有価証券報告書-第53期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
※当社グループは当連結会計年度(2020年4月1日から2021年3月31日まで)より、従来の日本基準に替えてIFRSを適用しており、前連結会計年度の数値をIFRSに組み替えて比較分析を行っております。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、世界的に広がる新型コロナウイルス感染の影響が続くなか依然として厳しい状況にありますが、企業の業況判断が改善傾向にある等、景気は持ち直しの動きが続きました。
日本経済の先行きにつきましては、新型コロナウイルス感染拡大の防止策を講じつつ、海外経済の改善や各種政策の効果もあるなかで、持ち直しの動きが継続することが期待されますが、国内外の感染症の動向については引き続き注視する必要があり、企業経営においては、慎重かつ果断な判断が求められるものと考えております。
このような経済環境の下、ITサービス市場におきましては、新型コロナウイルス感染拡大の影響から、顧客企業におけるIT投資は個社ごとに跛行性が見られる状況にありましたが、ニューノーマルを模索するなかでのIT投資やDXを想定したシステムの再構築需要等、顧客企業におけるIT投資への意欲は継続しております。
当社グループにおける顧客企業の動向につきましては、製造業企業は、事業の回復傾向が見え始めたなかで、次期システム開発やシステム更新需要が顕在化するとともに、戦略的事業関連への投資意欲は継続しており、IT投資需要は増加の傾向にありました。流通業企業は、基幹システム再構築案件等のIT投資需要により、堅調に推移いたしました。金融業企業は、マネジメントサービスへの需要や、今後の事業強化や拡大に繋がる、海外オペレーションの強化・拡充に向けた対応等、IT投資需要は増加基調にありました。
また、顧客企業のIT人材不足や顧客企業経営層の業務効率と生産性向上への強い意欲等を背景に、各種クラウド型ITサービスへの需要、ソフトウェアのエンドオブサービスに対応する基幹システム再構築等の投資需要は継続しており、加えてコロナ禍におけるニューノーマルのなかで、リモートワークを主体とした非対面・非接触の動きを受けてのデジタル化は加速しつつあります。
こうした動きのなか、DXを想定したシステムの再構築や顧客接点の高度化等への戦略的IT投資需要は、今後も継続するものと考えております。
(1)財政状態の状況
資産、負債及び資本の状況
(資産)
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に対し18,157百万円増加し、380,399百万円となりました。
(a) 流動資産
当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末に対し1,367百万円減少し、212,524百万円となりました。
(b) 非流動資産
当連結会計年度末の非流動資産は、前連結会計年度末に対し19,525百万円増加し、167,875百万円となりました。
(負債)
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に対し8,774百万円減少し、153,060百万円となりました。
(a) 流動負債
当連結会計年度末の流動負債は、前連結会計年度末に対し3,738百万円減少し、97,820百万円となりました。
(b) 非流動負債
当連結会計年度末の非流動負債は、前連結会計年度末に対し5,036百万円減少し、55,240百万円となりました。
(資本)
当連結会計年度末の資本は、前連結会計年度末に対し26,932百万円増加し、227,338百万円となりました。
主な増加要因は、親会社の所有者に帰属する当期利益33,435百万円及び確定給付負債(資産)の純額の再測定6,167百万円によるものであります。
主な減少要因は、2020年3月期期末配当金(1株当たり65.0円(創立50周年記念配当10.0円含む))6,763百万円並びに2021年3月期中間配当金(1株当たり65.0円)6,763百万円によるものであります。
セグメント別資産の状況
(産業IT)
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に対し、2,925百万円増加し、50,407百万円となりました。
(金融IT)
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に対し、995百万円増加し、15,535百万円となりました。
(ITソリューション)
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に対し、1,295百万円増加し、17,797百万円となりました。
(ITプラットフォーム)
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に対し、5,747百万円増加し、41,981百万円となりました。
(ITマネジメント)
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に対し、3,741百万円増加し、66,857百万円となりました。
(その他)
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に対し、5,023百万円減少し、23,897百万円となりました。
(2)経営成績の状況
当連結会計年度の業績につきましては、売上高は、システム販売が減収となりましたが、システム開発並びに保守運用・サービスの増収により、前期比3.0%増の396,853百万円となりました。
売上総利益は、増収に伴う増益や不採算案件の減少等により増益となりました。また、販売費及び一般管理費につきましては、人員の増加や新人事制度の導入に伴い人件費等が増加したものの、前期の一過性の費用が減少したこと等により、ほぼ前期並みとなっております。結果、営業利益は、前期比14.6%増の45,878百万円となりました。
親会社の所有者に帰属する当期利益につきましては、営業利益の増加に加えて、賃上げ税制の適用による法人所得税費用の減少の影響もあり、前期比16.2%増の33,435百万円となりました。
当社グループはさらなる成長に向け、成長戦略として「サステナビリティ経営」を推進します。経営理念とマテリアリティを当社グループの存在意義としたうえで、社会と共に持続的発展を目指し、「2030年 共創ITカンパニー」の実現のため、策定した中期経営計画において、3つの基本戦略「事業革新」、「DX事業化」、「人財投資」と、3つの経営基盤強化策「グループ総合力強化」、「人を活かす経営の推進」、「共創の企業文化づくり」に取り組むことにより、グローバルベースでの事業拡大を目指します。
① 売上高
当連結会計年度の売上高は、前期比3.0%増の396,853百万円となりました。
また、サービス特性別の「システム開発」「保守運用・サービス」「システム販売」の各売上区分別売上高は次のとおりであります。
システム開発は、製造業や流通業、金融業、通信業からの引き続き強いIT投資需要を背景に、戦略的事業投資や基幹システムの再構築案件に加えて、顧客接点の強化のためのIT投資等が貢献し、売上高は前期比4.4%増の163,090百万円となりました。
保守運用・サービスは、検証サービスが減少したものの、マネジメントサービスが拡大したこと、また、コンタクトセンター需要の増加によるBPOビジネスが引き続き堅調に推移し、売上高は前期比6.4%増の152,518百万円となりました。
システム販売は、コロナ禍におけるネットワーク製品、セキュリティ製品の需要拡大、また、通信業向けネットワーク機器販売の増加等がありましたが、自動車業向けのサーバー、ストレージ等のハードウェア製品の販売減や通信業向けネットワーク機器の次世代モデルの開発遅延による減収があり、売上高は前期比5.2%減の81,243百万円となりました。
② 売上総利益
