有価証券報告書-第49期(平成30年1月1日-平成30年12月31日)

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2019/03/25 13:22
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府の経済政策や金融政策を背景に、雇用・所得環境の改善が続き、景気は回復基調が続きました。しかしながら欧米の政治動向の影響等による海外経済の不確実性、金融資本市場の変動の影響、さらには、相次いでいる自然災害の景気への影響など、先行き不透明な状況が続きました。
このような状況の下、当社グループは主力事業である経営コンサルティング事業の業績が好調に推移し、連結経営成績は引続き過去最高の売上高及び利益を達成することができました。
主力の経営コンサルティング事業における業種・テーマ別に開催している経営研究会において、ビジネスモデル及び会員サービスの充実により会員数が増加し、コンサルティング収入が増加いたしました。また、経営コンサルティング事業におけるWEB広告運用代行サービス及びダイレクトリクルーティング事業のサービスアカウント数が大きく増加いたしました。
これらの結果、売上高21,697百万円(前連結会計年度比16.1%増)、営業利益4,946百万円(同6.8%増)、経常利益5,008百万円(同7.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益3,549百万円(同10.7%増)となり、過去最高益を更新いたしました。
当連結会計年度のセグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
なお、第1四半期連結会計期間に「ダイレクトリクルーティング事業」を行う株式会社HR Forceを設立し、連結の範囲に含めております。これに伴い、従来「経営コンサルティング事業」に含まれていた「ダイレクトリクルーティング関連業務」を、新たな事業セグメントである「ダイレクトリクルーティング事業」とし、「その他」に含めております。また、第2四半期連結会計期間に新たに連結子会社といたしました「システム開発事業」を営む新和コンピュータサービス株式会社を「その他」に含めております。さらに、第3四半期連結会計期間において株式会社船井総合研究所から船井総研ロジ株式会社へ「物流コンサルティング業務」を吸収分割の方法により事業移管いたしました。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表注記事項 (セグメント情報等)」に記載のとおりであります。
・経営コンサルティング事業
経営コンサルティング事業の業種別におきましては、当事業の主力部門である住宅・不動産業界向けコンサルティングにおいて、引続き中小企業向けの業績向上ソリューションの確立が進んだこと、中堅・大手企業向けのプロジェクト案件が増加したことにより、前連結会計年度に比べて売上高が増加いたしました。また、医療・介護・福祉業界、士業業界向けコンサルティングにおいても、経営研究会の会員数増加により順調に売上高が増加いたしました。
テーマ別におきましては、従来の成長実行支援に加え、人材開発コンサルティングについても順調に売上高を伸ばすことができました。その結果、売上高は17,099百万円(前連結会計年度比11.9%増)、営業利益は4,559百万円(同8.5%増)となりました。
・ロジスティクス事業
ロジスティクス事業におきましては、主力の物流オペレーション業務において既存顧客及び新規顧客の受注が順調に増加いたしました。また、第3四半期連結会計期間において、株式会社船井総合研究所から船井総研ロジ株式会社へ「物流コンサルティング業務」を吸収分割の方法により事業移管し、そのシナジー効果により業績は好調に推移いたしました。利益面におきましては、比較的利益率の高い物流コンサルティング業務が増加したことにより増益となりました。その結果、売上高は2,452百万円(前連結会計年度比12.1%増)、営業利益は256百万円(同18.5%増)となりました。
・その他
その他の事業のコンタクトセンターコンサルティング事業におきましては、売上高において十分に確保することが出来ませんでしたが、ITコンサルティング事業におきましては、システムコンサルティング業務において引続き複数の大型案件を計上することが出来ました。なお、第2四半期連結会計期間より「IT関連事業」としていた事業セグメントの名称をより実体を示すため「ITコンサルティング事業」に変更しております。当該変更は名称変更のみであり、セグメント情報に与える影響はありません。
また、第1四半期連結会計期間に新たに設立した株式会社HR Forceにおけるダイレクトリクルーティング事業におきましても、採用広告運用代行サービスのアカウント数が伸び、順調に売上高が増加いたしました。
さらに、第2四半期連結会計期間より、新たに連結子会社といたしました「システム開発事業」を営む新和コンピュータサービス株式会社の業績を第3四半期連結会計期間からその他の事業に取り込んだ結果、売上高は2,121百万円(前連結会計年度比77.2%増)、営業利益は48百万円(同33.4%減)となりました。
また、当連結会計年度における財政状態の概況は次のとおりであります。
・資産の部
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて、1,170百万円増加し、26,821百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べて892百万円増加し、14,696百万円となりました。これは主に現金及び預金、受取手形及び売掛金の増加によるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて278百万円増加し、12,125百万円となりました。これは主に有形及び無形固定資産の減価償却に伴う減少及び投資有価証券の余資運用に伴う増加によるものであります。
・負債の部
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて424百万円増加し、4,450百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べて602百万円増加し、3,675百万円となりました。これは主に未払法人税等及び流動負債のその他に含まれる未払金が増加したことによるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて177百万円減少し、775百万円となりました。これは主に繰延税金負債の減少によるものであります。
・純資産の部
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べて746百万円増加し、22,370百万円となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益による増加、剰余金処分に伴う利益剰余金の減少によるものであります。
その結果、自己資本比率は前連結会計年度末より1.4ポイント減少し81.9%となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて566百万円増加し、11,022百万円となりました。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
・営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果得られた資金は3,554百万円(前連結会計年度は3,950百万円の資金の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が5,317百万円となり、売上債権の増加額が437百万円、法人税等の支払額が1,682百万円、法人税等の還付額が333百万円となったことによるものであります。
・投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果使用した資金は222百万円(前連結会計年度は982百万円の資金の使用)となりました。これは主に、有形及び無形固定資産の取得による支出が224百万円となったことによるものであります。
・財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果使用した資金は2,762百万円(前連結会計年度は1,176百万円の資金の使用)となりました。これは主に、自己株式の取得及び売却による差引支出が975百万円、配当金の支払額が1,771百万円となったことによるものであります。
(参考) キャッシュ・フロー関連指標の推移
2014年12月期2015年12月期2016年12月期2017年12月期2018年12月期
自己資本比率(%)81.181.383.583.381.9
時価ベースの自己資本比率
(%)
137.0263.2270.2498.8308.8
キャッシュ・フロー対有利子
負債比率(年)
0.20.30.20.20.2
インタレスト・カバレッジ・
レシオ(倍)
250.7326.3355.8717.7645.9

