡に際し、JIAP及びIconからの配当により営業外収益にて有価証券利息配当金2,429百万円の計上があったことに加え、特別利益にて投資有価証券売却益が106百万円、子会社株式売却益350百万円、子会社株式売却損163百万円が発生しております。
なお、当社はファンド運用事業の単一セグメントであります。
②キャッシュ・フローの状況
当社は、2026年3月期第3四半期より連結決算から非連結(個別)決算へ移行したことから、キャッシュ・フローの状況について、前事業年度との比較は行っておりません。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度の営業活動によるキャッシュ・フローは5,587百万円のキャッシュインフローとなりました。これは主に営業投資有価証券の売却収入によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度の投資活動によるキャッシュ・フローは3,846百万円のキャッシュインフローとなりました。これは主に投資有価証券の売却収入によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度の財務活動によるキャッシュ・フローは11,613百万円のキャッシュアウトフローとなりました。これは主に配当金の支払や自己株式の取得に伴う支出によるものであります。
上記の他に、当事業年度において、「投資有価証券への振替に伴う現金及び現金同等物の増減」として現金及び現金同等物が2,732百万円減少しております。これは、「①財政状態及び経営成績の状況」に記載の通り、これまでJIAP及びIconが運用するファンドへの当社出資持分に含まれる現金及び預金は、総額法により貸借対照表上「現金及び預金」として計上しておりましたが、純額法に変更したことにより「投資有価証券」に含まれることになるために生じた振替額であります。
これらの結果、現金及び現金同等物残高は当事業年度期首残高の66,095百万円から4,912百万円減少して、当事業年度末残高は61,183百万円となりました。そのうち2,573百万円はファンド出資持分であります。また、当社が組合契約を締結しているファンドに対して当社が出資金として今後支払を約束している金額は、当事業年度末で13,603百万円であります。なお、13,603百万円には、JIF Capital Ltd.運営ファンドに対する支払約束金額4,207百万円及びIcon Ventures運営ファンドに対する支払約束金額4,201百万円の合計8,409百万円が含まれております。また、JIF Capital Ltd.は2025年11月24日付でJAFCO Investment (Asia Pacific) Ltdより社名を変更しております。
(2)生産、受注及び販売の実績
営業投資活動の状況
当社は、下図のとおり、原則としてファンド(下図①)の資金により、有望未上場企業等への投資を行っております。
当社は、ファンドから契約に基づいて運用に対する管理報酬と投資成果に対する成功報酬を受領しております。また、ファンドにおける営業投資有価証券の売却損益等は、ファンドの出資持分に応じて、当社に直接帰属いたします。
貸借対照表の営業投資有価証券残高は、ファンドの当社出資持分(下図②)に応じた営業投資有価証券残高と当社(下図③)の営業投資有価証券残高の合計額であります。
次ページ以降の「投資実行額」「投資残高」につきましては、当社の営業投資活動(投資及びファンドの運用)を表すため、ファンド(下図①)と当社(下図③)を合算した投資活動の状況を記載しております。
なお、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載の通り、当社の連結子会社JIAPの全株式の譲渡が2025年10月31日に完了したことに伴い、JIAP及びその連結子会社は当社の連結範囲から除外されることとなりました。また、2026年1月6日(米国現地時間)に当社の米国における非連結子会社Iconの全株式を現地マネジメントが設立した法人に譲渡完了しました。そのため、「(2)生産、受注及び販売の実績」につきましては、当社が運用する国内ファンドの状況を記載しております。

(注)用語説明
| 名 称 | 定 義 |
| ファンド | 当社が運用するファンド(投資事業有限責任組合契約に関する法律上の組合等) |
①投資実行額
①-1 エクイティ投資実行額:業種別
| (単位:百万円) |
| 前事業年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 当事業年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | |
| 金額 | 金額 | |
| エレクトロニクス | 689 | 997 |
| ソフトウェア | 2,010 | 1,944 |
| ITサービス | 16,510 | 10,392 |
| 医療・バイオ | 525 | 1,418 |
| サービス | 6,800 | 1,792 |
| 製造業 | 1,479 | 1,065 |
| 流通・小売・外食 | - | 274 |
| 住宅・金融等 | - | 1,486 |