当連結会計年度の売上総利益は、増収に伴う増益や不採算案件の減少等により、前期比5.9%増の102,969百万円となりました。
③ 販売費及び一般管理費
当連結会計年度の販売費及び一般管理費については、前期比横ばいの57,168百万円となりました。
④ その他収益・その他費用[純額]
当連結会計年度のその他収益(費用)は、前連結会計年度の1百万円の収益[純額]から75百万円増加し、77百万円の収益[純額]となりました。
⑤ 営業利益
以上により、当連結会計年度の営業利益は、前期比14.6%増の45,878百万円となりました。
⑥ 金融収益・金融費用・持分法による投資損益[純額]
当連結会計年度の金融費用(収益)は、前連結会計年度の446百万円の費用[純額]から127百万円減少し、318百万円の費用[純額]となりました。また、当連結会計年度の持分法による投資利益(損失)は、前連結会計年度の976百万円の利益[純額]から21百万円増加し、997百万円の利益[純額]となりました。
⑦ 税引前当期利益
当連結会計年度の税引前当期利益は、前期比14.7%増の46,557百万円となりました。
⑧ 法人所得税費用
当連結会計年度の法人所得税費用は、前期比11.0%増の13,011百万円となりました。
⑨ 非支配持分に帰属する当期利益
当連結会計年度の非支配持分に帰属する当期利益は、110百万円となりました。
⑩ 親会社の所有者に帰属する当期利益
親会社の所有者に帰属する当期利益は、前期比16.2%増の33,435百万円となりました。また、1株当たり当期利益は、前連結会計年度の276.38円から44.88円増加し321.26円となりました。
セグメント別業績の概要は次のとおりとなっております。なお、売上高につきましては外部顧客への売上高を表示しております。
(単位:百万円)
(産業IT)
検証サービスの減少に加えて、運輸業や不動産業、電力・ガス業における開発案件の縮小がありましたが、自動車業や食品業等の製造業及び通信業においてシステム開発が増加したことにより、売上高は前期比1.1%増の131,772百万円となりました。営業利益につきましては、増収による増益と、前年度における不採算案件の改善効果により、前期比11.1%増の16,132百万円となりました。
(金融IT)
証券業向けのプロジェクトがピークアウトいたしましたが、銀行業向けのシステム開発案件が増加したことに伴い、売上高はほぼ前期並みの52,768百万円となりました。営業利益につきましては、前年度に発生した不採算案件の改善効果も増益要因となり、前期比12.4%増の6,243百万円となりました。
(ITソリューション)
BPOビジネス等が堅調に推移したことから、売上高は前期比5.1%増の54,783百万円、営業利益は前期比14.7%増の5,583百万円となりました。
(ITプラットフォーム)
製造業向けハードウェア販売の減少や、通信業向けネットワーク機器の次世代モデル開発遅延等により、売上高は前期比8.3%減の82,931百万円となりました。営業利益は、相対的に利益率の高いネットワーク製品、セキュリティ製品の需要の増加により、前期比10.9%増の11,298百万円となりました。
(ITマネジメント)
製造業、金融業向けマネジメントサービスが堅調に推移したことにより、売上高は前期比7.4%増の58,242百万円、営業利益は前期比3.4%増の7,321百万円となりました。
(その他)
新規連結子会社の影響により、売上高は前期比202.8%増の16,362百万円、営業利益は1,285百万円(前年同期は営業損失70百万円)となりました。
(3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表の作成に用いた重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.見積り及び判断の利用」に記載しております。
(4)生産、受注及び販売の状況
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は販売価格によっております。
3 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
② 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
なお、当社グループは受注実績を下記の基準にて従来より開示しております。
・役務サービス等に関する複数年契約について、基準日以降1年間の売上高を算出し、受注残高とする。
・保守サービス等の自動更新条項が付与された契約について、契約が継続されることを前提とし、基準日以降1年間の売上を算出し、受注残高とする。
上記の基準で作成した受注実績は以下のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績(直接販売)及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
※外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載はありません。
3 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
4 各報告セグメントの概要につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 5.セグメント情報」の「(1)報告セグメントの概要」をご参照ください。
5 その他には、収益認識におけるIFRSとの調整額△7百万円が含まれております。
また、生産実績・受注実績・販売実績について、サービス特性により分類したシステム開発、保守運用・サービス、システム販売等に分類すると、次のとおりであります。
① 生産実績
(注) 1 金額は販売価格によっております。
2 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
上記各区分の概要は以下のとおりであります。
システム開発
広範な業種の顧客に対する、最新の情報通信技術と長年蓄積された豊富な業務ノウハウによる、一貫した信頼性の高いトータルソリューションサービスの提供
保守運用・サービス
専用データセンターの構築・運営管理並びに、長年の経験と培われたノウハウ、「ISO9001」をベースにした運用管理技術による、安全で、信頼性の高いコンピュータ、通信ネットワークシステムの保守・運用サービスなどの提供
システム販売
各メーカーの各種サーバ、クライアント機器、ストレージ機器、通信ネットワーク関連機器及びパッケージ・ソフトウェア商品等を組み合わせたソリューションの提供
② 受注実績
(注) 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
なお、当社グループは受注実績を下記の基準にて従来より開示しております。
・役務サービス等に関する複数年契約について、基準日以降1年間の売上高を算出し、受注残高とする。
・保守サービス等の自動更新条項が付与された契約について、契約が継続されることを前提とし、基準日以降1年間の売上を算出し、受注残高とする。
上記の基準で作成した受注実績は以下のとおりであります。
(注) 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
③ 販売実績
(注) 1 金額は販売価格によっております。
2 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(5) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2,927百万円減少し、108,768百万円となりました。各キャッシュ・フローの増減状況とそれらの要因は次のとおりであります。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果、増加した資金は50,219百万円(前期比5,490百万円減少)となりました。