(注) 1 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値を用いて、以下の計算式により算出しております。
自己資本比率: 自己資本/ 総資産
時価ベースの自己資本比率: 株式時価総額/ 総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率: 有利子負債/ 営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ: 営業キャッシュ・フロー/ 利払い
2 株式時価総額は、期末株価終値×自己株式控除後の期末発行済株式数により算出しております。
3 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、短期借入金、長期借入金、1年内償還予定の社債及び社債を対象としております。
4 営業キャッシュ・フロー及び利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書に計上されている「営業活動によるキャッシュ・フロー」及び「利息の支払額」を用いております。
③受注及び販売の状況
・受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)
経営コンサルティング事業13,816,638109.26,462,351120.1
ロジスティクス事業693,381112.2231,890132.7
その他520,99796.563,70397.3

(注)1 経営コンサルティング事業については、会費収入、セミナー収入は継続収入であるため、コンサルティング収
入についてのみ記載いたしました。
2 ロジスティクス事業については、物流コンサルティング収入についてのみ記載しております。なお、前年同期
比については、経営コンサルティング事業内にありました物流コンサルティング業務を移管したため、遡及修正後の数値で比較を行っております。
3 その他の事業については、ITコンサルティング収入及びコンタクトセンターコンサルティング収入について
のみ記載しております。
4 金額は販売価格で表示しております。
5 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
・販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(千円)前年同期比(%)
経営コンサルティング事業17,099,170111.9
ロジスティクス事業2,452,580112.1
その他2,121,691177.2

(注)1 販売実績は、外部顧客に対する売上高を表示しております。なお、前年同期比については、遡及修正後の
数値で比較を行っております。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
3 総販売実績に対して10%以上に該当する相手先はありません。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、資産および負債または損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績等の連結財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討
a 経営成績の分析
売上高におきましては、業種・テーマ別に開催している経営研究会において、ビジネスモデル及び会員サービスの充実により会員数が増加し、また、経営コンサルティング事業におけるWEB広告運用代行サービス及びダイレクトリクルーティング事業のサービスアカウント数が大きく増加いたしました。その結果、売上高は前連結会計年度に比べて16.1%増の21,697百万円となりました。
営業利益におきましては、WEB広告運用代行サービス及びダイレクトリクルーティング事業が伸びたことにより売上原価が増加いたしましたが、主力の経営コンサルティング事業において、営業活動の効率化や増収により、堅調に営業利益を確保することができました。その結果、営業利益は前連結会計年度に比べて6.8%増の4,946百万円となりました。
経常利益におきましては、還付消費税等の計上等により営業外収益が121百万円(前連結会計年度は103百万円)、営業外費用が58百万円(同54百万円)となりました。その結果、経常利益は前連結会計年度に比べて7.0%増の5,008百万円となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益におきましては、投資有価証券の売却益319百万円を特別利益に計上し、また、法人税等合計が1,767百万円(前連結会計年度は1,480百万円)となったことにより、前連結会計年度に比べて10.7%増の3,549百万円となりました。
b 資本の財源及び資金の流動性について
当社グループの資金需要の主なものは、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。
当社グループの資金の源泉は主として営業活動によるキャッシュ・フローであります。
③経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、2019年12月期を最終年度とする新中期経営計画「Great Value 2020」を推進しており、同計画において連結売上高23,500百万円、連結営業利益5,400百万円を最終年度に達成すべき数値目標として定めております。
同計画の初年度で当初計画しておりました数値を大幅に上回ったため計画数値の上方修正を実施し、2年目である2018年12月期においても数値目標を達成してまいりました。最終年度についても達成すべく、業績及び資本効率の向上に取り組んでまいります。