有価証券報告書-第51期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

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2020/06/17 14:12
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益がほぼ横ばいながらも、海外経済の減速や米中貿易摩擦を要因とした先行き不透明な状況で推移いたしました。また、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、世界経済全体の急速な収縮が懸念される等、先行きに対する不透明感は一層大きなものとなっております。
当社グループが属する情報サービス業界は、既存システムの更新・刷新や生産性向上及び情報セキュリティ対策等を目的としたデジタル化への需要を背景に引き続き堅調に推移しました。「AI」、「IoT」、「ビッグデータ」、「RPA(Robotic Process Automation)」、「ブロックチェーン」、「クラウド」等ITイノベーションによるDX(デジタルトランスフォーメーション)が進展し、新たな期待・需要が高まるとともに、クラウドに代表されるサービス型ビジネスへの転換が進んでおります。それに伴いIT技術者の需要は更に加速し、人材不足及び高コスト化等、重要な事業リソースに係る課題も重要性を増しており、最新テクノロジーやITイノベーションに対応できる優秀な技術者の育成及び確保が重要な経営課題となっております。
このような経営環境のもと当社グループは、システム開発、データセンターを活用した情報処理サービス、「HULFT(ハルフト)」製品群を中心としたパッケージ製品販売及びサポートサービス等、これまで提供してまいりました既存領域の徹底した生産性向上による収益性向上を図っております。同時に、パッケージ製品のサービスビジネス化や更なるグローバル展開、最新テクノロジー(「AI」、「IoT」、「ビッグデータ」、「RPA」、「ブロックチェーン」、「クラウド」等)の研究開発及び活用、更に全社的な技術戦略及び事業戦略を推進する人材の育成等に注力しております。
また、当社では新しいお客様に対しサービスやこれまでの経験とノウハウを展開するとともに、既存のお客様に対し新しい技術を適用したサービスを提供することで、更なる事業成長を目指しております。成長の主軸に位置付けているリンケージサービスは、当社の強みである「HULFT」「DataSpider」を活用し、有力SaaSの導入と関連システム間のデータ連携を端緒として、お客様のデータ連携基盤や統合データ分析基盤の設計・構築にまで、順調にサービス範囲を深化・拡大しております。新たにリンケージサービスとして提供を開始した「モダンファイナンスサービス」は、自社導入もしており、昨今の新型コロナウイルス感染症拡大防止に伴う在宅勤務実施に際して、当社における財務経理業務の在宅勤務実現と業務効率化へ大きく貢献しております。加えて、仕事改革と生産性向上、教育研修制度の充実、組織横断コミュニケーションの充実等の取り組みや、ESG(環境・社会・ガバナンス)に関連する社会貢献活動も継続しております。
なお、流通ITサービス事業の汎用サーバー基盤提供サービスについて収益性の低下が見込まれたことから、当該サービスを終了する事業整理を決定しております。このため、整理費用として2,070百万円を特別損失として計上し、親会社株主に帰属する当期純利益は当初予想を下回ることとなりました。
一方、「HULFT」「DataSpider」等のライセンス販売やサポートサービスが好調であったことから、営業利益及び経常利益は予想を上回っております。
以上の結果、当連結会計年度における当社グループの業績は、売上高は23,560百万円(前連結会計年度比0.3%減)、営業利益は3,449百万円(同47.9%増)、経常利益は3,488百万円(同48.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,099百万円(同46.0%減)となりました。また、当社は2019年4月1日付で株式会社アプレッソを吸収合併しております。
当連結会計年度におけるセグメント別の業績は次のとおりであります。以下、セグメント間取引については相殺消去しておりません。
(Fintechプラットフォーム事業)
売上面においては、既存領域におけるシステム開発案件の大幅減少等により、当連結会計年度のFintechプラットフォーム事業の売上高は10,034百万円(前連結会計年度比12.2%減)となりました。
利益面においては、前述の既存領域におけるシステム開発案件の減少等により、当連結会計年度の営業利益は1,291百万円(同26.6%減)となりました。
(流通ITサービス事業)
本事業は、システム開発中心からサービス提供中心へ事業モデル転換が順調に進み、売上面においては、既存領域において消費税増税対応の案件が一時的に増加したこと及びリンケージサービス案件が増加したこと等により、当連結会計年度の流通ITサービス事業の売上高は5,000百万円(同9.6%増)となりました。
利益面においては、既存領域案件の生産性が改善したこと等により、当連結会計年度の営業利益は371百万円(同242.5%増)となりました。
(HULFT事業)
国内におけるデータ連携のデファクトスタンダードである当社の主力製品「HULFT」の累計出荷本数は、前連結会計年度末から約8,900本増加し約213,900本となり、導入社数は前連結会計年度末から約450社増加し10,100社を超えました。