主な増加要因は、税引前当期利益46,557百万円、減価償却費及び償却費18,433百万円、棚卸資産の減少による資金の増加2,348百万円、契約負債の増加による資金の増加1,974百万円によるものであります。主な減少要因は、営業債権及びその他の債権の増加による資金の減少3,211百万円、営業債務及びその他の債務の減少による資金の減少3,049百万円、従業員給付の減少による資金の減少1,132百万円、法人所得税の支払による資金の減少7,684百万円によるものであります。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果、減少した資金は20,586百万円(前期比6,898百万円増加)となりました。
主な減少要因は、有形固定資産の取得による資金の減少12,710百万円、無形資産の取得による資金の減少4,554百万円、その他の金融資産の取得による資金の減少2,350百万円によるものであります。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果、減少した資金は32,488百万円(前期比9,565百万円減少)となりました。
主な増加要因は、借入による収入15,600百万円によるものであります。主な減少要因は、社債の償還及び借入金の返済による支出25,900百万円、リース負債の返済による支出8,590百万円、2020年3月期期末配当金(1株当たり65.0円)6,763百万円及び2021年3月期中間配当金(1株当たり65.0円)6,763百万円の支払によるものであります。
④ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
・基本方針・資金需要の主な内容
当社グループは、現在直面する技術パラダイムの変化、顧客ニーズの高度化など時代の大きな変革のなか、事業構造の転換を図り、中期的な高収益成長・企業価値向上を図るべく、前述の中期経営計画における基本戦略を推進しております。既存事業のさらなる高度化を推進するうえでのソフトウェアあるいはデータセンターへの投資などを行う一方、IoTやAIなどの技術の活用も含めた、DX事業化の推進に向けた各種の事業開発投資を積極的に検討してまいります。加えて、最先端技術の獲得、顧客基盤の強化など、事業成長の加速に資するM&Aの検討を継続的に行っております。
・資金調達
これら投資活動に係る資金需要につきましては、基本的には営業活動によるキャッシュ・フローを源泉とする自己資金にて対応する考えでおりますが、必要に応じて、後述の強固な財務基盤を背景にした多様な資金調達(金融機関からの借入・シンジケートローン、各種社債の発行等)にて対応してまいります。
なお、当社グループの2021年3月末時点における銀行借入、社債発行等を通じた有利子負債が85,643百万円であるのに対し、現金及び現金同等物は108,768百万円と有利子負債を上回る水準となっており、強固な財務基盤を実現しております。
また、安定的な外部資金調達能力につきましても、当社グループは、本報告書提出時点において、㈱日本格付研究所より長期発行体格付A(安定的)を取得していることに加え、主要な取引金融機関と良好な取引関係を維持しており、当社グループの事業の拡大、運営に必要な運転資金、投資資金の調達に関しては十分な能力を有しているものと認識しております。
引き続き、財務基盤の強化、外部資金調達能力の維持・向上に向けた財務運営を行ってまいります。
・経営資源の配分・株主還元に関する考え方
手許の運転資金につきましては、当社及び国内連結子会社においてCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入することにより、各社における余剰資金を当社へ集中し一元管理を行うことで、十分な流動性を確保するとともに、資金効率の最適化を図っております。
また、株主還元については、財務状況、収益動向、また将来の事業投資に備えての内部留保などを総合的に勘案した上で、拡大を続ける当社グループのキャッシュ・フローを、将来の企業成長を支えるDX事業化を実現するための事業投資資金として最大限活用しながらも、同時に株主還元の強化を図るべく、想定される業績拡大に応じた配当の増額を図りたいと考えております。
(参考) キャッシュ・フロー関連指標の推移
自己資本比率 : 自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率 : 株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率 : 有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ : キャッシュ・フロー/利払い
※各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済普通株式数(自己株式控除後)により算出しております。
※キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
※有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
※上記指標のうち、2020年3月期からは国際財務報告基準(IFRS)により作成した連結財務諸表に基づいております。
(6) 並行開示情報
連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下「日本基準」という。)により作成した要約連結財務諸表、要約連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更は、次のとおりであります。
なお、日本基準により作成した要約連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けておりません。
また、日本基準により作成した要約連結財務諸表については、百万円未満を切り捨てて記載しております。
① 要約連結貸借対照表
② 要約連結損益計算書及び要約連結包括利益計算書
要約連結損益計算書
要約連結包括利益計算書
③ 要約連結株主資本等変動計算書
前連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
当連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
④ 要約連結キャッシュ・フロー計算書
⑤ 要約連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更(日本基準)
前連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
(連結の範囲及び持分法の適用に関する事項)
連結子会社の異動は増加5社であります。
持分法適用会社の異動は増加1社、減少1社であります。
当連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
(連結の範囲及び持分法の適用に関する事項)
連結子会社の異動は増加1社、減少1社であります。
持分法適用会社の異動は増加1社であります。
(会計方針の変更)
(収益認識に関する会計基準等の適用)
「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)及び「収益認識に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第30号 2020年3月31日)が2018年4月1日以後開始する連結会計年度の期首から適用できることとなったことに伴い、当連結会計年度の期首から収益認識会計基準等を適用し、約束した財又はサービスの支配が顧客に移転した時点で、当該財又はサービスと交換に受け取ると見込まれる金額で売上高を認識することといたしました。