| 合計 | 28,014 | 19,371 |
①-2 エクイティ投資実行額
| (単位:百万円) |
| 前事業年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 当事業年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | |||
| 金額 | 社数 | 金額 | 社数 | |
| ベンチャー投資 | 17,023 | 44 | 13,373 | 40 |
| バイアウト投資 | 10,991 | 8 | 5,998 | 5 |
| 合計 | 28,014 | 52 | 19,371 | 45 |
(注)「投資実行額」は、当社が運用するファンド全体の金額であります。
②投資残高
②-1 投資残高
| (単位:百万円) |
| 前事業年度 (2025年3月31日) | 当事業年度 (2026年3月31日) | |||
| 金額 | 社数 | 金額 | 社数 | |
| 上場 | 6,508 | 30 | 2,924 | 23 |
| 未上場 | 143,633 | 183 | 151,861 | 192 |
| 合計 | 150,141 | 213 | 154,785 | 215 |
②-2 未上場エクイティ投資残高:業種別
| (単位:百万円) |
| 前事業年度 (2025年3月31日) | 当事業年度 (2026年3月31日) | |
| 金額 | 金額 | |
| エレクトロニクス | 7,426 | 8,106 |
| ソフトウェア | 8,424 | 9,994 |
| ITサービス | 79,463 | 86,513 |
| 医療・バイオ | 8,215 | 9,634 |
| サービス | 21,141 | 21,512 |
| 製造業 | 8,313 | 6,969 |
| 流通・小売・外食 | 9,017 | 6,014 |
| 住宅・金融等 | 1,630 | 3,116 |
| 合計 | 143,633 | 151,861 |
②-3 未上場エクイティ投資残高
| (単位:百万円) |
| 前事業年度 (2025年3月31日) | 当事業年度 (2026年3月31日) | |
| 金額 | 金額 | |
| ベンチャー投資 | 104,632 | 114,564 |
| バイアウト投資 | 39,000 | 37,297 |
| 合計 | 143,633 | 151,861 |
(注)1.「投資残高」は、当社が運用するファンド全体の金額であります。
2.「投資残高」は取得原価で表示しております。
③ファンドの運用状況
| 前事業年度 (2025年3月31日) | 当事業年度 (2026年3月31日) | ||||
| ファンド数 | コミットメント 総額 | ファンド数 | コミットメント 総額 | ||
| 円建 | (百万円) | (百万円) | |||
| 運用中 | 11 | 252,800 | 11 | 252,800 | |
| 延長中 | 5 | 60,000 | 5 | 60,000 | |
| 合計 | 16 | 312,800 | 16 | 312,800 | |
| コミットメント総額に占める 当社の 出資持分割合 | 34.7% | 34.7% |
(注)1.2025年12月にジャフコSV8シリーズを設立いたしました。2026年4月24日現在、ジャフコSV8シリーズ全体のファンド総額は約580億円であり、前回SV7シリーズの総額978億円を上回る金額を目標とし、募集を継続中であります。なお、上表の当事業年度のファンド数、コミットメント総額は、ジャフコSV8シリーズを含んでおりません。
2.「コミットメント総額」は、契約上出資が約束されている額の総額であります。
④主なEXIT実績
当事業年度における当社の投資先の新規IPOは2社でした。詳細は「④-1 IPO(新規上場)の状況」をご参照ください。
また、当事業年度におけるM&AによるEXITとしては、バイアウト投資先の㈱PAPABUBBLE JAPAN HDや㈱ウォーターフロント等の株式譲渡を実行しております。
④-1 IPO(新規上場)の状況
前事業年度(2024年4月1日~2025年3月31日)
| 投資先会社名 | 上場年月日 | 上場市場 | 事業内容 | 本 社 所在地 | |
| ベンチャー投資:6社 | ㈱アストロスケールホールディングス | 2024年6月5日 | グロース | スペースデブリの除去を中心とした、宇宙空間での軌道上サービスの提供 | 東京都 |
| Chordia Therapeutics㈱ | 2024年6月14日 | グロース | 新規抗がん剤の研究開発 | 神奈川県 | |
| ㈱タイミー | 2024年7月26日 | グロース | スキマバイトのマッチングサービスの運営 | 東京都 | |
| ㈱オルツ | 2024年10月11日 | グロース | パーソナル人工知能「P.A.I.」の開発、AI議事録等Saasツールの開発・提供 | 東京都 | |
| dely㈱ | 2024年12月19日 | グロース | 「クラシル」、「クラシルリワード」をはじめとする複数のスマートフォンアプリ及びWebメディアの運営 | 東京都 | |