売上面においては、「HULFT」「DataSpider」等のライセンス販売が大幅に増加したことやサポートサービスが拡大したこと等により、当連結会計年度のHULFT事業の売上高は8,579百万円(前連結会計年度比12.0%増)となりました。
利益面においては、売上高の増加が大きく寄与し、当連結会計年度の営業利益は2,344百万円(同51.7%増)となりました。
当連結会計年度の財政状態の概要は次のとおりであります。
a.資産
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末より1,063百万円減少し、19,577百万円となりました。主な減少要因は、減価償却等により有形及び無形固定資産が同1,423百万円減少したこと、売上債権の回収により受取手形及び売掛金が同237百万円減少したこと等によるものであります。また、主な増加要因は、現金及び預金が同693百万円増加したこと等によるものであります。
セグメントごとの資産は、次のとおりであります。
(Fintechプラットフォーム事業)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末より614百万円減少し、3,442百万円となりました。主な減少要因は、固定資産が減価償却により同715百万円減少したこと等によるものであります。また、主な増加要因は、売掛金が同131百万円増加したこと等によるものであります。
(流通ITサービス事業)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末より454百万円減少し、1,106百万円となりました。主な減少要因は、売掛金が同227百万円減少したこと、投資有価証券が同112百万円減少したこと等によるものであります。
(HULFT事業)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末より690百万円減少し、5,313百万円となりました。主な減少要因は、固定資産が減価償却により同465百万円減少したこと、売掛金が同184百万円減少したこと等によるものであります。
b.負債
負債合計は同801百万円減少し、6,755百万円となりました。主な減少要因は、支払手形及び買掛金が同784百万円減少したこと、賞与引当金が同360百万円減少したこと等によるものであります。また、主な増加要因は、汎用サーバー基盤提供サービスの終了に伴う事業整理損失引当金が同438百万円増加したこと等によるものであります。
c.純資産
純資産合計は同261百万円減少し、12,822百万円となりました。この要因は、利益剰余金が、剰余金処分による配当財源への割当てにより同1,214百万円減少した一方で、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により同1,099百万円増加したこと等によるものであります。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末より2.1ポイント増加し、65.5%となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末より693百万円増加し、9,560百万円となりました。各キャッシュ・フローの増減状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は3,423百万円(前連結会計年度は2,692百万円の獲得)となりました。
主な増加要因は、税金等調整前当期純利益1,432百万円となったことに加えて、非資金項目である減損損失
1,631百万円を計上したこと、事業整理損失引当金438百万円を計上したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は1,428百万円(前連結会計年度は365百万円の使用)となりました。
主な増加要因は、有価証券の償還による収入439百万円があったこと、投資有価証券の売却による収入136百万円があったこと等によるものであります。また、主な減少要因は、ソフトウェア開発やハードウェア購入等に1,741百万円を支出したこと、有価証券の取得による支出が212百万円あったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は1,260百万円(前連結会計年度は773百万円の使用)となりました。
主な減少要因は、配当金の支払1,214百万円があったこと等によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称前連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
当連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
増減
生産高(千円)生産高(千円)生産高
(千円)
増減率
(%)
Fintechプラットフォーム事業11,440,09210,033,363△1,406,729△12.3
流通ITサービス事業4,564,3514,972,265407,9138.9
HULFT事業7,669,2278,574,354905,12611.8
合計23,673,67223,579,983△93,688△0.4