収益認識会計基準等の適用については、収益認識会計基準第84項ただし書きに定める経過的な取扱いに従っており、当連結会計年度の期首より前に新たな会計方針を遡及適用した場合の累積的影響額を、当連結会計年度の期首の利益剰余金に加減し、当該期首残高から新たな会計方針を適用しております。ただし、収益認識会計基準第86項に定める方針を適用し、当連結会計年度の期首より前までに従前の取扱いに従ってほとんどすべての収益の額を認識した契約に、新たな会計方針を遡及適用しておりません。
なお、当該会計基準の適用が連結財務諸表に及ぼす影響は軽微であります。
経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
前連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記」の「39.初度適用」をご参照ください。
当連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
(のれんの償却)
のれんの償却については、実質的に償却年数を見積り、その年数で均等償却しておりましたが、IFRSでは移行日以降の償却を停止しております。この結果、IFRSでは日本基準に比べて販売費及び一般管理費が769百万円減少しております。また、持分法による投資損益は62百万円増加しております。
(7) その他
本年3月、当社の元社員が電子計算機使用詐欺等の容疑で警視庁に逮捕されました。本件事態により被害に遭われた方々をはじめ、お客様、株主の皆様、並びに関係する多くの皆様に、多大なるご迷惑とご心配をお掛けしましたことを心よりお詫び申し上げます。
これまでも当社は、役職員全員のコンプライアンス意識の醸成や、情報セキュリティを担保するための様々な対策に取り組んでまいりましたが、本件を未然に防げなかったことを真摯に受け止めております。
本件を踏まえ、情報セキュリティ強化策を随時実施するとともに、再発防止策を徹底し、全社一丸となって皆様からのご信頼の回復に努めてまいります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、世界的に広がる新型コロナウイルス感染の影響が続くなか依然として厳しい状況にありますが、企業の業況判断が改善傾向にある等、景気は持ち直しの動きが続きました。
日本経済の先行きにつきましては、新型コロナウイルス感染拡大の防止策を講じつつ、海外経済の改善や各種政策の効果もあるなかで、持ち直しの動きが継続することが期待されますが、国内外の感染症の動向については引き続き注視する必要があり、企業経営においては、慎重かつ果断な判断が求められるものと考えております。
このような経済環境の下、ITサービス市場におきましては、新型コロナウイルス感染拡大の影響から、顧客企業におけるIT投資は個社ごとに跛行性が見られる状況にありましたが、ニューノーマルを模索するなかでのIT投資やDXを想定したシステムの再構築需要等、顧客企業におけるIT投資への意欲は継続しております。
当社グループにおける顧客企業の動向につきましては、製造業企業は、事業の回復傾向が見え始めたなかで、次期システム開発やシステム更新需要が顕在化するとともに、戦略的事業関連への投資意欲は継続しており、IT投資需要は増加の傾向にありました。流通業企業は、基幹システム再構築案件等のIT投資需要により、堅調に推移いたしました。金融業企業は、マネジメントサービスへの需要や、今後の事業強化や拡大に繋がる、海外オペレーションの強化・拡充に向けた対応等、IT投資需要は増加基調にありました。
また、顧客企業のIT人材不足や顧客企業経営層の業務効率と生産性向上への強い意欲等を背景に、各種クラウド型ITサービスへの需要、ソフトウェアのエンドオブサービスに対応する基幹システム再構築等の投資需要は継続しており、加えてコロナ禍におけるニューノーマルのなかで、リモートワークを主体とした非対面・非接触の動きを受けてのデジタル化は加速しつつあります。
こうした動きのなか、DXを想定したシステムの再構築や顧客接点の高度化等への戦略的IT投資需要は、今後も継続するものと考えております。
(1)財政状態の状況
資産、負債及び資本の状況
(資産)
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に対し18,157百万円増加し、380,399百万円となりました。
(a) 流動資産
当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末に対し1,367百万円減少し、212,524百万円となりました。
(b) 非流動資産
当連結会計年度末の非流動資産は、前連結会計年度末に対し19,525百万円増加し、167,875百万円となりました。
(負債)
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に対し8,774百万円減少し、153,060百万円となりました。
(a) 流動負債
当連結会計年度末の流動負債は、前連結会計年度末に対し3,738百万円減少し、97,820百万円となりました。
(b) 非流動負債
当連結会計年度末の非流動負債は、前連結会計年度末に対し5,036百万円減少し、55,240百万円となりました。
(資本)
当連結会計年度末の資本は、前連結会計年度末に対し26,932百万円増加し、227,338百万円となりました。
主な増加要因は、親会社の所有者に帰属する当期利益33,435百万円及び確定給付負債(資産)の純額の再測定6,167百万円によるものであります。
主な減少要因は、2020年3月期期末配当金(1株当たり65.0円(創立50周年記念配当10.0円含む))6,763百万円並びに2021年3月期中間配当金(1株当たり65.0円)6,763百万円によるものであります。
セグメント別資産の状況
(産業IT)
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に対し、2,925百万円増加し、50,407百万円となりました。
(金融IT)
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に対し、995百万円増加し、15,535百万円となりました。
(ITソリューション)
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に対し、1,295百万円増加し、17,797百万円となりました。
(ITプラットフォーム)
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に対し、5,747百万円増加し、41,981百万円となりました。
(ITマネジメント)
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に対し、3,741百万円増加し、66,857百万円となりました。
(その他)
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に対し、5,023百万円減少し、23,897百万円となりました。
(2)経営成績の状況
当連結会計年度の業績につきましては、売上高は、システム販売が減収となりましたが、システム開発並びに保守運用・サービスの増収により、前期比3.0%増の396,853百万円となりました。
売上総利益は、増収に伴う増益や不採算案件の減少等により増益となりました。また、販売費及び一般管理費につきましては、人員の増加や新人事制度の導入に伴い人件費等が増加したものの、前期の一過性の費用が減少したこと等により、ほぼ前期並みとなっております。結果、営業利益は、前期比14.6%増の45,878百万円となりました。
親会社の所有者に帰属する当期利益につきましては、営業利益の増加に加えて、賃上げ税制の適用による法人所得税費用の減少の影響もあり、前期比16.2%増の33,435百万円となりました。