| ㈱Synspective | 2024年12月19日 | グロース | 小型SAR衛星開発製造及び衛星データソリューション提供 | 東京都 | |
| バイアウト投資:2社 | インフォメティス㈱ | 2024年12月9日 | グロース | 機械学習(AI:人工知能)を活用したエネルギー・データ・マネジメント・サービス | 東京都 |
| プログレス・テクノロジーズ グループ㈱ | 2025年3月28日 | グロース | 設計開発に特化したコンサル・ソリューション・プロジェクトサービス・エンジニアリングサービスなどのワンストップサービスの展開 | 東京都 |
当事業年度(2025年4月1日~2026年3月31日)
| 投資先会社名 | 上場年月日 | 上場市場 | 事業内容 | 本 社 所在地 | |
| ベンチャー投資:1社 | ㈱ミラティブ | 2025年12月18日 | グロース | スマホゲーム実況/ライブ配信を中心としたコミュニケーションサービス「Mirrativ」の運営 | 東京都 |
| バイアウト投資:1社 | 伊澤タオル㈱ | 2025年6月20日 | スタンダード | タオル製品等の企画・製造及び販売 | 東京都 |
(3)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
①重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、資産、負債、収益及び費用の額に影響を与える仮定や見積りを必要とします。
これらの仮定や見積りは、過去の実績や現在の状況等を勘案し合理的に判断していますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる可能性があります。
当社の財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績
「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおり、当事業年度の当社の売上高は21,619百万円(前期比23.3%減)、営業利益は5,607百万円(前期比53.5%減)となりました。営業外収益は、有価証券利息配当金の増加等により、2,663百万円(前期比94.7%増)となりました。また、営業外費用は、他社ファンド運用損の発生等により、2,365百万円(前期比735.3%増)となりました。この結果、経常利益は5,905百万円(前期比55.1%減)となりました。特別利益は、投資有価証券売却益、子会社株式売却益により2,493百万円となり、特別損失は子会社株式売却損により163百万円となりました(前期の特別利益及び特別損失の計上はありません)。税効果会計適用後の法人税等は1,658百万円(前期比52.9%減)となりました。以上の結果、当期純利益は6,576百万円(前期比31.7%減)となりました。
b.財政状態
当事業年度末における当社の財政状態は、流動資産120,472百万円(前期比23.5%減)、固定資産37,384百万円(前期比485.7%増)、流動負債1,679百万円(前期比65.1%減)、固定負債22,064百万円(前期比2.7%増)、純資産は134,113百万円(前期比2.5%減)となり、総資産は157,856百万円(前期比3.6%減)となりました。
なお、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおり、当事業年度中に、JIAP及びIconが運用するファンドへの当社出資持分の会計処理を総額法から純額法に変更しております。その結果、これまで当該出資持分に含まれる現金及び預金や営業投資有価証券は、それぞれ貸借対照表上「現金及び預金」、「営業投資有価証券」として計上しておりましたが、当該変更により「投資有価証券」に振り替え、純額で計上しております。
そのため、流動資産については、現金及び預金が、上記の振替と、配当金の支払、自己株式の取得による支出等により前期末から4,912百万円減少しております。また、営業投資有価証券も、主に上記の振替により前期末から38,560百万円減少しています。一方で、固定資産については、投資有価証券が主に上記の振替により前期末から33,553百万円増加しています。
流動負債については、未払法人税等が前年度から3,339百万円減少し、固定負債については、繰延税金負債が前期末から720百万円増加しております。
c.キャッシュ・フローの状況
「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご覧ください。
d.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社の経営成績等に特に重要な影響を与える要因である、投資実行、キャピタルゲイン、投資損失引当金、営業投資有価証券の残高、ファンドの運用業務の各状況に関する認識及び分析・検討は次のとおりです。
(投資実行の状況)
