有価証券報告書-第22期(平成30年10月1日-令和1年9月30日)

【提出】
2019/12/20 16:03
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147項目
(経営成績等の状況の概要)
「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
2020年のスマートフォンを中心とした動画広告市場は順調な成長が予想され、前年比26.9%増の3,289億円に拡大し、2023年には5,065億円に達すると予測されております(注)。
このような環境のもと、当社グループは、スマートフォン市場の成長を取り込む一方で、中長期の柱に育てるため、前期に引き続き「AbemaTV」への投資期と位置付けていることから、当連結会計年度における売上高は453,611百万円(前年同期比8.1%増)、営業利益は30,825百万円(前年同期比2.2%増)、経常利益は30,493百万円(前年同期比6.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,694百万円(前年同期比65.1%減)となりました。
出所 (注)当社/デジタルインファクト「国内動画広告の市場動向調査」
セグメント別の経営成績は次のとおりであります。
①メディア事業
メディア事業には、「AbemaTV」、「Ameba」、「タップル誕生」等が属しております。
前期に引き続き、「AbemaTV」への投資期でありつつも、売上を伸ばし、売上高は37,304百万円(前年同期比18.5%増)、営業損益は17,838百万円の損失計上(前年同期間17,764百万円の損失計上)となりました。
②ゲーム事業
ゲーム事業には、㈱Cygames、㈱サムザップ、㈱Craft Egg等が属しております。
主力タイトルが好調に推移し、売上高は152,224百万円(前年同期比3.9%増)、営業損益は26,040百万円の利益計上(前年同期比2.9%増)となりました。
③インターネット広告事業
インターネット広告事業には、インターネット広告事業本部、㈱CyberZ等が属しております。
新規広告主の開拓に注力し、売上高は260,212百万円(前年同期比7.8%増)、営業損益は20,609百万円の利益計上(前年同期比3.4%減)となりました。
④投資育成事業
投資育成事業にはコーポレートベンチャーキャピタル、㈱サイバーエージェント・キャピタルにおけるファンド運営等が属しており、売上高は6,428百万円(前年同期比50.8%増)、営業損益は4,593百万円の利益計上(前年同期比74.6%増)となりました。
⑤その他事業
その他事業には、㈱CAM、㈱ウエディングパーク、㈱マクアケ等が属しており、売上高は18,947百万円(前年同期比7.7%増)、営業損益は907百万円の利益計上(前年同期比50.1%減)となりました。
財政状態の状況
当連結会計年度末における総資産は224,876百万円(前連結会計年度末比607百万円の減少)となりました。これは、主にソフトウェアの減損損失計上に伴う減少によるものであります。
負債は114,523百万円(前連結会計年度末比1,710百万円の減少)となりました。これは、主に買掛金及び未払金の減少によるものであります。
純資産は110,352百万円(前連結会計年度末比1,102百万円の増加)となりました。これは、主に非支配株主持分の増加によるものであります。
自己資本比率は35.2%(前連結会計年度末比1.0ポイント減)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比べて7,816百万円減少し、84,563百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは14,917百万円の増加(前年同期間は28,394百万円の増加)となりました。これは、主に利益の計上及び法人税等の支払によるものであります。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは18,000百万円の減少(前年同期間は22,410百万円の減少)となりました。これは、主に固定資産の取得によるものであります。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは4,662百万円の減少(前年同期間は39,748百万円の増加)となりました。これは、主に配当金及び投資事業組合員への分配金の支払によるものであります。
(3) 生産、受注及び販売の状況
① 生産実績及び受注実績
当社グループの事業内容は多岐にわたっており、受注生産形態をとらない事業も多いことから、セグメント別に生産の規模及び受注の規模を金額あるいは数量で示すことが馴染まないため、記載しておりません。
② 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)
メディア事業37,304+18.5
ゲーム事業152,224+3.9
インターネット広告事業260,212+7.8
投資育成事業6,428+50.8
その他事業18,947+7.7
セグメント間取引△21,506
合計453,611+8.1

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③ 仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称仕入高(百万円)前年同期比(%)
メディア事業35,525+11.5
ゲーム事業34,727+16.8
インターネット広告事業211,716+9.3
投資育成事業3,023+563.8
その他事業6,986+25.7
セグメント間取引△19,877
合計272,102+12.4

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積もりについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
(2) 経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度における売上高は、インターネット広告事業における新規クライアントの開拓や、ゲーム事業の主力タイトルが好調に推移したことにおける課金収入の拡大等により、453,611百万円(8.1%増加)となりました。営業利益は、中長期の柱に育てるため「AbemaTV」への先行投資を引き続き行い、30,825百万円(2.2%増加)、経常利益は30,493百万円(6.8%増加)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、ソフトウェアの減損、オフィス移転に伴う費用、税金費用及び非支配株主に帰属する当期純利益等の計上により1,694百万円(65.1%減少)となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況の分析
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績等の状況の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(4) 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、84,563百万円となっております。
既存メディア事業、インターネット広告事業及びゲーム事業の拡大に伴う運転資金、「AbemaTV」への先行投資、投資育成事業における投資や将来的なM&A等の可能性に備えております。
なお、当社グループは資金調達の機動性及び安定性の確保を目的として、複数の取引金融機関と当座貸越契約を締結しております。
(5) 経営方針、経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、株主の皆様に対する利益還元を経営の重要課題と認識しており、事業の成長、資本効率の改善等による中長期的な株主価値の向上とともに、配当を継続的に実施していきたいと考えております。
現在、中長期の柱に育てるべくインターネットテレビ局「AbemaTV」に先行投資をしており、投資期においても株主の皆様に中長期でご支援いただけるよう2017年9月期より「DOE(自己資金配当率)5%以上」を経営指標の目安といたしました。それに伴い、2019年9月期の期末配当金を33円とし、経営指標の目安としている「DOE5%以上」を達成いたします。引き続き、ガバナンスを強化しながら、中長期で応援いただけるよう企業価値向上に努めてまいります。