当社グループはさらなる成長に向け、成長戦略として「サステナビリティ経営」を推進します。経営理念とマテリアリティを当社グループの存在意義としたうえで、社会と共に持続的発展を目指し、「2030年 共創ITカンパニー」の実現のため、策定した中期経営計画において、3つの基本戦略「事業革新」、「DX事業化」、「人財投資」と、3つの経営基盤強化策「グループ総合力強化」、「人を活かす経営の推進」、「共創の企業文化づくり」に取り組むことにより、グローバルベースでの事業拡大を目指します。
① 売上高
当連結会計年度の売上高は、前期比3.0%増の396,853百万円となりました。
また、サービス特性別の「システム開発」「保守運用・サービス」「システム販売」の各売上区分別売上高は次のとおりであります。
売上区分別売上高 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 前期比 | |||||||||
( | 自 2019年4月1日 | ( | 自 2020年4月1日 | |||||||||
至 2020年3月31日 | ) | 至 2021年3月31日 | ) | |||||||||
金額 | 構成比 | 金額 | 構成比 | 金額 | 増減率 | |||||||
百万円 | % | 百万円 | % | 百万円 | % | |||||||
システム開発 | 156,190 | 40.5 | 163,090 | 41.1 | 6,900 | 4.4 | ||||||
保守運用・サービス | 143,410 | 37.2 | 152,518 | 38.4 | 9,107 | 6.4 | ||||||
システム販売 | 85,694 | 22.2 | 81,243 | 20.5 | △4,450 | △5.2 | ||||||
合 計 | 385,295 | 100.0 | 396,853 | 100.0 | 11,557 | 3.0 |
システム開発は、製造業や流通業、金融業、通信業からの引き続き強いIT投資需要を背景に、戦略的事業投資や基幹システムの再構築案件に加えて、顧客接点の強化のためのIT投資等が貢献し、売上高は前期比4.4%増の163,090百万円となりました。
保守運用・サービスは、検証サービスが減少したものの、マネジメントサービスが拡大したこと、また、コンタクトセンター需要の増加によるBPOビジネスが引き続き堅調に推移し、売上高は前期比6.4%増の152,518百万円となりました。
システム販売は、コロナ禍におけるネットワーク製品、セキュリティ製品の需要拡大、また、通信業向けネットワーク機器販売の増加等がありましたが、自動車業向けのサーバー、ストレージ等のハードウェア製品の販売減や通信業向けネットワーク機器の次世代モデルの開発遅延による減収があり、売上高は前期比5.2%減の81,243百万円となりました。
② 売上総利益
当連結会計年度の売上総利益は、増収に伴う増益や不採算案件の減少等により、前期比5.9%増の102,969百万円となりました。
③ 販売費及び一般管理費
当連結会計年度の販売費及び一般管理費については、前期比横ばいの57,168百万円となりました。
④ その他収益・その他費用[純額]
当連結会計年度のその他収益(費用)は、前連結会計年度の1百万円の収益[純額]から75百万円増加し、77百万円の収益[純額]となりました。
⑤ 営業利益
以上により、当連結会計年度の営業利益は、前期比14.6%増の45,878百万円となりました。
⑥ 金融収益・金融費用・持分法による投資損益[純額]
当連結会計年度の金融費用(収益)は、前連結会計年度の446百万円の費用[純額]から127百万円減少し、318百万円の費用[純額]となりました。また、当連結会計年度の持分法による投資利益(損失)は、前連結会計年度の976百万円の利益[純額]から21百万円増加し、997百万円の利益[純額]となりました。
⑦ 税引前当期利益
当連結会計年度の税引前当期利益は、前期比14.7%増の46,557百万円となりました。
⑧ 法人所得税費用
当連結会計年度の法人所得税費用は、前期比11.0%増の13,011百万円となりました。
⑨ 非支配持分に帰属する当期利益
当連結会計年度の非支配持分に帰属する当期利益は、110百万円となりました。
⑩ 親会社の所有者に帰属する当期利益
親会社の所有者に帰属する当期利益は、前期比16.2%増の33,435百万円となりました。また、1株当たり当期利益は、前連結会計年度の276.38円から44.88円増加し321.26円となりました。
セグメント別業績の概要は次のとおりとなっております。なお、売上高につきましては外部顧客への売上高を表示しております。
(単位:百万円)
前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 前期比 | ||||||||||
( | 自 2019年4月1日 | ( | 自 2020年4月1日 | |||||||||
至 2020年3月31日 | ) | 至 2021年3月31日 | ) | |||||||||
売上高 | 営業利益 | 売上高 | 営業利益 | 売上高 | 営業利益 | |||||||
産業IT | 130,320 | 14,522 | 131,772 | 16,132 | 1,452 | 1,610 | ||||||
金融IT | 52,918 | 5,554 | 52,768 | 6,243 | △150 | 688 | ||||||
ITソリューション | 52,121 | 4,869 | 54,783 | 5,583 | 2,661 | 714 | ||||||
IT プラットフォーム | 90,397 | 10,186 | 82,931 | 11,298 | △7,465 | 1,111 | ||||||
ITマネジメント | 54,250 | 7,079 | 58,242 | 7,321 | 3,992 | 242 | ||||||
その他 | 5,404 | △70 | 16,362 | 1,285 | 10,958 | 1,355 | ||||||
調整額 | △117 | △2,094 | △7 | △1,987 | 109 | 107 | ||||||
合 計 | 385,295 | 40,048 | 396,853 | 45,878 | 11,557 | 5,829 |
(産業IT)
検証サービスの減少に加えて、運輸業や不動産業、電力・ガス業における開発案件の縮小がありましたが、自動車業や食品業等の製造業及び通信業においてシステム開発が増加したことにより、売上高は前期比1.1%増の131,772百万円となりました。営業利益につきましては、増収による増益と、前年度における不採算案件の改善効果により、前期比11.1%増の16,132百万円となりました。
(金融IT)
証券業向けのプロジェクトがピークアウトいたしましたが、銀行業向けのシステム開発案件が増加したことに伴い、売上高はほぼ前期並みの52,768百万円となりました。営業利益につきましては、前年度に発生した不採算案件の改善効果も増益要因となり、前期比12.4%増の6,243百万円となりました。
(ITソリューション)
BPOビジネス等が堅調に推移したことから、売上高は前期比5.1%増の54,783百万円、営業利益は前期比14.7%増の5,583百万円となりました。
(ITプラットフォーム)
製造業向けハードウェア販売の減少や、通信業向けネットワーク機器の次世代モデル開発遅延等により、売上高は前期比8.3%減の82,931百万円となりました。営業利益は、相対的に利益率の高いネットワーク製品、セキュリティ製品の需要の増加により、前期比10.9%増の11,298百万円となりました。
(ITマネジメント)
製造業、金融業向けマネジメントサービスが堅調に推移したことにより、売上高は前期比7.4%増の58,242百万円、営業利益は前期比3.4%増の7,321百万円となりました。
(その他)
新規連結子会社の影響により、売上高は前期比202.8%増の16,362百万円、営業利益は1,285百万円(前年同期は営業損失70百万円)となりました。