「(2)生産、受注及び販売の実績 ①投資実行額」に記載のとおり、当事業年度の当社が運用するファンド全体の投資実行額は、19,371百万円(前期28,014百万円)、投資会社数は45社(前期52社)となりました。年間投資実行額は250~300億円前後の水準としていますが、バイアウト投資における投資実行のタイミングのずれによる影響等により、当事業年度は前期比で投資実行額が減少しました。
(キャピタルゲインの状況)
当事業年度における当社の投資先の新規IPOは2社であり、当社及び当社が運用する国内ファンドへの当社出資分(以下、「国内投資分」)に係るキャピタルゲインは前事業年度を下回りました。
なお、これまでJIAP及びIconが運用するファンドへの当社出資持分は営業投資有価証券として総額法にて会計処理しており、出資持分にかかる損益は売上高、売上原価に計上していましたが、株式譲渡に伴い、JIAPのファンドについては2026年3月期第3四半期首である2025年10月1日をもって、Iconのファンドについては2026年3月期第3四半期末である2025年12月31日をもって、それぞれ投資有価証券として純額法にて会計処理することに変更し、それ以降の出資持分にかかる損益については営業外損益として計上しております。
前事業年度及び当事業年度の売上高、売上原価には、上記のとおり、株式譲渡前に計上したJIAP及びIconが運用するファンドへの当社出資持分に係る金額が含まれておりますため、業績比較の参考数値として、以下の表では、国内投資分に係る金額を内数として記載しております。
| (単位:百万円) |
| 前事業年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 当事業年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 対前期比(%) (B)/(A) | ||||
| 決算数値 | うち、国内投資分 (A) | 決算数値 | うち、国内投資分 (B) | |||
| 営業投資有価証券 売上高① | 23,382 | 19,377 | 17,973 | 14,850 | 76.6 | |
| 売却高 | 23,036 | 19,050 | 17,664 | 14,557 | 76.4 | |
| 配当金・債券利子 | 345 | 327 | 308 | 292 | 89.4 | |
| 営業投資有価証券 売上原価② | 10,840 | 8,995 | 9,934 | 5,383 | 59.8 | |
| 売却原価 | 10,840 | 8,995 | 8,263 | 5,383 | 59.8 | |
| 強制評価損 | - | - | 1,671 | - | - | |
| キャピタルゲイン ①-② | 12,541 | 10,381 | 8,038 | 9,467 | 91.2 |
| 投資倍率 ①÷② | 2.16 | 2.15 | 1.81 | 2.76 | - |
| 上場キャピタルゲイン | 9,395 | 8,768 | 8,401 | 8,037 | 91.7 | |
| 上場以外キャピタルゲイン | 3,145 | 1,613 | △363 | 1,429 | 88.6 | |
| 売却益 | 4,493 | 2,539 | 2,568 | 2,183 | 86.0 | |
| 売却損 | 1,347 | 925 | 2,931 | 753 | 81.4 | |
(投資損失引当金の状況)
当事業年度の国内投資分に係る投資損失引当金は、投資損失引当金の繰入が取崩を上回り、対前期末比で投資損失引当金残高は増加しております。未上場営業投資有価証券残高に対する引当率も増加しました。
なお、これまで、JIAP及びIconが運用するファンドへの当社出資持分に係る損失見積額は投資損失引当金として総額法にて会計処理しており、引当金に係る損益は投資損失引当金繰入額に計上していましたが、株式譲渡に伴い、JIAPのファンド出資持分については2026年3月期第3四半期首である2025年10月1日をもって、Iconのファンド出資持分については2026年3月期第3四半期末である2025年12月31日をもって、それぞれのファンドへの当社出資持分からその引当金を除いた純額を、投資有価証券として純額法にて会計処理することに変更し、それ以降の出資持分に係る損益については営業外損益として計上しております。
前事業年度の投資損失引当金残高及び、前事業年度及び当事業年度の投資損失引当金繰入額、取崩額には、上記のとおり、株式譲渡前に計上したJIAP及びIconが運用するファンドへの当社出資持分に係る金額が含まれておりますため、業績比較の参考数値として、以下の表では、国内投資分に係る金額を内数として記載しております。
| (単位:百万円) |
| 前事業年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 当事業年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 対前期比(%) (B)/(A) | |||
| 決算数値 | うち、国内投資分 (A) | 決算数値 | うち、国内投資分 (B) | ||
| 投資損失引当金繰入額① | 2,572 | 1,477 | 3,466 | 2,349 | 159.0 |