(注)1 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しておりません。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称前連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
当連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
増減
受注高
(千円)
受注残高
(千円)
受注高
(千円)
受注残高
(千円)
受注高
(千円)
受注残高
(千円)
Fintechプラットフォーム事業11,006,0195,146,5579,194,7624,306,742△1,811,257△839,814
流通ITサービス事業4,397,1722,548,3404,143,1861,691,072△253,986△857,267
HULFT事業7,808,1243,418,1018,851,3973,689,7971,043,273271,696
合計23,211,31611,112,99822,189,3479,687,612△1,021,969△1,425,386

(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しておりません。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称前連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
当連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
増減
販売高(千円)販売高(千円)販売高
(千円)
増減率
(%)
Fintechプラットフォーム事業11,432,13310,034,577△1,397,555△12.2
流通ITサービス事業4,564,0835,000,454436,3709.6
HULFT事業7,662,1028,579,701917,59912.0
合計23,658,31823,614,733△43,585△0.2

(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しておりません。また、セグメント間の振替高を含めて表示しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
当連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)
株式会社クレディセゾン6,047,10125.65,767,43924.4
株式会社キュービタス3,670,66615.52,482,57110.5

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
・「当連結会計年度の経営成績等」及び「セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況」に関する分析・検討内容
「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
・経営成績に重要な影響を与える要因
「第2 事業の状況 2事業等のリスク」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
・キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
・資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、外注費や労務費等の製造経費、人件費や借地借家料等の販売費及び一般管理費によるものであります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、国内及び海外拠点における製品開発、研究開発投資等によるものであります。運転資金及び投資資金は、主として自己資金で調達しております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債残高は、リース債務97百万円となっております。また、現金及び現金同等物の残高は9,560百万円となっております。
③ 重要な会計方針及び見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。
連結財務諸表の作成に際し、当連結会計年度末日における資産・負債の報告数値及び当連結会計年度における収入・費用の報告数値に影響を与える見積りは、過去の実績や当社グループを取り巻く環境等に応じて合理的と考えられる方法により計上しておりますが、見積り特有の不確実性があるために実際の結果は異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、特に下記の会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断等に影響を及ぼすと考えております。
a.市場販売目的のソフトウェアの減価償却の方法
市場販売目的のソフトウェアの減価償却は、製品ごとに未償却残高を、見込販売収益を基礎として当連結会計年度の実績販売収益に対応して計算した金額と残存有効期間に基づく均等配分額のいずれか多い金額で償却を行うものとしております。見込販売収益が減少した場合、ソフトウェアの減価償却費が増加する可能性があります。
b.固定資産の減損
固定資産については、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき、減損処理の要否を検討しております。資産計上したサーバ等のハードウェアやサービスの提供に用いるソフトウェア、開発仕掛中のソフトウェア等について、事業環境の悪化や開発コストの増加等で当初想定した投資回収が見込めなくなり、減損の必要性を認識した場合には、固定資産の減損処理を実施する可能性があります。
c.繰延税金資産
繰延税金資産は毎期、過去の課税所得の推移や将来の課税所得の見込等を勘案し、回収可能性を慎重に検討し計上しております。回収の実現性が低いと判断した場合には適正と考えられる金額へ減額する可能性があります。
④ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、中長期において魅力的で稀有な高収益IT企業となり、企業価値を向上させていくことを経営の目標としており、具体的にはROE20%以上を恒常的に達成することを経営指標としております。当連結会計年度は、前述のとおり特別損失を計上したことによる親会社株主に帰属する当期純利益が減少(前連結会計年度比46.0%減)いたしましたので、ROEは8.5%となり計画値15.3%を下回る結果となりましたが、今後も目標水準の到達へ向けた経営を意識してまいります。
(ROE推移)
2019年3月期2020年3月期2021年3月期
計画12.1%15.3%15.0%
実績16.5%8.5%-

経営計画では事業モデル変革を掲げており、主な戦略及び重点施策として新しい技術を用いたサービスを創出し事業領域拡大を目指していることから、これらの達成状況を判断するための客観的な指標として、新技術・新領域に係る売上高(新規3象限売上高)計画達成率を設定しています。当連結会計年度の新規3象限売上高は、5,698百万円となり、計画値5,500百万円を上回り達成率は103.6%となりました。
(新規3象限売上高推移)
2019年3月期2020年3月期2021年3月期
新規3象限
売上高
対連結売上高
比率
新規3象限
売上高
対連結売上高
比率
新規3象限
売上高
対連結売上高
比率
計画3,40014.7%5,50022.9%7,00031.8%
実績3,63015.4%5,69824.2%--

また、当社グループは、目指す高収益企業にふさわしい株主還元を実現するためのベンチマーク目標として、TSR(株主総利回り)を経営指標に設定しております。当社グループは、システム開発・運用と自社パッケージソフトウェア販売とがバランスしている事業構造であり、情報技術産業の中でも類似の事業構造を持つ企業が少ないと考えます。したがって、ベンチマークとするTSRは、一定数の上場企業を含み、恣意性を排除した対象とするため、GICS(世界産業分類基準)における当社が属する産業グループ(4510:ソフトウェア・サービス)に同様に属する国内上場企業のTSRとしております。評価期間は、2016年3月末を基準として評価をしておりその推移は次のとおりとなっております。
(TSRベンチマーク)
2017年3月期2018年3月期2019年3月期2020年3月期
同業他社平均126.1%182.2%184.3%168.3%
当社160.7%190.8%158.0%189.7%

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