(3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表の作成に用いた重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.見積り及び判断の利用」に記載しております。
(4)生産、受注及び販売の状況
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前期比(%) |
産業IT | 131,772 | +1.1 |
金融IT | 52,768 | △0.3 |
ITソリューション | 54,783 | +5.1 |
ITプラットフォーム | 82,931 | △8.3 |
ITマネジメント | 58,242 | +7.4 |
その他 | 16,354 | +209.3 |
合計 | 396,853 | +3.0 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は販売価格によっております。
3 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
② 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前期比(%) | 受注残高(百万円) | 前期比(%) |
産業IT | 134,533 | +6.3 | 49,823 | +5.7 |
金融IT | 54,138 | △2.2 | 18,644 | +8.5 |
ITソリューション | 55,628 | +0.9 | 29,500 | +2.9 |
ITプラットフォーム | 91,219 | △4.5 | 38,513 | +27.4 |
ITマネジメント | 62,015 | +14.8 | 48,257 | +8.5 |
その他 | 15,495 | +138.6 | 5,018 | △14.6 |
合計 | 413,031 | +5.1 | 189,757 | +9.3 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
なお、当社グループは受注実績を下記の基準にて従来より開示しております。
・役務サービス等に関する複数年契約について、基準日以降1年間の売上高を算出し、受注残高とする。
・保守サービス等の自動更新条項が付与された契約について、契約が継続されることを前提とし、基準日以降1年間の売上を算出し、受注残高とする。
上記の基準で作成した受注実績は以下のとおりであります。
セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前期比(%) | 受注残高(百万円) | 前期比(%) |
産業IT | 133,790 | +5.2 | 44,349 | +4.9 |
金融IT | 53,174 | △1.0 | 16,278 | +2.7 |
ITソリューション | 57,798 | +10.6 | 30,889 | +10.8 |
ITプラットフォーム | 91,628 | △2.3 | 34,501 | +33.7 |
ITマネジメント | 60,874 | +5.8 | 32,084 | +8.7 |
その他 | 15,717 | +137.1 | 5,168 | △11.0 |
合計 | 412,984 | +5.6 | 163,271 | +11.0 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前期比(%) |
産業IT | 131,772 | +1.1 |
金融IT | 52,768 | △0.3 |
ITソリューション | 54,783 | +5.1 |
ITプラットフォーム | 82,931 | △8.3 |
ITマネジメント | 58,242 | +7.4 |
その他 | 16,354 | +209.3 |
合計 | 396,853 | +3.0 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績(直接販売)及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
※外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載はありません。
3 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
4 各報告セグメントの概要につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 5.セグメント情報」の「(1)報告セグメントの概要」をご参照ください。
5 その他には、収益認識におけるIFRSとの調整額△7百万円が含まれております。
また、生産実績・受注実績・販売実績について、サービス特性により分類したシステム開発、保守運用・サービス、システム販売等に分類すると、次のとおりであります。
① 生産実績
生産高(百万円) | 前期比(%) | |
システム開発 | 163,090 | +4.4 |
保守運用・サービス | 152,518 | +6.4 |
システム販売 | 81,243 | △5.2 |
合計 | 396,853 | +3.0 |
(注) 1 金額は販売価格によっております。
2 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
上記各区分の概要は以下のとおりであります。
システム開発
広範な業種の顧客に対する、最新の情報通信技術と長年蓄積された豊富な業務ノウハウによる、一貫した信頼性の高いトータルソリューションサービスの提供
保守運用・サービス
専用データセンターの構築・運営管理並びに、長年の経験と培われたノウハウ、「ISO9001」をベースにした運用管理技術による、安全で、信頼性の高いコンピュータ、通信ネットワークシステムの保守・運用サービスなどの提供
システム販売
各メーカーの各種サーバ、クライアント機器、ストレージ機器、通信ネットワーク関連機器及びパッケージ・ソフトウェア商品等を組み合わせたソリューションの提供
② 受注実績
受注高(百万円) | 前期比(%) | 受注残高(百万円) | 前期比(%) | |
システム開発 | 163,429 | +4.4 | 38,257 | +0.9 |
保守運用・サービス | 160,461 | +8.1 | 125,952 | +6.7 |
システム販売 | 89,140 | +1.1 | 25,547 | +44.7 |
合計 | 413,031 | +5.1 | 189,757 | +9.3 |
(注) 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
なお、当社グループは受注実績を下記の基準にて従来より開示しております。
・役務サービス等に関する複数年契約について、基準日以降1年間の売上高を算出し、受注残高とする。
・保守サービス等の自動更新条項が付与された契約について、契約が継続されることを前提とし、基準日以降1年間の売上を算出し、受注残高とする。
上記の基準で作成した受注実績は以下のとおりであります。
受注高(百万円) | 前期比(%) | 受注残高(百万円) | 前期比(%) | |
システム開発 | 163,906 | +5.7 | 37,181 | +2.2 |
保守運用・サービス | 159,936 | +8.1 | 100,540 | +8.0 |
システム販売 | 89,141 | +1.1 | 25,549 | +44.7 |
合計 | 412,984 | +5.6 | 163,271 | +11.0 |
(注) 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
③ 販売実績
販売高(百万円) | 前期比(%) | |
システム開発 | 163,090 | +4.4 |
保守運用・サービス | 152,518 | +6.4 |
システム販売 | 81,243 | △5.2 |