| 投資損失引当金取崩額② | 2,884 | 2,594 | 2,715 | 1,108 | 42.7 |
| 投資損失引当金繰入額 (純額・△は戻入額) ①-② | △311 | △1,117 | 751 | 1,241 | - |
| (単位:百万円) |
| 前事業年度 (2025年3月31日) | 当事業年度 (2026年3月31日) | |||
| 決算数値 | うち、 国内投資分 | 決算数値 | うち、国内投資分 | |
| 投資損失引当金残高 | 13,090 | 7,697 | 8,940 | 8,940 |
| 未上場営業投資有価証券残高に対する引当率 | 15.8% | 16.8% | 19.3% | 19.3% |
(営業投資有価証券残高の状況)
既存上場営業投資有価証券の売却等の影響により、当事業年度末の国内投資分に係る営業投資有価証券の残高は対前期末比で減少しております。
なお、これまで、JIAP及びIconが運用するファンドへの当社出資持分は営業投資有価証券として総額法にて会計処理しており、出資持分に係る損益は売上高、売上原価に計上していましたが、株式譲渡に伴い、JIAPのファンド出資持分については2026年3月期第3四半期首である2025年10月1日をもって、Iconのファンド出資持分については2026年3月期第3四半期末である2025年12月31日をもって、それぞれ投資有価証券として純額法にて会計処理することに変更しており、それ以降の出資持分に係る損益については営業外損益として計上しております。
また、前事業年度の営業投資有価証券残高には、上記のとおり、株式譲渡前に計上したJIAP及びIconが運用するファンドへの当社出資持分に係る金額が含まれておりますため、業績比較の参考数値として、以下の表では、国内投資分に係る金額を内訳として記載しております。
| 営業投資有価証券残高 | (単位:百万円) |
| 前事業年度 (2025年3月31日) | 当事業年度 (2026年3月31日) | |||||||
| 決算数値 | うち、国内投資分 | 決算数値 | うち、国内投資分 | |||||
| 取得原価 | 貸借対照表計上額 | 取得原価 | 貸借対照表計上額 | 取得原価 | 貸借対照表計上額 | 取得原価 | 貸借対照表計上額 | |
| 上場 | 3,608 | 20,359 | 3,113 | 19,380 | 1,294 | 18,290 | 1,294 | 18,290 |
| 未上場 | 75,948 | 82,763 | 45,131 | 45,812 | 45,491 | 46,271 | 45,491 | 46,271 |
| 合計 | 79,556 | 103,123 | 48,245 | 65,193 | 46,785 | 64,562 | 46,785 | 64,562 |
| (単位:百万円) |
| 前事業年度 (2025年3月31日) | 当事業年度 (2026年3月31日) | ||
| 国内投資分に係る上場営業投資有価証券の取得原価と時価の差額 | 16,266 | 16,996 | |
| 時価が取得原価を超えるもの | 16,269 | 17,176 | |
| 時価が取得原価を超えないもの | △2 | △179 | |
| (単位:百万円) |
| 前事業年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 当事業年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | |
| 部分純資産直入法に基づく営業投資有価証券評価損(△戻入益) | △2 | 177 |
(ファンドの運用業務の状況)
SV4シリーズのEXIT進捗等により、当事業年度の国内投資に係る成功報酬は前事業年度の水準を下回りました。
なお、前事業年度及び当事業年度の投資事業組合管理収入には、株式譲渡前に計上したJIAP及びIconが運用するファンドに係る損益が含まれておりますため、業績比較の参考数値として、以下の表では、国内投資分に係る損益を内訳として記載しております。
| (単位:百万円) |
| 前事業年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 当事業年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 対前期比(%) (B)/(A) | ||||
| 決算数値 | うち、国内投資分 (A) | 決算数値 | うち、国内投資分 (B) | |||
| 投資事業組合管理収入 | 4,791 | 4,650 | 3,639 | 3,544 | 76.2 | |
| 管理報酬 | 3,459 | 3,320 | 3,208 | 3,114 | 93.8 | |
| 成功報酬 | 1,332 | 1,330 | 430 | 430 | 32.4 | |
(注)管理報酬及び成功報酬は、当社の出資持分相当額を相殺した後の金額となっております。
e.当社の資本の財源及び資金の流動性
当社の資金需要のうち主なものはファンドへの投資資金、販売費及び一般管理費等であり、販売費及び一般管理費等の主なものは、人件費及び不動産費等であります。ファンドの運用資産の大半は未上場企業であり、時価もなく流動性が極めて限定されます。従って、どのような環境にあっても、継続して投資を行うために強固な財務基盤が求められます。