合計 | 396,853 | +3.0 |
(注) 1 金額は販売価格によっております。
2 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(5) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2,927百万円減少し、108,768百万円となりました。各キャッシュ・フローの増減状況とそれらの要因は次のとおりであります。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果、増加した資金は50,219百万円(前期比5,490百万円減少)となりました。
主な増加要因は、税引前当期利益46,557百万円、減価償却費及び償却費18,433百万円、棚卸資産の減少による資金の増加2,348百万円、契約負債の増加による資金の増加1,974百万円によるものであります。主な減少要因は、営業債権及びその他の債権の増加による資金の減少3,211百万円、営業債務及びその他の債務の減少による資金の減少3,049百万円、従業員給付の減少による資金の減少1,132百万円、法人所得税の支払による資金の減少7,684百万円によるものであります。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果、減少した資金は20,586百万円(前期比6,898百万円増加)となりました。
主な減少要因は、有形固定資産の取得による資金の減少12,710百万円、無形資産の取得による資金の減少4,554百万円、その他の金融資産の取得による資金の減少2,350百万円によるものであります。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果、減少した資金は32,488百万円(前期比9,565百万円減少)となりました。
主な増加要因は、借入による収入15,600百万円によるものであります。主な減少要因は、社債の償還及び借入金の返済による支出25,900百万円、リース負債の返済による支出8,590百万円、2020年3月期期末配当金(1株当たり65.0円)6,763百万円及び2021年3月期中間配当金(1株当たり65.0円)6,763百万円の支払によるものであります。
④ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
・基本方針・資金需要の主な内容
当社グループは、現在直面する技術パラダイムの変化、顧客ニーズの高度化など時代の大きな変革のなか、事業構造の転換を図り、中期的な高収益成長・企業価値向上を図るべく、前述の中期経営計画における基本戦略を推進しております。既存事業のさらなる高度化を推進するうえでのソフトウェアあるいはデータセンターへの投資などを行う一方、IoTやAIなどの技術の活用も含めた、DX事業化の推進に向けた各種の事業開発投資を積極的に検討してまいります。加えて、最先端技術の獲得、顧客基盤の強化など、事業成長の加速に資するM&Aの検討を継続的に行っております。
・資金調達
これら投資活動に係る資金需要につきましては、基本的には営業活動によるキャッシュ・フローを源泉とする自己資金にて対応する考えでおりますが、必要に応じて、後述の強固な財務基盤を背景にした多様な資金調達(金融機関からの借入・シンジケートローン、各種社債の発行等)にて対応してまいります。
なお、当社グループの2021年3月末時点における銀行借入、社債発行等を通じた有利子負債が85,643百万円であるのに対し、現金及び現金同等物は108,768百万円と有利子負債を上回る水準となっており、強固な財務基盤を実現しております。
また、安定的な外部資金調達能力につきましても、当社グループは、本報告書提出時点において、㈱日本格付研究所より長期発行体格付A(安定的)を取得していることに加え、主要な取引金融機関と良好な取引関係を維持しており、当社グループの事業の拡大、運営に必要な運転資金、投資資金の調達に関しては十分な能力を有しているものと認識しております。
引き続き、財務基盤の強化、外部資金調達能力の維持・向上に向けた財務運営を行ってまいります。
・経営資源の配分・株主還元に関する考え方
手許の運転資金につきましては、当社及び国内連結子会社においてCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入することにより、各社における余剰資金を当社へ集中し一元管理を行うことで、十分な流動性を確保するとともに、資金効率の最適化を図っております。
また、株主還元については、財務状況、収益動向、また将来の事業投資に備えての内部留保などを総合的に勘案した上で、拡大を続ける当社グループのキャッシュ・フローを、将来の企業成長を支えるDX事業化を実現するための事業投資資金として最大限活用しながらも、同時に株主還元の強化を図るべく、想定される業績拡大に応じた配当の増額を図りたいと考えております。
(参考) キャッシュ・フロー関連指標の推移
2017年3月期 | 2018年3月期 | 2019年3月期 | 2020年3月期 | 2021年3月期 | |
自己資本比率 (%) | 42.8 | 62.3 | 61.4 | 55.2 | 59.6 |
時価ベースの自己資本比率 (%) | 117.8 | 157.0 | 162.7 | 138.3 | 179.5 |
キャッシュ・フロー 対有利子負債比率 (%) | 168.6 | 129.8 | 172.3 | 149.1 | 170.5 |
インタレスト・ カバレッジ・レシオ (倍) | 232.2 | 261.0 | 292.0 | 148.5 | 116.4 |
自己資本比率 : 自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率 : 株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率 : 有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ : キャッシュ・フロー/利払い
※各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済普通株式数(自己株式控除後)により算出しております。
※キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
※有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
※上記指標のうち、2020年3月期からは国際財務報告基準(IFRS)により作成した連結財務諸表に基づいております。
(6) 並行開示情報
連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下「日本基準」という。)により作成した要約連結財務諸表、要約連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更は、次のとおりであります。
なお、日本基準により作成した要約連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けておりません。
また、日本基準により作成した要約連結財務諸表については、百万円未満を切り捨てて記載しております。
① 要約連結貸借対照表
(単位:百万円) | ||
前連結会計年度 (2020年3月31日) | 当連結会計年度 (2021年3月31日) | |
資産の部 | ||
流動資産 | 214,752 | 213,281 |
固定資産 | ||
有形固定資産 | 74,801 | 79,865 |
無形固定資産 | 21,384 | 21,754 |
投資その他の資産 | 31,546 | 31,542 |
固定資産合計 | 127,732 | 133,162 |
資産合計 | 342,485 | 346,444 |
負債の部 | ||
流動負債 | 93,889 | 89,260 |