当事業年度の純資産額は134,113百万円(前期末137,540百万円)、自己資本比率については85.0%(前期末84.0%)となりました。貸借対照表に計上されている61,183百万円の現金及び預金の中には、各ファンドに当社が既に出資した分も含まれています。
なお、当社は、後述の「株主還元についての方針」に基づき、投資継続のための必要資金を将来にわたり段階的に縮小させ、必要資金を超える現預金については自己株式の取得を検討することとしております。
株主還元についての方針
当社は、2026年3月期の配当から、年間配当金額をDOE(前期末株主資本に対する年間配当金額の割合)6%と配当性向50%のいずれか大きい金額とすることとしております。
なお、当社は、2026年3月期第3四半期より連結決算から非連結(個別)決算へ移行しております。2026年1月7日公表の「非連結決算への移行に関するお知らせ」に記載の通り、当事業年度の配当予想は、前期末連結株主資本に対する年間配当金額の割合(DOE)を6%として計算された132.88円を元に1株当たり133円を最低額として開示しておりました。非連結(個別)決算の移行に伴い、これを前期末単体株主資本を使用して計算すると132.18円となることから、配当予想は変更せず、前期末連結株主資本を基準としたDOE6%と個別決算における当期純利益の50%のいずれか大きい額を年間配当金額としております。
当事業年度の年間配当金額は、DOE6%(1株当たり133円)が配当性向50%(1株当たり62円)を上回るため、1株当たり133円といたしました。そのため、当事業年度の期末配当額は、本年間配当金額から中間配当額(1株当たり66.5円)を控除して、1株当たり66.5円といたしました。
翌事業年度以降の配当については、年間配当金額をDOE6%と配当性向50%のいずれか大きい金額とする方針に変更はなく、個別決算数値を基に決定してまいります。
また、必要資金を超える現預金は、自己株式の取得を検討することとしており、この方針に変更はありません。今後も、資本効率の向上と成長戦略の推進による企業価値向上を目指してまいります。

f.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社における最大の経営テーマは、ファンドパフォーマンスを持続的に向上させることです。当社は、ファンド運用事業の単一セグメントであり、収益の源泉はファンドからの管理収入(管理報酬・成功報酬)とファンドへの直接出資持分からのキャピタルゲインであることから、運用中の各ファンドのパフォーマンスを高めていくことが、中長期的な好業績の継続につながっていきます。
なお、当社の中長期的目標として掲げた指標は、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(2)会社の対処すべき課題 3)中長期的目標」に記載のとおりです。
(ご参考)運用中(延長中を含む)の主な国内ファンドのパフォーマンスは次のとおりです。
| ファンド | 設立年月 | 出資金 総額 (億円) | 払込済 出資金額 (億円) | 分配金 累計額 (億円) | 純資 産額 (億円) | グロス倍率 (倍) | ネット倍率 (倍) | ||
| 2026年3月末 | 2025年3月末 | 2026年3月末 | 2025年3月末 | 2026年3月末 | |||||
| SV-4(B) | 2013年3月 | 291 | 291 | 557 | 16 | 2.38 | 2.38 | 1.98 | 1.97 |
| SV-5(B) | 2016年8月 | 498 | 473 | 257 | 211 | 1.18 | 1.17 | 1.03 | 0.99 |
| SV-6 | 2019年6月 | 640 | 627 | 384 | 423 | 1.45 | 1.48 | 1.28 | 1.29 |
| V7 | 2022年6月 | 560 | 452 | - | 400 | 1.00 | 1.00 | 0.89 | 0.89 |
| BO7 | 2022年6月 | 288 | 252 | 5 | 205 | 1.02 | 0.92 | 0.93 | 0.84 |
(注)1.グロス倍率とネット倍率の算出方法は次のとおりです。
グロス倍率(売却金額(未売却投資先の評価金額を含む)÷投資金額)
ネット倍率((分配金累計額+純資産額)÷払込済出資金額)
2.純資産額において、未売却投資先の評価については、上場株式は期末日の時価で評価しており、外貨建の上場株式は期末日の為替レートで換算しております。未上場投資先については、時価算定会計基準の適用に伴い、新株予約権付社債、新株予約権等の株式以外の投資等は時価で評価し、未上場株式は、マークアップ(未実現評価益の計上)せず、マークダウン(未実現評価損の計上)のみを行っています。なお、外貨建の未上場株式についても期末日の為替レートで換算しております。
g.セグメントごとの財政状態及び経営成績に関する認識及び分析・検討内容
当社は、ファンド運用事業の単一セグメントであります。