固定負債 | 40,523 | 24,824 |
負債合計 | 134,413 | 114,084 |
純資産の部 | ||
株主資本 | 212,335 | 229,379 |
その他の包括利益累計額 | △4,655 | 2,490 |
新株予約権 | 30 | 23 |
非支配株主持分 | 361 | 466 |
純資産合計 | 208,072 | 232,359 |
負債純資産合計 | 342,485 | 346,444 |
② 要約連結損益計算書及び要約連結包括利益計算書
要約連結損益計算書
(単位:百万円) | ||
前連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | |
売上高 | 387,003 | 396,381 |
売上原価 | 289,048 | 295,354 |
売上総利益 | 97,954 | 101,027 |
販売費及び一般管理費 | 55,628 | 58,143 |
営業利益 | 42,326 | 42,883 |
営業外収益 | 1,280 | 1,252 |
営業外費用 | 592 | 393 |
経常利益 | 43,014 | 43,741 |
特別利益 | 2,028 | 7 |
特別損失 | 1,080 | 229 |
税金等調整前当期純利益 | 43,961 | 43,519 |
法人税等 | 12,666 | 12,596 |
当期純利益 | 31,294 | 30,922 |
非支配株主に帰属する当期純利益 | 93 | 110 |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 31,201 | 30,812 |
要約連結包括利益計算書
(単位:百万円) | ||
前連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | |
当期純利益 | 31,294 | 30,922 |
その他の包括利益合計 | △2,384 | 7,148 |
包括利益 | 28,910 | 38,070 |
(内訳) | ||
親会社株主に係る包括利益 | 28,815 | 37,957 |
非支配株主に係る包括利益 | 95 | 112 |
③ 要約連結株主資本等変動計算書
前連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
(単位:百万円) | |||||
株主資本 | その他の 包括利益累計額 | 新株予約権 | 非支配株主持分 | 純資産合計 | |
当期首残高 | 195,681 | △2,269 | 40 | 1,015 | 194,468 |
当期変動額 | 16,653 | △2,386 | △10 | △653 | 13,603 |
当期末残高 | 212,335 | △4,655 | 30 | 361 | 208,072 |
当連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
(単位:百万円) | |||||
株主資本 | その他の 包括利益累計額 | 新株予約権 | 非支配株主持分 | 純資産合計 | |
当期首残高 | 212,335 | △4,655 | 30 | 361 | 208,072 |
当期変動額 | 17,043 | 7,145 | △6 | 105 | 24,287 |
当期末残高 | 229,379 | 2,490 | 23 | 466 | 232,359 |
④ 要約連結キャッシュ・フロー計算書
(単位:百万円) | ||
前連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | |
営業活動によるキャッシュ・フロー | 48,950 | 42,040 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △27,338 | △20,460 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | △16,309 | △24,436 |
現金及び現金同等物に係る換算差額 | △19 | △71 |
現金及び現金同等物の増減額(△は減少) | 5,281 | △2,927 |
現金及び現金同等物の期首残高 | 106,198 | 111,695 |
新規連結に伴う現金及び現金同等物の増加額 | 214 | ― |
現金及び現金同等物の期末残高 | 111,695 | 108,768 |
⑤ 要約連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更(日本基準)
前連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
(連結の範囲及び持分法の適用に関する事項)
連結子会社の異動は増加5社であります。
持分法適用会社の異動は増加1社、減少1社であります。
当連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
(連結の範囲及び持分法の適用に関する事項)
連結子会社の異動は増加1社、減少1社であります。
持分法適用会社の異動は増加1社であります。
(会計方針の変更)
(収益認識に関する会計基準等の適用)
「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)及び「収益認識に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第30号 2020年3月31日)が2018年4月1日以後開始する連結会計年度の期首から適用できることとなったことに伴い、当連結会計年度の期首から収益認識会計基準等を適用し、約束した財又はサービスの支配が顧客に移転した時点で、当該財又はサービスと交換に受け取ると見込まれる金額で売上高を認識することといたしました。
収益認識会計基準等の適用については、収益認識会計基準第84項ただし書きに定める経過的な取扱いに従っており、当連結会計年度の期首より前に新たな会計方針を遡及適用した場合の累積的影響額を、当連結会計年度の期首の利益剰余金に加減し、当該期首残高から新たな会計方針を適用しております。ただし、収益認識会計基準第86項に定める方針を適用し、当連結会計年度の期首より前までに従前の取扱いに従ってほとんどすべての収益の額を認識した契約に、新たな会計方針を遡及適用しておりません。
なお、当該会計基準の適用が連結財務諸表に及ぼす影響は軽微であります。
経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
前連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記」の「39.初度適用」をご参照ください。
当連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
(のれんの償却)
のれんの償却については、実質的に償却年数を見積り、その年数で均等償却しておりましたが、IFRSでは移行日以降の償却を停止しております。この結果、IFRSでは日本基準に比べて販売費及び一般管理費が769百万円減少しております。また、持分法による投資損益は62百万円増加しております。
(7) その他
本年3月、当社の元社員が電子計算機使用詐欺等の容疑で警視庁に逮捕されました。本件事態により被害に遭われた方々をはじめ、お客様、株主の皆様、並びに関係する多くの皆様に、多大なるご迷惑とご心配をお掛けしましたことを心よりお詫び申し上げます。
これまでも当社は、役職員全員のコンプライアンス意識の醸成や、情報セキュリティを担保するための様々な対策に取り組んでまいりましたが、本件を未然に防げなかったことを真摯に受け止めております。
本件を踏まえ、情報セキュリティ強化策を随時実施するとともに、再発防止策を徹底し、全社一丸となって皆様からのご信頼の回復に努めてまいります。